養って下さい何でもしますから!!   作:いつのせキノン

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ちくわ6本目

 臨海学校1日目が終わった、らしい。らしいって言うのはあたしが午後からぐっすり寝てて、起きたのが夕方だったもんだから何も聞かされてないって状態。気付いたらメイドさんに旅館まで運ばれてた。メイドさんGJ。

 

 結局1日中海には入らなかった。日焼け止め塗ったから大丈夫だと思うけど、後で日焼けが痛まないかだけが心配だ。

 

 んて、今は夕飯もお風呂も終えて部屋でテレビ見てる。

 

「……ニュースもつまんないし、平日だもんなぁ」

 

 アニメは深夜しかやってないし……寝るか? んーでも後でまた点呼あるからそん時は起きてないとだし……1回寝ると起きるのツラいからやなんだよなぁ。

 

「よし、遊びに行こう」

 

 誰の部屋がいいかな。取り敢えず無難に優しい優しいブロンド君のところに行こう。

 

 

 

「と言う訳で徒歩で来た」

「どういう訳だ」

「あはは……いらっしゃい高宮さん」

 

 来て早々眼帯さんに変な目で見られた。ブロンド君は相変わらず優しい。苦笑してるけど。もう男装させて嫁にしてもらうわ。

 

「そんな訳でブロンド君、あたしとア・ツ・イ・ヨ・ル、一緒に過ごそ♡」

「え、遠慮しとこうかな……?」

「シャルロットから離れろこの変態め」

「なんだい眼帯さん、ブロンド君の代わりになってくれるのかな?」

「ならん」

「…………まさかの3人でくんずほつれつ……?」

「だから誰もしないと言ってるだろ!?」

 

 つれないぜ。

 

 とか言ってたら部屋の扉が開いた。誰奴!!

 

「って切れ目さんとチャイナさんか」

「……アンタって他人に尽く変な名前付けるわよね……」

「変とは失礼なっ。これでも感性によって一番しっくり来る奴選んでるんだぞぅ!!」

「……私が切れ目ということなのか……?」

 

 なぬ、しっくり来ない? まぁそれでもあたしは切れ目さんって呼ぶから関係ないけどねっ。

 

「そんなことより。シャルロットにラウラ、織斑先生から呼び出しよ。今すぐ部屋に来いって」

「え゛っ」

「……何故お前が驚く」

「ブロンド君行っちゃうの……? 折角遊びに来たのに……?」

「あー……えっと……、ごめんね?」

「嫌じゃあ、ブロンド君についてくぅ」

「わわっ」

「っと、大丈夫か、シャルロット? 全く、高宮、少しはシャルロットのことを考えろ」

「あうち」

 

 ブロンド君の背中に飛び付いたら眼帯さんにチョップされた。いた…………くはない。

 

「僕は別に連れてっても特に意見はないけど……高宮さん、織斑先生だよ?」

「あたしは世界一位になど屈しないッ!!」

 

 

 

 

 

 ついて行ったらホンマに世界一位の人いたからビビった。そしてその表情もよく読める。

 

「やっほー、お荷物さんじょーっ」

「……いや、何も言うまい」

 

 疲れた顔で肩を落とす世界一位の人。勝った。やったぜ。

 

 ブロンド君達が呼び出された部屋に入ると、そこは織斑君と世界一位の人の部屋らしい。なるほど、姉弟だから男女な訳か。そう言えばあたしの部屋の同室者は…………あ、メイドさんか。

 部屋には既に織斑君と世界一位の人、あとは貴族さんが顔を赤くして端の方にちっちゃくなってた。何だろう、あたしのいないところでラブコメされてた気がビンビンにするんだよね。ラブコメの波動を感じる。略してラ波感。

 

「てか織斑君既に汗だくだけどどうしたのさ。貴族さんとラブコメで布団でレッツプレイ?」

「? マッサージしてただけだぞ?」

 

 首を傾げる織斑君純粋過ぎんよ……。あと世界一位の人睨まんで下さい。

 

「ふぃぃ。俺また風呂入って来るよ」

「そうしておけ。部屋を汗臭くされたら堪らん」

「お風呂ー? 織斑君背中流してあげよっか?」

「ぶふっ!?」

「「「「「ストップ!!」」」」」

 

 わお、皆元気だね。

 

「教師の前で淫行とは感心しないな、高宮」

「いいじゃないですかぁ、織斑君と距離縮めても。あたしまだ全然交流してないですし?」

「それで風呂に入るのは社会的倫理的にまずいだろうが」

「スク水はセーフですか?」

「旅館規則でアウトだバカ者」

「ちくせう」

「一夏、高宮がやらかす前にさっさと行け」

「お、おぉ……行ってくる……」

「おい一夏、まさか不埒なこと妄想してた訳じゃあるまいな!?」

「な、ななな何を言ってるんだよ箒!?」

「あ、アンタッ、これはいくらなんでも犯罪者よ!?」

「いや、だからちがっ……!!」

「あたし15だよ? 精神医学だとペドフィリアの基準は13歳以下だから問d」

「ルール云々の話じゃありませんわよ一夏さん!!」

「………………………………………………………………」

「誤解だシャル!! そんな高宮さんを背後に庇うような仕草はやめてくれ!!」

「教官。実弟が疑惑かけられてますが」

「……ギルティ」

 

 この後織斑君がめちゃくちゃ怒られた。ついでにあたしもお小言をいただきました。

 

 

 

 

 

「…………そう言えば何で皆集まったん?」

 

 織斑君が先程のいざこざから抜け出してお風呂に行って、部屋にはあたしと世界一位の人と……あれだ、織斑君with専用機持ち+αが残った。ごめん説明面倒くさすぎた。そしてあたし達の手元には缶ジュースが。

 

「まぁ飲め」

 

 と、世界一位の人。じゃあ遠慮なく。……何これ。グレープフルーツジュース? 苦い……。1人げんなりしてると皆も飲んでて、気付けば世界一位の人はビール飲んでた。あれも苦いんだよね……おとーさんのちろっと舐めたことあるけどあの後は泣きそうになった。

 

「口止め料、皆飲んだな? なら私がビールを飲んでいるのも秘密と言う奴だ」

 

 うわっ、汚いさすが世界一位汚い。皆もあたしと同じ顔してた。

 

「で、肝心の話だが……お前達はアイツのどこがいいんだ?」

 

 ひょ? アイツ? 誰? 誰だよアイツって? やべ、わかんないのあたしだけ? 周りの子は皆察してるのかモジモジしてるんだけど? 男? 男なのか? …………ああっ!! 織斑君か!!

 

「……以前より剣道の腕が落ちてるのが腹立たしいだけです」

「……腐れ縁なだけ、だし」

「……わたしくしは、クラス代表としてしっかりしてほしいだけですわ」

「じゃあそのように伝えておこう」

「「「伝えなくていいです!!」」」

 

 鬼気迫る3人。なるほど、ツンデレのツンって奴ですねわかります。でもあたしツンデレは好みじゃないかなぁ。

 

「僕……私、は……優しいところ、です」

 

 隣でブロンド君が俯いてボソボソ言ってるんだけどさ。何この可愛い生き物。あたし貰っていい?

 

「で、お前は?」

「わっ、私ですかっ?」

 

 世界一位の人に聞かれて珍しくオドオドしてる眼帯さん。ヒエラルキーはやはり世界一位の人が頂点か。うむ、逆らわないでおこう。

 

「強い、ところが、でしょうか」

「アイツは弱いぞ」

 

 弱いのか、織斑君。

 

 

 

 

 

「ハックショイ!! ……暑いのに、涼しい……?」

 

 

 

 

 

「つ、強いですっ。少なくとも、私より……」

 

 それ言ったらこの前の模擬戦で織斑君一番最初に来なくね?

 

「まぁ、強いかどうかは別として。アイツは役に立つぞ。掃除洗濯炊事、料理も美味くてマッサージも腕利きだ。付き合えるとなれば得だな。どうだ、欲しいか?」

 

 ――――直後、私の体は勝手に動き出していた。

 

「弟さんを婿に下さい」

「そんな綺麗な土下座してやると思うのかバカ」

「最速土下座が破られただとぅ……!?」

 

 自信あったと言うのに、何故……!?

 

「……お前にプライドはないのか……?」

「プライドで飯食って楽に生きていけると思ったら大間違いなんですよォ!!」

 

 社会ってのはね、媚び諂って生き残るもんなんだよ!! おとーさん言ってたもん。

 

「ハァァ……言っておくが、この程度でやると微塵も思うなよ。女なら、奪ってやるくらいの気力でな」

「財力でもって?」

「誠意でもってだ、バカ」

 

 最後まで世界一位の人にバカにされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様」

 

 …………………………………………Zzz。

 

「お嬢様、朝でございます」

 

 …………………………………………Zzz。

 

「集合時間に遅れますよ」

 

 …………………………………………Zzz。

 

「織斑先生が早く起きてこいとおっしゃっておりますが」

 

 …………………………………………Zzz。

 

「…………では、失礼致しますね」

 

 …………………………………………Zzz…………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………まぶちい…………。

 

「むぉ……ぅー?」

「おはようございます、お嬢様」

 

 ……眠い。

 

「起きる気配がありませんでしたので、失礼ながらこちらの方でお召し物を変えさせていただきました」

 

 ……うぅ、眩しくて……わからん……。

 

「朝食はご飯になさいますか? パンになさいますか?」

「…………ぱん……」

「コーンスープはいかがなさいますか?」

「…………いるぅ……」

 

 あったかいのぉ……。

 

「はい、高宮さん。あーん」

「あーんむっ…………うまし」

 

 …………ん?

 

「…………ぶろんどくん?」

「なぁに?」

「……どしたの?」

「お手伝い♪」

 

 部屋にブロンド君がいて、手にはスプーンとコーンスープの入ったカップが1つ。

 

 …………まぁいいや。

 

「あーん……」

「はい、あーん♪」

 

 うめぇ……ブロンド君の母性溢れるお世話最高。それにしてもブロンド君艶々しとるね。

 

 と言う訳でブロンド君に食べさせてもらって朝食を終えると8時過ぎ。あれ、8時から何かあるって言ってなかったっけ?

 

「ねぇねぇブロンド君。8時から何かあったっけ?」

「普通の子は浜辺集合だけど、専用機持ちは別の場所に集合だね。高宮さんは遅れるって連絡があったから僕が迎えに来たんだ」

 

 はぁ、そんなことが…………ん?

 

「あれ、あたし専用機持ちか」

「忘れてたの……?」

「どうでもよさげな情報は頭に入れない主義でね」

 

 しかしそうなるともう旅館を出ないとならない、と?

 

「今日寝込んでるってことでおk?」

「先程デュノア様が仰っておりましたが、遅刻ながら出席はすると連絡を入れましたので」

「メイドさん裏切ったなぁッ!?」

 

 メンドクセェよぉ……寝てたいよ。2度寝したい。2度寝最高だよ。2度寝から自然と目が覚めた時の気持ち良さと言ったらもう…………え、なに、早く行くって? あ、待って、オフトゥン片付けないで……!!

 

 

 

 

 ブロンド君に案内されて行くととっても不機嫌そうな世界一位の人に迎えられた。こわい。

 

「ようやく来たか」

「さーせん」

「次はないぞ」

 

 んな物騒なこと言わんといて……。

 

 専用機持ちの集まりということでここにはあたしを含めて6人……あれ?

 

「切れ目さんて専用機あったっけ?」

「いや、私は持ってないのだが……、」

「篠ノ之については私が説明するが……その前にだ」

 

 含みを持たせるように世界一位の人がついっと内陸の崖の上を見やる。何だろう。誰か来るの?

 って考えてたらドドドドドドッて何か地響きというか音が聞こえてきて……、直後に足下が弾けた。

 

「ぺっぺっ……砂噛んだ」

 

 何だよ上から来ないのかよウソつき。

 

「やぁちーちゃん、おひさー!!」

 

 足下を見るとうさ耳女が1人、穴を掘って出てきた。誰だコイツ。

 

「うーん夏の日差しが眩しいねぇ~、ちーちゃん?」

「そっちは私じゃないぞ」

 

 そう言えばさっきからこのうさ耳こっち見て喋ってるけど人違いだよね?

 

「あ、やっぱり? 逆光とか諸々で見えなくってさぁ。てっきりちーちゃん身長縮んだんじゃないかと思っちゃった。あーよっこいせっと」

 

 何で地面から出てきたのに砂まみれじゃないんですかねぇ……。つっこんだら負けか。放っておこう。

 

「箒ちゃ~ん」

「……何でしょう、姉さん」

「元気?」

「ええ。特に問題はありませんが?」

「嘘。ブラジャーきつくなっtふぎゃん!?」

「目玉抉り出しますよ?」

「鼻に指突っ込んで言うセリフじゃないよね!? てか箒ちゃん過激すぎない!?」

「気のせいです」

 

 何だ切れ目さんの姉妹か、あのウサ耳女は。

 

「束、さっさと説明をしろ。ただでさえ遅刻者の所為で時間が押してるんだ」

 

 睨まれたけど事実っぽいので黙っておくことにしておきます。あたしは賢いんでね。

 

「束って、本当ですの……!?」

「まさか、あの人……」

「……信じられん……」

 

 なんだってー!? の画像を彷彿とさせる感じに驚く専用機持ちズ。

 

「織斑君、皆は何を驚いてるん?」

「……あ、あぁ……あの人、篠ノ之束って言って、箒のお姉さんでな……ISの開発者でもあるんだけど……、」

 

 ああ、そういうこと。流石にいきなり目の前にISの生みの親が来たら普通は驚くか。切れ目さんの姉って時点で察してはいたけど。

 

「さてさて、今日は箒ちゃんに専用機を持って来ました!! 第四世代!! プレゼントフォーマイリトルシスター!! 受け取ってにょ!!」

「……はい?」

「おー、おめでとー切れ目さん」

 

 良かったね、これで専用機持ちズの仲間入りだ。あたしへのヘイト減るんじゃね?

 

 いや待てよ。ここで切れ目さんに台頭されるとあたしの影が薄くなって行く行くは宣伝が意味をなさないのでは……?

 

「切れ目さん、さっきの発言撤回するわ。嫉妬して呪う。ドアノブ掴もうとして突き指する呪いかけるから」

 

 じっとしてて、今集中するから……。

 

「おーっとォ!! そんなことはぁ、この束さんが許さないゾ!!」

「なぬ、あたしの邪魔をすると言うのか……!?」

「篠ノ之束はッ、妹を危険から守る使命を背負っているのだよ!!」

 

 つ、強い……!!

 

「茶番劇はいいからさっさとしろバカ」

「おっとぉ!! そう何回もアイアンクローに引っ掛かる束さんじゃnぶへっ」

 

 アイアンクローを回避したら脚かけられて顔面から砂場に突っ込んだ。哀れな兎さん。

 

「うぅ、ちーちゃん前より過激っくす……まぁいいや。取り敢えずはー箒ちゃんに『紅椿』ってISあげちゃうからねー。フィッティングとかその他諸々全部ここで終わらせてーテストもやっちゃおっかー」

 

 ほ、じゃああたしらはお邪魔虫か。あっち行ってよ。

 

「お嬢様、そちらは旅館ですよ?」

「そうだね」

「休む気ですか?」

「人間時に休息は必要だよ」

「健康的な生活とは、適度な運動も含まれるのですよ」

 

 今更やん……。

 

「あー、そこのちっこいの」

「ん?」

「後で話あるからサボりは禁止だからね」

「…………何故?」

「まーまー、本題は後で話すからさー」

 

 何故か兎さんに言われた。話ってなんだろ。

 取り敢えず兎さんやることやってからまた来るとか言ってるしそれまで何してよっかな……やっぱ帰るか。

 

 

 

 

 

 帰ろうとしたら案の定メイドさんに止められた。世界一位の人にチクるとか言われたら諦めるに決まってるでしょ。ちくせう。







五之瀬キノン:ツイッター
@itunosekinon529



PS
活動報告にて、ペロちゃんに関係するアンケートしてます。
ご協力お願いします。
http://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=83962&uid=13103
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