IS -錬鉄の女騎士-   作:skyfish

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私は大丈夫と思うけど

読者の皆様、それぞれからみると、白野TUEEEE!と捉えられてしまうかもしれません。


本編どうぞ


第9話「転入生」

「うっ……つぅ…」

 

体を起こすが、体のあちこちから痛みが伝わってくる。傷によるものではなくなにか筋肉痛のようなものとすぐに分かった。

 

「目が覚めたか」

「織斑先生…」

 

ベッドのすぐそばに織斑先生が座っていた。

 

「お前にはいろいろと聞きたいことがある。少しいいか」

「大丈夫ですけど………私何かしましたか?」

「………なに?」

 

白野の返答に疑問に思う千冬。あれほどのことをして何も思っていないのかと思った。

 

「先生。そういえば対抗戦はどうなったんですか? みんなは?」

「まさかとは思うが、記憶が無いのか?」

「………はい。すいません。正体不明のISに襲われたまでは覚えているのですけど、そこから先は…」

 

しばしの間沈黙が続く。するどい目で白野を見ていた千冬だが諦めたかのように溜め息をついた。

 

「対抗戦は中止になった。アリーナの被害が出たがけが人はいない。これまでにしよう。これは返すぞ」

 

千冬は赤い宝石のペンダント――『無銘』を白野に返した。

 

「それとお前のISが1次移行したことで名前が分かった。その名前は『無銘』だそうだ」

「無銘……ですか?」

「ああ。武器も曲者ぞろいだから、がんばって慣れることだな。体が大丈夫なら授業に参加しろ。第二グランドで行う。まあ、ここから寮に戻るのだろう? 少しばかり遅れるのは大目に見てやる」

 

そう言いながら千冬は病室から出て行った。

 

 

「………うまくいった、かな?」

(さあな。それとマスター、私と話すのならば念話にしてくれ)

(あ、そうだった。ごめん)

 

そういいながら白野はペンダントを見る。改めてみるアーチャーの待機状態。この状態は彼にとってなにか深い関係があるものなのだろうか? と思ってしまう。

 

(記憶のほうは戻ったか?)

(うん……全部思い出したよ。聖杯戦争のこと、誰と戦ったのか、全部)

 

念話でいいながら白野は左手を見る。聖杯戦争のときにあった令呪はない。ここが聖杯戦争とは関係がないから無いのだろうかと思うことにした。

 

(それとムーンセルからこんなメッセージをもらっているが…いくらなんでんもこれは破格すぎじゃないか?)

(なんなの?)

(一体なぜこんなことをしたのか、君に魔術回路が授けられている)

「………。

 ……………………。

 …………………………………………うそぉ!?」

 

思わず大声を出してしまった。魔術回路。魔術師として必要不可欠なものである。

 

と、聖杯戦争中アーチャーから昔の魔術師について聞いたことを思い出した。あの世界では古くからの魔術は消えてしまい、唯一残ったのが“魂の霊子化”だった。といっても自分はそれができたわけじゃない。

 

(いろいろ記憶が戻ったから言えるけどさ。私って死んでたわけじゃなかったんだね)

(そのようだな)

 

アーチャー――無銘が一次移行することで私の記憶が戻ったが、そのなかに私の正体についても含まれていた。聖杯戦争中、白野は過去に死んだ人間の魂――サイバーゴーストだと指摘されたが正確には違った。

 

岸波白野は生きていた。だが、ある病気の治療のために しそのままだった。その岸波白野の情報からムーンセルはNPCを作成した。だがそのNPCに自我が生まれた。

 

それが私。

 

(向こうの私はどうなっているかな…)

(さあな。だが、君は君だ。この世界でマスターの、岸波白野として生きていけばいい)

(そうだね。1つ聞くけどどんな魔術回路なの?)

(どうやら魔弾のシングルアクションのようだな。それ以外はない。まあ、使う機会はないと思うがね)

(試し打ちできないかな?)

(難しいと思うがね。基本、魔術とは秘匿するものだからな)

 

念話で会話しながら白野はベッドの横に置いてあった制服に着替えて病室を後にした。

 

 

 

 

第二グランドの更衣室で着替えながら白野はアーチャーと念話する。

 

(そういえばアーチャーはこの世界のこと知ってるの?)

(ムーンセルから情報はもらっている。今までの兵器に変わって出てきた女性にしか動かせない人形、インフィニット・ストラトス。通称“IS”今の私はそのISになっているのだろう?)

(そこまで知っているなら説明する必要ないか)

(この世界の歴史もその時にインストールされたが、おかしな世界だな)

(女尊男卑になった世界のこと?)

 

アーチャーがいうおかしな世界に白野は女尊男卑を上げたがそうではないと否定された。

 

(10年前の“白騎士事件”…これを行った者はどんな目的でやったのだと思う? 日本に対するテロ攻撃とも見えなくもないが効率的ではない。わざわざ世界中のミサイル基地をハッキングしなくとも簡単に効率的にできる方法はいくらでもある)

(言われてみれば、確かに…)

 

アーチャーの指摘に白野は自身でも考察を始める。

 

日本に恨みを持つ国はあるがそんな大胆なことをする度胸などないと思う。他国の基地をハッキングして敵国に撃つことは考えられなくないが、世界中のミサイル基地となるとそれを行う人員と規模が大きすぎる。

 

(この白騎士事件の1カ月前にISの発明者、篠ノ之束が世界に発表した……。そのあとに発生した事件のミサイルを迎撃した正体不明のIS“白騎士”…………あまりにもできすぎている)

 

考えてみればおかしな点が多い。あの事件をきっかけにISの普及が広まったのだ。いい意味でも、悪い意味でも。

 

(つまりアーチャーは、白騎士事件は自作自演だと言いたいんだね?)

(ほう。私の言いたいことが分かるか。聖杯戦争の記憶が戻ったからか、ようやくあの時の君らしくなってきたな)

(お世辞はいいから。つまり、白騎士事件は篠ノ之束博士が世界にISの力を見せつけるためにやったこと………)

(そう私は思うがね。迫りくる無数のミサイル、それを簡単に撃ち落とす白騎士……他者からしてみれば、絶望の舞台に現れた救世主みたいなものだな)

(最初からシナリオ通りに作られた事件………なんだってそんなことを)

 

ISは最初から認められていたわけではない。確かに発表当初は世界の反応は良くなかったと聞く。

 

当然だ。新しいものが生まれるとそれをすぐに認めることができない。それはあらゆる分野で言えることだ。いつの時代でもそれは同じである。それを篠ノ之束博士は無理やり認めさせたことになる。

 

(篠ノ之束には気をつけろ。実際に会っていないから分からんが、用心したほうがいい)

(アーチャーがいうならそのほうがいいのかもしれないね。分かった)

 

話を終えた私たちは急いでグランドに移動した。遅れてもいいと言われたがそれでも時間に間に合うように走った。今なら授業内容が言い終わるタイミングで間に合うかもしれない。

 

グランドに出るとすぐに人だかりを見つけた。集合しているからまだ授業自体は始まっていないのだろう。すぐ横ではセシリアと鈴がISを展開していた。

 

「よかった。まだ始まって「どいてくださーーーーい!!」……はい?」

 

いきなり聞こえた声に白野は頭上を見上げる。緑色のISを身に纏う山田先生が落ちていた。進路から見ても私に向かってはいないので安心したがその方向を見る。

 

「……あれやばいよね?」

(そうだな。直撃コースだ)

 

山田先生が落ちる方向に織斑君がいたからだ。彼は山田先生を見て驚いている。

 

……………なんで避けようと動かないのだろう。

 

「いくよ。アーチャー」

(了解した。マスター)

 

白野はアーチャー―――『無銘』を展開した。光に包まれたあとIS特有の機械染みた装備ではなく至って普通の服装をした状態になる。それを見たものは本当にISなのかと疑うが白野は微塵も思っていなかった。

 

(アーチャーの服装とおなじだね。と、それよりも)

 

白野は地面を蹴る。まるで生身で一陣の風になったかのような速さで織斑一夏の傍に近づく。

 

「え!? ちょ!!!」

 

まったく理解が追いつかない彼を気にせず、彼を抱きかかえた後跳躍し山田先生を回避した。着地する前に少し浮遊して衝撃を和らげたあと地面に足をついた。

 

「大丈夫?」

「お、おう」

 

今体験したことを驚きながら一夏は白野に返事をする。その一方で

 

「「「「「きゃあああああああ!!!」」」」」

「織斑君をお姫様だっこしている!」

「普通男が女をだっこするけど、逆もいい!」

「男の子のピンチを助ける謎の女性………いける!!」

 

なんだか黄色い声が聞こえてくる。まあ、もう慣れたからいいけど。それと最後の人。一体なにがいけるのか包み隠さず吐いてほしい。

 

織斑君を下し、ISを解除した。今度はそれで騒がしくなる。

 

「織斑先生、遅れました。すいません」

「遅れていいと言ったが、まあいいだろう」

「え。今のってISの状態だったの?」

「普通の服を着てるみたいだった」

「お前たち静かにしろ。さて、セシリア、凰、相手は山田先生だ」

「え、でも」

「ニ対一ですの?」

「大丈夫だ。今のお前たちならすぐ負ける」

「「む…」」

 

千冬の言葉が癪に障ったのだろう、セシリアと鈴音の瞳に強い闘志が宿る。

 

「それでは始め!」

 

織斑先生の号令でセシリア、凰、山田先生の3人が飛翔する。

 

「デュノア、山田先生が使っているISの解説をして見せろ」

「あっ、はい。山田先生のISはデュノア社製『ラファール・リヴァイブ』です。第二世代開発最後期の機体ですが、そのスペックは初期第三世代型にも劣らないもので――」

(デュノア?……………んん??)

 

知らない誰かの名前。そして、今織斑先生に言われて説明している人物を見る。

 

「ねえ。あの人って?」

「そういえば岸波さんはSHRいなかったんだよね。シャルル・デュノア君、世界で2番目の男性操縦者だって」

「へー」

「驚かないの?」

「いや、織斑君がいるなら他が出てきてもおかしくないと思っていたからさ」

 

近くにいた人にシャルル・デュノアのことを簡単に聞いた。2番目の男性操縦者らしい。

 

(ねぇ、アーチャー)

(なにかね?)

(あのシャルルって人……本当に男?)

(なぜそう思ったのだ)

(いや、根拠はないんだけど…勘? 雰囲気というか、中世的な顔立ちしているから女に見えなくないけど、なにかおかしいっていうか)

 

白野はシャルル・デュノアを見て違和感を覚えた。今見たばかりだから何とも言えないがそう思ったのは彼の体だ。パッと見では確かに男の体に見える。でもどうしてなのか男性の体のようには見えないのだ。いくらなんでも綺麗すぎる。最初に思ったのがそれだった。

 

(勘でか。今のマスターなら上出来と言ったところか)

(え…本当に女?)

(ああ。間違いない)

 

アーチャーが言うのならそうなのだろう。彼、いや彼女のほうを見る。周りから見ても自然な態度で説明を続けている。

 

(あまり驚かないのだな)

(まあ、似たようなものを実際見てるし)

(エルドラゴか)

(うん。けどあの人は男装してたわけじゃないし)

 

聖杯戦争の第1回戦で戦った英霊を思い出す。

 

フランシス・ドレイク

イギリスの海賊にして商人。生きたまま世界一周を成し遂げた英傑。また太陽の沈まぬ帝国スペインとの戦争で無敵艦隊を大敗させた英雄である。

二つ名は悪魔エルドラゴ。「太陽の沈まぬ帝国」を歴史の盟主から引き摺り下ろした、太陽を落とした人物………なのだがこの説明にすこし加えなければいけない事柄がある。

 

実はこの人、女である。その正体を知ったとき私は大いに驚いた。詳しくは知らないがどうやら彼女の性格などが男らしかったから時がたつにつれてそのイメージが人々に浸透し結果、男という記録になってしまったらしいのだ。因みに当の本人はそんなこと全く気にしてないようだった。

 

(あれとはまったく違うけどさ。なんで男装してるんだろう?)

(直接聞くわけにもいかんしな。あとで調べたらどうだ)

(そのほうがいいよね。穏便に)

 

そうアーチャーと念話している間にセシリアたちの模擬戦終わった。結果は織斑先生の予想通り。

 

「さて、これで諸君にもIS学園教員の実力が理解できただろう。以後は敬意をもって接するように! では実技に入る。専用機持ちはグループリーダーになって行うこと」

「それって私も含まれていますか?」

「当たり前だ」

 

あるからいいけどわたしそんな自信ないんだけどなぁと思いながら実習に取り組んだ。

 

 

 

 

その日の放課後

 

「もう落ち着いたからいいだろう。今日からもとの部屋にもどってもらうぞ」

「お世話になりました。それとゴミはゴミ箱へ」

「お前は私の保護者か」

 

一時的に織斑先生と同居していたがいつまでもそういうわけにはいかない。今日から元の生活に戻る。

 

「ああ、それと言い忘れたが1023号室は使えないぞ」

「え、何でですか?」

「シャルル・デュノアが来たことで篠ノ之が移動してな。お前の代わりに1023号室になった。よってお前の部屋は1055号室になる」

「分かりました」

「それと一応言っておくが、頑張れよ」

「? はい」

 

何を言っているのか分からなかったが白野はもう一度織斑先生にあいさつした後、新しい自分の部屋に向かった。

 

 

 

「ここね」

 

歩いて1055号室に到着した。私は鍵を鍵穴に差し込む。

 

「む、開かない…」

 

がちゃがちゃとまわそうとするが何故か動かない。鍵が間違っているのかと思ったが5回くらい試してやっと開けることができた。中に入るが誰もいない。

 

「あれ? まだ来ていないのかな?」

(そのようだな)

 

ドアを閉め鍵をした後私はベッドに荷物を置く。どうしようかと思い始めた時

 

ガチャ

「?」

ガチャガチャ

………

ガチャガチャガチャ

…………………………

ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ

「はーい。今開けるよー」

 

鍵を開けようと奮闘する誰かに声をかける。おそらくこの部屋になった人だろう。

鍵を開けてドアを開ける。

 

そこには綺麗な、銀色の髪をした少女が立っていた。

 

「遅い。いるならさっさと開けろ、のろま」

 

初対面の白野に対しいきなり悪辣に彼女はしゃべる。

白野は怒りもせず言い返しもしなかった。

 

何故だろうか。

彼女を見た時、一瞬だけ紫色の髪をしメガネをかけた褐色肌の少女………

かつての親友の面影を見た気がしたのは

 

 

 

 

これがもう一人の転入生、ラウラ・ボーデヴィッヒと岸波白野の出会いだった。

 




少し原作と違った文章にしてみました。

でもひでぇ……俺の国語力ひでぇ………

それと、読者に謝らなくてはいけないことがあります。

この物語で後にガンダムシリーズ作品から機体をパクってしまう可能性が出てきました。

そのほうが面白そうだな~と思っているのですが、多重クロスみたいなことになりそうでマジごめんなさい。

言っておきますが、ガンダムキャラ&歴代ガンダムは出ません。というか、絶対に出しません。出すならモノアイ機体でなにかとしてます。

こんな醜いこと言ってしまい申し訳ありません。

最後まで読んでいただけありがとうございます。
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