IS -錬鉄の女騎士-   作:skyfish

8 / 29
すこし強引かもしれません。

本編どうぞ


第7話「再会“ファーストシフト”」

クラス代表戦当日

 

白野は保健室にいた。夢を見ていくにつれて頭痛がひどくなっていき、ついに警鐘のように鳴り響いた。

 

「それでは、これが痛み止めの薬になります。あまり無理しないでくださいね」

 

保険医の先生にお礼を言い保健室を後にした。今日はクラス代表が試合をする行事があり、1組代表の織斑一夏は2組の鳳鈴音とやるらしい。

 

なにも無理して見に行く必要はない。自室(織斑先生の部屋だが)に戻り、頭痛が治るまでゆっくりと休むほうがずっといい。だが、せっかく見ないで置くのも勿体ない気がする。あの時から彼女(鈴)の独り言に付き合ったがこれも何かの縁。2人が健闘するのをこの目で見ようと思いアリーナに足を向けた。時間は少しかかるがもし織斑君がねばっていれば試合途中で間に合うかもしれない。

 

アリーナに近づくにつれて試合の音が聞こえてくる。鈴の試合だろうか、と思っていたが突然アリーナの空が爆発した。

 

「な…なにがあったの?」

 

すぐさま学園中に警報が鳴り響く。いきなりのことで何がおきたのか頭がついていけない。だか、なにか良からぬことが起こっている。現に緑色の機体が自分の頭上を飛んでいった。今のは緊急時に動く3年の精鋭部隊。いったい何が起きているのか、確認しないと。兎に角、行かなくちゃ

 

まるで、何かにとりつかれたかのように

 

 

遅れてアリーナ着くと先ほど飛んでいった部隊が扉の前に集まっていた。そのうちの一人がパソコンを叩いている。

 

「なによこれ! いくらなんでも堅すぎでしょ!」

 

どうやら中に入れないで苦戦しているようだ。走りよりどんな状況か聞いた。

 

「すいません。一体何が」

「だれあなた? まあいいわ。簡単に言うと所属不明のISが浸入してきたのよ。それよりもあなたはここから消えなさい。じゃまよ」

 

1人にじゃまもの扱いされたがそんなことは気にせずあることに気が付いた。このアリーナは今まさに試合をしていた。もちろん観客席には学生…主に1年生がいるはず。それなのにこの緊急時だれ一人として避難していない。

 

(もしかして…閉じ込められている?)

 

そこから導き出されることは不明機がいる場所と壁一枚隔てた観客席に閉じ込められていることになる。アリーナのシールドを突破してきたやつだ。もしその攻撃が観客席に当たったらどうなるか。

 

ふと、夢で最初に見た内容がフラッシュバックする。屍の上に屍を重ねるかのように足元に転がるあの光景を。

 

それを思った瞬間頭痛が再発する。今までよりもひどく、だがそれに耐えた白野はパソコンを叩いている先輩からパソコンを奪い取った。

 

「ちょっと! なにするの貴女!」

 

うるさい。今話しかけないでと口には出さず、先輩と比べものにならないくらい速いスピードで指を走らせる。

 

「うそ、なにこの速さ」

 

横から聞こえる声を無視して作業を続ける。その間、白野は襲撃者のことを考えていた。襲撃者は乱入したと同時にアリーナのシステムを掌握した理由は何なのか?おそらくはアリーナ全体をロックし、学園部隊の邪魔が入らないようにしたのが目的だろう。

 

以前イギリスの軍ネットワークにハッキングしたが、こいつはそれよりも堅い。しかし白野は少しづつ、着実に解除していき、内部の一部のカメラと通信室の回線を取り戻した。

 

 

 

通信室からアリーナで繰り広げられる戦闘を見守っている中、通信が入ってきた。

 

「織斑先生、外の部隊から通信です」

「つなげろ」

≪もしもし、だれか聞こえますか!≫

「その声…岸波さん!? どうしてあなたが」

 

 

通信越しに聞こえてきた声が教師部隊の一人ではなく、自分の生徒である岸波白野だということに驚く真耶。すぐに千冬が返事を返す。

 

「岸波、なぜおまえがそこにいる」

≪そんなことはあとです。状況は?≫

「織斑と鳳鈴音が敵ISと戦っている。まだ生徒の避難ができていない」

≪分かりました。あと10分…いえ、5分でロックを解除させます。それまで時間を―――『ドオオォォン!』キャッ! な、なに!?≫

 

会話に割り込むように入ってくる爆発音。

 

≪なんよこいつ! まさかもう1機いたの!?≫

≪その子を避難させ『ガガガ!』―――――≫

「もしもし!? 白野さん? 白野さん!」

 

聞こえてきた内容から敵はもう1機いたのだとすぐに判断できた。真耶が必死に向こう側と通信をしようとする。先程まで白野の顔が写し出されていた画面はカメラ、或いはパソコン本体が壊されたのか画像が乱れたあと真っ黒になっていた。

 

 

 

 

 

織斑先生との話を中断させるかのように響いた衝突音。音がした方向を見るとそこには黒い全身装甲のISがいた。肌はすこしも見えていない。その外見から人が乗っているのを躊躇ってしまう。

 

「なによこいつ! まさかもう1機いたの!?」

 

先輩の1人が叫ぶ。彼女たちは知らないが今まさにアリーナで一夏たちが戦っているISの同型機だ。それが私たちに銃口を向けてきた。

 

「この子を避難させて―――!」

 

先輩が叫ぶや否や。敵はこちらを攻撃してきた。すぐさま散開して回避する。白野は先輩人に抱えられ難を逃れた。だがこの攻撃のせいで解除作業に使っていたパソコンが消し飛ぶ。

 

「く! やってくれたわね」

「あなたをここから退避させるわ。つかまって」

「大丈夫です。逃げるくらい自分でできます。私のことはおかまいなく!」

 

そういい、白野は自分のISを展開する。今の私は先輩方の邪魔者でしかない。すぐにここから離れようとする。

 

だが

 

誰かに見られている錯覚を感じる。ただ見られているのではなく、よくない者に興味を持たれたような感じ。その視線をたどると、そこにはあの黒いISの姿。

 

(やばい)

 

なんの根拠もなく、直感で判断した白野は急ぎここから逃げようとする。

 

それを否定するかのごとく、黒いISは白野の眼の前に現れた。

 

瞬間加速(イグニッションブースト)…!」

 

その動きを見きれなかった白野は黒いISの巨大な手に捕まってしまう。その勢いのままアリーナの壁に叩きつけられた。

 

「カ……ハ―――っ!」

 

あまりの衝撃に気を失いかける。口の中が血の味がする。

 

「こいつ! その子を離しなさい!」

 

先輩方が敵に近接ブレードを構えたが、敵はもう片方の腕に仕込まれてある銃を私のほうに向けた。どうやら私は人質になってしまったらしい。

 

「くっ!」

「卑怯者…!」

 

先輩方は苦虫を噛んだように顔を歪める。そんなことを気にも留めずにそれはゆっくりと白野の胴体を握る手に力を込めはじめた。

 

「…っ………ぁ!」

 

体が締めつかれる。呼吸が苦しくなってくる。このまま私は死んでしまうのだろうか?

 

「…………いやだ」

 

小さく呟いた。こんなことで終われない。なんとかこの手から抜け出そうと力を入れるが抵抗すると敵はさらに手を強く握った。

 

「あああああ!!」

 

体中に激痛が走る。この痛みはまさに地獄の責め苦をイメージさせる。こいつに逆らおうとすると今よりもさらに苦しい目に合う。それでも―――

 

諦めたくない

 

それは自分でも分からないものだった。何故そう思うのか自分でも理解できない。ただこんなことで終わるわけにはいかないと、そんな感情が心の底から湧き上がってくるのだ。

 

 

 

―――そうか。

理由はきっとそれだけだ。

 

 

 

「私は―――」

 

 

 

多くの夢があった。

多くの問いかけがあった。

 

 

 

 

「こんなところで―――」

 

 

 

おそらくまだ見ていない夢が残っているかも知れない

 

まだ知らないだれかがいるかもしれない

 

だから―――――分からないままで済ませるわけにはいかない。

 

夢の中で見てきた者たちのことを思い出すまで

 

切り捨ててしまった者たちもためにも

 

託されたなにかを思い出すためにも

 

 

 

「立ち止まるわけには……いかないのよ!」

 

 

 

分からないまま終わるのは、命ある限り許されない……!

 

 

 

 

 

 

 

―――やれやれ、随分と遅かったじゃないか。だがその問いかけ…不思議とあの時を思い出す。さすが私のマスターだ。ここは私に任せて、君は休みたまえ―――

 

 

 

懐かしい、赤い外套を身に纏うあいつが私に語りかける。

 

「――――――バカ」

 

そう呟いた白野は笑みを浮かべる。彼女の体が光に包まれる。目の前が白くなる中、白野は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

アリーナ内では、一夏が襲撃者である黒いISに疑問を抱いていた。

 

「なあ鈴、あいつ。おかしくないか?」

「おかしいって何が」

「なんか妙に機械染みてるっていうか…あれ、人が乗っているのか?」

「あんた何言って…」

 

反論しかけ鈴は思いとどまる。確かに今までのあのISの動きはどこかマニュアル通りというか、プログラム通りしか動いていなようにも見えるのだ。2人はそれを踏まえて攻撃を仕掛けることにする。

 

「よし、いk「一夏!」って、箒!?」

 

アリーナのピット付近に篠ノ之箒がいつの間にか現れていた。それに黒いISが銃口を向ける。

 

「鈴!」

「ああ、もう! 分かったわよ!」

 

2人はすぐさま行動を起こす。だが、黒いISは何かに気が付いたのか空に顔を向ける。だが、完全に向くよりも先に

 

 

 

光る何かが、アリーナのシールドを突破し黒いISの足元に弾着。凄まじい爆発が発生し黒いISが飲み込まれる。爆風に巻き込まれて左足がもげながら地面を転がった。

 

 

 

「なっ!?」

「今度は何なのよ!?」

 

 驚き、二人も空を見上げ、アリーナに入ってきたなにかを確認した。

 

「はく……の…?」

 

鈴が目に入った人物を確認し、疑問の声をあげる。

 

 

 

確かにアリーナのシールドを破って入ってきたのは岸波白野だった。

ただ、その姿がいつもの彼女とは違っただけ

 

 

彼女が身に纏っているのはISとは程遠い、全身黒の服装に黒のコート

黒のブーツに、白い革製の手袋

首に巻いてある赤いマフラー

 

 

そして

 

 

彼女の髪は白く、うっすらと輝いて見えた。

 




あとがき

ぎりぎり切のいい? ところでCCC発売に間に合わせたつもりです



そして、少し悩んでいることが

エクストラ紅茶の人生から一次移行と二次移行の名前を決めるつもりですが、どうしたらいいか悩んでいます。

  一次      二次
A:「錬鉄」    「無銘」
B:「正義の体現者」「錬鉄・無銘」
C:「無銘」    「錬鉄」
D:その他(これがいい、というものがあれば書き込みお願いします)

お知らせ:これからCCCに専念するため更新大幅遅れる可能性大

最後まで読んでいただきありがとうございます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。