激怒のアカムで~す。は?怒ってる理由だと!?ハンターが来たからに決まってんだろうがぁ!いきなりやってきて何て言ったと思う?あの
『ちっさ!』
だとさ!確かに小さいさ!何で未だにドス強サイズなのか理解できねぇよ!毎日のように大型モンスターを食っているのに!大人のアカムとか都市伝説だろ!アカムは皆俺サイズだ!
まあそれは大人しく怒りを飲み込んで堪えてこりあえず撃退にかかろうと思って威嚇したら、何か咆哮しちゃったし、威嚇のつもりだったから威力は小さかったんだけどね。そして咆哮は二人のハンターにはガードされ、一人は回避、性能持ちだな。そして一人のハンターは硬直・・・。最後の人だけ可哀想だね。
腕にそれぞれ突きを食らったが、ここ最近火山に潜っていたせいもあって強度はお墨付き、弾き返したぜ。どうやら攻撃場所を後ろ足にチェンジしたようだ。さぁて、攻撃するかなと思ったら頭に衝撃。今度はあの咆哮食らってたハンターが攻撃してきた。当然弾き返す。
楽勝かな、と思っていたら何かそのハンターが文字通り目の前でカチ上げられた。見るとハンマーを持った女性ハンターがいた。あ~あ、ハンマーが嫌われる原因だよ。頭の前に人がいるなら声掛けてからでしょうに。ああいう人がいるがいるからハンマーは嫌われちゃうんだ。
なぁんて他人事と思っていたが何か背中に衝撃を感じた。あ・・・。乗られた?
そして俺はハンターを振り落とそうと頑張った。けれど謎の切れ味を誇る剥ぎ取りナイフで背中をメッタ刺し、これは痛い。たまらずダウンを奪われた。その間にも攻撃を受けた。頭にはハンマーの溜め攻撃で弾かれる事はなく攻撃してくるし、背中にはガンランスの肉質無視の砲撃、腹部には的確なランスの突き、尻尾には双剣の連続攻撃。あ~あ、ついてない、ってそれよりも痛い!痛いです!特に腹!あんまり肉質硬くないんだから!
ってなわけでブチギレてます。いいよね?元人間だけどこれで日本国憲法に違反するとか言われたら裁判所壊滅させる自信あるよ。まあモンスターに適応されねぇか・・・。
撃退で済むか天界に召されるかどうかはあいつら次第。もっと愉しませてあげるから駄目になるまでついてきな!
わぁ、格好いい。多分俺鬼になれる。
俺がモノブロス・・・。じゃなかった、鬼の四天王の一人のパクリのセリフを心の中で唱えながらハンターの方見たら一箇所に固まってます。固まってるほうがやりやすい。
「キュアアアア!(ここからが本番じゃボケェ!)」
咆哮をかますがハンター達は効果圏外、無駄だったか。しかし俺落胆せずに最近覚えたジャガイモで岩をハンター達に向けて飛ばした。ティガに著作権とかないし勝手に使っても平気だよね?
とガンランスとランスが前に出てきてガード。むぅ、あいつら邪魔だね。先にあいつらか・・・。
俺は間髪入れずに反対の手で再びジャガイモ。とまたガード。攻撃は通らないがスタミナは減っていくだろう?
俺は両手で交互に高速で岩を飛ばした。例えるなら某野菜惑星の王子、何なら、ダダダダダダダダダダダ!、とか掛け声つけてもいいレベルだ。まあ大体土煙で敵が見えないって時はほとんどダメージないし。それに相手がピンク色の魔人だったら体分解していつの間にか背後にいて岩盤浴(本家には負けるが)だし、まあ目の前のハンターとピンク色の魔人に共通点が無いわけでもない、え?あ、ほら、(頭の中が)ピンク色の(物欲)魔人。ほらな、一致したろ?
つってる間にもガンランスとランスのノックバックが大きくなってきましたね。ここらでいいか、大分削れたろ。相手のスタミナも、俺の足元の地面も・・・。もはやクレーターだよ。
ここで球状ソニックブラスト、これは速射性能が高いので牽制などに重宝している。これで散らばってくれたら儲けもん。ランスとガンランスさえ離してしまえばあとはガードできない二人、ソニックブラストの一、二発でも叩き込めばネコタクが来るでしょ?
てな感じで撃ったらランスとガンランス吹き飛んでいきました。あらまぁ、こんなに強いとは思わなかったんだけどね。
とハンマーが突っ込んできましたよ。馬鹿だろ。さすがにハンマーつったって正面から頭狙いに来るとは・・・。と俺が轢き逃げをしてドリフトで再度轢いてやろうかと考えていたら、突然荒れ狂う光の濁流が俺の視界を真っ白に染め上げた。ちょっと厨二くさい言い方だが、要するに閃光玉。わぉ久しぶり。これ食らったの生まれたて以来だよ。いやぁ懐かしい。
とまあ現実逃避で目が見えないのもスルー、と頭に衝撃。んだよ現実逃避中に頭に衝撃加えんなよ。本当にリアルから逃避するよ?二次に行っちゃうからね?
まあ現実逃避もここまでにしてと、普通アカムトルムってのは閃光玉くらうと約五秒間その場で威嚇しかしない。まあ本当は閃光玉の効果は二、三秒位らいしけれどモーションが遅いから五秒くらいになるんだって!以上、本日のアカム講座でした~。
でも4Gでは閃光玉を連続で投げると途中で潜行されるらしいし、Fの特異固体は使った瞬間怒り出すらしい。俺は既に怒り状態なので怒り出すなんてものは出来ない。まあ怒り状態の間に怒り状態上書きとかハンター絶対泣くな。
未だ頭には衝撃が、これはスタン取られるのも時間の問題だな。どうせ近くにいるんだろ?なら適当に攻撃させてもらう。
俺は立ち上がって咆哮。これで周りの敵は一掃出来たはず・・・。と俺が元の姿勢に戻ると・・・。
ガァン、キィン!
何ででしょうね?頭に衝撃がくるんですが、あ、そうか性能持ちか。じゃあ瞬間的な攻撃は無駄か。どうしよっか。
と視界が回復。頭の前にはハンマーが。危ねぇ!
俺が車庫入れで下がるのと同時にハンマーが思いっきり振り下ろされた。
俺は力入れ、仕返しとばかりに通常ソニックブラストを見舞う。それを性能で回避するが、俺はそのまま頭を動かし、追跡する。性能だってずっと無敵じゃないんだ、隙はある。
俺のソニックブラストを食らって吹き飛ぶハンター。それにガンランスとランスが近寄って助け起こす。あ、回復したんですね。ってそういえばあの双剣ハンターは?
・・・何か隅っこのほうで手帳にメモってました。何あれ?核地雷?BC待機じゃなくて狩場でメモってずいぶん余裕ですね~。そしてそのハンターが皆のところに戻った。
しかたない、的が小さかったから使いたくなかったんだけど・・・。
俺は力をこめて、大きく息を吸い、前方にソニックブラストを放った。ただしビームソニックブラスト。
だが当たり判定が小さいせいか直線から回避される。それでも俺は首を振るって軌道を変える。性能がついたハンターがダメージを負っている今、回避は難しい。盾を持ったハンターは二人いるがどの程度まで耐えられるかは不明。これを回避するにはジャンプするか地面に潜るしかない。まあ操虫棍がいないから大ジャンプは出来ない。てことで二人はガード確定。もう二人は盾の後ろでやり過ごすしかない。まあそれより・・・。
盾が持つかな?
スターリンside
竜のソニックブラストが俺達を狙って襲い来る。それを回避するものの、今度は薙ぎ払うように軌道を変えてきた。何とかティムとティルムの後ろに回りこむが、二人もガードが精一杯、というか既に限界が近い。ルフナはこの隙に回復。え?俺?メモしてるけど何か?だって目的はあくまで捕獲だが調査も含まれてるなら調査はするべきだ。それにあの竜の戦闘能力が高いのは既に分かった。正直言って勝てない。撃退だってできるか分からないだろう、というわけで今は調査に専念。
「盾がっ・・・」
「僕も・・・」
見ると双子の盾にひびが入っている。あの攻撃を耐えしのいだのだからガタがきてもおかしくないと思っていたがまさか壊れる寸前とは。って危ないな・・・。
俺は独断で閃光玉を投擲。光が辺りを包み、竜の悲鳴が聞こえた。目を開けると竜はその場で暴れ狂っていた。俺が双子を見るのと双子の盾が壊れて地面に落ちるのが同時だった。
「ありがとう、危なかったよ」
「でも盾が・・・」
ティムが俺に感謝を述べてくるがそれどころじゃない。ガンランスやランスは機動力を犠牲にする代わりに堅牢な盾を使って狩りをする武器であり、盾が無い今は退くべきだ。
「撤退しよう。あいつの行動パターンはあらかたメモした。これだけでも十分だ」
「そうしよう、今やっても・・・危ないっ!」
ティルムが声を張り上げた。見ると竜の閃光玉の効果は切れていて、巨岩がこちらに向かって飛んできていた。
俺はほとんど感覚で横に飛びのいた。しかしティルムは行動が遅れた。今から回避しても間に合わない。それを突き飛ばす影が一つ。ルフナだった。ルフナはティルムの身代わりに攻撃位置に出てしまった。膨大な質量の前に無駄だと分かっていてもハンマーを構え防御の姿勢をとるルフナ。そして岩が激突した。
「ルフナさん!」
突き飛ばされたティルムが叫ぶ。衝撃が突き抜けた後に、土煙が晴れ、様子が明らかになった。
咄嗟にハンマーを構えた事が功を奏したのかルフナは岩に押し潰されずにいた。どうやら当たった瞬間に岩が砕けたのだろう。しかし構えたはずのハンマーは消えていた。砕けたのだろうか。ルフナの腕はダラリと力なく垂れており、顔も青ざめている。
「大丈夫?」
ティムが駆け寄るのを見て俺はまた閃光玉を投擲。また竜の悲鳴が聞こえた。俺も近寄って怪我の状況を確認する。
「あはは・・・この腕じゃ戦えないな・・・」
なるべく軽く笑って言おうとするも痛みにその顔が歪む。折れているのだろうか?応急的なことすら出来ない今は一刻も早くこの戦闘区域を抜けるしかない。双子も盾がない今戦闘は出来ないだろうしな・・・。動けるの俺だけですか。
幸いにもベースキャンプは近い。双子が協力すれば腕が折れていてもルフナは崖を上れるだろう。それにモドリ玉があるなら一番だ。
「モドリ玉は持ってるか?」
俺の問いの意味を理解したのか皆の顔が曇った。仮にもG級ハンター、こんな形でクエストに失敗するのはプライドが許さないのだろうか。
「持ってない・・・」
「僕も・・・」
「私も」
あ~あ、俺も持ってないんだがな。まあ仕方ない。ここは最後の閃光玉を使うしかない。
「退くぞ、動けるか?」
「歩くのは問題ないよ」
そういうルフナだが、体にも相当なダメージを負っているのだろう。閃光玉一つでこのエリアを離脱できるかどうか・・・。
「俺があいつを相手をしておく、その間に逃げろ」
俺格好いい!まあこれが死亡フラグじゃなかったらの話だがな。悲しいね、初めての格好いいセリフが死にに行くセリフなんだから。
「でも・・・」
ティムが不安そうに言うが、俺はその声を遮った。
「最後の閃光玉だ、投げるぞ!」
そして閃光玉を投擲、これで閃光玉のストックはゼロ。調合分までは持ち込んでいないのでこれが最後になる。
俺が有無を言わさない事を受け止めたのか双子はルフナに肩を貸しながらエリア1に向けてゆっくり歩き始めた。それを横目に見ながら俺は手早くシビレ罠を竜の足元に設置、これでもう少し時間は稼げるか・・・。
シビレ罠が音を立てて小規模の爆発を起こした。チッ、シビレ罠は効かないか。
俺は手帳にメモを取りながら、落とし穴の設置をした。さすがに落とし穴は効くだろう。
ネットが展開され、落とし穴が口を空ける。そして竜は穴に落ちた。さすがに飛行器官がないので飛び上がる事もできない。暴れ続けている。落とし穴は有効っと・・・。
俺は未だエリアを脱していない三人のところへ向かい、手帳を渡した。
「これを頼む、あの竜の行動パターンや閃光玉の効き具合がメモしてある」
あえて、マスターに渡せ、などという自分は帰ってこないかもしれない、と思わせるような言葉は控えた。それでもその可能性は皆分かっているだろう。それを分かった上での行動だ。別に俺が帰ればいい話、ただそれだけ、けれどそれだけの事ができない俺。多分俺は死ぬだろう。あの竜の大きさじゃエリア1にだって十分入る事は可能だろう。俺の目的はあいつらがエリア1に逃げるまで時間を稼ぐ事じゃない、あいつらがベースキャンプまでたどり着くまで時間を稼ぐ事だ。それまでこの身が持つかどうか。
「早く行け!」
「戻って・・・きなさいよ・・・」
ルフナの搾り出すような声を聞いて俺は何も言えなかった。そのまま背を向けて走り出す。向かうは竜の元、ようやく落とし穴から脱した竜の正面に陣取り、横に走り出す。これで俺に注意にを引き付けられる。
何分耐えられるか、な?
俺の視界が赤く染まっていく、ブラキⅩヘルムの中の俺の顔は苦痛に歪んでいるんだろう。頭が痛い、恐らく血が出ている。朦朧とした意識も視界が赤いのもこのせいだ。さっき突進を避けた際に尻尾で思い切り弾き飛ばされて受身も取れずに地面に叩きつけられた。
ふらつく脚で立ち上がり、竜を見据えて双剣を構える。もう既に回復薬なんざ残っていない。時間の流れが分からない今、あいつらが行って何分経ったかも分からない。ルフナの腕を考えるとまだキャンプに達していないだろうな。
俺の肩はギシギシと悲鳴を上げている、それは体の全てに言える事だ。幾度と無く攻撃を食らい、恐らく肋骨や大腿骨にもひびが入っていたり折れている。当然こちらから攻撃する事は皆無になった。
フラリ、と体が崩れ落ちる。何とか膝立ちで堪えるが既に体は限界のようだ。ここまでか・・・。
見ると竜はジッ、とこちらを観察するような目をしていた。緑色の目はこちらの何もかも見透かされているようで少し居心地が悪かった。
そして竜の甲殻がスライドし、そこから鉄の棒が飛び出した。なんだあれ?・・・これ手帳にメモしてねぇな。
アカムside
目の前には瀕死のハンター、恐らく仲間を逃がすためにここに留まっている。恐らくな、ハンターたちの会話が分からないのはすぐに気がついた。なにやら見知らぬ言葉を使っていた。別に驚きはしなかった。俺は日本人だったし、今はモンスター、明確な言語は分からない今、ハンターの会話が分からなくても不思議は無い。
それよりだ・・・。
目の前のハンターは自らここに残る事を選択した。恐らく仲間を守るために、たとえ自分が死んだとしても。それはこのハンターの中で導き出された答えであり、間違いではなく、正解だ。それが正しいとは限らない。正しい事なんてのは人の数ほど存在するものであり、人一人で決められはしない、恐らく人が何人集まったとしても決められはしない。だからこそ俺はその正解を否定しない。自分の中で出た正解なんてものは誰にだって理解はされない。それは分かっている。
だが、肯定は出来る。訳なんか分からなくても肯定はできる。理由なんて知らない。けれどその答えは間違いなく正解であり、否定されるべきではない。
善と悪の定義とも似ているのかもしれない。善と悪とは正反対の存在と言われている。光と影と言ってもいい。片方が存在するためには必ずもう片方が必要になる。善、つまりは正義のヒーローが存在するためには絶対的な悪が必要だ。悪のおかげでヒーローが光を浴びられる。光もそうだ、影が濃ければ濃いほど光は明るく輝ける。
ようするにだ、相手の正解を善にするには悪が必要だ。
相手をヒーローにしてやろうじゃねぇか、今の俺は人間に対する脅威、悪であり、ハンターは仲間を守るために一人悪に立ち向かった勇者である。ここで俺があいつを殺せば死んだ伝説の勇者になり、俺は英雄を葬った巨悪。
俺は相手の考えを否定しない。だからこそ、
俺はあいつを殺す。
俺は電撃袋から電気を生み出し、鉄の棒にチャージした。後は撃ち出すだけ。俺はハンターを見つめた。膝立ちになり、武器や防具はボロボロ。一撃で楽にしてやろう。せめてもの心の気持ちだ。
お前の仲間はきっとお前の事を忘れないぜ。じゃあな、ヒーロー・・・。
俺は力を解放し、ソニックブラストを放った。
スターリンside
雷のような属性を纏いながらソニックブラストが俺に向かってくる。これで死ぬだろうな。最後に思ったことは意外にもハンター登録した際の事だ。きっとその時はこんな死に様になるなんて想像もしなかったんだろうなぁ・・・。それすら覚えてねぇや。
そう思うと涙が出てきた、ふっ俺らしくもねぇ、だがまぁ・・・。
最期くらいいか・・・。
じゃあな、ティム、ティルム、ルフナ。マスターによろしくな。それと・・・。何言うか忘れた。
地底火山に衝撃が走った。エリアの一部を完全に破壊しながらその衝撃波は一人のハンターの命を消した。その瞬間ハンターは善になり、竜は悪になった。
その夜、ギルドマスターはバルバレのギルドの銅鐸を鳴らし、全ハンターを集会所に集めた。そして生還した三人から聞いた内容を全て話し、黙祷をした。
後日、最大の警戒をして地底火山に向かったギルドナイトは現場で一つの何かを見つけた。それはボロボロになってはいたがブラキⅩヘルムの残骸だった。
そしてスターリンは英雄として名を残した。
対して竜は人間の敵だとして危険度を上げて再度クエストに出された。
ただそれだけの話。そう、ただそれだけ。
どうだったでしょうか?うまくいきましたかね?