Jumper -世界のゲートを開く者-   作:明石明

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どうもこんにちわ、仕事の合間に本日二回目の投稿に踏み切った作者です。

ここからは再びクロノトリガー編となります。
前回でも言いましたが、前作とは細部が異なるだけで大まかな流れは同じ展開になります。
黒の夢終了後からまた大きな変化があると思いますが、その時までどうかお付き合いください。

それでは、本編第32話、どうぞご覧ください。


クロノトリガー編 第2章
第32話「巨人のツメ攻略 準備編」


 フロニャルドから無事にクロノ世界に戻ってこれた尊とサラ。

 サテライトゲートを抜けた先は中世のデナドロ山だったらしく、デナドロ三人集と言う家臣のフリーランサーたちと感動的(?)な再会を果たした尊は、サラと共にグランとリオンがいたという洞窟で情報交換をしていた。

 

 

「――つまり、お前らは魔王城消滅の衝撃でどこかの島に飛ばされて、虹色の貝殻を守護する巨大な怪物とやりあって命からがら逃げ出したものの行く先々で今まで相手にしたことのない強さを持った敵と遭遇し何度も死にそうになったということか」

 

「はい。我ら一同、あの時ほど命の危険を感じたことはありませぬ」

 

「肉が厚くて刃は通りにくく、吐き出される火炎や翼から繰り出される攻撃は全て驚異の一言でございました」

 

「辛くも脱出した後はちょうど島に来ていた人間に話をつけて船に乗せてもらい、ここまで戻ってきたというわけです」

 

 

 ガイナーたちの話を整理し、尊は素直に感心していた。

 

 ――こいつらが飛ばされた場所は間違いなく巨人のツメだ。しかも虹色の貝殻の場所に落ちてそこでルストティラノと戦って五体満足で逃走に成功した上、めんどくさい魔物の連戦を潜り抜けてここまで帰ってきたと。うん、魔王城の辺りから薄々感じていたが、こいつらも大概バグキャラだな。

 

 しかし、と尊は思考を切り替える。

 

 ――フロニャルドで新しいスキルを得たり戦いの技術を磨いたとはいえ、結局レベルや魔法などは全くと言っていいほど成果が出なかった。それを考えると今の俺ではレベルや装備の観点からしても、ラヴォスどころかジールにすら勝利するのは難しいだろう。だが巨人のツメはこの中世において最強の雑魚がひしめく魔窟だ。レベル上げにはもってこいだろうし、ルストティラノを撃破すれば虹色の貝殻を入手できる。無論、全てを持ち帰ることは不可能だろうが、ある程度の量なら削り取れるだろうし、それを元にボッシュのところで加工してもらえばプリズムの防具が一個くらい出来上がるだろう。魔法防御に強くて状態異常をすべて無効にする防具。是非とも入手したいところだ。

 

 方針を固め、尊は「よし」と声を上げる。

 

 

「お前ら、その洞窟の場所に案内しろ。修行がてら、その虹色の貝殻を一部でもいいから手に入れる」

 

「おお! 流石御館様!」

 

「我ら一同、必ずそう仰っていただけると信じておりました!」

 

「御館様がいらっしゃればあの洞窟の魔物たちも恐れることはありませんな!」

 

 

 ガイナーたちのボルテージが上昇し空気はすっかり巨人のツメ攻略となっていた。

 そんな中、尊の隣で話を聞いていたサラは彼らのテンションについて行けず、恐る恐る尊に話しかける。

 

 

「あの、ミコトさん。彼らはいつもこうなのですか?」

 

「あー、だいたいこんな感じだな。ただ、御館様と聞いたらダルキアン卿が浮かんでくるあたり向こうに染まった気がするけど」

 

 

 苦笑いで説明をする尊をみて、オルティーが口を開く。

 

 

「時に御館様。先ほどから気になっていたのですが……」

 

「なんだ?」

 

「そちらの女性は御館様の伴侶様で御座いますか?」

 

 

 ……………………伴侶?

 

 伴侶。一緒に連れ立って行く者、もしくは配偶者と呼ぶこともある。

 男にとっての一般的な配偶者=嫁、または妻を指す。

 そこまで振り返ると、唐突にフロニャルドでジェノワーズが行った賭けの内容とハチくま母さんの戦いで起こった出来事(ハプニング)が思い返される。

 

――ボゥンッ!!

 

 瞬間、尊の顔が湯気が出るのではないかと思うほど一瞬にして上気した。

 

 

「あ、あのな……いくらなんでもそれは早計すぎやしないか?」

 

「なんと、これは失礼いたしました」

 

「そうだ、伴侶なんて人じゃない。彼女は――」

 

「恋人でございましたか。確かに、伴侶と呼ぶには少々早すぎましたな」

 

「そっちも違う! 確かにサラが恋人だったら俺も嬉しいが、そういう関係じゃないからな!?」

 

 

 家臣の誤解を解こうと必死になる尊だが、気づかないうちにとんでもない発言をしてしまいそれが三人の想像に拍車をかける。

 一方、話題の中心にいるサラは頭の中で尊の爆弾発言がリピートされていた。

 

 サラが恋人だったら俺も嬉しい。

 

 つまり自分が尊とそういう関係になってもいいのだと理解すると、急に胸の奥が暖かくなった。

 フロニャルドにいた時から時々感じたこの感覚。心の中でもしかしてと思う自分がいるが、彼女はそれが確信できるまでこの感情を胸の奥にしまっておくことにした。

 

 

 

 

 

 

 今後の方針を決めた尊たちはデナドロ山を下山し、準備を整えるためパレポリに向かっていた。魔王軍が消滅したことでパレポリとチョラスを結ぶ定期便が使えるようになったかの確認と、必要物資の購入のためだ。

 ミドルエーテルはフロニャルドで使い切ってしまったため大量に補充する必要があり、しかも今回向かう先は強力な魔物がひしめく場所なので回復アイテムは言わずもがな、しばらく巨人のツメがある島でキャンプをする必要もあるので食料やシェルターの予備、そして新しい着替えなど入用なものがたくさんある。

 資金に関しては古代で尊がシドとして行動しているときにジールから日払いでもらっていた給料があり、この世界なら当分は生活に困らないくらいはあるので問題はない。

 パレポリに向かうのが二度目の尊だが、あの時と違い今回はサラとガイナーたちも同行しているためそれなりに賑やかな道中となった。

 

 

「……そう言えばお前ら、町に入っても大丈夫なのか?」

 

 

 今まで家臣として接していたため忘れていたが、彼らは人間の敵として認識されている魔物である。そんな彼らが街に入れるのかと思った尊だったが、彼らは自信満々に答える。

 

 

「ご安心くだされ、御館様」

 

「我ら一同、巨人のツメを生き抜くために行動をするうちに気配を完全に遮断する力を身に受けております」

 

「故に、御館様が懸念されておられる問題は容易に解決できます」

 

「…最早なにも言うまい……」

 

 

 どんどんチート染みたスキルを身に着けていく三人に尊は頭を押さえ、とうとう考えるのをやめた。

 かくして、問題なくパレポリに到着した一行はまず二手に分かれる。物資の購入を担当するのは尊とサラ。船の状況を確認するのはガイナーたちだ。

 ガイナーたちは街に着く前に姿をくらましており、現在大通りでは尊とサラが並んで歩いていた。

 

 

「アイテムはチョラスの方が揃えがよかったから……まずは服だな」

 

 

 歩き回ること半刻。ようやく見つけた服屋で自分とサラの服をまとめて購入する。フロニャルドで購入したものもあるが、着替えはあって困らないので気持ち多めに揃える。

 サラの服を購入する際、ニヤニヤと笑みを浮かべる女性店員に茶化されたりもしたが――若干頬を赤らめながらも――適当にあしらいって店を出る。

 

 

「御館様」

 

 

 二人が店から出てくるのを見計らったように声がかかり、振り向いてみると全身をローブで包んだ男がいた。

 

 

「その声……マシューか?」

 

 

 ローブの影から覗いてみると、右目の上に傷跡があるフリーランサーのマシューが笑みを浮かべていた。

 

 

「調べたところチョラス行きの定期便が10分後に出発とのことです。ガイナーたちは既に現地付近で待機しておりますが、いかがいたしましょう」

 

「行動は早い方がいい。それに乗り込もう」

 

「承知しました。では――」

 

 

 その言葉を残し、マシューはすぐ近くの裏路地へと入って行った。なるべく姿を見せないようにしながら移動するらしい。

 

 

「よし、じゃあ行くか」

 

「はい」

 

 

 サラは自分の服を自前の亜空間倉庫にしまうと、ここ気来るまでと同じように尊の隣に並ぶのだった。

 

 

「……イチャイチャするカップルは全て爆死すればいいのに」

 

 

 なお、店の中から一部始終を見ていた女性店員は仲睦まじそうに去っていく尊たちを眺めながらそう毒づくのだった。

 

 

 

 

 

 

 パレポリから出発した定期便に乗り込んで数時間。正規ルートで乗り込んだ尊たちと誰にも悟られることなく船に忍び込んだガイナーたちは合流するとここからの予定を相談していた。

 既に陽は傾き空は茜色となっており、沖合へ出ようとする船は一隻もない。必然的に、巨人のツメへの上陸は明日へと持ちこしにとなったからだ。

 

 

「寝泊まりは……前にここに来た時と同じでいいか?」

 

 

 以前、北の廃墟へ修業に向かったとき尊はチョラスの宿をとり、ガイナーたちは近くの森で渡したシェルターを使い夜を明かしていた。

 市販されているシェルターは一度設置したら24時間存在し、時間が切れると土に還ると言う謎の科学力満載の逸品である。初めてそれを知った時、尊は「この世界の科学の力ってすげー! でも文明のレベルとアイテムの科学レベルが釣り合ってねーよ!」と語った。

 提案された内容にガイナーたちは「我等は一向にかまいませぬ」と了承し、以前のようにシェルターを受け取ると近くの森のへと消える。

 残った二人はまず営業中のグッズマートでミドルエーテル、シェルター、ミドルポーションを大量に購入すると、宿へ向かう前に一先ず食事をすることにして以前尊が訪れた酒場へと向かった。

 

 

「それにしても……。この街はガレットやビスコッティのように賑やかですね」

 

「まあ、脅威が取り除かれた上での平和だからな。賑やかになるのは必然ともいえるな」

 

 

 ――ただ、その脅威の対象がサラの弟だったとは言えないがな。

 

 内心で尊がそう思っているとやがて目的地にたどり着き、二人はそろって中に入る。店内は尊が以前来た時より活気があり、誰もが楽しそうに飲食を楽しんでいた。

 そんな中で空いている席がないかと店内を見回すと、やがて尊はカウンターの二つの空席の隣に見たことのある男の後姿を見つける。

 

 

「よお、トマ」

 

 

 少し懐かしい気持ちになりながら声をかけると、名前を呼ばれた相手はぎょっとした表情で尊を見る。

 

 

「お前、ミコトか!?」

 

「ああ。久しぶりだな」

 

 

 酒を片手に男――冒険家のトマは酒飲み仲間を迎えようとすると、隣にいたサラに気づく。

 

 

「えーっと、そっちの女性は……お前の嫁さんか?」

 

「その質問をしたのはお前が二人目だが、違うぞ」

 

「なんだ、恋人だったか」

 

「いや、そっちも違うから」

 

「はっはっはっ。顔を赤くして否定しても説得力ないぜ?」

 

「……えっ!?」

 

 

 そんなはずはと思い咄嗟に顔を覆うとトマの笑みがさらに深くなり、尊ははめられたということを悟る。

 

 

「トマ…お前……」

 

「み、ミコトさん。落ち着いてください」

 

「はっはっはっ、照れるな照れるな。 マスター、二人に上等な酒をやってくれ。俺のおごりだ」

 

 

 からかわれて不機嫌な表情を作っていた尊だが、トマの一言が意外すぎて目を丸くしする。

 

 

「お前が酒をおごるとは……明日は嵐か?」

 

「おいおい、俺のことどう思ってやがんだ?」

 

「自分の胸に手を当てて思い返してみろ、酒が絡んだときの俺とお前のやり取りを」

 

 

 言われ、腕を組んで思い返すように目を瞑るトマ。すると次第に顔色が悪くなり、体が小刻みに震え始めた。おそらくサンドリノの宿で起こった出来事を思い出しているのだろう。

 

 

「どうだ?」

 

「……私が悪うございやした」

 

 

 トラウマを呼び覚まされたトマはガクッと俯き、溜め息のように謝罪の言葉を口にした。

 一先ずカウンターに座り、尊は以前注文したメニューと同じものを二つ注文する。注文が受けられるのと入れ替わりで、カウンターの男性がトマの注文した酒を二人の前に並べる。

 

 

「とりあえず、再会に乾杯」

 

「ああ」

 

「お嬢さんも、出会いに乾杯」

 

「あ、はい」

 

 

 グラスとジョッキをぶつけ合い、ゆっくりと喉に流し込む。

 尊は久しぶりに飲むトマとの味に頬を緩ませ、サラはジールやガレットで飲んだものとはまた違った酒の味に口元を手で抑えて驚く。

 

 

「このお酒、おいしいですね」

 

「そりゃよかった。で、お前はどこでこんな綺麗な人を見つけたんだよ?」

 

「仕事先でちょっとな。 そういえばお前、虹色の貝殻を探していたよな? 結局どうなったんだ?」

 

 

 サラのことを深く探られる前に以前ここで会話した内容を引っ張り出し、それとなく尋ねる。しかしその話になるとトマは少し難しい顔をした。

 

 

「見つけたっちゃ見つけたんだが、取りに行くならやめとけ。確かにあれを手に入れられりゃ巨万の富を築くなんて造作もないことだろうが、命捨てることになるぜ」

 

「なんだ、やばいのがいるのか?」

 

 

 ルストティラノの存在を知っているが、尊はあえてトマの口から聞きだそうとする。が、その口からは予想外の言葉が飛び出してきた。

 

 

「実はな、現地で出会ったボロボロのフリーランサーたちが『命が惜しくばやめておけ。ここの怪物はただの人が相手にしてよいものではない』って警告してきたんだよ。で、本当かどうか見に行ってみると確かにヤバそうなのがいやがったんだ」

 

「ブフォッ!?」

 

 

 思い当たる節がありすぎる発言に思わず口にしていた酒を噴出しむせてしまう尊。

 隣に座っていたサラも思い当たる発言に驚きを隠せないでいたが、咳き込む尊を見て彼の調子を最優先とした。 

 突然噴出した尊に疑問を持ったが、それ以上に目の前の光景がトマに別の思考を持たせた。

 

 

「お似合いだよ、お前ら。 ――ん? リア充爆発しろ?」

 

 

 最後に何処からか受信した謎電波がつぶやきとして漏れたが、それを聞いた者はいなかった。

 

 

 

 

 

 

 トマと再会して酒を飲みわかしてどれくらいの時間が経っただろうか。ふともう一つの隣が静かだと思い見てみると、サラは疲れたのか眠りに落ちていた。

 

 

「ッと、少し飲ませすぎたか?」

 

「それもあるだろうけど、今日は少し疲れたからな。ここらでお開きにするか」

 

 

 トマもこの提案に反対することなく、飲み食いした代金を折半する。万能薬と水で酔いを冷まし、寝落ちしたサラをおぶり酒場を後にした俺はトマと別れて以前も泊まった宿屋を目指す。

 それにしても、少し引っ張りまわしすぎたか? 船で少し休んだとはいえ、フロニャルドからこの世界に戻って来るなり、割とすぐに結構な距離を移動したからな。肉体的にも精神的にも疲労していてもおかしくはない。

 巨人のツメは……落ち着いてからでも遅くはないか。とにかく、今は休ませよう。

 背中にかかる重みを感じながらそう考えているとやがて見覚えのある宿屋の看板が目に入る。一直線に向かって入店し、自分とサラの部屋を取ったらさっさと寝ようと心に決める。

 ――が、その目論見は入店してから30秒も経たないうちに崩れ去ることとなった。

 

 

「部屋が一つしか残ってない?」

 

「大変申し訳ありません。本日は大変混雑しておりまして……。もうそこしか……」

 

 

 本当に申し訳なさそうに話すカウンターの女性から一度視線を外し、背中のサラに目をやる。

 すぅ、すぅ、と安定した寝息を繰り返しており、起きる気配が全くなかった。

 しかたない。彼女をベッドで寝かせて、俺は床で寝るとするか。

 最後の一室を取らせてもらい、鍵を受け取ると部屋まで移動する。

 

 

「――ここか」

 

 

 背中のサラを落とさないように鍵を回し、中に入って電気をつける。

 そのままベッドに下ろそうと進んだところで、俺は愕然とした。

 

 

「……だ、ダブルベッド、だと!?」

 

 

 そう、あろうことかベッドは一人用のシングルではなく、二人は優に眠れるサイズを誇るダブルベッドだったのだ。

 若い男女が宿のダブルベッドで一夜を過ごす……いかんいかんいかんッ!! そんな18禁的なことが許されてたまるか! 何故だかわからないが、やってしまえばいろんな意味で消されてもおかしくない!

 煩悩退散煩悩退散と頭の中で繰り返し、ベッドの上に来るなりサラを背中からおろす。彼女は相変わらず寝息を立てており、とてもじゃないか簡単に起きそうには見えなかった。

 

 

「よし、とりあえずこれで――っとぉ!?」

 

 

 ベッドから離れようとすると、不意に腕を引っ張られベッドに倒れこむ。何事かと思い重くなった左腕を見てみると、なんとサラが眠りながら腕をがっちりとホールドしていた。――って、この体勢だと腕が胸に!?

 年齢=彼女いない歴の俺にとって、これは少々刺激が強すぎるぞ!!

 

 

「おお落ち着け俺。そうだ、素数を数えるんだ。2、3、5、7、11ぃ!?」

 

 

 急に腕の締め付けが強くなったかと思ったらなんか抱き込みが深くなっとる!? なんだ!? 何なんだこの状況!? なにがサラをそうさせるんだ!?

 体温が急上昇するのを感じながらサラに目をやると、なんだか幸せそうな顔をして眠っていた。夢の中で何かいいことでもあったのか?

 とにかくこのままでは俺の精神的にも理性的にもよろしくないのでなんとか脱出を試みる。が、離そうとすれば彼女は嫌そうな顔をして手放すまいとさらに抱きつき、抵抗をやめれば再び幸せそうな顔をする。

 

 

「……こ、これじゃ眠れん……」

 

 

 その後、俺は悶々とした気持ちのまま数時間を過ごし、いつの間にか意識を落とすこととなった。

 

 

 

 

 

「…………んっ」

 

 

 瞼の裏を刺激する光でサラは目を覚ます。いつから眠っていたのかわからないが、酒場で飲んでいたあとからの記憶がない。

 加えて自分がいるのはどこかの部屋らしく、広いベッドの上で眠っていたようだ。

 

 

「私、一体……あら」

 

 

 自分の腕が何かに抱きついていることに気づき目をやると、どこか疲れた表情で眠っている尊がいた。

 

 

「……や、やだ! 私、どうしてミコトさんと同じ寝台で!?」

 

 

 バッと飛び跳ねてわたわたと顔を赤くし頬に手を当てるサラだが、その答えが判明したのは尊から説明を受けてからだった。




本編第32話、いかがでしたでしょうか?

今回のような感じでクロノトリガー編は描写に変化が生じると思います。
クロノたちとの合流は4話後を予定していますので、原作ファンの方々はもうしばらくお時間を。

それでは、今回はこのあたりで。
また次回の投稿でお会いしましょう。

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