それと今回強引に話を終わらせました。
それを承知でお願いします。
言峰一家といろいろ話した後私たちはショッピングモールに向かった。ここはこの周辺で一番の規模を誇るショッピングモールだ。ここに置いてないものものはないと言わしめているほどである。
「水着売り場は二階ね」
「なあシャルロット。また服を探すのか? 昼前ので疲れたのだが」
「だめ。水着は絶対なんだよラウラ」
「かんちゃんの水着は何にしようかな~」
(両手ワキワキしてる……逃げようかな)
ラウラは午前中の服選びに疲れたのか。まあ、仕方ないだろう。ずっと軍属だった彼女は言わば箱入り娘だ。普通の女の子のような感覚は持ち合わせていない。少しずつでも持ってくれればいいのだけど。
「いらっしゃいませ。水着をお探しですか。ご案内いたしますが」
「いえ、私たちだけで大丈夫です」
「畏まりました」
店に入ると品のよさそうな店員がやってきたが、遠慮させてもらった。自分たちで見て選んだ方が面白いと思ったからだ。
「ねえねえ。折角だから最初はバラバラになって自分が良いと思った物を見せるっていうのはどうかな?」
「それだと良く知らないラウラが不利じゃない?」
「いや、自分で選ぶくらいは出来るぞ」
「それもいいね~」
「本音……ちゃんとしたのを選んでね」
大丈夫だよ~と本音がいいながら私たちから離れる。その後私たちも自分が似合うと思う水着を探しに散らばった。
「さて……私一人でもできるとは言ったが……」
多種多様。色も様々な水着を前にしてラウラは途方に暮れていた。午前中のシャルロットと洋服店員によるファッションショーさながら服を着せられたこともあり、さすがに今回もそうなるのは勘弁と思ったが、やはりどれがいいかなんて分からない。水着なら機能性に長けている学園指定の水着で十分だろうと考える。だが、ここで選ばなくて後に皆から馬鹿にされるのもなんだか癪だった。だから、自分の部下に相談することにした。
≪……受諾。クラリッサ・ハルフォーフ大尉です≫
「ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐だ」
≪おお、隊長。どうしました?≫
「うむ。すまないが、また訊きたいことがあるのだが」
≪はっ、なんなりと≫
「助かる。それで訊きたいことだが、海においてどんな水着が良いのだ?」
『海? ああ、そういえば来週は臨海学校でしたね。察するに自分の似合う水着が分からないと言ったところでしょうか?』
「ああそうだ」
ふむ。とクラリッサは少し考え込んだ後ラウラに1つ聞き返した。
≪1つお伺いしますが、隊長は今1人で店に来ているのでしょうか?≫
「いや、お姉様とその友人たちとだ。まずは自分の似合うと思う物を選ぶ目的でバラバラになっているが」
≪――――――バカなことを≫
「ば、ばか……だと?」
思わず耳を疑った。今までの部下への行いで陰から悪口を言われていたかもしれないが、いきなりダメだしをもらうとは思わなかったのだ。
≪隊長。念のため聞きますが、水着を楽しむのはどの瞬間と思っていますか?≫
「もちろん海だ。当然だろう」
≪そのとおりです。ですが、それでは90点ですね。パーフェクトではありません≫
「な、なに?」
≪確かに水着は海のためにあります。しかし、それ以外にもあるんですよ≫
「ど、どんなだ……?」
一体なんなのだとラウラは唾を飲む。出された答えは―――
≪今! 隊長がしている水着選びです!≫
「?」
≪説明しましょう。自分で水着を選ぶのもいいでしょう。しかし! 誰かと話しながら自分の、相手の水着を選んでいくのも醍醐味の一つなんです。そして今隊長がすべきは隊長のお姉様と2人で、一緒に、いっしょに! 二人きりで! 水着を選ぶことであります!≫
瞬間、ラウラは雷に撃たれたような衝撃を受けた。ような錯覚を覚えた。
≪隊長の女子力は周りに比べ低い―――いえないと言っても過言ではないでしょう。ですが、それを逆に利用してやるのです。『水着が分からないから教えて』 と言えば岸波お姉様も了承してくれるはず。それは紛れもなく姉妹の光景です≫
「まったく、お前というヤツは……! クラリッサ! 助力感謝するぞ!」
≪はっ。それでは失礼します≫
クラリッサとの通信を切った後ラウラは白野のもとに直行した。
選んだ水着を持ち皆が集まった。試着室は1つしかなかったからファッションショーよろしく一人ずつ着替えることになる。だが、その前に1人をのぞく誰もが言いたいことを言った。
『その水着はない』
「え~! なんで~!?」
「それ、水着じゃない。着ぐるみ……」
某ゲーム&アニメの人気キャラクター『ヒ○カチュウ』の着ぐるみにしか見えないそれを本音は選んでいた。売ってあることは別にしても何故これを作ったのか疑問に思う。一切肌を見せないそれはどういう客層目当てに考えたのだろうか。肌の露出を避ける風潮があるイスラム圏の人向けなわけないし。
「む~………ヒ○カチュウ好きなんだけどな……じゃあほかの選んで」
「ちょーーーーっと待ったーーーー!!」
本音が着ぐるみ水着を諦めかけたその時。薄紫色の髪をした女性が割り込んできた。
「あなたこのキャラの水着がいいのね? だったら私が一から作ってあげるわ!」
「あ、あのー………どちらさまですか?」
「あら。自己紹介がまだだったわね」
「皆様ぁ! わたくしはぁ! 朽木メディアでございますぅー! 朽ーー木ーーメーーーディーーーー」
女性の声が水着店に響き渡った。
後日
ドイツ基地内でシュバルツア・ハーゼ副隊長が血を流して倒れている姿が発見される騒動が起きたが外傷がまったくなく本人も問題なく職務に戻ったため真相は闇の中となった。
余談だが、その時の彼女のスマホ画面が『恥ずかしすぎて顔面赤面になった水着姿のラウラ』であったことは皆知らない。
簡単なキャラ設定
朽木宗一郎
月見ケ丘学園 社会の教科を担当する教師。実直と寡黙を絵に描いたような人物。余計な事は一切口にせず、悟りを開いた仙人や聖人のような近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが、生徒からの評判は悪くない。柔道部顧問。他にも合気道、拳法にも精通している。ある流派を習得しているが誰にも教えていない。その流派も10年前に途絶えている。更識家前当主とは非公式ながらも面識がある。10年前の苗字は『葛木』
朽木メディア
宗一郎の妻。結婚してまだ半年の新妻さん。職業はファッションデザイナーだが、イメージを書き上げるだけでなく自分で創り上げる技術も持っている。かわいい少女が大好きで、着飾るのがもっと好き。仕事の都合で日本に訪れた際、ゲリラ豪雨の災難に会うがこのとき宗一郎と出会う。
メル友:クラリッサ
なかなか話がまとまらなかった為短くなってしまいました。ごめんなさい
本当でしたらここに女尊男卑主義者に絡まれる両儀幹也さんとそれらと切り捨てる(誤字ではない多分)両儀式さんと両儀未那ちゃん(5歳)を考えていましたが、気力が持たなかった為断念しました。残念です。
さて、次回からやっと福音編に突入します。というかやっとできます。
海遊びでは本編とおまけで別けようと思っています。それではさよなら