目の前に立つ少女は、先程までの無邪気な子供ではなかった。白く長いストレートの髪は黒く染まり、目は黒く澄み渡る純粋な色をしていたが、青黒くなっている。そして、白の身体からは不気味なオーラが包み込むように渦巻いていた。
「白……お前…その姿は………」
武瑠は、今の状況を飲み込めず、唖然とただ立ち尽くすだけだった。
「武瑠、下がってなさい。死にたくないならね。さぁ、行くわよっ!!」
袖から大量のアミュレットを取り出し、それを弾幕として打ち出す。
白は動かず、立っているだけだ。だが、弾幕が白に当たろうとした時、周りの柱や床から植物の枝が飛び出し、アミュレットを突き刺していく。突き刺された札は、動かなくなり、ただの紙切れになっていた。
「くっ…なら、これならどうかしら
【夢符 封魔陣】」
懐から小さな紙を取り出して唱える。赤い札を袖から取り出し、放射状に放つ。そして赤い札が数枚、白に迫る。白は同じように植物の枝で無効化しようとする。しかし、当たる寸前で4、5枚に別れ、広がり、勢いを増して迫る。
「っ!?」
焦ったのか後ろに飛び、距離をとる。だが、周りの柱や床が変形し、白を守る盾を作り防いだ。スペルブレイクすると盾から植物の枝のような物が伸び、槍のように突き刺そうと迫る。
「めんどくさいわねっ!!!!」
槍のように鋭く尖った植物の枝を交わしながら、盾の目の前に接近する。
「いつまでもイモってんじゃないわよっ!!!!!」
前へ進むスピードを利用し、回し蹴りで盾を破壊する。その後、素早く袖からアミュレットを構える。白はそれを読んでいたかのように壊される前に後ろへ飛び、外の庭へと出て、距離をとっていた。
回し蹴りした体制から立て直し、霊夢は懐から小さい紙を取り出す。
「【夢符 夢想封印】」
霊夢の周りから幾つもの虹色の弾幕が現れる。それがバラバラに白へ向かって飛んでいく。白は庭にある植物を変化させ、それを弾幕として打ち出した。槍のような枝や刺のような弾幕を使い、何発かは無効化する。だが、どれも不規則な動きをしていて捉えられない。そして白の周囲を囲み一気にぶつかる。爆発し、煙が周囲を覆う。
「やったか?」
武瑠は神社から様子を伺いつつ尋ねる。
「いえ……まだよ…」
霊夢は煙の向こうを睨みつける。
すると、煙の中から数本の植物の枝が、霊夢目掛けて伸びてくる。それを前に進み、横にずれながら、回避して行く。しかし、それを読んでいたかのように、ハエトリソウに類似した植物が霊夢を挟む。
「キャっ!!何…これ…グッ…離れないっ!!」
力を入れるがさらに締め付け、離そうとしない。
「霊夢っ!!!!!無事かっ」
武瑠が霊夢の元へと駆け寄ろうと近づいてくる。
「武瑠っ危ないわ。こっちに来ないで!!」
「黙ってろ…」
白が霊夢に向かって槍のような枝を数本飛ばす。
「くっ…せめてスペカが使えたら…」
(腕に力を入れようにも締め付けられ、動かす事もままならない。懐に入っているスペカさえも取り出せない…)
現実を直視出来なくなったのか目をつむる。あと数秒もすればこの巨大な植物諸共貫かれる。そんな姿を想像したくないのだろう。
「霊夢ーっ!!!!!!」
声は出せても手は出せない…
そんな自分の無力さはあの夜から理解していたはずなのに…
武瑠の頬を一滴の雫が流れた。
霊夢に植物の槍が刺さろうとした時、どこからともなく隙間が開き、植物の槍は飲み込まれていった。
「とんでもない奴が紛れ込んだようねぇ。全く…」
何処かで聞いた事のある声が響き渡る。この見た事のある不気味な隙間。おっとりとした大人びた声。そう、隙間から現れたのは八雲 紫だった。
「紫さんっ!!!!」
紫は、ふふっと微笑し、ニヤける。
「邪魔をするなっ!!」
槍状の植物を多量に紫目掛けて弾幕を張る。だが、再び隙間によって無力化される。
「ちっ!何処へ行った!?」
いつの間にか紫の姿が消えていた。
辺りを見渡すもどこにも姿がなかった。
「あら、このぐらいも見つけられないとはまだまだね」
「!?くっ」
気づくと後ろを紫に取られ、急いで距離を取る。
「さぁ、早く霊夢を解放しなさい」
殺意のこもった目つきで見つめる。
「っ…!!なら、あなたが代わりに捕まるといいわ!!」
霊夢の捕まっていた植物が開くと同時に紫を捕まえようと襲いかかる。
「もう、我慢の限界ね…」
植物が紫を喰おうとした時に隙間で後ろに回り込み、弾幕で植物を破壊した。
「武瑠くん、霊夢をお願いするわ。
私はこの子にお仕置きをするから」
不敵に笑い、黒に殺意を向ける。
「お仕置きなんて必要ないわ。おばさまはそこで寝ていればいいのよ」
すると白も不敵に笑い出す。紫さんと白の間にはとてもどす黒いオーラが渦巻いていた。
植物に捕獲されていた霊夢のそばに行こうとするが、
「こっちに来ないでっ!!!」
何故か助けるためなのに拒否されてしまった。確かに自分は見ていることしか出来なかったが傷ついている霊夢を安全な場所は運べるだけの力はあるのに…
深くため息をつく。
ふと、紫さんの方に目を向けると物凄い事が起こっていた。白と一緒に武器に笑いながら弾幕を打ち合っているのだ。なんだか楽しい時に笑うような声ではなく、殺意などの黒い笑い方のように思える。とてもじゃないがある意味見てはいけない気がする。このままでは霊夢が危ない気がしてならないため、嫌がるかも知れないが神社まで運ぶ事にした。
「ちょっ…お願いだからこっち来ないでぇぇ」
なんだか、顔を赤くしながら言っている気がするが目の錯覚だろうか。
よく見ると服が溶けていたり、所々透けているような…
「っ!!!なっ」
「きゃっ!!」
足元に気が取られ、肥大化していた植物に躓き、転んでしまった。この植物は多分白が弾幕で使ったものだろう。だが、これはなんだか仕組まれたような感じに置いてある気がしてならない。不自然過ぎるのだ。
そんな事を思いながら、誤って霊夢の上に倒れてしまった。下敷きになった霊夢からはとてつもないぐらいの怒りを感じる。血の気が一気に引いく。
「武瑠…早くどきなさい…」
「っ!!すっ…すいませんでしたぁぁ」
素早く起き上がり、土下座をする。
「あんたねぇ…こっちに来るなって言ったわよねぇ…この…馬鹿っ!!」
頭に鈍器で殴られたような痛みが走る。そのせいで顔が地面にめり込んでしまった。
「霊夢、あなた服が溶けてるわよ」
紫が弾幕を隙間に吸収しながら、見ていたのだろうか。紫はにやけ顔で霊夢に伝える。さらに、状況が悪化したとしか思えない。地面に顔をうずめていても冷や汗が止まらない。
「いい、武瑠!!絶対頭を上げるんじゃないわよ。上げたら殺すからっ!!!!!!」
「だが、霊夢っ!!だが、君は…」
話すためについつい顔を上げてしまった。目の前に広がった光景は…
とても綺麗でした…
この後、無言で霊夢から蹴り飛ばされました。
「ふふっやっぱり武瑠くんは面白いわ」
紫は白の放つ弾幕を全て隙間で吸収しながら、武瑠達の様子を見ていた。
「あら、おばさま。さっきよりも余裕がなくなって来たのではありませんか?」
「調子に乗らないでくれないかしら。あなた如きに本気なんて出すわけないでしょ」
白は軽く舌打ちをし、さっきよりも激しい弾幕を打ち出す。紫はそれを軽く全て隙間で吸収する。
「そんなもので吸収せずに、よけて反撃しないところは私を甘く見てるのかしら。ふざけないでっ!!!」
すると、白が地面に手をかざし、力を入れる。地面が割れて、植物が白の手に集まり始める。
「これは…まずいっ!!!武瑠くん急いで霊夢を安全な場所へ」
振り返り、武瑠に呼びかける。
「もし、危ないと思ったら私のあげた白い紙を使いなさい。それを使えば多分どうにかなるはずよ」
話終えると、白の方へ向き直り、戦闘体勢に入る。白の手には白く発光する剣が握られていた。
(やはり、あの剣は…これは私も無事で帰れるか分からなくなってきたわね)
懐にある白いカードを取り出そうとすると、
「遅いわ…」
目の前に剣を振りかざした白が迫っていた。紫は隙間を使い、白の後ろに移動し、スペルカードを発動しようとする。だが、白は振り向かず真っ直ぐに飛んでいく。
「…まさか、霊夢達が目的っ!!!ちっ」
隙間を使い、霊夢達の前に移動する。
「わっ!!紫さん。びっくりした」
「急いで。危ないわ」
「どうしたのよ紫。何を焦っているのよ」
霊夢達は白が迫っているのが見えていないようだ。
「いいから、早く行きなさいっ!!!」
「っ!!!紫さん前!!!」
気づくと既に白が目の前まで来ていた。
「ちっ!!【夢符 二重結界】」
霊夢が早く、危険を察知していたのか、スペルカードを発動していた。
「無駄よ…この剣の一太刀はそんなものでは防げないわっ!!!!」
一振りで破壊されてしまう。紫は自分と武瑠と霊夢を隙間に入れようするが、白に飛ばされ出来なかった。
霊夢は弾幕を張ろうとするが、植物により、拘束されてしまう。
「武瑠っ!!!逃げなさい」
白が霊夢に向かって剣を振りかざした時、武瑠が霊夢の前に立ちはだかる。
「もう、目の前で人が死ぬのはごめんだ…」
霊夢の方を向き、笑う。と同時に肩から腰まで剣が武瑠の体を切り裂くいた
ように見えた…
切り裂かれた武瑠の体から血がついておらず、それどころか傷すらついていない。
「くっ…うわぁぁぁっ!!!!!!!」
武瑠が切られたと思われる所に手を当て、倒れ込む。
「武瑠っ!?どうしたのよ。しっかりしなさい」
叫び声で声がかき消されてしまう。
(傷がついていないのになんで…)
「やってくれたわね…この餓鬼っ!!!」
紫が怒りをあらわにし、白に襲いかかる。白は紫を植物で拘束する。だが、その植物を破り、白に迫る。
だが、植物が槍状の植物が紫の四肢に突き刺さり、地面に貼り付けられる。
「そこで黙って見てなさい…」
白は武瑠に視線を写す。
「紫っ!!!あの剣はなんなの。なんで武瑠は苦しんでいるのよ」
「あの剣は…
「うががぁぁぁぁっ!!!!!!!」
紫の声を遮るかのように武瑠が激しく苦しみだす。すると急にピタリと叫び終わると、物凄い力が武瑠から放たれる。その力のせいか霊夢や紫を拘束していた植物が力を失い、元の大きさに戻る。
「な、何!?この力はまさか…妖力!?」
武瑠はゆっくりと立ち上がる。髪はオールバックになり、一部が白く変わっている。そして、武瑠の周りには白のような黒いオーラのような物が渦巻いていた…
読んで頂きありがとうございます。
今回の戦闘シーンなどかなり難しかったです。まだまだだと思いますがよろしくお願いします。それでは舞台裏からお送りいたします。
※キャラ崩壊もするのでご注意下さい。そういうのがダメな方はブラウザバックを推奨致します。
「分身」
武瑠 「お疲れ様でした。いやー今日はとても長い撮影時間でしたね。」
霊夢「そうね。まぁ私の大活躍で撮影もかなり進んだ訳だし、かなり給料貰わないとね(/ー▽ー)/フフフ、、、」
スタッフ 毎月の給料は決まっているはずですけど…?
霊夢「ボーナスぐらい出しなさいよっ!!!!」
武瑠「まぁまぁ抑えて ん?あ、白おーい」
白「あ、武瑠さん霊夢さんお疲れ様です」
武瑠「今日大変だったねぇ。前回と雰囲気が変わったからメイクとか結構大変だったでしょう?」
白「メイク?何言ってるんですか武瑠さん。私今日撮影に出てないですよ?」
武瑠「え、どういうこと…」
霊夢「まさか………分身でもしたのかしら°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
武瑠「なにテンション上がってんの霊夢」
霊夢「だって分身よ。分身。私がもう一人出来たらそいつに掃除とか食事の準備とかさせることが出来るじゃない。便利よね。てなわけで教えて白っ!!」
?「お疲れ様です」
武瑠「お疲れで…んっ!!白が二人っ!!!!」
監督 やぁやぁみんな集まってるねぇ
武瑠「あっ監督何故白が二人いるのですか?」
監督 連れてきたって言うよりついてきた。
武瑠「何がなんだか(´・ω・`)
それではまた二週間後に
|・x・)ノシ