スパーダの人に溢れた大通り。
日頃から人に溢れる通りは、新たな年となり、更に祝日であるのも相まって、いつも以上に人の密度が高まっている。
そんな中を、スパーダ神学校の制服と、幹部候補の証たる赤いマントを纏った青年が、赤い髪を揺らして突き進んでいた。
ズンズンと歩むその斜め後ろには、ピッタリと一定の距離を保ちながら、淡い緑色の髪をポニーテールに纏め、汚れのない純白のエプロンドレス姿をした美貌のメイドが青年について歩いている。
「むむ、何やら強大な魔力を感じるぞ。偉大なるスパーダ建国の日に、何やら良からぬことを企てる者共がいるようだ。我が従者よ、心して警戒するのだ」
「そうですか、大変ですね」
突拍子のないことを、真剣な表情で警告する青年の言葉を、メイドは慣れた様子で聞き流した。
「民衆が平和を謳歌するなかで、無粋な真似をするのは、機関の者共に違いない。だがしかし、奴らの企てなぞ――」
更に詳しく語り出していると、ぐぅぅぅ、と間の抜けた音が、彼の言葉を遮った。
「…………」
言うまでもなく、彼の腹に住む虫の声だ。
決め台詞を自らの腹の音に遮られた彼は、仄かに赤くして押し黙った。自分の台詞を、自分の腹の音に遮られるのは、さすがの彼も恥ずかしい。
「祝日なのに、昼まで実技の補修でしたもんね。お腹が鳴るのも仕方ありません」
そんな彼に、メイドは躊躇なく追撃を行う。主従関係も何もあったもんじゃないが、二人にとってはこの距離感が日常となっている。
メイドの言葉に半泣きな彼の名は、ウィルハルト・トリステン・スパーダ。これでも、この国の第二王子である。
「な、何だ我が従者よ、腹が減っているのなら、何の気負いもせずに申せば良いものを……」
「鳴ったのはウィル様のお腹ですよ」
「だが案ずるな、全知たる灰色の頭脳を持つ我は、旨い料理店すら知り尽くしておる。ついてくるが良い」
「美味しいと評判のお店がある方向ですね。結構前から話題でした」
「ハッハッハ……それホントか?」
一切歯に衣着せぬメイドの、セリアの淡々とした言葉。
そんな他愛無い会話だけで、姉弟のような二人の間柄が窺い知れる。
氾濫したような人混みをかき分け、大通りへ。そして、工房区画から程近い場所まで数分歩けば、目的の店が見えてくる。
煉瓦造りの明るい色調をしたレストランは、数ヶ月前に開店してから、店の外観と料理の美味しさから、婦女子やカップルを中心に話題を呼び、現在では列を作るほどの人気店となっている。
そんな店の、しかも昼食時であるのも相まって、店内は当然満席である。
「少し並ぶ必要がありますね」
「そうだな……ん?」
入口の前には何人か席が空くのを待つ客がいる。長い列を作っていないのは、ピークの時間を過ぎたからだろう。こんな所で補修の、有り難みを感じない恩恵を肖れた。
ふと、ウィルハルトは視線をテラスへと向けた。
店内は満席で待人もいるにも関わらず、テラスはガラガラな状態であった。だが、待人達は誰も不満を漏らすことなく、大人しく席が空くのを待っている。テラス席には誰一人として行こうとしない。
不自然さに、もう一度テラス席に目を凝らす、たった一人だけ座っているのが見えた。
かなり見覚えのある人影が。
「…………」
ついでにいってしまえば、ウィルハルト自身こんな状況を起こす人物に覚えがあった。
「そこの給仕よ。すまぬが聞きたいことがあるのだが」
「はい。何でしょうか?」
「テラス席が空いてるようだが、座れないのか?」
近くを通り掛かったウェイターに声を掛ける。
女性受けが良さそうな制服を、しっかりと着こなした青年だ。かなり容姿が整っていて舌打ちをしそうになるが、何とか堪えて問い掛ける。
「あ、えっと……テラス席はちょっと……」
「何か不都合があるのか?」
テラス席と言った瞬間、あからさまに青年の顔が青褪め、申し訳無さそうな表情へ変わった。
「テラスには……その、ネロ・ユリウス・エルロード様がいらっしゃいまして……」
予想通りの言葉に、思わず溜め息を零しそうになった。
「……我は構わん。セリア、お主はどうだ」
「私も気にしません」
「そうか。給仕よ、案内してくれまいか」
「えっ、あ、はい、承りました……」
二人の言葉に口ごもりながらも、青年ウェイターは了承を告げると、二人をテラス席へ先導した。
木目調の丸テーブルの横を通り過ぎながらテラスに向かう最中、幾つかの視線が突き刺さる。その大半が、「何考えてんだ」というような、疑問を含んだものだ。
(モンスターでもあるないに……だが、仕方ないのだろうか)
視線を受けながら、些かの不満を覚える。だが、その視線の理由は、ある意味正当でもある。
それだけあのアホが可笑しいだけなのだ。
分かってはいるものの、その人柄を知る身としては、この反応には不満を抱く。
(悪い奴では、ないんだけどなぁ……)
テラス席に出たと同時に、空気が変わった。
ガヤガヤとした店内の喧騒が、冗談のように全く聞こえず、しんとした静寂に満ちている。
店内とはまた違う、白を基調とした高級感を漂わせるデザインのテーブル。
そこに、ただ一人で座り、ティーカップを傾ける男がいた。
腰まで届く、特徴的な長い黒髪のポニーテール。
伏せられた紅い瞳。
魔王の血筋にのみ現れる、黒髪紅眼を現代で唯一備えた男。
鬼神の如き戦闘欲の塊。剣を極めし者。アイツ絶対頭のネジぶっ飛んでる。
ネロ・ユリウス・エルロード。
王子としての人気は、ウィルハルト並に低い男だ。
人気はさておき、スパーダ神学校の制服を、少しも着崩さずきっちりと纏い、アンティーク調の椅子に座る姿は、名画か芸術作品の一つのような、そんな侵し難い雰囲気を醸し出している。
そんな彼を見て、ウィルハルトは口元に笑みを浮かべた。
「我が
一瞬の内に、店の空気が凍結した。
お前は一体何を言っているんだと。
危機感にも似た感情が、店内を駆け巡っている。
そして、ネロの視線が満足げなドヤ顔を浮かべるウィルハルトに向けられた。
「……っ」
びくりと、ウィルハルトの斜め前に居た青年の体か跳ねた。
凶悪な紅い輝きを宿す瞳から差し向けれる、無機質な視線。
美しさを感じるより先に、身の危険を感じる程の、いっそ凄惨な迄の美貌。
自分に向けられた訳でもないにも関わらず、青年は声にならない恐れを抱いた。
以前、知り合いの女生徒に誘われて観に行った『
戦意を宿す紅い瞳は、彼等の瞳と重なり、当時の恐怖が蘇る。
怯えを含む視線を受けたネロが、眉根を微かに寄せて、口を開いた。
「気配を抑えた
薄らと笑みを浮かべ、頭痛が痛い言葉が返された。
そんな台詞でも、この男が話すと現実味を帯びるのだから恐ろしい。
実際、『中二病』的な行動全てを、現実に再現出来るのだから笑えない。
「ふぁーっはっはっは、当然だろうっ!。我と貴様は古より続く、
「そうだ、その通りだ尊き好敵手よ。己の秘技
「言霊を操る術においては、貴様の剣にも劣らぬよ」
「ほう、ならば試してみるか? 汝の言霊が、己の刃に劣らぬかどうかを」
「……この場では国民を巻き込んでしまうだろう? 我等の対決は、相応しき場で執り行うべきだ。違うか?」
「そうか……だが、選定の時は刻一刻と迫っているぞ。いつ迄も対決を先延ばしには出来ぬという事実を、頭に入れておくのだな」
「承知している。くくく、我が秘奥義も、完成の刻は近い。我等の聖戦も、そう遠くない」
トレードマークである片眼鏡を輝かせ、芝居がかった立ち振る舞いと台詞を披露するウィルハルト。
対するネロも、椅子に座ったままであるが、代わりに魔力を発してそれっぽい雰囲気を醸し出し、発言に重み的な何かを加えている。
果たして、二人は認識しているのだろうか。
このやり取りを、不特定多数の良識ある観衆が見ているという現実を。
そして、二人が交流している事実が、二人の不人気に拍車をかけている事実に。
最早テラス席は痛々しいミニ劇場と化していた。
突然の演劇に、この展開が分かりきっていたセリアはともかく、ウェイターの青年は完全に置いてけぼりだ。ついでに言えば、この場を抜けるタイミングも逃しているため、動こうにも動けない。
いや、戻ると一声掛ければ抜けられるだろうが、それは出来ないし、やりたくもない。
詰みである。
「すみません。何でも良いので料理と、美味しいお茶をお願いします」
帰りたいと内心で半泣きしている彼に、助け舟が出された。
「はいっ! すぐお持ちします!」
脱兎の如く店内に戻る青年を横目に、今だアホな会話を続ける二人をジト目で見遣る。
セリアがウィルハルトの護衛を初めた当初から、この調子だ。幼馴染であるのだから、当然なのだろうか。
初めて見た時は目を疑った。『ランク5モンスターに特攻』を始め、ダンジョンに単身で『滞在』、竜王挑発、単身竜種討伐、その他問題行動多数。
問題児などと可愛らしい表現なぞせず、ただの狂人、狂犬と比喩される男と、もやしで中二病なウィルハルトが親密な交友関係を築いているなどと、誰が思うだろうか。
「――よって、我が白き聖剣は秘奥義を獲得するのであるっ!」
「そうか……なぁ、尊き好敵手よ」
「む?」
「そろそろ普通に話していいか?」
「許可しよう」
ふぅ、と息を吐くとすっかり冷たくなった安い紅茶で口を潤す。その所作は、同じ王族であるウィルハルトですら、感心を覚えるほどに見事だ。見慣れていなければ見惚れていただろう。
カップから口を離すと、ウィルハルトに楽しげな、普段は全く見せない、仲間でもあまり見ることの出来ない、優しげな笑みを向けた。
「お前が来てくれて助かった。一人は苦手なんだ」
「貴様は何時も心を通わせし盟友を連れておるからな。……また何ぞか厄介事を起こしたか?」
「最近は昔みたいに起こせる問題も無くなった。今日は前討伐した雪原竜の防具を発注しに行った」
「ほうっ!」
ネロの言葉に、ウィルハルトの目が輝いた。
それもその筈だ。竜の装備なぞ、その手の青少年にとっては大好物に他ならない。
それに、ネロの発注する武具は、製作者のセンスが良いのか、非常に格好いい。ウィルハルトも何度か着せて貰ってテンションが凄まじい事になった。
興奮気味にウィルハルトが何度も質問するのと同時に、少し遅い昼食が運ばれてきた。
厚い肉の挟まれたサンドウィッチと色鮮やかなサラダ。
一旦会話を止めて、食事に移る。
セリアとウィルハルトが頼んだ料理であるにも関わらず、自分は安い紅茶しか注文せずに、ウィルハルト達の料理を突いてくるネロに小言を言いながら、時間はゆっくりと流れていった。
※ ※ ※ ※ ※
「それではさらばだっ! 魔王の系譜よ!」
「お気をつけて」
高笑いを挙げて手を振るウィルと、短く別れの言葉を告げるセリアさんに軽く手を挙げて応える。
何だろう。今日一日が充実し過ぎて怖い。
装備発注出来る。ウィルと逢える。昼食代浮く。
日頃の行いが良いからかな? やばいしっぺ返しとか有ったら多分死ぬ。
そんな事を思いながら、二人と別れて、夕暮れの茜色に染まった道を歩く。
あと数分したら、この茜色も沈んで、夜の帳が降りるだろう。
ウィルと雑談したついでに、書店やら武器屋やらモルドレッド武器商会本店にお邪魔したりしてたら、大分遅くなってしまった。
ウィルといると楽しいから時間が早く感じてしまう。
あのノリも、昔は体を掻き毟りたくなったけど、ぶっちゃけ武技や魔法で技名叫ぶ世界なのに今更ってのに気付いてから、全く気にしなくなった。
てか
「……いいか、そんな事」
やっぱぼっちは嫌だなー。思考が変な方向に行く。
昼も何でか隔離されたしなぁ。あれかな、昔ノリと勢いで色々やった事の仕返しかな。陰湿極まりないよ。
内心で『隔離なうww』とか思って無かったら乗り切れなかったよ。本気で。
ウィルが何時もの二乗は尊く感じた。
ウィルマジ有能王子。
後セリアさんにマジ美人。ウィルに世話焼いてる時とかマジお姉さん。
俺もメイド欲しいよホント。
パッパに言っても、「護衛役はお前には不要」だとか「募集しても誰も来ない」だとか……。
泣いた。
「……ん?」
過去の出来事思い出して、軽く心の涙を流していると、不意に視線を感じた。
暗殺者かな? 珍しい。最近めっきり無くなったのに。
周囲へ視線を巡らせる。勘付かれないように、歩きながら。
ぼーっと歩いている内に、辺りはもう薄暗く、深い紺色に染まっている。視界は少し悪いな。
この時間になると、大通りから外れたこの道は極端に人気が無くなる。通り魔や不審者を警戒してだと思うが、俺は全く遭遇しないためよく通っている。
大通りの喧騒が、嫌に遠く感じる。耳を澄まして遠くから聞こえる声は、まるで耳元でノイズが鳴るように不快だ。
薄暗い周囲と相まっていっそ不気味といえる。
やめてよ。俺ってばそれ系すっごく苦手なんですけれども。
漏らすよ? イケメンフェイスの真顔で漏らすよ?
びっくりする程無様だかんな。
暗殺者ならさっさと襲ってきてよ。わざわざ人目の無い路地裏に向かってんだから。
「……」
路地裏に入ると、大通りの喧騒は殆ど聞こえず、僅かな風の音が聞こえるだけになった。
路地裏では灯りも無いため、通りの道より尚暗い。
月明かりで僅かに障害物が見えるだけだ。
無音と、無明。そして絶え間ない視線。
それが俺の恐怖心を否が応にも掻き立てる。
左手の掌に刻まれた魔法陣に魔力を流し込み、即座に中の相棒を引き抜けるようにする。
その瞬間、背後に気配が現れた。
反射的に体を反転させ、相手との距離を測ろうとして――
『ネロ』
耳元で、吐息が当たる程の距離で、女の声が囁かれた。
「――っ」
「あら、貴方がそんなに驚くなんて珍しいわね」
「お前……」
背後の気配から、声が掛けられる。囁いたのと同じ声。そして聞き覚えのある声だ。
風の魔法には、声を届ける魔法もある。恐らく、というか確実に、それの悪用だろう。
どうしてくれるこの野郎。暗いし革地だから分からないだろうけど、湿ってんだぞ。何がとは言わないが。
「……サフィールか」
「正解。良い夜ね、ネロ」
そう言って、サフィールは素敵な笑顔を浮かべている。男なら見惚れてしまいそうな程美しいが、俺は騙されない。
何故なら俺が本気でビビったのに勘付いたのか、眼鏡越しに見える瞳には、確かな愉悦が宿っている。
……襲うぞマジで。
「何の用だ。まさかこんな事をする為だけではないだろうな」
ガチトーンである。
いや、流石に紳士な俺でも、これにはプンプンですよ、はい。
「あら、何も怒らなくっても良いじゃない。わざわざ楽しいクエストを持って来てあげたのに」
にゃろう……全く、堪えてない……だと……っ。
うそん、それなりに怖い筈なのに。
まあ、今はいいや。それより気になる話題が出たし。
「クエスト?」
「ええ、これよ」
するりと、何処からか取り出した一枚のクエストの依頼用紙。どうやら他に掻っ攫われないように持って来たらしい。
そして、気になる内容のほうは――
クエスト・『局地的大嵐』
報酬・八千万クラン
期限・氷晶の月5日まで
依頼主・冒険者ギルド
依頼内容・ラティフンディア大森林にて、フェンリルの亜種が確認された。体格が大きいため、新たな縄張りを築く可能性もある。可及的速やかに、この個体の討伐及び撃退すべし。
既に二つのパーティーがこの個体に殲滅されました。お気をつけ下さい。
――ランク、5
自分の表情が、この上ないほどに笑顔を作っているのが分かる。引き上がった口角が痙攣し、鈍い痛みが走る。
だが、抑え切れない。
氾濫し、狂った様に荒れ狂う激情を、至上の歓喜を、俺は抑えることが出来ない。
あぁ、あぁ。
今日は本当に、何て日だ。
こんなに幸福な事があって良いのだろうか。
だが、喜びすぎる前に、確認しないと。
「ネル達は、同意したのか?」
ウィングロードの決まり、全員同意の上でクエストを受注する。
誰か一人でも同意しなければ、この夢のようなクエストは、本当に夢となってしまう。
そんな不安を含んだ俺の問い掛けに、サフィールは安心させるような表情と声音で、答えた。
「勿論、全員の同意を得ているわ。最後は貴方なの」
「……ああ、そうか」
「貴方は……どうしたい?」
ハハッ、本当に厭らしい性格をしているな、サフィール。
愚問だ。分かり切っているだろうに。
ああ、でも、今はどうでもいい。お前への感謝で破裂してしまいそうだ。
「行く。絶対に行くぞ」
「ふふっ、やっぱりね」
やっぱり、分かっていたんじゃないか。
まあいい。それより、明日から準備をしないとな。
折角の、初めての、ランク5。
一人で遊んで貰うのとは訳が違う、仲間と一緒の戦い。
待ち遠したい。
待つのが辛い。
待ち切れない。
この激情がままにスパーダを飛び出して、フェンリルに斬り掛かりたい。
あぁ、もう。頭がどうにかなってしまいそうだ。それ程の至福だ。
今でさえそうなら、本番はどうなってしまうのか。
そう考えるだけで絶頂してしまいそうだ。
「ねぇ、ネロ」
ランク5クエストの嬉しさで悶絶する俺に、サフィールの声が掛けられた。
「今から、時間ある?」
「……今からか?」
ああ、無いといえば無いし。有るといえば有る。
確か寮には消灯時間があったような気がするが、そんなの守った事がない。
だから有るといえば有る。
折角のお誘いだ。断ることなぞする訳がない。
「じゃあ、一緒に来てちょうだい。見せたい物があるの」
「見せたい物か?」
「そう」
そう言って、路地裏から通りの道へと出たサフィールは、振り向いてはにかむような笑顔を見せた。
何その恋する乙女的な
「ドラゴンの使い魔が完成したから……その、見て欲しいのだけど」
もうサフィールさん大好き。
すぐ行きます。今すぐ行きます。
「勿論だサフィール。喜んで見させてもらう」
正直金払ってでも見たいです。
そう言うと、月の光に照らされて、仄かに赤く染まったサフィールの顔が見える。
何このサフィール、めっちゃ可愛いんだけど。
使役させられたい。
「じゃあ、行きましょうか」
路地裏から出るとサフィールに腕を組まれた。
左腕にぎゅっと抱き着かれると、彼女の中々豊満な体が押し付けられて……なんと言うか色々凄い。
自前の白王桜が抜刀されちゃう。
そんな内心の危うさを、ネロフェイスはお首も出さず、そのままサフィールの研究所へ向かう。
ああ、今日は本当に素晴らしい日だ。
あの、サフィールさん? ちょーっとボデータッチが多くないですか?
嫌、とかじゃなくてですね、私めの白王桜さんがですね、見事に抜刀しそうといいますか……。
え、新作と戦わせてくれる? 壊さなければ何やっても良し?
どうぞどうぞ。こんな体で良ければ是非満足のゆく迄。
今回まとめ
ウィル尊い
サフィールの邪気が……消えた……?