「にしてもアカムの子供がいるとは・・・」
「連れて来ちゃって良かったんですか?この子」
「いいのいいの~、可愛いでしょ?」
「アカムに可愛いって・・・」
はい、俺の前の4人の会話。ちなみに男二人、女二人。なんとも馬鹿みたいな会話が繰り広げられている。そういう俺は今あの女ハンターの腕の中だ。悲しきかな、俺を連れて帰ってきたこのハンターを他の3人は咎めもしないんだぜ、いや、普通は置いてきなさい!ってなるだろ。俺は捨て猫かよ・・・。
てか、離せ。邪魔だこの腕!あ~!くそっ!身動きが出来ない!なんてこった・・・。俺は人間に飼いならされるのか・・・。くそっ、人間ごときに!まあ俺も一応は前世は人間なんだけどね。とにかく脱出しよう。そうだ。早く溶岩島に戻らなきゃ!
「キャアア!(ったく離せ!この脳内お花畑がぁ!)」
「ん~?こんがり肉食べる?」
「私餌あげてみたい!」
俺はパンダじゃねえ!あの恐れ多きアカムに餌をあげたいだと!?ええい、無礼千万!切り捨ててくれる!
何もできねぇ・・・。原因は俺の持たれ方だ。あの動物にやってはいけない持ち方。首、及び腰をホールドされている。こいつ絶対アイルーとか持ち上げた事ないだろ。って肉出すな!こんがり肉だと!?高級サーロインでも持って来い!食った事ないがな!せめて龍頭だ!それで今回は特別に見逃してやろう。
「はいっ、あ~ん」
「キャ!(ちょ、おまっ!止めろ、口開けんな!ウグッ!喉に詰まるだろうが!)」
「お、食べた食べた」
「やっぱりお腹がすいてたんだね」
んなわけあるか!お前らのせいで窒息しかけたわ!だいたい俺を連れてってどうする気だ?今は小さいがアカムって大きくなるんだぞ!闘技場とか破壊してやる、でもそれだと結局殺されるな・・・。
俺がダークな未来を思い浮かべていた時、思いもよらない場所から救いの手が差し伸べられた。でもそれは救いの手ではなかったのかもしれない。だって・・・。相手が・・・。
「グオオオオオオオ!」
突然俺が監禁されていた竜車が大きく傾いて、横倒しになった。そして慌てるハンター達。
「おいっ!どうした!?」
その声に御者アイルーが慌てふためいて答える。
「いいい、い、イビルジョーですニャ!」
「何だとイビルジョー!?」
「はい!」
「皆戦闘準備だ!急げ!」
ちょちょちょ!なんで!?そもそもここどこ?なんでイビルジョーなんて!?で、俺はどうなるんだぁ~!頼む!イビルジョーに食われるくらいならハンターに殺されたほうがましだ!撃退を頼むぞ!けれど俺は知っていた。現実は甘くない事を。
「弾薬が足りません!」
「アイテムも残りわずかです!この状態での交戦はこちらに不利です!
「ちっ、閃光玉は?」
「一つだけ!」
「よしっ、外すなよ」
「了解!」
そしてハンターが閃光玉を投擲。俺はちゃんと目を塞いだ。けれど強烈な閃光は俺の瞼をつらぬいた。ちょっ!ざけんなぁ!
適当に歩き出す。とりあえずこの地獄から離れよう。そう思っての行動だったが、最悪の結果を生んだ。
「キュア?(ふぇ?)」
「グォ・・・」
視界が回復した瞬間に俺の目の前にはトゲトゲの顎、そう、トゲトゲの顎・・・。お分かりだろうか、イビルジョーの顎である。俺は適当に動き回った結果、イビルジョーの真ん前に来てた。あ、目が合った・・・。
俺は目を閉じて死を覚悟した。最悪だ。俺の心のに消えないトラウマを生んだイビルジョーに食われて死ぬなんて・・・。あいつの捕食行動を十回以上食らって挙句の果てにこやし玉尽きて死ぬとか、最悪だろ。
けれど俺が予想した痛みは襲ってこなかった。恐る恐る目を開けるとイビルジョーは俺に背を向けて歩いて行ってしまった。なんかよく分からんが助かった・・・。なんでだろ、イビルジョーっていつも腹ペコなんじゃないのか?どっちにしたって俺は生きてる。うん、おっけ。
さぁて、ここはどこかな?竜車の中からは景色が確認できなかったからな。
「キュキュ(氷海じゃありませんように)」
そこは・・・。地底洞窟だった。
早くも地底洞窟へログインしたアカムさん。さてさてどうなる事やら・・・。温かい目で見守ってください。
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