神様転生?否、邪神転生さ!   作:銀狐β

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はい、転生後のお話です。


……前書きってなに書けばいいのん?


入学許可とダイアゴン横丁

 暖かな日差しの中、私はパンの焼ける香ばしい匂いに目を覚ます。この世界でリア・シャトレーヌとして第二の生を受けた私は気だるげに寝床を抜け出しリビングに向かう。

 

「おはよ、お母さん。」

「あら、おはよう。リア、手紙来てるわよ。」

「あー、そういや今日だっけ。」

 

手紙とはホグワーツ魔法学校からの入学許可証のことで11歳の誕生日に届くものである。

母さんから手紙をもらい私は朝食をとる。

母さんはアンという名前でとても綺麗な金髪を持っている。ややくすんだ金髪の私にはとても羨ましいものだった。

父さんは私が生まれてからちょっとして死んだと聞いている。死因は知らないがまともな死に方ではなかったようだ。

朝食を取っていると窓から新聞をくわえたフクロウが入ってくる。

動く写真も今では見慣れたものだが初めて見たときは驚いたものだ。

そして今日届いた手紙。

事前に母さんから話を聞いていたので理解してはいたが、やはりここはハリーポッターの世界なのだ。

そのことに気づいたときはやや安心した。

いや、だってそうでしょう?

○木市の某戦争に巻き込まれたり、カルト教団にさらわれて生贄にされるということもないのだ。

一応ハリポタの世界にもヴォルさんがいたり過去にはグリンデルバルドさんとかいたけど致死率は低いと思う。多分。

 

「今日はダイアゴン横丁いくわよ。」

「はいよー。」

 

入学許可証を適当に流し読みながら返事を返す。思考は全く別のところに飛んでいたが。

考えているのはあの真っ白な空間で会った男のことと彼から与えられた魔術のことだ。

とりあえず男は次会ったらぶん殴るとして問題は魔術の方だった。

一部を除いて真っ黒なのである。真っ黒黒魔術である。

特に召喚系の魔術は何があっても使いたくない。

簡単な魔術なら問題ないがある程度以上の魔術となると私の正気がゴリゴリ削れてしまう気がする。

そんなことを思いながら身支度を終えて暖炉の前に立ち、煙突飛行粉を使う。

 

「ダイアゴン横丁!」

 

エメラルドの炎が私の体を包み視界がぐるぐる回り出す。

途中で気分が悪くなり目を閉ざしてしまう。

そうしているうちに着いたことに気づき目を開けると私は往来のドン真ん中で立ち尽くしていた。

 

「こっちよ、そんなところにいたら邪魔ね。」

 

母さんに腕を引っ張られ道の端っこに移動する。

てか母様よ、力強すぎませんかね。腕が痛いのだが。

マントの店や望遠鏡の店、新作の箒のショーウィンドウに群がるこどもらを背後に流しながら教科書や、小道具を一通り揃えた後、制服を作りにマダムマルキンの洋装店に入る。

すると藤色ずくめの服をきたずんぐりしたおばさんが私を迎えてくれた。

 

「いらっしゃい、どのようなご用かしら?」

「この子の制服を作って欲しいの、ホグワーツよ。」

「はいはい、かしこまりました。全部うちで揃います……さあ、お嬢ちゃん、こちらへどうぞ。」

 

マルキンに促されるままに私は先客二人に軽く会釈をしながら踏み台の上に立つ。

その後、マルキンが丈を合わせていると先客の一人に話しかけられる。

 

「やぁ、君もホグワーツかい?」

「ん?あぁ、そうだよ。も、ということはあんたもかい?」

 

と尋ねたものの私は彼がホグワーツであることは知っている。

そう、マルフォイだ。フォイフォイなのだ!

前世の記憶で彼の凄まじいまでのネタにされっぷりを思い出し、その本人が目の前にいるという事実に私は密かに感動した。

アル○ォートならぬマ○フォーイとかもろに私のツボだった、でも食べたいとは思わない。

 

「そっちの子と何か話してたよね、私も混ざっていいかい?」

「もちろん構わない、ちょうど今ホグワーツには純血以外は入学させるべきではないということを話していたんだ。」

「へぇ、そりゃまたなんでさ?私も一応魔術師の家系ではあるけどそんな血に誇りなんぞ持っちゃいないよ?」

「だって汚らわしいじゃないか!あんな連中が同じ教室にいるなんて吐き気がするね。」

 

ふむ、わかってはいたが彼の純血至上主義は聞いていて気分のいいものではないな……。どうにかして黙らせたいが……。

しばらくすると彼が踏み台から降り、私に言う。

 

「これで君も純血の素晴らしさがよくわかっただろう?それじゃホグワーツで会おう、たぶんね。」

 

……ん?どうやら彼は私が考え込んでる間も純血の素晴らしさ(笑)について話してくれていたようだった。

私は全く聞いていなかったがね。やれやれ、ご苦労さまなことだ。

そんなことを考えてたらもう一人の少年と目が合う。なんというかボサボサだ、うん。

ただ、とても綺麗な目をしている。

 

「や、大変だったね。あんたもホグワーツかい?」

「うん。」

「今日は一人?」

「ううん、ハグリッドが来てくれたから。」

「へぇ、そうなんだ。ハグリッドってあの人かな?」

 

そういって私は少し離れたところで母さんと談笑している大男を指差す。原作知識で既に特定できてはいたが一応聞いておかないと何故知ってるのか疑問を持たれてしまうだろう。二人が何を話しているか聞きたいがここからでは少し遠いな。

 

「うん、ホグワーツで働いてるんだ。」

「なるほど、しかしなかなか愛嬌のある顔をしているね。」

「ふふ、そうかな。」

 

そんなことを話しているとハリーの制服を作る作業が終わった。

 

「話せて面白かったよ。ホグワーツでもよろしくね。」

 

そういってハグリッドに連れられて出て行ってしまう。もう少しお話したかったな。

からかうと面白いし、にひひw

しばらくして私の制服を作る作業も終わり母さんと連れ立って杖を買いに行く。どんな杖になることやら。

ちなみにクトゥルフ神話の魔術は杖を必要としない。加えて言うなら詠唱も必要なかった。

ただ詠唱なしだと最大出力で魔術が発動するので、細かい微調整が必要な時は詠唱を行う必要がある。

この前興味本位で詠唱ありの『ヨグ=ソトースの拳』使ったら地面に半径5メートル深さ3メートルほどのクレーターができてびっくりした。

ついでに言うなら衝撃で吹っ飛ばされ全身を強く打ち気絶しかけた。あれはめちゃくちゃ痛かったね、手加減してあれなんだから全力で使ったらどうなることやら。

……ん、どうやらついたようだ。オリバンダーの店、高級杖メーカーか。

中に入るとベルがチリンチリンとなる。それにしても薄暗いな。

とても静かだがその静けさにすら魔術的な意味合いがあるのではないかと思わせるぐらい厳かな雰囲気の店だった。

 

「いらっしゃいませ。」

「…ッ!?」

 

いきなり背後から声をかけられ驚いてしまう。……全く気配を感じなかった、旦那にはしたくないタイプだな。

振り向くと老人がいた。色素の薄い銀の瞳が月のように輝いている。

 

「ここにある杖は全てが一級品、一本一本強力な魔力を持ったものを芯に使っております。さてお嬢様、どちらが杖腕かな?」

「ふむ?利き腕のことなら左ですが。」

「腕を伸ばして、そう。」

 

老人は私のあちこちを巻尺で測っていく。むぅ、なんだか気恥ずかしいな。

しばらくして老人は巻尺をしまうと杖を一本差し出してくる。

 

「それではこちらをお試しください、柊にドラゴンの心臓の琴線。二十センチ、しなりが良くとても従順。手にとって、振ってごらんなさい。」

 

さぁ、いざ!と勢い良く杖を振ったらものすごい音がして天井に大穴が開いてしまった。……どうしよう。

母さんはお腹抱えて転げまわっている、流石に笑いすぎでは?

老人は杖をひったくると新しい杖を差し出してくる。

 

「いかんな、次はこちらを。イチョウにバイコーンのたてがみ、19センチ。しなやかでキレがある、どうぞ。」

 

しかしその杖は指に触れるか触れないかのところで下げられてしまった。

そんなこんなでなかなか見合う杖が見つからずかなり疲れてきた頃、老人が言う。

ちなみに母さんは途中で魔導書を買いに何処かへ行ってしまった。

 

「当店でお出しできる木材をベースに作った杖は残らず合いませんでしたな。これよりお出しする杖は一般的な杖とは違い特殊な形状をしておりますが通常の杖と同じように魔法が使えます、しばしおましを。」

 

そう言って奥の方に引っ込んでしまった。しばらくすると老人は手に短剣を携えてこちらにやってくる。

 

「こちら、ミスリル銀にオリハルコンの刃、35センチ。ドラゴンの心臓の琴線と柄にサファイア。どうぞ。」

 

差し出された短剣を握った瞬間視界が一気にクリアになる。

感覚が鋭敏化して皮膚で空気の流れや店内、店前にいる気配を認識する。

ほぼ無意識のままに鋭く短剣を振り下ろすと、その剣先から青と銀の火花が吹き溢れた。

 

「ふぅ、なんとか合う杖が見つかりましたな。こちらが鞘になります、持ち運びにはくれぐれもお気をつけて。」

「ありがとうございます……これは本当に杖なんですか?」

「さよう、わしが若い頃に少々調子に乗ってわしが考えた最強の杖というノリでつくったものですな。まさか杖に選ばれる方が現れるとは思いもしなかった。ほぼ封印されていたようなものじゃ。」

 

 

私は当初の予定の4倍近い額を払うと礼を言って店を出る。

ちょうど戻ってきた母さんと鉢合わせになりそのまま帰ることになる。

 

「そういえばリア、ハルもホグワーツに行くみたいよ。」

「へぇ、そうなんだ。なら向こうでも寂しくはないかな。」

 

ハルというのはハルファス・スタンフォードという名前の幼馴染の男の子だ。私たちは彼をハルと略して呼んでいる。

どんな子かと言われればこれしかない。

 

「格闘技バカ」

 

なんでも漫画に影響されて何度も大怪我しながら無茶な修行をしているらしい。

空手とテコンドー、ボクシングの大会では何回か優勝してるとかなんとか。

親が魔法使いだから治癒は簡単なのだがもう少し私たちの気持ちも考えて欲しいものだ。

そんな彼が魔法なんて格闘技とは正反対の事象にどう向き合うか、私は少々楽しみだ。

そんなことを思いながら帰路についた。

 

 

 

 




閲覧ありがとうございます。


……書くことがない。
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