ザ・ウォーキング・デッド in Japan シーズン3 作:永遠の二番煎じ
ZDAY34日目昼・・・
上野は陸曹長を暗殺するために、少数で競馬場に来たが、様子がおかしかった。
「総司令、突撃しますか?」
双眼鏡で競馬場を見回す。
破られた一部のフェンスから大量のゾンビが競馬場に流れ込み、生存者を食い散らかす。
「その必要はなさそうだ。」
転化した陸曹長を見て判断した。
「この競馬場は長くない、発症者様々だ。」
陸曹長は背中に刺傷がある、
噛まれて発症したようでないとするならば内輪で小競り合いか?まあ、脅威が一つ減り解決した。
「さあ、三角州に撤退だ。」
その夜三角州で悲劇が起きた。
中央の橋までゾンビを駆逐し、橋のあたりで防衛線を張っていた時である。
□□県方面は装甲車の機銃でゾンビを片っ端から木端微塵にして食い止め、三角州側から来るゾンビを調査隊に対処させていた。
「こちら責任者上野。こちら責任者上野。」
装甲車の中で無線で呼びかけるが誰も応答しない。
「総司令!もう弾がありません。」
機銃手は遠まわしに命令を下さいと言う。
「よし、三角州まで防衛線をさげるぞ。その間に応援が来るのを待つしかない。」
すると三角州から猛スピードで一台の自動車が出てきた。
「おい、ここは閉鎖する!」
と車に声をかけるが、
車は倒れた死体を轢いてバランスを崩して横転してその猛スピードのまま宙に浮き、装甲車の機銃手に直撃し、機銃手は圧死する。
その反動で残り少ない弾の機銃が暴発し、調査隊員たちに不運にも当たる。
機銃手は首から上が押しつぶされ、車内が血だらけになる。
「畜生・・・」
怪我を負った隊員たちが、
「司令!」
「助けてください!」
「来るな!」
と口々に発する。
許してくれ。
拳銃を口の中に突きつけて自殺しようとするも弾切れだ。
上野は死ぬ気で橋から飛び降りた。
だが河川は思ったより深く、そのまま気を失う。
隊員たちは次々にゾンビの群れに呑まれて一人残らず食べられる。
「心肺停止!」
ピッピッと心電音が聞こえる。
呼吸器を付けていてしゃべれない。
ぼんやり見えるが内科や外科の医者が着ているような白衣を着ている。
ZDAY40日後・・・
「先生、もう退院できますか?」
「そうだな・・・」
聴診器を当て、
「いいだろう。職業は何をしていたんだ?」
「飲食店で働いていました。」
上野は浜辺に打ち上げられているのを発見され助けられた、そして船が転覆したという嘘もついている。
「退院できるが、行く当てはあるのか?」
「特にないです。人を失うことに疲れた・・・だから一人で旅をしたい。」
「出て行くなら同志から訓練を受ければいい、十分な用意をしてから退院してくれ。」
この病院に来て初めて病室を出る。
「こんにちは。」
「・・・こんんちは。」
患者は車椅子で右足の膝から下がなかった。
「あなた新入りさんですか?」
「はい・・・」
「ああ、足が気になるんですね。」
患者は気さくに話した。
「足はふくらはぎを感染者に噛まれて切断したんですよ。」
「ここは安全なのか?腕を切断したやつは見たが、足を切断して生き残った奴なんて見たことない。」
「・・・」
「すまない、こんな言い方をして・・・」
「そうなんですか、私はずっとここにいますから。」
患者は車椅子を走らせ上野の元を去る。
引き続き院内廊下を歩くと突然発症者を乗せた担架を看護師が走らせる。
「急げ、同志たちが引きつけてくれている。」
上野は後をついていく。
ついていった先は中庭であった。
「なんだこれは・・・」
看護師は中庭の扉を開け、中庭に入る、担架の拘束具を素早く外した後担架から乱暴に発症者を落とす。
そして院内に戻り素早く扉を施錠する。
「何してるんだ?」
看護師に詰め寄る。
「病院の方針よ。」
看護師たちはすぐに持ち場に戻って行く。
中庭を見ると発症者が数十人はいるだろう。
そして真ん中に木が一本生えており、枝の上に猫がいる。
中庭の隅に集まっていた発症者たちは再び中心の木に集まる。
「最初はみんな驚く。」
いきなり話しかけられびくつく。
「これは・・・」
「ここを出て行くのだろ?」
「はい、先生。」
「なら君には関係ない。」
中庭を見ながら、
「彼らは人類の未来のために必要な存在だ。」
そう言って診察室に戻る。
病室で荷作りをして廊下に出た時、車椅子の患者さんが話しかけてきた。
「ああ、出て行くんですか。」
「ここにいたら俺も中庭行きだしな。」
「私は出られないですから・・・」
「大丈夫だ、俺が連れ出してやるよ。俺は上野総一。」
「島津志穂です。」
しゃがんで車椅子患者と同じ目線で指切りをした。
病院を出ると駐車場にキャンプがある。
そのキャンプはかつて自衛隊員が使っていたキャンプだが今は病院を守っている自警団くずれが使っている。
「開けろ、トラックが戻ってきたぞ!」
トラックは開門を通過した。
出て行こうとしたとき、門は閉まる。
「出してくれ。」
「駄目だ。」
「先生は出てもいいと言ったぞ。」
「駄目だ。」
門番は腰のホルスターの拳銃のグリップに触れる。
そこにアサルトライフルを常備している迷彩服を着た男が歩いてくる。
「何を揉めているんだ?」
「俺は先生の許可で出ていいと言われた。」
同志と呼ばれる組織に抗議する。
「同志よ、ここは私が引き受ける。院内の見回りに行け。」
「隊長、了解しました。」
男は院内へ入って行く。
銃身に銃剣が装着された89式自動小銃を構え、
「あんたが責任者か?ここを出してくれ。」
「助けたのは俺だ。」
「別に助けてもらわなくてもよかった。」
「戻れ。」
「一度助けた人間を殺すのか?」
隊長と呼ばれる男は上野の胸に銃剣を突きつける。
睨みつけた後自分の病室に戻る。
ZDAY50日目夜・・・
中庭に通じる扉のドアノブを針金で上手く施錠を解除する、そして開けっ放しに。
その夜同志たちはいつものように見回りをしていた。
「異常なし。」
中庭に隣接する廊下から無線で伝える。
「いや待て・・・」
発症者が廊下を徘徊しているのだ。
夜は電気節約の為病院は廃病院のように暗い、そのため懐中電灯を使って人を確認する。
「異常発生、発症者脱走。発症者脱走。」
とトランシーバーに伝える。
「出来るだけ殺すな、最悪の場合だけ銃は使え。」
隊長が全同志たちに命令する。
「了解。」
後ろ歩きで発症者を誘導していると後ろから首をへし折られる。
発症者は新鮮な肉を求めて、まだ死にたてほやほやの同志に群がる。
院内全体に緊急放送が流れる。
『発症者脱走により患者および職員のみなさんは個室で籠城してください、同志たちが対応します。』
繰り返し流される。
「1と2班で発症者を誘導する、3班は閉門を守れ。」
緊急放送が病院近隣にまで響き、発症者がよってくる。
隊長は1、2班を率いて事態の収拾を計る。
駐車場のキャンプに先生が慌ててくる。
「頼む、発症者を殺さないでくれ。」
「分かりましたから、ここでおとなしくしてください。院内は危険です。」
島津は緊急放送が流れた時休憩スペースでくつろいでいた。
「同志さん、助けて。」
だがその人は発症者であった。
それに気づいた島津は急いでキャンプのある出口に向かう。
だがその方向からも発症者が来る。
挟み撃ちだ。
だが後方から上野が点滴棒で発症者の頭を叩き割る。
「大丈夫か?」
「上野さん。」
上野は島津を病室まで避難させる。
「上野さん、ありがとう。」
「ああ、俺は自分の病室に戻る。」
「危ないですよ!」
「大丈夫だ、俺は百戦錬磨だから。」
そう言って、病室を後にする。
隊長含め同志たちは発症者を誘導する。
隊長は一人行動で、怪しく空いた個室専用の病室に入る。
ライフルを構えてさらに奥のトイレに行く。
ベッドの下に隠れていたが、暗闇で気づかれずにやり過ごした。
トイレの中に発症者がいた。
「なぜ?」
と思った時には遅かった。
ベッド下から素早く出て隊長を絞め殺す。
トイレのドアを開けて隊長をひとかじりさせた後、拳銃で発症者と隊長の頭を破壊する。
銃声に気づいた一人の同志が駆けつける。
「隊長。」
「無駄だ・・・もう死んでる。」
動揺する演技。
「何があったんですか?」
「発症者に噛まれて頭を破壊してくれと頼まれた。」
都合のいい殺害理由。
「あなたは誰ですか?」
「上野だ。」
「分かりました、とりあえず安全な場所に隠れてください。」
上野は拳銃を同志に渡す。
同志に素直さと柔軟性を見せる。
その夜多数の発症者と死体を出した。
ZDAY51日目・・・
中庭に迷彩服を着た男が徘徊している。
硝子を挟んで、
「あの時俺を解放すれば、サイコパスな医者に人体実験されることはなかったのになぁ。」
発症者は半分以下になり、先生は少し落ち込む。
ZDAY120日目・・・
上野は実績を残して副隊長レベルの役職について病院を去る、その際上野には10人が一緒に病院を出た。
「ほら、時間はかかったが病院の外に出れる。」
車椅子を引いて、
「総一さん、ありがとう。」
軽自動車に乗せてあげようとすると。
島津は自分で車椅子から軽自動車に乗り移る。
計4台の車で病院を後にした。
ZDAY半年後・・・
三浦壮介、リコ、康介、森下はパトカーで全国を点々としていた。
ある日四台の車に囲まれる。
三浦一家は手を挙げてパトカーから降りる。
「何が目的だ?」
「森下。」
「責任者じゃねーか。」
四人は田舎の木造の小学校に案内される。
現在15人が田舎で暮らしており、物資も豊富にある。
教室で石炭ストーブを中心に、
「知り合いじゃなかったら、どうしてた?」
「そっちこそどうしてたんだ?」
「安全地帯は再建しないのか?」
「ああ・・・」
そこに上野の部下が来る。
「隊長、ご飯の用意が出来ました。」
「承知した。」
その夜壮介とリコは会議室で二人話し合う。
「ここに残るべきだ。」
「いえ、康介はここにいてもいい成長はしないわ。」
「ここなら守ってくれるし、守れも出来る。」
「私達は森下さんがいなければきっと殺されていたわ。」
「確かにそうかもしれない・・・」
「大丈夫よ、あの隊長って呼ばれている人なら見逃してくれるわ。」
盗聴器をしかけられてるとも知らずに二人は話し合う。
ぶっちょう面で上野はトランシーバーで会話を聞く。
職員室で一人計簿をつけている。
「なあ、あんた名前は?」
「島津志穂。」
「俺は森下だ。」
「下の名前は?」
「本当に信頼した人にしか教えないことにしているんだ。」
「そうなんだ、お互い似たもの同士ね。」
「見た目で失ったものは似てるかもな。」
自分の寝泊りする教室に戻ると康介しかいなかった。
すぐに康介を抱いて職員室に戻る。
「頼む、赤ん坊を見といてくれ。」
「え、ええ。」
いきなりの頼みに戸惑いを隠せない。
森下はパトカーで小学校を出て行く。
夜にあの両親が子どもを置いて出て行くなどありえないと推理して上野を追う。
しばらくパトカーを走らせていると、後方から車が追ってくる。
「罠か、畜生。」
ここで確信に近い形で三浦家は処刑されたと考えた。
普通ならハラワタ煮えくり返るが今は生き延びるのに必死だ。
リーダー格の男が止まっているパトカーを包囲するように他の四人に指示する。
「誰もいません。」
「そうか。」
上野の部下たちはそのまま渓谷農園を見つける。
現在・・・
堀の上に鉄板を敷いて農園内に中型トラック2台を侵入させる。
それぞれの荷台の扉を開けてゾンビを農園に放つ。
「用意はいいか?」
「はい、上野隊長。」
ロケット砲のRPGを緑のテントに向ける。
「撃て。」
テントを反れて近くの地面に着弾する。
爆音がしたテント付近にゾンビは歩き出す。
中型トラックは急いで鉄板を渡り、反撃の銃弾から逃げる。
「次は外すなよ。」
砲兵は見事に二発目で緑のテントに着弾させ、爆破に成功する。
「明日の朝まで待機だ。」
無理やりこじつけましたが許してください。
シーズン4はちゃんとやります(多分