秘色のフレイムヘイズ   作:sairu

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いや~ホントお久しぶりです~^^
すみませんちょっと受験でねw結果は活動報告に書いたとおりやばいっす急降下どこにも引っかかることなくこのまま浪人池に落ちそうです。
ですのでこれから先またもや不定期になるやもしれないので了承願います。あと気づいた方もいるかもしれませんが(絶対いないと思う)タグの性格改変?の“?”消えたんですよ~w今回もかなり原作の性格をぶっ壊してしまってます。シャナというよりどっちかって言うとゼロの使い魔のサイトに似ているようなwそんなわけで注意してください
ではどうぞ~



ENTRACTE─アントラクト─

 

「悠ちゃん、何でこんなところで寝てるの?」

 

 

さわやかな朝の第一声、千草の声が部屋に響き、悠二の耳に入る。

眠りも時間的に浅くなっておりその声で意識を一部覚醒させることができた。

「う・・・んん~・・ふぅ。」

悠二がゆっくりと体を絨毯から起こすと、不思議そうに覗き込んでいる千草の目と合う

「え?・・・ああ・・・下に物を取りにきてそのまま・・・」

完全覚醒していない悠二の頭では想起→理解→回答の一連作用に少々時間がかかるようだ。

「ふ~ん。まぁいいわ、とりあえず“そこ”拭いておいてね。」

千草は色々と気になることがある、と言いたげな返事をしたのだが結局は聞かないことにした。

返事を返された張本人である悠二は前半より後半の“そこ”が気になる。

そして探すように自分の周囲を見渡してみると、なんと自分の顔があった場所が輝いているではありませんか。悠二は瞬時に頭を完全覚醒させ、持ち前の頭脳を持って思考する

 

絨毯自体に発光機能など付いていない。もし付いていたならば一部だけでなく全体が輝いているはずだ。

そこだけ自分の自在法が残っている、という考えも一瞬思い浮かんだが同じく一瞬で却下。

 

ほかのフレイムヘイズ(例えばシャナ)などが自在法をかけた。

 

・・・・いや・・・ありえない。そんなことしたらいくら寝ていたとはいえ自分やヘカテーが気づくはず

第一“そこ”を光らせる理由がまったくない。

 

でわ・・・なに?

 

普通に考えれば100人中90人以上が“それ”は“よだれ”と呼ぶことぐらい容易に想像がつく。

状況説明は至極簡単。睡眠時、頬筋《きょうきん》の弛緩及び唾液の漏出 結果唾液池の生成。

という事だ。

それが朝日を反射して光っているだけ。

 

このような簡単なこと悠二にとっては考えるまでも無い事と思えるが、悠二のプライド《誇り》とヘカテーが見ているという状況下では自分がよだれを垂らすなどという行為は最初から頭に入っていない。

いかに明敏な頭脳を持っていようと知識が無ければ意味が無いという事だ。

もっとも

『悠二、早く拭いてください汚いです。』

というヘカテーの言葉に悠二の誇りなどはあっさり砕け散ってしまうのだが・・・

 

 

 

 

 

「はぁ~・・・・」

『どうしたのですか悠二?溜息などついて』

所、時間軸と共に変わり現在学校への通学路。左の車道では車が風を切って道を駆ける、悠二の歩いている歩道には悠二と同じように学校へ行こうとする生徒がちらほら(・・・・)と。

友達を待っているのかその場で周りをキョロキョロしている子

なにか学校の用事に遅行しそうなのか脇目も振らず必死に走って行く子

眠気も限界を超えるとこんなことができるのかという寝ながら歩いている子

友達同士でキャピキャピガヤガヤとうるさい子達

多種多様な生徒がいる

そのなかで悠二は肩を落とし、周りにブラックなオーラを振りまいている。いまだに朝のことを気にしているとは・・・意外にナーバスらしい

因みに朝部屋に戻ったときにシャナはもう居なかった。ヘカテー曰く

『朝早くに出て行きましたよ』

だそうだ。

そして前の会話に戻るわけである。

 

『悠二、溜息の理由は良く分からないのですが・・このままでは学校に遅刻しますよ?』

「へ?」

時計は現在8時20分を回ったところ、御崎高校では25分までに校門をくぐらなければ遅刻である。

「やばっ」

悠二はあたりに形成していたブラックオーラを消し普通《・・》の速度で走り出した。

 

Χάος(カオス)・・・日常でも混沌としている様子や雑然とした場所などについて、「カオス」と形容することがある。また、文脈や展開的に支離滅裂になった場合にもしばしば使用される。

 

辞書によるとそういう意味らしい・・・なぜこのような注釈がここに入るのか理由を説明すると今まさにこの状態にあるからに他ならない。

学校とは例外あれど同じ年頃の男女が青春を謳歌するsanctuary(聖域)。社会的に見ればこの聖域がカオスなのは自然、ハジけてなんぼの、世情も時には法律も無関係な世界。

そのカオス(学校)の中のカオス。

 

 

朝の挨拶後の休み時間、教室で男同士で抱き合ってるのである。

 

男女でさえ珍しい光景、それをやった男子は間違いなく英雄(ヒーロー)だろう。

それを男同士で・・・・

一人は歓喜に今にも涙を流しそうだが、もう一人は若干頬が引きつっている。

 

歓喜しているのは本作主人公 坂井悠二

頬を引きつらせてあからさまに迷惑そうにしているのは 佐藤啓作

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━以下回想━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

「ふぅ・・・なんとか間に合った・・」

言葉通りなんとか(・・・・)25分までに校門をくぐり抜けて、教室の自分の机に鞄を置きつつ

悠二は誰に言うわけでもなくつぶやいた。

『結構危なかったですね』

悠二の独り言にヘカテーが小さい声で言う。それと同時に教室の前の扉が開き担任の先生が入ってきた。

悠二にとっては普通の朝、いつも通りに朝の挨拶から連絡まで順調に進んでいく。しかしフレイムヘイズにとってはありえない朝である。フレイムヘイズとは“人としての全存在”を捧げて驚異的な力を手にする。つまりその人の過去、そしてこれから先迎える筈だった未来を失う事、過去が消える事により人間関係もたとえ親子だとしても例外ではなく消え去る。

にも拘らず悠二は今までどおり学校に通い母親である千草にも息子と認知されている

これはヘカテーの力によるもの。人が消えると言うのは簡単な事ではない、例えば悠二を媒介として友達になったもの同士など、自分がいつどの様にしてこの人と友達になったのかが分からない、知っているのに知らない此処に矛盾が生じる。

そこに世界的に消えてしまった坂井悠二と言う媒介を強制的に植えつける、いわば集団催眠のような物かそれにより矛盾が消える。世界的に矛盾していても人間的に矛盾していなければ人間は気づかない、いや気づき様が無いのだ。多少の違和感はあるかもしれないが、その違和感が悠二が存在する事に繋がることは無い悠二を消した方がはるかに違和感があるからだ。

 

そうして先生の連絡は終わり休み時間に入る。悠二が机の横に掛けた鞄からノートと筆箱を取り出しているとクラスメイトであり良き友人である佐藤啓作がニヤつきながらこちらに歩いてくる。

男の自分から見ても美少年と言える奴がニヤつきながらこちらに来ると、良く分からないがとにかくムカつく。

「なに?」

朝のこともあり不機嫌な声で目の前の“美”少年様に言う。

 

啓作はその声と顔に全く堪えておらず寧ろ嬉しそうして言った

「坂井、昨日なんのゲームかったの?」

尚もニヤつきながらの発言だったが悠二は“ゲーム”という単語に反応する。それと同時に様々な事がありすぎて忘れていた記憶が蘇って来る。

フラッシュバックした記憶で怒りに震える悠二だったが憎むべきは目の前の“クソ野郎”では無く

昨日学校で自慢気に話た自分だ。悠二のそんな葛藤の渦中に啓作はポケットから細長い物を取り出し、悠二の机の上に置く。悠二は憎しみの篭った目で其れを睨み止った。

見たことのあるフォルム、煩いと言われて外したチェーンの穴、うっかり落として踏んでしまった僅かな汚れ。昨日の夕方何度確認したことやら・・・見間違えるわけは無い自分の“財布”

それが自分の目の前に置かれている。

顔を上げると神とも言うべき美少年佐藤啓作様が笑いながらおっしゃるではありませんか

「たまたま俺もあそこのゲーム屋でなんか買おうと思って行ったら、お前に散々自慢された財布と同じ奴

がレジの横に置いてあってね、もしかしたらと思って中身確認したら見事正解だったってわけさ。心配しなくても中身は何もとって無いから安心しろ」

悠二はその言葉を半分も聞いていなかったが、感極まって啓作に抱きついた。

「佐藤~!」

「うわっちょっ坂井、やめろはなせ!」

悠二は一応ちゃんと手加減はしている様だが普通の人間にどうこうできる力ではない。

こうして抱き合う男達(一方的)が完成した。

悠二は啓作のかっこよさに嫉妬しているが悠二自身もそんなに悪いわけでは無くむしろいい方である。

できあがった(美)少年達の抱擁像により周りの反応もまたさまざまである。

引くものも居れば興味深そうにするもの、囃し立てるもの、一部の女子は顔を赤くしている。

そしてカオスは出来上がった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━回想終了━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「悪い・・・少し取り乱した」

先ほどの混乱が収まり、自分の机を挟んで前に居る啓作にそう謝罪した。

「少し・・・じゃない気がするけどまぁいいさ」

啓作はそう右手で顔を押さえている悠二に言い机から離れた。

 

「朝からずいぶんな、見世物だったわね」

悠二の右隣、平井ゆかりからの声だった。未だに顔を押さえていた悠二だがゆかりに違和感を覚えた。

ゆかりとは隣ということもあって何度か話したり、色々お世話になったことがある。だからこそ

そんな(・・・)発言などしないと分かる。それに声も違う気がする、なんだか極々最近聞いたことあるようなムカツク声。これらのことを元にして導き出せる答えはひとつだ 隣に座っているのはゆかりではない。悠二は溜息が出るのを押さえ、顔から右手を離し右をむくとやはり“絶壁”だ。

なにげに整った顔を引き締め、腰まである長い髪を後ろに流し、無い(・・)胸を張ってセーラー服まで着ている。

「なんであんたが此処にいるんだ?そこ平井の席だぞ」

「昨日言ったでしょ、監視するって、どういうわけか知らないけど学校に通ってる危ないフレイムヘイズをね。それと私が平井よ。」

シャナは足を組みながらさも当然のように言い切った。

前半は解る。確かに昨日監視すると言っていた。だが後半が解らない、私が平井?頭でもぶつけたのだろうか?いや人間でもそう簡単に頭がおかしくなったりしない、フレイムヘイズなら尚のこと。

『トーチに割り込んだんだと思います』

悠二の契約主であるヘカテーが小声で悠二に説明する。

トーチ・・・“紅世の徒”がフレイムヘイズからの追撃を逃れるため、フレイムヘイズが『世界の歪み』の衝撃を和らげるため、故人の“存在の力”から作る『人間の代替物』。 つまりその場凌ぎの命。

確かに平井ゆかりはトーチだった。悠二がフレイムヘイズとなり人とトーチの区別ができるようなったときすでにゆかりはトーチだった。同じクラスメイトとして何とかしてやりたいとは思ったが、すでにゆかりの本当の命は失われている、どうすることもできない、それが現実なのだ。

日ごとに燃え盛る命が弱まっていくのを隣で見ながら、せめて燃え尽きるまではと同じクラスの友達として接してきた。

それに・・割り込んだ?一体どういうこと?

「そういうことよ。今では私が平井ゆかりってこと、お前以外の人は私を今までいた平井ゆかりと認知する」

悠二の疑問は声に出してはいなかったが顔に出ていたのかシャナは律儀に説明してくれた。

「ま、私もこういう所滅多に来ないから、監視のついでに経験してみようと思っただけ」

シャナは少し楽しげに言ってのけた。だが悠二は楽しくない、理屈ではわかった、だが感情が付いて来ない昨日までトーチだとしも存在していたゆかりが、さも当然のようにシャナにより消えさせられた。

あまりに簡単な理由で・・・

「じゃあもう平井さんはいないってわけか・・・」

悠二が歯を食いしばりシャナを睨みながら言った

「お前の言う平井さんはね、今は私が平井」

悠二は無意味だと解っていても、いなくなった平井さんのためにも反論したかった。

だが悠二の置かれている立場上そういうことが起きてもおかしくない世界にいる。

それでも最後の抵抗をした

「あんたと平井さんじゃ全然違う」

「それはそうでしょ、元々は別人だもの、でもあんな印象の薄い子いなくても誰もわからないわよ

消えるだけの運命に私が入ってあげたんだから感謝して欲しいぐらいだわ、私があの子より劣っている部分がある?」

悠二が悔しがっているのを見て上機嫌となったシャナは舌が止まらない。どうやら昨日馬鹿にされたことを根に持っているらしい

「あるよ・・・決定的に違う部分が・・・」

悠二は反撃の好機と見て言い出した。

「ふ~ん・・・まさか顔とか言わないわよね?前も言ったけど顔は別人だからしかたないわよ」

「いや・・・顔じゃないさ、顔よりももっと決定的に違う部分がある!」

悠二の声に力がもどった。

「へぇ~どこ?」

シャナは余裕を持った返事をする。まるで自分が完璧になったかのような陶酔に陥っていた。

 

「胸だ!平井さんは大きくは無くとも少なくともあった!てめぇのは何もねぇただのまな板じゃねぇか!」

悠二、魂の叫び。どう歪曲しようとも最終的に行き着くとこはそこらしい。たしかにセーラー服の上からでは女性特有の二つの丘が全く見えない。その凛々しい顔立ちのせいで髪と服を代えれば少年とも言える

体つきだ。悠二は巨乳好きなわけではないが、男のロマン、心の宝石とも言える心理はたしかに存在した

そして馬鹿にできる部位がそこだけしかなかったと言えばそれまでなのだが・・・。

『・・・・』

『・・・・』

二人の契約主であるヘカテーとアラストールの沈黙・・

だが二人の沈黙は決して同じ沈黙ではなかった。

 

一方は引きつつもなんとな~く心が痛い沈黙

もう一方は同じようなことを思ったことがある故の沈黙

 

因みに悠二の叫びは周りにも聞こえていた。だが唐突過ぎる叫びにみんな何が起きたのか理解できていない。

 

酔いがさめた、いや覚まされたシャナはシャナで色々考えさせられていた。フレイムヘイズとして今まで戦闘とそれに関すること以外には全く意識していなかった。

だが同じフレイムヘイズの異性にそのように言われて、考えてみると確かに自分の体は未熟だ。フレイムヘイズなのでこれ以上体の成長は望めない・・・だがそうは言っても女性として少し悔しいやら恥ずかしいやら羨ましいやら、自分でも良くわからない感情がある。

シャナの顔が困惑に変わったのを見て悠二は自分の勝利を確信しさらに追撃しようと言葉を発しようとしたが、以外にもあるいは妥当にもこの無意味な争いの終止符を打ったのは教室に入ってきた先生だった。

 

 

 

 

4時間目・・・生徒にとってこれが終われば長い休み時間と昼食が待っている。故にあとひと踏ん張りと思う時間帯なのだが、現在そのような状況にあらず、重苦しい空気が教室に漂っている。もの音は4時限目の授業担当の英語教師が黒板にチョークで書く音だけだ。本来の授業の望むべき静寂なのだがなぜこうも息苦しく居心地が悪いのだろうか?それは教室の真ん中に腕を組んで鎮座している少女の醸し出す空気に他ならない。ノートも教科書も開いておらず、ただ先生の動向を見ているだけの生徒 これだけのことが先生を動揺させている。その視線の中には観察以外の何も入っておらず先生のことを教師とではなく観察対象として見ている。これを4時間連続で続けているのだ。

この態度をとる生徒に先生は、薮蛇とはこのことか 突っかかっては撃退されていた。

そしてこの英語教師も二度あることは三度あるではなく三度あることは四度あるよろしく、板書を終えてから振り返りシャナに突っかかって来た。

「平井、最近(・・)不真面目だぞ。ノートをとらんか」

シャナはそれに答えずただ言う

「おまえ」

敬意の篭ってない声と言葉、だがこの言葉にシャナのオーラが加われば普通の人は動けなくなる。

この中年の英語教師も例外では無く気迫におされ固まる。

「その穴埋め問題、全然意味の無い場所が開いてるわ。クイズじゃないんだから、前後の文脈で類推できる所をあけなさいよね」

シャナは姿勢を変えずにただ言う

「う・・・・」

「正しい答えは“That which we call a rose,By any other name world smell as sweet.”だけど原文を覚えてないとできるわけない」

外人さん発音通称ネイティブ発音でくりだされる英語。誰もが正解かどうかは別として発音や雰囲気で正解と確信させられる。ここまで言って間違いだったら恥ずかしすぎる。

言いように言われる教師だが、シャナの言ってることが的確かつ正しいので反論のしようがない。

普段の生意気な生徒なら虚勢を張り、勢いや人生経験により打開できるのだがこの生徒の前ではそのような物はあって無いようなものだった。この前まではこのような生徒は居なかった筈だ。だが現実目の前にいる、何時このようになったのかは自分でも良くわからず最近としかいわざるをえない。

このような現実逃避をしていてもシャナの追撃は終わらない。

「その板書も、段落で見たら、後二文字も足りないわ。お前が持っているマニュアルのページ単位で書きき移しているだけだから、そんなことになるのよ」

容赦なく叩き潰すシャナ・・・

なにかうっぷんを晴らすように聞こえるのは自分だけなのだろうか?

「お前、教師の癖に、学力が無くてマニュアル外に手が届かないし、説明も下手でダラダラ要領を得ない話をするだけ・・・なってないんじゃない?」

英語教師の顔が醜く歪む、生徒からも説明が解り難いくせに宿題は大量に出す先生として嫌われていた。そのせいで本来なら拍手喝采物だが4時間もこれでは生徒の体力の方がもたない。

「私に教える気があるなら、ちゃんと勉強してからで直しなさい」

かくして4人目も蛇の餌食となった。哀れに思う人もいたが先生が先生なだけに極僅かだ。

 

ちなみに悠二はヘカテーにより言語の記憶の植え付けをされているのでこの授業がどうなろうと関係ない

というより最初から授業など受けてはいなかった。学校におけるもっとも重要でもっとも暇な時間でもある授業中という時間を使ってヘカテーと共にノートに自在法の式を考えている。

だが頭のいいやり方でもある。教科書とノートを開いて鉛筆を動かしていれば、たいていの先生は喩え授業中一度も黒板を見なくても、何も言わない。

それが成績優秀者となれば尚のこと。悠二は中学生の時ぽや~っと勉強していても中~上の成績を取っていた、それがフレイムヘイズとしての勉強時間のための勉強、だと確固とした目標を持ち勉強すると、このように生成優秀者として名前が出てくるのだ。

 

そんなこんなで気が付けば4時限目の無事(・・)終わり昼休み兼昼食時間になる。

 

普通の授業でさえ4時間は学生にとってかなりの負担となるのに、今回はそれに不穏な空気や緊張で余計に神経がすり減らされた。それによりその余韻が残る教室からさっさと出たいという理由からか大多数の生徒が教室から出て行き残った人も、居心地の悪さを感じ一人また一人と教室を後にする。

そして気が付けばシャナと二人っきりの教室。

女の子と二人っきりの教室とは・・・ある意味いいシチュレーションかもしれないが、

やはりいいシチュレーションとは可愛い女の子と一緒にいる場合だけだ。いかに女の子と二人っきりでも相手が不細工なら胸糞悪くなるだけ、今回の場合は容姿はいいのだが性格がちょっと・・・という具合

しかも2人であって2人じゃない。正確には4人が此処にいるのだ。そうアラストールとヘカテーである。

そんなことを考えながら右隣をみるとアラストールとシャナの二人がいる、実際目に見えるのはシャナ一人だが・・・どこで買ったのか美味しそうにメロンパンにパクついている。可愛い女の子がメロンパンを両手で持ってメロンパンにパクついてるのを見ると・・・なぜだかリスのような小動物的可愛さとの相乗効果によって抱きしめたくなるのだが・・・・それを欲望のままにした場合後が“ものすごく”怖いので我慢しておく。今日の帰りにメロンパンを買ってヘカテーにプレゼントしてみようと心にしっかり刻みつつ、自分はコンビニで買ったおにぎりにかぶりつく。

 

しばらく二人・・・四人は無言でそれぞれの食べ物にかぶりついてあいるはパクついていたのだが

沈黙に耐えられなくなった悠二がシャナに質問をしてみる。

「そういえばどうしてフレイムヘイズになったの?」

他に聞くことが無かったというかメジャーにと志望理由を聞いてみた。

「お前の知ったこっちゃ無いわ」

返って来たのはぶっきらぼうな答え。ここから話を広げようとしていた悠二としては残念だ、未だに朝のことを気にしているのか?と思ったが別段そういう感じはしない。

『悠二、フレイムヘイズにとってなぜなったのか?を聞くのはあまり好ましいことではないと聞いたことがあります。』

不思議そうにしている悠二にヘカテーは言った。

「ふ~んそうなんだ」

『基本的にフレイムヘイズは復讐者ですからね。なる理由は本人にとって一番のトラウマ、聞かれたくないのは当然でしょう』

ヘカテーの言葉にそう言われてみればそうだなと思い、同時にシャナに悪いことしたなと後悔の念が生まれ、謝罪をしようと口を開きかけたとき

『ほう~貴様がそのようなフレイムヘイズの機微を知っていようとはな・・・』

午前中は無言でシャナの首にぶら下っていたアラストールが言う

『何が言いたいのですか?天壌の劫火』

アラストールの言葉にヘカテーがツンとした言葉で返した。

『いやなに・・・フレイムヘイズを討滅の道具としか、思っていない貴様がそのような繊細なことを知っていることに驚いただけだ』

普段冷静で大人なアラストールが挑発する。

珍しいとは思ったが、初めてシャナに会った時・・・と言っても昨日のことだが・・を思い出して

そうでもないかと思い直した。

『そうですか』

ヘカテーはどうでもよさそうに答えたが明らかに不機嫌になっているのをヒシヒシと感じる。

空気が悪くなったので席を外そうとするとシャナから声がかかった。

「どこいくの」

「ごみ捨てだよ」

悠二はそう言って自分の食べたおにぎりの袋を買ったビニール袋に全部入れ、教室から出ようとした。

教室内の美化のために~とゴミ箱は外の廊下に設置してある。

「待って」

よく通るシャナの声。何の用だと振り返ると空の(・・)メロンパンの袋を差し出してそれを前後にひらひらと振っていた。

シャナが次の言葉を発する前に理解し吐き捨てる

「自分で捨てに行け」

今度こそ教室の外に出る。後ろからケチと声が聞こえるが無視した。

ごみを捨てた後行くべき場所も無いので、教室に行こうとして歩き出した途端男の声に呼び止められた。

「おい、坂井・・!」

その呼びかけの通りに振り返ると仲のいい3人がいた。その内の一人は朝世話になった佐藤啓作である。

今呼びかけたのは中学からの友人で、人も頭もいい、メガネマンこと池速人だ。

悠二は呼びかけられた方に駆け寄りつつ声を掛けた。

「みんなは食堂で食べたのか?」

その問いにメガネマンが首を振りつつ答える

「違うよ。それより坂井、お前、よくあんな騒ぎの後で、事の張本人と飯が食えるな」

その言葉に美少年が続ける

「ホント、勇気のる奴。下手すると、お前までセンセーどもに目ぇつけられるってのに」

「だいたいお前らってそんなになかよかったか?というよりお前の彼女じゃなく彼氏はこいつじゃねぇのか?」

と美少年佐藤啓作を指差しながら絡んできたのは田中栄太。大柄だが愛嬌があって粗暴に見えない。

「「ちげぇよ!!」」

あまりな事を言われたので啓作と悠二の声がハモった、それがまた栄太にネタを上げることになる。

「ふたりとも息ぴったりじゃねぇか~・・ははははは~ぐげぇっ」

あまりに調子に乗っていたので啓作から鉄拳制裁が下った。

「ったく・・でホントはどうなんだ?ん?」

邪魔者を消し去った啓作がシャナとの関係を聞いてくる。

「いや・・・そんなんじゃなくて~なんていえばいいか・・」

本当のことは言えないし、仕事仲間といったところでどんな仕事かを聞かれるだけで。

結果的に言葉を濁すことしか悠二にはできない。

「二人っきりで飯食って会話して。十分“そんなん”だろ」

「平井ちゃんも可愛いっちゃ可愛いけど、なんつーか、マニアックな趣味だな」

「まぁ今の世代多いからなロリ属性の奴。まさか坂井がそうだったとは・・・」

さすがにピキッと来た

「だから~・・・」

言い返そうとして止まった。

よくよく考えてみればヘカテーもロリ属性に入るんじゃないのか?いやでも徒だし・・・でも

シャナも・・・いやまてまてシャナは同業者だから、ヘカテーは相棒だからさ・・・・

確かめるために二人の共通点を列挙してみよう

・小柄

・顔が幼い

・胸が・・・

・・・・・・・・・・・

あれ?最初の3つでもう詰んだぞ・・・

悠二が自分と向き合っては否定を繰り返している間に友人たちは攻め立てる

「やっぱり・・・やましいところがあるな?」

池が都合よく眼鏡を煌かせて追求してくる。

「お前がそっちの趣味なのは良くわかった!その根性を見込んで他の女の子とも、是非渡りをつけてくれ」

啓作がまじめな顔をして懇願と嫌味を言ってくる。朝の仕返しだろうか?

「このムッツリが!啓作だけでは飽き足らず、ロリっ娘までに手を出すか!どういう催眠術を使った!!教えデゥ!!」

最後の馬鹿には啓作と共にとりあえずボコしておいた。ちゃんと手加減はしているけどね。こんなくだらないことで大切な、共にバカをやれる友人を失うわけにはいかない。

目を閉じて決意を新たにしていると、声が・・・いや命が停止した。

失ったわけではなく停止した。

 

 

 

 

 

 

 

 

封絶・・・・・第二ラウンドのゴングは静寂として辺りに鳴り響いた。

 

 

 




ここまで読んでいただきありがとうございました~^^
実はちょっと困っていて・・・ヘカテーさん何ですけどタグにはヘカテー×悠二って書いてあるから色々としなくちゃな~って思っているんですがヘカテーの事で恋愛感情を知っているか知らないで進めるかでちょっと迷ってますwどっちかがいい~って言う希望があったら言って下さい^^
こんな駄文ですが感想や批判など、どしどし書いちゃってください
では次回でお会いいたしましょう。
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