無窮なるガーズ   作:おさぴら

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13.刑務所問答その1

「それで、お前はなんでここで捕まっているんだ?」

 

「黒の奴らにしてやられてしまったのだ!私としたことが迂闊だったな、はっはっは!」

 

「何でそんなに元気なんだよ…」

 

「元気も何も私はいつもこの情態であるからな!」

 

「あっそ…」

 

 

 

ガーズは呆れてものも言えなかった。

こいつと話していると疲れてくるので早々に話を終わせようと思った。

ガーズは本題に入った。

 

 

 

「俺の剣を知らないか」

 

「ガーズソードの事か?」

 

「俺がいつも持っていた剣だ」

 

「だからそれがガーズソードなのではないのか?」

 

「名前は…忘れた…」

 

 

 

ガーズは自分の剣の名前さえも忘れていた。

剣の名前が思い出せないでいるのに、何故キリンの名前は思い出せたのだろうか?

 

 

 

「剣を手放してから相当時間がたっていると見えるな」

 

「どうしてそんなことが分かる?」

 

「私とガーズの仲ではないか」

 

「俺はそんなに親しくしていた覚えはないぞ」

 

「ガーズ氏は覚えていないだろうが、付き合いは結構長いのだぞ!私の名とウチキの名の覚えようでわかるではないか」

 

「確かに…」

 

 

 

ガーズは自分が覚えていることと覚えていないこと、その二つには何か法則性があるのではないかと考える。

どうやら新しい出来事に関しては、それほど覚えていないようだ。

逆に昔のこと、ことさら長い付き合いのことに関しては記憶が残っているようだった。

ふと、ある疑問が浮かんだ。

 

 

 

「そういえば、何故ウチキの名前を忘れていることを知っている?」

 

「これだよ」

 

 

 

鉄格子の間から何かが投げ出された。

ガーズはそれを片手でつかみ取った。

掌に収まるほどの小型の機械のようだった。

 

 

 

「こいつは…」

 

「どうしたガーズ氏、そいつのことも忘れちまったのか?」

 

「よく覚えてるよ」

 

 

 

ガーズは受け取ったそれをズボンのポケットにしまった。

 

 

 

「どうしてお前が?」

 

「ウチキ氏に渡されたのだよ、もしもの時のために、とね」

 

「やはりあいつが俺様の発明品を持ってやがるのか…」

 

「ウチキ氏はガーズ氏を助け出そうと、あれこれと動いていたのだよ」

 

「奴隷の分際で余計なことを…だが主人を助けようとするその心意気は誉めてやろう!」

 

「誉めてあげるなら本人に直接言ってあげたらどうなのだ?」

 

「それはしない!なぜなら奴隷が調子に乗るからだ!それに今あいつはどっかに行ってしまったしな!」

 

 

 

キリンは少し首をかしげた。

 

 

 

「おや?ウチキ氏の計画ではガーズの家に転移するものと聞いていたが?」

 

 

 

ウチキの計画は、ガーズを連れてガーズの家にワープする。というものだったはずだ。

しかし、それは失敗しガーズはここに残されている。

そこまではまだ想定内。

問題はそこではなかった。

 

 

 

「どっかに行ってしまったというのは変ではないのか?ガーズ氏の家に転移するのだろう?」

 

「あの振出ダイスには制約があるんだよ、今回の場合だと恐らく回数制限に引っかかっているだろうな」

 

「それで?それに引っかかるとどうなるんだ?」

 

 

 

ガーズはキリンの質問に対する答えをわざと茶化した。

 

 

 

「どっか別のとこに連れてかれるんだよ!」

 

 

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