ザ・ウォーキング・デッド in Japan シーズン3 作:永遠の二番煎じ
「優香さんはあの山奥で一生生活するんですか?」
「うん、和成と半年あの場所にいるけど盗賊はいないしゾンビも少ないからね。」
軽トラを降りて二人は住宅街の一軒一軒を物色する。
斉藤は右腰に矢の入った鞘をぶら下げ弓は左腰に、そしてリュックを背負う。
生田はナイフを右手に構え、念のために拳銃を後ろの腰に収納している。
玄関を入って生田は壁を叩く。
トントンと家中だけに響くように、するとゾンビが一体姿を現す。
土足で上がってゾンビの頭にナイフを刺す。
キッチンや押入れを開けて使える物を探すが、どうやら他の生存者に先を越されているようだ。
「ダメみたいですね。」
「そうだね。」
軽トラに戻って地図を見て作戦会議をする。
「この先に薬局がありますよ。」
「本当だ、横にはコンビニが隣接か。」
その頃和成は農園で作物を育てて管理していた。
「このトマトはまだ青いな。」
育てる作物の種類を増やして後々は家畜も育てようと自分の中で計画していた。
植物はなんとかなるが、動物はどうすればどうやって育てればいいのだろうか。
後方から誰かに殴られ気絶する。
夜暗くなって帰って来た時、
「今日は何もなかったですね。」
降りようとする斉藤を生田が止める。
「・・・待って、何かおかしい。」
「・・・」
斉藤は生田の険しい顔を見て緩めた気を一気にまた引き締める。
「盗賊ですかね。」
斉藤は冷静に推理する。
「その可能性は極めて高いね、ゾンビは堀にハマるから。」
「何か危ない合図が和成さんから?」
「ええ・・・夜はいつも明かりが漏れないようにしてるけど。」
確かにテントから明かりが少し漏れている。
テントの中で両手をコンセントケーブルで前に縛られて正座させられる。
三人の大柄の男がライフルを持ち脅す。
「俺はあんたを不意打ちしたが悪気はない。」
「・・・」
「ずっと黙ってるが仲間はいるのか?」
「・・・後悔するぞ?」
和成は睨みつけた。
「なんだその目は?この状況でお前が有利なのか。」
リーダーらしき男は微笑みながら和成を殴る。
ライフルを持った見張りをした男は
「はあ~。」
とあくびをする。
足音がして不審に思い明るいテントの方を見る。
気のせいだと感じたが、次の瞬間グサッと。
「うっ!」
口から血が出る。
背中からナイフを刺される。
その時斉藤は東岡をマンションで刺した時を思い出す。
ライフルを奪い弾倉を確認する。
ライフルを持った見張りをした女は
「ったく、まだ~。」
生田は暗かったため油断をついて後ろからうなじにナイフを刺しこむ。
その時斉藤加奈を刺した気分になった。
少し心地が良かった。
「見張りの交代だ。」
リーダー格の男は指示した。
男たちが出て行き、男と二人になった。
「これで一対一だ、腹割って話そうじゃないか。」
「じゃあ、まずこの両手を解いてくれ。」
「いいだろう。」
男はケーブルを解く。
「お互いを知るには臆病な世の中だからな。」
「交代だ。」
見張りの男はふらついている。
「おい。酔ってるのか?」
暗くて見張りの状態が分からなかったために近づいた。
すると男は交代に来た男に噛みつく。
「ああああ!」
外の大声にリーダー格の男もびびる。
「だから言ったじゃないか。」
その後外で銃声が数秒鳴ったがすぐに夜の静けさが戻る。
「この野郎!」
男は拳銃を正座している和成に向ける。
斉藤と生田はすぐにテント内に突入する。
「拳銃を捨てて出て行きなさい。」
「・・・分かったから撃たないでくれ。」
男は必死に命乞いをする。
何度も撃たないでくれと。
銃を捨て男をテントから出す。
堀まで誘導して、
「他に仲間はいないんだな?」
「ああ。」
「じゃあ、その薄板を向こうに架けろ。」
男は言う通りにして板を架ける。
斉藤と生田はライフルを構えて気をまったく緩めない。
「まさか、この上を歩くのか?転生者の上を・・・」
堀には先ほどの銃声で集まったゾンビがパン食い競争のアンパンを見ているような角度で男を見ている。
斉藤は男の足元に威嚇射撃をする。
「板が割れますよ。」
男を焦らして早足で板の上を歩かせる。
ゾンビたちは手を伸ばし、板に届く。
「援護してくれ!頼む。逃がしてくれるんだろ!」
男が渡りきろうとしたとき、斉藤と生田は薄板を撃つ。
薄板は割れて堀に落ち、男は足を滑らせて外側寸前で落ちた。
男は倒れそこにゾンビが群がった。
暗くてよくわからなかったが、男の断末魔だけが聞こえた。
「二人ともどうして撃ったんだ・・・」
和成はそもそも襲撃グループを殺さずにむしろどう仲間に引き入れるか考えていた。
「脅威だからに決まってるじゃん。」
まさか私と同じ考えだったとは加奈。
「優香さんに同感です。」
翌朝対人において三人で話し合った。
「確かに昨日襲われたがリーダーと見られる男は少なくとも話せる相手だった。」
「もうこれ以上人が増えるのはトラブルの元だよ。」
「私もそう思います。」
「俺も最初はそう思ったがこのやり方は人間らしくない・・・これじゃあまるで獣のグループだ。」
「敵はゾンビではなく人間よ、だからこの山奥に住んでるんじゃないの?」
「最もです、味方であったはずの人間が敵になりますから。」
この発言に生田は一瞬斉藤を睨む。
「それは前に口に出していた三人の名前のことか?」
すると斉藤は沈黙する。
「とりあえず、攻撃してくるやつとか銃向けてくるやつは論外よ。」
これでは内部破綻も時間の問題である、どうすればいい。
とりあえず、今できることは生田の嫉妬と斉藤の心の傷のケアだ。
だが下手な行動はできない。
農園の外側で死体を焼いているとき、
「よう、安全地帯以来だな。」
「その声は森下さん。」
斉藤は無表情だったが内心驚いた。
「今は仲好し四人組で住んでないんだな。」
「喧嘩売りに来たんですか?」
森下は右手で拳銃を構えながら左肘に装着したナイフで銃身を置いていた。
「安全地帯は崩壊してお前たちが崩壊のきっかけになったのも知ってる。」
「青井さんがいますよ、会いますか?」
森下は斉藤を煽るが動揺を隠した。
「ああ、ここのリーダーなら詳しく話したい。」
森下は拳銃を降ろしてガンホルスターに収納する。
斉藤は森下をテントに案内して和成と生田に会わせる。
四角の机に四人が四方に座る。
「久しぶりだな、和成。」
「そうだな、森下・・・」
「あれ?久々の再会にお前も斉藤と同じで喜ばないんだな。」
「初めまして、生田優香です。」
「初めまして、森下だ。」
「しかし・・・どうしてここが分かった。」
「ああ」
森下は思いだすように話し始めた。
「みんな誰かを失ってるだろ?」
森下以外は黙り込む。
「部下を失い、安息の地も失い、新しい家族も失った。」
ため息交じりに、
「だから復讐に来た。」
「復讐?昨日の盗賊たちの仲間か。」
生田は腰に隠している拳銃のグリップを握る。
斉藤は腰にしているナイフの柄を握る。
「まあ、そう焦るな。目的はお前たちじゃなかったんだ。」
「じゃあ、盗賊に・・・」
「そうだ、5人組、一人女であとは男の元自衛隊員だ。だが驚いた、その5人をかつて一緒に戦った仲間たちが葬ってくれたんだから感謝しなきゃな・・・だからお礼を言いに来た。」
それを聞いて斉藤と生田は両手を机の上に再び置く。
森下は席を立ち農園の方に戻る。
「どこ行くんだ?」
「俺はもう一人がいいんだ。」
「待て森下、一人じゃあ長く生きれないのを知っているだろ?」
「人は変わるんだ。」
「私もここに来て少しずつ変わりつつある。だから森下さんもここに残るべきよ。」
森下は足を止める。
「いいだろう・・・」
森下は説得され残ることにした。
だが森下は安全地帯に居た時とまるで違う、どこか心が閉鎖的だ。