極小アカムの異世界闊歩禄   作:艦これ@陸奥

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困った時はこう叫べ

 俺は突如視界を真っ白に染め上げられ、悶えていた。くそぉ!光がないと思ったら今度は光の地獄かよ!勘弁してくれ、なんで両極の地獄を味わなければならないんだ!

 

 と、俺の耳に何かが入ってきた。ん?これは・・・?銃声!?な、な、なんてこった!いきなり連れ出されたところが戦闘地域だったなんて。ああ、俺は自分の姿も確認できないまま死ぬのか・・・。

 

 けれど俺の耳はもう一つの音もキャッチした。それは明らかに人の声。それも4人ほどか?正確な人数は分からない。俺はコウモリじゃないんだ。超音波とか出せないし。

 

 そしてゆっくりと視界が回復していく、まだ慣れずに目をシパシパしていると、目の前の光景が分かった。

 

 焼け焦げた大地、そこには草木は一切生えていない。そして周りを流れる溶岩。そしてハイタッチをしている4人の人・・・。んん?最後のだけアンバランスなんだが、てかその人たち何してるの?こんなクソ暑そうな場所で。あれ、そういえば暑くないや。なんでだろ?

 

 

「よしっ、剥ぎ取るぞ!」

 

 

「「「ラジャー!」」」

 

 

 目の前の四人は俺がいるほうへ歩いてくる。丁度いい。保護しても~らおっと。いやぁ~タイミングよかったね。

 

 しかし俺は4人が向かっている対象が俺ではないと分かった。俺の隣の大きな物に向かって歩いていた。ちょっと軌道が違うから分かる。そして俺も隣の大きな物を見た。そして・・・。

 

 アカムトルム・・・だと・・・!なぜだ!貴様は三年前に俺が殺したはず!ではなく普通に考えておかしいでしょ。

 

 確かに目の前にいるのは正真正銘アカムトルムだ。体に無数に生えている棘、太く、先っちょにつめのようなものが3本生えている尾。そして代名詞でもある巨大な牙。折られてはいたが、十分その大きさが分かる。・・・でなんでここに?

 

 ってよく見ればあの人たち剥ぎ取りしてるし・・・。もしかして、いや~違うな、ほらあれだ、サバイバルゲームとかやってる人達のちょっと行き過ぎた人達だな。そうそう、絶対モンハンの世界とか無い無い、いまどき寒いって。だからお願い・・・。夢だって言ってくれぇ~!!!!

 

 

 しかし俺の豆腐メンタルには目の前の現実を受け入れられなかった。体では感じている。どう考えても今現在俺がいるところはモンハンの溶岩島に酷似している。だけど俺の心がそれを否定する。認めてしまったらもうあのニート生活に戻れなそうで・・・。

 

 しかし俺は現実逃避が永久発動できるほどメンタルポイント高くないから、すぐに諦めた。そして思考を違う方向へ向けることでそれを忘れようとした。

 

 

 それは、俺って何なの?という疑問だった。そういえば光を得た瞬間に目潰しされたからな、今思えばきっと閃光ハメだな。その証拠に全員グラビドギガカノン背負ってるし。ってかあいつらハンターだろ。

 

 

 なぁんて思って俺は自分の体の様子を確認した。 体に無数に生えている棘、太く、先っちょにつめのようなものが3本生えている尾。そして代名詞でもある巨大な牙・・・。ちょっと待て、この説明17行前で一回見たぞ。自分で言うのもなんだが俺は確実に少し前にこの説明をした。う~ん、ちょっと疲れてるのかな、アリナミンA飲んでくるわ。閑話休題。うん、アカムトルムですね。

 

 

 あっぶねぇ~!今この状況でハンターに声掛けてたら確実に死んじまう所だったぜ。挙句の果てにハギハギさえる運命しか見えない。もしくは闘技場で晒される。いやマジで勘弁、晒されるのはネットと学校だけで勘弁してくれよ。

 

 

「さて、剥ぎ取りも済んだし、帰るか!」

 

 

「これで装備が!」

 

 

「金欠から開放だぁ~!」

 

 

 ったくどっか行けよ。俺が人間だったなら泣いてでも引き止めるがアカムトルムである以上邪魔で仕方ない。おっ、行った行った。さぁて・・・。

 

 

 俺は死んでいるアカムトルムを眺めた。でけぇな・・・。俺は未だジャギィ程度か。それなんだけど、これ、俺の親だよな・・・。

 

 

 俺は微妙な気持ちになった。俺はどういう訳かアカムの体でモンハンの世界に来た。どういうわけだろうな、本当に・・・。なまじ人間だったころの生活が生活だから神様(笑)とやらがもう一度やり直す機会を与えてくれたのかもしれない・・・。ったく馬鹿だなぁ、俺も。神様は信じてないのにどうしてかこういう気持ちになる。

 

 俺は妙な悲壮感に暮れながら思った。強くならなければならないと。神様でもなんでもいいが俺はこの世界に新しい体を手に入れた。俺はこの世界でやり直す。身勝手で傲慢かもしれない。けれど構わない。俺はやり直す。この世界で。

 

 

 さて、そうなるための第一ステップ。食事。目の前の俺の親(?)を頂こう。すまないな、悪ぃが俺はあんたが大切に育てた子供じゃないんだ。そう思って俺は食事をした。俺の食事シーンなんて需要ないし誰得だって話だからな。あとでスタッフが美味しく頂きました、ってテロップ出しときゃ平気だろ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 食った食った。背中の甲殻の一部を食ったぜ。さすがに全部食えるわけ無いだろ。サイズ考えろサイズ。でもお腹いっぱいになった。ありがとうよアカムさん。あんたの死は無駄はしない。これさえあれば食料にも困らないから。ありがたく使わせてもらおう。

 

 

 そして俺は地面に何かが落ちているのを見つけた。ん?これは剥ぎ取りナイフだろ。ははぁ、さっきのへヴィさん達かな?・・・食えるかな?

 

 

「あ~!あった私の剥ぎ取りナイフ!」

 

 

 俺が馬鹿な考えを浮かべていたら後ろから声が聞こえた。あれ~、今俺結構マズイ状況だよね。って!逃げろ!どこでもいい!最悪宇宙のかなたでもどこでもいい!俺をここから逃がしてくれ!

 

 

「ん?あれ?なんか動いてる?」

 

 

 ギクリ・・・。見つかったか。年貢の納め時か。だがタダでは死なん!貴様も道連れだ!そう思って俺はそのハンターに向き合って威嚇した。

 

 

「キュアアアア!(お、お前なんか、こ、こ、怖くないぞ!)」

 

 

 俺はビビリか、少し前の威勢はどうした。思わず自分でツッコんでしまったが、相手は俺を見下ろしている。どうも俺はクソ小さいっぽい。ジャギィ程度なんて言っていたがどうにもオルタロスやクンチュウと同じ大きさっぽい・・・。悲しっ!アカムって大きいのが特徴だろ、なんで小さいのが特徴なんだよ。

 

 

「かわいい~!」

 

 

 は?お前脳内お花畑?アカムを前にして可愛いとか何様?平伏していいよ。特別に許す。

 

 

 しかしその(女性)ハンターは剥ぎ取りナイフをしまい、俺を抱き上げた。おいっ!やめろ離せ!

 

 

 しかし俺の心の願いは通じずに、そのハンターは俺を抱き上げて行ってしまった。

 

 

「キャアアア!(離せ~!)」

 

 

「あら~、元気がいいのね~」

 

 

 きっとペットのネコや犬もこんな気持ちなんだろうな・・・。自分の願い、意思が通じない。本来相手の気持ちなんて絶対に理解できないんだ。それは人間同士でも共通しているんだろうな。

 

 

 さて、アカムになった俺が思ったこと。困った時はこう叫べ。

 

 

「キュラァ!(バルス!)」

 

 

 当然光は出ずに俺は無駄な抵抗を続けた。ごめん、やっぱさっきの嘘。

 

 




 どうなる!アカムさん!
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