主人公はファンタジー物のRPG好きのゲーマーで
子供の頃からドラゴン関係の漫画アニメゲームが大好き。
好きな要素が積み込まれたMMORPG『ドラゴン・ファンタジア』にどっぷりとハマった。
ゲームにたいする愛が強すぎてドラゴンのレベルとアバターレベルをカンストさせては転生し、再びカンストを繰り返して強くなる廃人へとなった頃、運営から一週間バグ取りの為、サービスを一時停止することを公式に発表する。
一週間が過ぎ、仮想現実にログインする主人公だったがプレイ中に黒い穴に
飲み込まれてしまう。
黒い穴はバグなのか?それとも誰かが意図的に作ったものなのか?
わけがわからないまま主人公は異世界へ!!

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始まり

仮想現実の世界で冒険を繰り広げるDMMORPG『ドラゴン・ファンタジア』

今も増え続ける1000種類以上に進化するドラゴンを育成し共に冒険して戦うだけ

ではなくドラゴンに乗ってゴールを目指すドラゴンレースや

カッコよさ、美しさ、可愛さなどを競うドラゴンコンテストなど幅広い種類のゲーム

を楽しめるソフトだ。

全てのプレイヤーは誰もが同じ龍の卵を羽化させて幼龍『ベビードラゴン』

を育てることから始まる。

ドラゴンはプレイヤーの与える肉や果実などの餌やモンスターとの

バトルスタイルによってそれに適した技を覚えたり、ドラゴンの進化に深く影響してくる。

ちなみにドラゴンの進化はベビー→リトル→アース→キング→レジェンド

→エンシェント→ゴッドの七段階となっており

一定のレベルに到達すると進化したドラゴンの六つの姿とステータスが表示され

プレイヤーは気に入った進化先のドラゴンを選択することが出来きる。

そして七段階進化したらそれで終わりではない。

転生システムを利用することで進化前に戻して、新たな進化をさせたり

転生ボーナスをステータスに足して、さらに強力なドラゴンへと成長させることが出来る。

進化には大きく三つのタイプが存在する。

 

たとえば近接戦闘ばかりしているドラゴンは外見的な特長が変化しやすく

進化するのが特徴だ。

変化は体の四肢が太くなったり、手の甲から剣のような刃が生えたりと

近接戦闘に有利な進化を遂げて格闘系のスキルを取得しやすくなる。

目の前の敵を圧倒的な力で叩き潰すドラゴンでステータスはVITとSTRの

値の上昇が大きいがデメリットとしてMPとINTの上昇が低く、ブレスが放つことが出来なくなる。

 

反対に後衛でプレイヤーを支援したりサポートばかりしているドラゴンは

体が細く、翼の枚数が増え、取得する属性によって外見が変化する

タイプだ。

属性として 炎 風 水 雷 土 光 闇 氷 特殊の魔法とブレス

を覚えることが出来て強力な火力を誇るドラゴンだ。

ちなみに特殊とは敵モンスターやプレイヤーに睡眠や毒などの異常状態を引き起こす

ブレスやサポート系の魔法を覚えるのが特徴である。

 

遠距離と近距離の両方の戦闘をこなすドラゴンは特に外見は

細くもなく太くもないバランスの姿が特徴で格闘スキルと魔法スキル覚えることが出来

ブレスも放つことが出来る。

ただ、近接タイプや遠距離タイプのドラゴンと違いスキルの取得に時間が掛かったり

ステータスの上昇も平均的の大器晩成型のドラゴンだ。

 

このようにバトルスタイルも大きくドラゴンの成長に影響する為に

プレイヤーも職と戦い方を考えなくてはならない。

魔法職を選ぶとプレイヤーはドラゴンを前衛にして後方からドラゴンの支援を

するスタイルになったりドラゴンに乗って共に魔法とブレスを放つ火力スタイル

となる。

 

戦士職は反対に後方にドラゴンを配置し、支援をさせ、プレイヤーが戦うスタイル。

そしてドラゴンと共に敵を二体一で敵を殴るスタイル。

 

魔法戦士職はどちらのスタイルも行えて有利に見えるが

ステータスの成長率が低く、同レベルの戦士と魔法使いには劣る。

 

そして、最後にブリーダー職。

ドラゴンを育てることに特化した職で、プレイヤーは戦う力はないがドラゴンを手足

のように操り、専用魔法でドラゴンを強化して共に戦う

最大の特徴はドラゴンレースやコンテスト向けの成長を促しやすい職業だ。

 

 

これら職業はレベルと条件をクリアすることによってクラスチェンジが

でき、最初とはまったく異なる職業に変わることが出来る。

 

俺、斉藤(さいとう) 健介(けんすけ)25歳(独身)は

ファンタジー物のRPGの好きのゲーマーであり、子供の頃から

ドラゴン関係の漫画アニメゲームが大好き。

そんな俺の好きな要素が積み込まれた夢のようなゲーム『ドラゴン・ファンタジア』

に俺はどっぷりとハマった。

キャラの職業はもちろんブリーダーで仮想現実の世界で与えられた俺だけの

ドラゴンをそれはもう、息子のように可愛がった。

仕事で疲れていても必ずログインしてレベルを上げて育てた。

レアアイテムがもらえるイベントは有給を使って参加した。

課金が必要だと感じればドラゴンのために給料を使った。

始めた頃は負けが続いて悔しい思いをしたが、ギルドに所属したり

交流サイトで情報を得ることで勝てるようになった。

ドラゴンがゴッドクラスになっても転生を繰り返し、ライバル達に差を

つける為なら自分のアバターを何日もかけていくつもあるブリーダーの最上位職

にクラスチェンジもしてカンストと転生をドラゴンと共に繰り返した。

自分の思い描く最強のドラゴンが完成したらギルドメンバー達と共にクエストを受けたり

レア素材を手に入れるために奔走した。

ドラゴン愛に満ちたメンバーとの会話も楽しく。

充実した毎日を送っていた。

 

そんな時、運営から謎のバグが発生を確認したから一週間システム調整を行うと

発表があった。

俺も含めギルメンや他のプレイヤーたちは一週間は辛いが仕方がないと

この発表を受け入れた。

そして待ちに待った一週間後、俺はいつものようにゲームを起動させ、仮想世界へとダイブして

相棒のドラゴンであるライオネルと共に青い空を高速で当てもなく駆け抜ける。

ライオネルは白い鱗と黄金の瞳を持つ白いドラゴンで、その体はレースや戦闘に勝つために

無駄のない絞り込まれた筋肉をしている。

タイプはバランス型であり、種族はゴッドクラスでも最上位に位置する

ホーリー・ゴッド・ライトニングドラゴンだ。

このドラゴンは光と雷の属性を持つ特殊なドラゴンで

進化させるには数多くの条件をクリアしなければならないという進化難易度SSSのドラゴンだ。

そんな自分のドラゴンに乗って空を飛ぶのは仮想現実とは言え、とても気分がよくなってくる。

やっぱり楽しいな……このゲーム。

もしこの世界が本当になったらいいのに……。

そんな子供のようなことを考えながら飛んでいると俺とライオネルの

直ぐ目の前に黒い穴が開いた。

 

「な!?」

 

回避しようとライオネルを手綱で操作しようとするが間に合わない

俺は黒い穴に飲み込まれ……思わず目を閉じる。

……。

何もおこらない?

目を開けて見ると先程と変わらぬ青い空。

さっきのは何だったんだろうか?

 

 

黒い何かに飲まれた俺とライオネル。

しかしライオネルと俺には見て分かる以上はない。

手綱を使ってライオネルと共に地面に降りる。

地面に着陸したライオネルなれた動作で降り、あたりを見渡す

そこは草原だった。

草原のフィールドか……。

確か俺は荒野のフィールドを飛んでいたはずなのに……もしかして

運営が言っていたバグが発生したのか?

 

「メニュー」

 

メニュー画面を呼び出そうとするが、いつものようにメニュー画面が表示されない

は?

画面が表示されない事に一瞬呆けてしまったが気を取り直してもう一度、呼び出してみる。

 

「メニュー!……メニュー!メニュー!!」

 

何度呼んでもメニュー画面は表示されない。

どうする?メニュー画面が表示されなかったらどうやってログアウトすればいい?

それに運営にだって連絡が出来ないぞ。

一体俺はどうしたら……。

パニックになった俺は頭を両手で掻き毟る。

 

「ぐるる」

 

「え?」

 

頭を掻き毟っていると、隣に居たラオネルが俺を慰めるかの様に頬をなめる。

なめられた頬には生暖かいぬるぬるとした物が触れた感触がした。

どうやらライオネルは俺を慰めているらしいが俺はそれどころではない。

感覚がある?

MMORPGはたしかに仮想現実というリアル感を売りにしている。

しかし、プレイヤーに負担を与えない為に痛みなどの感覚は

仮想現実の世界では存在しないのだ。

とりあえずプレイヤーを探そう。

もしかしたら運営に連絡が取れるかもしれない。

手綱を引いてライオネルを伏せの状態にし、再びライオネルの背に乗る。

俺とライオネルならマップがなくても直ぐにプレイヤーを見つけられるはずだ。

 

「『ドラゴンアイ』!」

 

魔法名を唱えると自分の中の何かが抜ける僅かな感覚とゲームと同じように魔法が発動した。

この何かが僅かに抜けたような感覚ってMPをつかったからなのか?

まあいい、それよりもプレイヤーを探さないと……。

ドラゴンアイ。

ブリーダー職の上位クラス『ドラゴンライダー』の専用索敵魔法だ。

ドラゴンの視界を共有し遠くの景色を見ることの出る魔法で。

主にフィールドに出現するモンスターを発見する為に使われる。

まあ、とあるプレイヤーは女性アバターのスカートの中身を見るためだけに

この職を求めていたと噂に聞いたことがるが……。

実際に中身が見れたのかどうかは知らない。

………。

見当たらないな……見えるのは草原と山ばかり。

手綱をでライオネルを操り三百六十度体を動かしながらゆっくと視界を動かしていく。

ん?あれは……街か?

やった!!あそこならプレイヤーも居るだろうし、運営とも連絡が取れるかもしれない!

丁度、ドラゴンアイの効果時間が終了したので、俺は手綱を引いてライトニングと共に

街に向かって空へと飛び立つ。

力強く白くて大きな翼を羽ばたかせるたびに速度と高度がグングンと上がっていく。

連絡が取れる可能性に安心したのか、風がとても心地よく感じる余裕が出来てきた。

楽しい!

余裕が出来てきたおかげか、さっきまでの不安はなくなり、まるで現実世界で相棒のライオネル

と空を飛んでいるかのような感覚に感動と楽しいと言った感情が押し寄せてくる。

 

「行くぞ!ライオネル!!」

 

「グルァ!!」

 

ライオネルのスピードをさらに上げる為に手綱を操り、ライオネルに声を掛けると

俺に答えるように吼えてさらにスピードを上げる。

まるでハイウェイをスーパーカーに乗って全速力で駆け抜けているみたいだ!!

戦闘職や中位のブリーダー職のプレイヤーでもここまでの速度を出してドラゴンを操る事は出来ない。

一定のレベルとドラゴンレースに優勝し、称号を得ることでクラスチェンジ出来るドラゴライダー

だからこそ出せる速度だ。

ただ、このドラゴンライダーという職はドラゴンが傍に居れば戦闘職のプレイヤーとドラゴンにも負けない

強さを発揮するのだが、ドラゴンがやられたり、距離が開いてしまうと

上位クラスの敵には直ぐにやられてしまうというデメリットがありレースではハンデを

強制的に課せられてしまうのだ。

 

 

しばらく空を飛んでいると俺の肉眼で街を視認することが出来た。

草の生えていない整備された道には荷馬車で移動する行商人のNPCが何人も出入りしているのが

分かる。

あれ?NPCが街以外にも存在している?

ありえない。フィールドに存在するNPCは案内人の兵士か冒険者のキャラクターで

行商人などのNPCは街の中にしか存在できないはずだ……。

俺の中に再び訪れた不安と俺自信が気づかない…いや気づこうとしない

期待を胸に俺はライオネルと共に行商人と旅人が行き交う道の近くへと降り立った。

 

 

 

 

もし……これが現実だったら。

 

 

 

 

ライオネルと久々に飛んだ時に思ったことに嘘はない。

現実世界の生活と可愛いくてカッコイイ自分のドラゴンと自由に冒険する生活。

友人や両親との別れはさびしいが俺は間違いなく後者を取るだろう。

一人だったらどういう選択をしたか分からないが俺には可愛くてカッコイイ

相棒が付いているのだから、きっと楽しい生活が待っていると思うから……。

 

 

 

 




ブログで連載予定のオリジナル小説です。
ストックがたまったらハーメルンでも投稿する予定です。
意見や感想を募集しています。

ブログが気になる方はhttp://nijisouaku.blog.fc2.com/までどうぞ。

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