バカ達と巫女とお稲荷さん   作:エルシオンガンダム

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第1話:神と巫女と大落下

伏見稲荷大社 とある神社内

 

 

 

『うか! 君が好きだ!』

 

「うふふっ♪ どうしよっかな♪」

 

やあ皆、私は『宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)』。友人からはうか様って呼ばれてるんだ。

 

今私は、大好きな恋愛ゲームをやっているんだ。くうう! 此処まで来るのに何週間経ったことやら。

 

「やっぱり此処は好きで!」

 

私は○ボタンを押し、エンディングを迎えた。やった! やったよハイジ! 私頑張ったよ!

 

コンコン

 

「? 誰だい?」

 

ガチャ

 

「私ですよ、うか様」

 

「ああ、朱乃か」

 

この子は『姫島朱乃』、この大社で暮らしている巫女のひとりだよ。この子は種族が堕天使なんだけど、訳あって悪魔になったんだ。性格もちょっと攻め派だけど、かなり良い子だよ。前に私の兄が私に抱きつこうとした時に雷で倒して捨ててきてくれたんだ。

 

「あらあら♪ また例のゲームですか?」

 

「やっと恋人ENDまで行けたよ」

 

「そうなんですか。良かったですね」

 

「ありがとう」

 

朱乃は私のことを知っている巫女の一人で、何かと私の手助けをしてるんだ。

 

「それで、一体どうしたんだい?」

 

「智さんが「お茶が出来たのでうか様を呼んできてくれますか?」と言われたので」

 

「そうだったんだ」

 

「それと、いなりちゃんも来てますから」

 

「いなりも?」

 

「今日はお休みらしいので」

 

「そっか。わかったよ」

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

「あ! うか様!」

 

「やあいなり、会えて嬉しいよ」

 

「私もですようか様!」

 

この子は『伏見いなり』、私の親友で私のことを知っている者だよ。御使いのコンを助けてくれた時に出会ったんだ。良く一緒に遊んでいるんだ。

 

「うか様、お茶が入りましたよ」

 

「ああ智、ありがとう」

 

それでこっちは『浅間智』、私のことを知っている者の一人で、弓矢が得意な子だよ。それでいて同人誌(18禁)とかを描いていたりするんだ。少し前に私が頼んだBL系のも描いてくれたんだ。

 

「うか様、なんや嬉しそうやけど、どないしたんですか?」

 

「いやねいなり、前からやってたゲーム、やっと恋人ENDまでいけたんだよ!」

 

「そうなんですか? 良かったですねうか様」

 

「確かあれ、結構難易度高い物でしたよね?」

 

「うん! あの子をクリアするのに何週間掛かったことやら」

 

「そ・・・そこまでですか」

 

何処行っても友達ENDだったから結構苦労したよ。

 

「それよりも、皆でお茶飲みましょ!」

 

「そうだね」

 

「はい、今日は桜餅もありますよ」

 

「わあ、ありがとう智さん!」

 

「それでは、いただきましょうか♪」

 

「はい!」

 

それから私達はお茶を楽しみながら雑談をした。

 

「そういえばいなりちゃん。丹波橋君とはどこまで行ったの?」

 

「え!? あっ・・・えっと・・・その」///

 

「うふふっ♪ その顔は進展なしってところかしら?」

 

「・・・はい」

 

いなりは『丹波橋紅司』という男の子に恋をしているんだ。

 

「そんなことでは駄目よ。もっと攻めて行かないと」

 

ムニュ

 

「ひゃ!?」///

 

朱乃はいなりの胸を触った。

 

「あらあら、反応が可愛いわよ♪」

 

「あ・・・朱乃さん!」///

 

「朱乃さん、その辺でやめましょう」

 

「あんまりいなりをいじめちゃだめだよ?」

 

「いなりちゃんの顔が可愛いかったもので」

 

まあ確かにいなりは可愛いよ。そこは認めるよ。

 

そんなことを思っていると。

 

 

 

「「「ギャアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーー!!??」」」

 

 

『!?』

 

あれ? なんか空から悲鳴が聞こえたんだけど?

 

「ああ! うか様! 空から男の子達が!?」

 

「ええ!?」

 

「あらあら、本当に落ちていますね?」

 

「朱乃さん、呑気に言わないでください!」

 

いなりがパ○ーみたいな台詞で空に指を指していた。私達も空を見上げると、いなりの言うとおり空から男の子が落ちていた。

 

「うか様!」

 

「わかってる!」

 

私は神通力を使って、風を起こした。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

 

「・・・・・・あれ?」

 

僕は変な浮遊感によって起きた。

 

「・・・起きたか、明久」

 

「雄二? ムッツリーニ? どうしたのそんなに真っ青になって」

 

「・・・下を見ろ」

 

「へ? 下?」

 

ムッツリーニの言うとおり、僕は下を見た。・・・あれ~? どうして地面があんなに遠いんだろう? それになんだか落ちてるみたいな感じだな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・」クスっ

 

「・・・・・・・・・・・」クスっ

 

「・・・・・・・・・・・」クスっ

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、みたいじゃなく、僕達は落ちていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「ギャアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーー!!??」」」

 

 

ちょッ! まって!? どうしてこんなことになってんの!? いや! そんなことよりもこの状況を打開しないと!

 

「ムッツリーニ!」

 

「何か手はないのか!?」

 

「・・・残念ながら」

 

「「怒畜生ーーーーーーーーーーーー!!」」

 

こ、こんな死に方あんまりだーーーーーーーーーーー!!

 

『誰か助けてくれえええええええーーーーーーーーーー!!』

 

 

 

 

フワ

 

「え!?」

 

「な!?」

 

「!?」

 

突如したから強い風が吹いて来た。

 

「フッ」

 

「あべし!」

 

「たわば!」

 

ムッツリーニは上手く着地できたけど、僕と雄二は地面に顔をぶつけた。

 

「だ・・・大丈夫かい?」

 

「え?」

 

「あぁ?」

 

「む?」

 

「え?」

 

僕達は声が聞こえた方向に向いた。

 

そこには、

 

「君達、私のことが見えるのかい?」

 

綺麗な女性がいた。

 

 

 

 

 

 


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