取り敢えずギミックとかそういうの全部忘れて笑ってくれれば嬉しいです。
「うっそーん」
「どうされましたか、妹様」
「これ見てよこれ。これアカンやつ」
「…………なるほど、常識的な範囲から見れば完全に非常識な代物ですね」
「使えんのかなぁ、こんなの……、」
「インパクトは絶大ですからね。見返りは大きいでしょう。例えリスクが大きいとしても、妹様であればできると思いますよ」
「信頼厚いなぁ、面倒臭いなぁ……」
「では今日の合同実習を始める」
「気を付けっ、よろしくお願いします!!」
「「「よろしくお願いします!!」」」
「休めッ」
「さて、本日は専用機持ちと一般生徒は別れての実習を行うことになる。専用機持ちはこの後で前に集合、他は山田先生の指示に従って班分けを行ってから実習開始だ。くれぐれも時間を無駄にするな、以上!!」
何とまぁ暑苦しい授業だろうと思う。ここは軍隊か。そんな厳しところにゃいたくないぜよ。
世界一位の人の周りに集まった専用機持ちはあたしを含めて6人。あれ、もう1人いたとメイドさん言ってた気がするんだけど……まぁいっか。いてもいなくてもあたしには関係ないことだ。
「今日だが、新しく高宮が専用機持ちとして加わることになる。よっていつものメニューは行わず、高宮メインでお前たちには訓練を行ってもらう。高宮、1両日にこのメンバーに慣れろ」
「はいさーい」
「それは沖縄方言だろうが」
つれないぜ。
「あー。高宮司信、よろしくねー」
「イギリス代表候補生、1組のセシリア・オルコットです。以後、お見知りおきを」
「中国代表候補生兼2組代表、凰鈴音よ。よろしく頼むわね、高宮」
「うーん、面倒な時はスルーするわ」
「おい」
眼帯ちゃんからツッコミが入る。仕方ないでしょー面倒な時は面倒なんだから。
「織斑一夏だ。高宮さん、これからよろしくなっ」
「おー、よろしく。ところで織斑君はあたしのお婿さんになる予定ない?」
「…………はいッ!!??」
「お婿さん」
「いやいやいやいやいやいや!! え、2回目に会っていきなりこれドユコト!?」
「ちょっと一夏、どういうこと!?」
「一夏さんっ、見ず知らずのこんな小さい方と……犯罪ですわ!!」
「一夏、いつの間に高宮さんとそんな関係に……?」
「おい、どういうことだ。理由を話せ」
「ストップ、いやホントにストップ!! 俺も今初めて聞いたら状況何もわかってないんだよ!! まずは話をだな……、」
おうおうおう、マジか、織斑君超人気だな。ちくせう、さっさと主夫にすれば身の回りのお世話してくれると思ったのに……あの家事スキルは是非とも手に入れておきたいというのに。ライバル多くね?
「静かにッ!! その程度の話で取り乱すんじゃないこのバカ共が。高宮、お前も時と場所をわきまえて発言するように」
「縛りプレイって上級者よね~」
「返事」
「いえすまむ」
「全く……。こほん、で、訓練の内容だが各自高宮と模擬戦を行ってもらう。競技時間は各自10分、インターバルは2分だ」
「ストップです世界一位さん。それだとあたしの凄いことになると思うんですよ、色々な意味で」
「このくらい凌いで見せろ」
鬼!! 悪魔!! 世界一位!!
「口の聞き方はわきまえような、高宮?」
「いたっ、ちょ、何も言ってな、あ、割れる、中身出ちゃう、いたいいたいいたたたたたたギブギブギブギブ」
「骨の軋む音が聞こえる……、」
「口を滑らせるとああなるのか……、」
「」←震えて声が出ないセシリア
「」←同じく鈴音
「ち、千冬姉、じゃなくて、織斑先生、取り敢えずそこまでで……」
「む、そうか。時間も押しているな。では各自行動開始。対戦順は一任する」
「「「「「はいっ」」」」」
「あのっ、そろそろ離して……っ、」
殺されるかと思った。
「で、最初は誰が出る?」
「誰でもどーぞ」
「どうしよう、ジャンケンでもする?」
「まぁ誰から行っても変わりはないでしょうし」
「でも後の方が有利よね」
「そうか、戦い方を見れるからか……あれ、皆さん何で俺の方じっと見てるの?」
「「「「一夏/一夏さん/嫁、一番最初で」」」」
「ファッ!?」
「良かったじゃないか織斑君。一番槍兼生贄だ」
「嬉しくねぇ……」
という訳で織斑君が一番。最終的に勝率順になったらしい。ってことは眼帯ちゃんが一番最後か。どんどん強くなっていく……王道漫画のインフレっぽい展開だこれ。これ勝ち抜いて行けば壁を超えて強くなるとか言う胸アツ展開狙えるね。
まぁ微塵も期待してないんですが。
「さて、じゃあやろうよ織斑君。あ、武装積んで来るからちと待ってて」
「え? あ、おう……積んでないのか?」
「うんにゃ、容量がエネルギー制御系統に割り振られててね。武装何も無いの。何か適当に持ってこないと」
ピットに入ると予め中身を確認した大きなコンテナが6つ。そのうちの1つ、No.1と書かれたところに行くと脇にメイドさんが控えていた。
「メイドさん、準備してもらっていい?」
「承りました。ISを展開しこちらに背を向けて下さい」
「あいあい」
ISを展開。見た目はラファール・リヴァイヴって言う第2世代機に近いけど色々と排除されてて必要最低限の機構しかない奴だ。PICで浮かんでコンテナに背を向けると、メイドさんがいつの間にか持ってたタブレット端末を弄るとコンテナの側面がスライド。中からアームが伸びて来て四肢をがっちり固定された。更にコンテナの中から大きな影がアームによって運ばれてくる。
ソレは何とも言えない、凶器。6連装のチェーンソーが取り付けられた、ISの大きさと大差のない武装。ソレは肩部と背部の固定具にガッチリとドッキングされて固定される。
正式名称『対警備組織規格外六連超振動突撃剣』、通称『グラインドブレード』。説明書を見た時、この武装を設計した人達はどんな世紀末でどんな敵と戦っているのかわからなくなった。
マウントされたグラインドブレード本体のチェーンソー部分は右肩に、左肩部分にはエネルギーバイバスがまとめてある。
近くで見ていた5人があんぐり口を開けてこっちを見ていた。そりゃそうか。
「よし、織斑君、
「字が違くないっすか。てか聞いてないっす……」
「まぁまぁ。実はこのIS、この武装を使う為だけに作られた欠陥品なのよ。実際装備これしかないから許しておくれ」
「あ、質問なんだけど……、」
「ブロンド君、どうぞ」
「もしかして、似たような武装があと5つあるってこと……?」
「もしかしなくてもそうだよ。流石にこればっかり使ってたらあれだからね。まぁ調整したのがこれだけだから今日はこれだけ使って行くけど」
「私からもいいか」
「眼帯ちゃんどーぞ」
「参考までに、そのチェーンソー……グラインドブレードの威力は?」
「相手は死ぬ」
「えっ」
「攻撃当てる。相手は死ぬ」
「」
「一夏っ、しっかりしなさいッ!! 白目向いてる場合じゃないわよ!!」
「いやだぁ!! 死にたくなーい、死にたくなーい!!」
「もちつくんだ織斑君」
「餅つきしたって美味しい餅しかできねぇよぉ!!」
「まぁまぁ。これ滅多に当たらないから」
「しかし当たったら死ぬって仰りましたよね……?」
「それな。そうだ織斑君、物理盾でも適当に構えたらどうかな? 1回の接触なら防げるよ」
「そ、そうなのか!?」
「まぁオーバードウェポンって全部多段ヒットだから死ぬけど」
「」
「あ、一夏が倒れた」
「しっかりしろ嫁、傷はまだ浅いぞ!!」
「傷も何もあったもんしじゃないよね……、」
「一夏さん、気を確かに!!」
「…………ハッ、俺は何を……そうか、全部夢だったのか……ッ」
「もう手遅れだ、これ」
「一夏ァ!! 男が弱気になってどうすんのよ!! 女子の手前、少しはかっこつけて見せなさいよ!!」
「り、鈴……っ。……すまねぇ、俺ってばたかが言葉に圧倒されてた、弱気になってた……でも、そうだ、まだ勝負は決まった訳じゃない。やってみなくちゃわかんねぇ!!」
「その意気だよ一夏!!」
「行けますわ一夏さん、貴方なら!!」
「流石はわたしの嫁だ」
「ありがとう皆。俺、頑張って来る……!!」
イイハナシダナー。
盛り上がったところで外へ。あたしの場合はグラブレが重すぎるのでカタパルトで射出してもらってから飛び出す。飛ぶのもやっとだ。
「重そうだな、その武器」
「だしょ。実際重い」
「デカイもんなぁ、ソレ。ま、ともかくやろうぜ」
「おうけい、それじゃあ遠慮なく」
ガコン、と重々しい音が鳴った。右肩のチェーンソー群がアームで運ばれ、右腕にドッキング、同時に左肩のエネルギーバイパスも左腕に固定されて巻き付いた。
直後、ISのシールドバリアが消失。バシュウッと各部から煙が吹き出し温度が上昇。ジェネレータが爆音を掻き立てて唸り熱暴走、エネルギーをガンガン生成し、その頃にはチェーンソー達が真っ直ぐ展開されオレンジ色の光を放ちジリジリと回転を始めた。
ものの数秒で回転速度はマックスに。ギャギャギャギャギャギャッ、と火花を散らす。
「さぁ織斑君」
チャージを開始。チェーンソーが横並びから纏まり、円を描くように回転し始め内部にジェネレータから出るエネルギーを溜め込む。
その間にもあたしのISは超超超高熱によるダメージを継続して受け続けているし、更に言えばシールドバリアもグラブレ使用のためのエネルギー生成のためのジェネレータを駆動させるための制御に割かれて無いため無防備だ。
「殺ろっか♪」
「」
ブースターを全力で噴かす。熱暴走するジェネレータのおかげで駆動エネルギーは無限、つまりいくらでも加速できる!! グラブレを構え、突貫!!
「ギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッ!!!!????」
あっ、逃げんな!! これ展開時間限られてるんだから!!
「「「「…………………………………………、」」」」
「ね、ねぇ、」
「…………言ってみろ」
「…………怖いです」
「無理よ、あんなの……、」
「足が震えてきましたわ……、」
「…………ん、んんっ。わたしはちょっと花を摘みに……、」
「ラウラ、……アンタ、に、逃げるつもり……?」
「は、ハァ? このわたしが勝負から逃げるとびにょ…………逃げるとでも?」
(噛んだ)
(噛んだわ)
(噛みましたね)
「ふっ、ふんっ、勝負のために万全を期すのは軍人として当然の事だろうッ、トイレに出向いて何が悪い!?」
「じゃ、じゃあ僕が付いていくよ!! ラウラが逃げないように監視しないとだしね……!!」
「それならわたくしもご一緒しますわ!! 2人だけで逃げないよう近くで監視しませんと」
「ハンッ、3人とも臆病ね!! これで皆逃げたらどうなるかしら!! 皆臆病風吹かせた小心者よね!?」
――――ギュイイイイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!!
――――ヒィィィィィィィィッッ助けて千冬姉ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!!????
――――待て待て待てぇぇぇぇいッッ!!!!
「「「…………………………………………、」」」
「………………………………………………あ、あにょ、と、トィレ、付いてぃってぃぃです、か…………?」
「…………ああ」
「…………どうぞ」
「…………行きましょうか」
「「「「………………………………………………………………、」」」」
4人は悟った。トイレに行かないと、多分、下半身が大洪水になりかねないと。
シャルロット
「やめて!! オーバードウェポンの暴力で全てを焼き尽くされたら、一夏まで燃え尽きちゃう!!
お願い、死なないで一夏!! 一夏が今ここで倒れたら、皆との約束や臨海学校はどうなっちゃうの? シールドエネルギーはまだ残ってる。ここを耐えれば、高宮さんに勝てるんだから!!
次回「織斑一夏死す」。デュエルスタンバイ!」
五之瀬キノン:ツイッター
@itunosekinon529