インフィニット・ストラトス その選択の果てに   作:ウォーリー

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リハビリを兼ねての執筆。
一話はさっさと出したいです。


プロローグ

プロローグ

 

 

 

「どうして──こうなったんだろうな」

 

そう呟いた少年の表情はどこか疲れ果てた老人のようだった。

少年──織斑一夏は唯一人、ほんの数分前まで戦闘を行っていた街の一角に立ちつくしていた。

建物は燃え、今もどこかで崩れ落ちる音が聞こえる。さらに周囲には破壊されたISだったものが無数に散らばっていた。全てが切り捨てられ、打ち砕かれて、その活動を停止している。それらが戦闘の苛烈さを物語っていた。

 

 

 

一夏は周囲の安全を確認し、思考を戦闘時のものから切り替え、ISを待機状態にする。

複数のISを相手に一機で戦うことは今までもあった。だが余裕をもって戦うことなどできず、いつもギリギリの中で一夏は勝利を掴んでいた。今回もその例に漏れず、苦戦を強いられた。

適当な場所に座り込み、休息を取ることにした一夏。

(……どうして言ったけど、自分で選んだんじゃないか)

何を今更と、彼は苦笑する。

自ら危険な道を選んだのだ。自業自得なところもあるだろう。

瞼を閉じ、思い返す。

それは自身の源流。

幼き頃の憧憬。

守りたい──ただ、それだけだった。

物心ついていた頃には姉に守られていたから。

そして、自分が助けられた、あの出来事があったから。

守られていた自分は彼らの姿に憧れていた。

彼らのように大切な人たちを守れる強さが欲しかった。

最初の頃は全てを守ってみせるぐらいに意気込んで、暴力や悪意が跋扈する世界へと足を踏み入れた。そして、すぐに現実を知ることになった。

自分が守られている側であり、無力なのだと知った。

それでも、自分の周りの大切な人たちだけは何としても守ることを決めたのだ。

 

 

 

そういえば、初めて自分の手を汚したのはいつのことだっただろうか。

無我夢中に突き進んでいた頃に起きた事件。

命のやり取りをして、どうしようもなく命を奪った。

それが人を守るためだったとしても、人を殺めたことの重圧に潰れそうになった。

戦うことを恐れた。

守るということを放棄しようとした。

それでも立ち直れたのは、やはり守るためだった。

目の前にいる大切な人を守れるのなら、自分が傷ついても守れるのなら、それでもいいと思ったから。

大切な人たちを守れないほうがきっと後悔するから。

ISという力を手に入れても、それは変わらない。

守るために、ただそれだけのために戦う。

それが綺麗事であることはわかっている。

だから、どうしたというのだ。

それが諦める理由にはならない。

どれほど絵空事だと、傲慢、身勝手だと言われても構わない。

どんなに辛い道のりでも、進まなければならない。

足掻いて、足掻いて、足掻き続ける。全ては──

 

 

 

──大切な人たちを守り抜くために。

それが俺の、貫いている誓いだから。

 

 

 

 

 

「後方に敵多数接近。……一夏、気が抜けてる」

 

不意に通信が入り、一夏は意識を戦闘時のものへと戻す。

通信越しではあったが声の主は不注意だと咎めるような口調であった。

 

「うっ、すまん。これから攪乱してこの区域を離脱する」

 

素直に誤りを入れて、ISを展開する。

センサーでも敵機の反応を確認する。残りのエネルギーで相手取るのは無謀だと一夏は判断し、この場を後にする。

 

 

 

 空は何処までも薄汚れた灰色が広がっていた。

 

 

 

 

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