一次試験は体力テスト…二次試験は剣の実技…私達は順調に受かっていった。
第三次試験
「いよいよ3次試験ですね!みんな受かって良かったです!」
「それにしても……なんだ、ここ。」
私達が3次試験の会場として連れてこられた場所は騎士団の訓練場だった。小さな闘技場の様な場所で一体なにをするのだろうか?そんな時…
「整列!」
試験官の言葉に受験者の私達は駆け足で整列をした。3次試験開始まで待機せよとの命令で私達は整列したまま待つことになった。そんな時間が退屈に思ったのか彼の口からため息の様な声が漏れた。
「あー……」
「99番!姿勢を崩すな。」
案の定、ユーリは試験官に怒られ不満そうな態度をとると目をつけられた様で何度も注意を受けていた。
「チッ…あんにゃろーオレばっか…」
態度の悪いユーリが悪いので私は苦笑しかできない。
「ユーリさん!我慢してください。せっかく二次試験まで受かったのに…」
「二次まで受かってもこんな事に耐えられない様じゃやっぱり騎士団に入るなんてやめた方がいいんじゃないか?」
「フレンの言う通り、これくらいは我慢しなさいよ、ユーリ。」
「ご親切にどうも。」
「もう3人とも体力テストも剣の実技も凄かったです!皆さん強いんですね、」
ルシオはなだめる様に会話を変えた。そして話は次の3次試験の話になった。なにをするのか?今まで試験に詳しいルシオに尋ねたがルシオの故郷の知り合いさんは二次試験で落ちてしまって3次試験の情報はないと言われた。そんな話をしているとどこからか魔物の唸り声のような音が聞こえてきた。
振り返るとそこにいたのはやはり魔物だった。
「あの魔物は!?」
3次試験の内容はこうだった…二人一組で魔物を退治する。いわば実践テストだった。どんどん受験者の番号が呼ばれていき、とうとうルシオの番になった。
「僕の番だ…」
「落ち着いて、相手の動きをよく見るんだ。」
「ビビってるとなめられっぞ!」
「落ち着いてやれば絶対に倒せるわ!」
「はい…」
力のない返事に私は心配になってきた。
「ここまで来たんだ、一緒に合格しよう。」
「あ、はい!」
「97番、早く位置につけ!」
試験官の言葉でルシオは駆け足で所定の位置に着いた。
「あーすっかり腰が引けてるな。」
「無理もないわ、みんながみんなユーリ見たいな性格じゃないんだもの…」
「フレア、それは喧嘩売ってんのか?」
「始まるわよ!」
うまくユーリの言葉をかわしてルシオを見ると、彼の顔は青ざめており足もおぼつかない…完全に目の前の魔物に恐怖して我を忘れている感じだった。それはルシオと一緒に受けていた受験者も同様だった。
「おい!2人ともしっかり剣を握れ!」
「!魔物がルシオに向かっていくぞ!」
「あいつ…あのままだと殺られるぞ!」
そう言って飛び出すユーリ。
「ユーリ!!」
「ユーリ!なにする気だ!よせ!!」
ユーリは私とフレンの忠告を無視してルシオのもとまで行くとルシオから剣を受取り見事に魔物を倒したのだった。それを見て私は強くなったユーリを改めて認識した。初めて戦う魔物に臆する事なく向かって行く彼の事を凄いと思った。そして、同時に怖くもなった…
「なにをやってるんだ!」
「見りゃ分かるんだろ。」
「どうして他の受験者の試験に割り込む!」
「いくら試験だからって魔物に殺されちまったらもともこもねえだろうが!」
「それはこちらでも配慮している!万が一の場合には魔物を捉える網を投げるか係員が魔物を抑える事になっているんだ。」
「え?」
「そうだったんですか…」
試験官の言葉にユーリとルシオは驚いた気の抜けた声を出した。
つまりはユーリの早とちりだった様だ。しかし、これでルシオの調子が戻り彼は見事に再試験をクリアしたのだった。
「さあ、次は僕達の番だ。」
「あ?僕達……あ!オレ、お前と一緒の組みかよ!」
「頑張ってねフレン、ユーリ。」
「ああ……勝手に突っ走るなよ。」
「うるせー!」
試験官の声に呼ばれてフレンとユーリが意気込んで持ち場に着こうとした、その時…試験官にユーリの不合格が言い渡された。しかし、突然現れたモリス教官という方のおかげでユーリは3次試験合格を言い渡された。かと言う私はフレンと組んで魔物退治の試験を受けた。
結果はもちろん合格。のこりはラストの4次試験を残すだけとなったのだった……
4次試験……面接
……
「次!入りなさい。」
ガチャ
「失礼します。」
私は面接会場の部屋に入ると部屋の中央辺りに置かれたイスの横まで歩いた。
「番号と名前!」
「受験番号100番、フレア・シーフォです。」
「座りなさい。」
私は黙ってイスに腰掛けると試験官の顔を見た。その中には先程ユーリの不合格を取り消したモリス教官がいた。
「フレア・シーフォ。君はどうして騎士団に入りたいと思ったのかね?」
「とても尊敬する騎士の方がいたので…その人みたいに市民の人達を守りたいと思って入隊を希望しました。」
「そうか、私としても市民に尊敬される騎士がいるという事は誇らしいことだ。ではもし君が騎士団に入隊する事になったらそんな騎士になってくれる事を期待しているよ。」
「はい!ありがとうございます。」
「では最後にもし君が騎士団に入ったら勤務先の希望はあるかね?」
「いいえ、特にはありません。どこの隊でも自分のできる事を全力で勤めていきたいと思います。」
こうして私の試験は終わったのだった。