以前と設定、言動、キャラの雰囲気が変わり、話の内容も大幅に変わります。
それでもいいという方は、よろしくお願いします。以前の方が好きだったという方は、申し訳ありません。
「絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん」
「将来の夢ねぇ~、小学3年生から考えるのは少し早いと思うんだけど」
「アンタ、良くその状況で平然としていられるわね……」
「あはは……」
無事3年生に進級した私たちは、いつものように屋上で5人そろってお昼を食べている。今年は全員同じクラスになることができたので、去年よりも5人で居る割合が高くなっている。
現在、私の前には呆れ顔のアリサと引き気味に笑っているすずか。そして、のしかかりながら顔の横で呪詛のように永遠と私の名前を呟き続ける、目に光の灯っていない高町。オーフィスは無言でリニスが作ってくれた弁当を食べている。
「二人は何か考えてる?」
「そして、それでもなのはは無視なのね……そうね。うちは親が会社経営だし、いっぱい勉強してちゃんと跡を継がなきゃ、くらいだけど?」
「私は機械系が好きだから、工学系で専門職がいいな、って思ってるけど」
「そうなんだ。高町さんは?」
「絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん」
「まあ、普通に考えれば喫茶『翠屋』の二代目だよね」
今日も今日とて平和な毎日。なんだけど、どうも今朝からなんか変なんだよね。まだ日も昇っていない夜中に、なにやら助けを求める子供の声が聞こえた。リニスから教わった知識から念話らしいことは分かったけど、眠気が勝っていたので二度寝した。
「なんか、嫌な予感がするなぁ~」
「どうしたの急に?」
「いや、一ヶ月ぐらい前にすずか達が誘拐されたことがあったよね? あの時感じた嫌な感覚がするんだよ」
「それはおそらく、アンタの隣から発せられているものだと思うわよ……」
「絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん絆ちゃん」
高町が? 確かに、この世界には魔法が存在するみたいだから、魔力を持っている高町が何かをする可能性は高いけど。というか、高町は食事しなくていいのかな? そろそろ昼休み終わるよ。
「高町さん。そんなに名前呼ばなくても、ちゃんと聞こえてるよ?」
「うにゃああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」
高町が壊れた。どうしたんだろう、ストレスでも溜まっているのかな? 可哀相に……。
下校中。高町たちは塾に通っていて、アリサが近道することを提案した。今は、その道を歩いている。
――助けて
その時、またあの念話が聞こえた。魔力を持っている高町も聞こえたらしく、立ち止まって辺りを見渡している。
「今、何か聞こえなかった?」
「なにか?」
「なんか、声みたいな」
「「……………」」
何やら黙るアリサとすずか。そしてアリサが無言で私の方に来て肩を掴む。
「ちょっと、どうするのよ!? アンタが遊び過ぎたせいで、なのはが変な電波拾っちゃったじゃない!」
「なのはちゃん。今日は塾休んで、家で安静にしてよう?」
「ち、違うの! 本当に聞こえた気がしたの!」
心配されて慌てる高町、念話の聞こえない二人には高町がおかしくなったように見えたらしい。
――助けて
またあの念話だ。それを聞いて高町が走り出した。
「これは、重症ね」
「なのはちゃん……」
「どうでもいいけど、追った方がいいんじゃないの?」
私とオーフィスは、魔力の気配を頼りに高町が行った方向へ走る。そしてしばらく走っていると、そこには、高町と赤い宝石のペンダントを首に提げているフェレットが横たわっていた。
……このフェレット、魔力を感じる。
「絆ちゃん、美遊ちゃん。どうしよう!」
「落ち着いて、怪我しているけど息はあるから」
「絆ー、美遊ー。アンタたち足速いんだから、もう少し、ゆっくり走ってよ」
「待ってよ~」
高町が慌てていると、二人が追い付いてきた。
「って、そのフェレット怪我してるじゃない!」
「近くに、動物病院、ある」
「とりあえず、そこまで運ぼう!」
「美遊、案内して」
「分かった」
ハンカチでフェレットを包んで、私たちは動物病院に向かった。
獣医さんに診てもらい、フェレットは衰弱しているものの命に別状はないと分かり、高町たちは安心した。だいぶ弱っているようなので、明日まで預けることになり塾がある高町たちとは別れた。
別れる前に、誰があのフェレットを引き取るかという話になったが、結局決まらなかった。ちなみに私のところは無理だ、理由は
それと、あのフェレット。最近ようやく使えるようになってきた仙術で気配を探ると、微かにだが人間の気配が混じっていた。
「まるでリニスとは逆だね」
「何が?」
横に居るオーフィスが聞いてくる。
「リニスは人間の形態になっても人間の気配はしないのに、あのフェレットは動物なのに人間の気配がする。まるで、元はフェレットじゃなくて人間だったみたいにね」
「確かに、何かが混じっていた」
「変身魔法、だったかな? リニスから教わったけど、小動物に変身すると体力や魔力が温存できるんだっけ?」
「そう言っていた、でも、問題は、なぜ温存する必要があったのか」
「あのフェレットが傷だらけになっていたことといい。いよいよ世界が動き出すのかな」
「絆、これからどうする?」
オーフィスの言葉に、私はこれからの方針を考える。
原作。
私たちが存在している時点で何らかの狂いが起きていてもおかしくはない。しかし、むやみに引っ掻き回す必要性も感じない。
「状況次第だね。三人に何かあったら介入するけど、それ以外だったらひとまず様子見。今はもうすぐ出来そうな魔法体系を完成させたいしね」
「ん、分かった」
私の言葉に頷くオーフィス。私がリニスから教わった魔法は「ミッドチルダ式」と呼ばれる魔法だが、どうやらこれはこの世界の技術らしく私では使うことができなかった。しかし、その魔法は以前からオーフィスに教わっている魔法と似通った点が多くあり、それで私は二つの魔法理論を組み合わせて自身が使える魔法体系を作ろうと模索している。
2億年近く魔法を教わってきたのだ。それなりに魔法の知識はある方だし、1年かけて試行錯誤した結果、すでに魔法陣を出現させることまではできている。あとは教えられた魔法をどうやって、その魔方陣に同調させるかだけ。
そのあと私たちは家に帰り、魔法理論の見直しと魔方陣の調整を行った。夕食も終えて、そろそろ寝ようかと考えていると。
――お願いです。僕の声が聞こえているあなた、力を貸してください。
また、あの念話が聞こえた。
「絆さん、今のは……」
人間形態のリニスが、話しかけてきた。
「念話だね。今朝も聞こえたけど、リニスみたいにこの世界に来た魔導師が居るみたいだよ」
「知っているのですか?」
「ちょっとね……」
十中八九、あのフェレットだろうね。それにしても広域念話を飛ばすなんて、相当な緊急事態なのかな?
「ちょっと様子を見てくるよ。美遊はどうする?」
「行く」
「分かりました、お気を付けて」
私とオーフィスは、窓を開けてフェレットから感じた魔力がする方に飛んだ。
「ん? この魔力って……」
魔力の気配を頼りに私とオーフィスは市街地の方に向かっていると、覚えのある魔力を感じ取った。高町だ。もう一つの魔力と一緒にこちらに向かってきている。私は少し速度を上げて近づく、人影が見えた。やはり高町だった。
「よっと」
「にゃっ!?」
突然目の前に現れた私たちを見て高町がそんな声を上げる。
「なっ、なんで絆ちゃんと美遊ちゃんがっ!?」
「それはこっちのセリフだよ。こんなところで何してるのさ?」
「それは――って、そうなの! 早く逃げないと!」
そう言って、私の手を掴んで引っ張る高町。
いや、逃げるってどこへ? そして何から?
「ん?」
その時、頭の上からまた別の魔力を感じ取る。なんだろうと思って上を見ると、黒い何かがこちらに突っ込んできた。
「ちょっとごめん」
私は能力を使って、高町につかまれた手を解かせる。その直後、重力制御で飛び上がって、黒い何かに回し蹴りを放つ。
――ズシャアン!
「っと――」
そして着地。一応、誰もいない道路の方に蹴り飛ばし、能力で触れても影響を受けないと念じてから蹴ったから大丈夫だとは思うけど。
「っで、あれ何?」
私は高町の方を向いて問いかける。しかし、高町は何故かこちらを見たまま固まっていた。お~い。
「どうかした?」
「う、ううん。何でもない、それより早く逃げないと!」
「逃げるのは良いけど、説明してよ?」
とりあえず逃亡。
「お願いです、僕に少しだけ力を貸してください!」
「協力要請する前に説明してフェレット、あれは何?」
あの後、少し離れてからフェレットが話しかけてきた。高町が驚かないところを見るに、すでに経験済みなのかな?
「あれは忌まわしき力の元に生まれた思念体です」
「思念体? よく分からないけど……というかあなた、でいいのかな? 見たところ、変身魔法を使っている人間みたいだけど」
「僕はユーノ・スクライアという者です。ある物を探して、この世界に来ました。でも、僕一人の力では無理そうなんです。お礼は必ずします、僕に力を貸してください」
そういって頭を下げてくるフェレットことユーノ。
「えっと……絆ちゃんもフェレットさんも一体何の話をしているの?」
話の展開に付いていけなかったらしく、高町が聞いてくる。
「ちょっとね。それより、ユーノだっけ? 具体的に何をすればいいの?」
流石に、あれを放置するのは危険だ。私は能力で保険があったから蹴れたけど、普通の人間にはどんな影響があるか分からないから、迂闊に接触させるだけでも危険。何とかできるなら何とかしたい。
「これを使ってください」
「これって、もしかしてデバイス?」
ユーノが渡してきたのは、首に掛けられていた赤い宝石。
「えっと……はい。それはレイジングハートというデバイスです。先程の発言と言い、あなたは魔法関係者ですか?」
「知り合いに魔法を使える人が居てね。ちょっと、かじった程度だよ。それより、これでどうするの?」
「起動のためのパスワードを言いますので、復唱してください。それで起動するはずです」
ん? 確かデバイスって……。
「ねえ。デバイスの起動って、確かリンカーコアが必要だよね?」
「はい、そうですけど?」
「……ごめん、たぶん無理」
たしかデバイスは、リンカーコアって言う特殊な器官にある程度同調させる必要があった筈。リニスに調べてもらったけど、私とオーフィスはリンカーコアを持っていないのだ。
「大丈夫です。先程の念話が聞こえていたから、あなたには資質があります」
そうじゃないんだよ。資質云々以前に、デバイスが反応してくれないんだ。
「まあ、一応やってみるけど――」
その時。
――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!
「っ!? 危ない!」
「にゃっ!?」
私はユーノを掴み、高町を横に抱えてその場を離脱する。話し込んでいたせいか、思念体が近づいていたことに気づかなかった。
「美遊!」
「ん」
オーフィスも普通に回避、そもそも受けところでダメージはないかもしれないけど、心配なものは心配だ。私は高町を地面におろす。
「美遊は高町さんとユーノのそばに居て、あっちは私が何とかするから」
「分かった」
私より、オーフィスの方が不測の事態には対応が早い。それにあの思念体とかいうのも、まだどういうものかよく分からない。保険の掛けられる私がやった方が安全だ。
「な、なにがどうなってるの……」
高町は未だ混乱中。
それにしても、どうしようか。デバイスでなんとかできるってことは、おそらく魔法が有効。あれをやってみるか……。
私は手を思念体の方に向けて、能力を発動。魔力を集束。
――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!
魔力に反応したのか、思念体が向かってくる。まだだ、まだ集束が少ない。もっと早くっ――。
「絆ちゃんっ!」
思念体が目の前に迫り、高町が声を上げる。あと少し、あと少しで――――――今だ!
「打ち抜け!」
――ドオオオオオオオオオオンッ!
私の魔力を集束した砲撃は、思念体の身体を貫いた。
――グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォ…………。
中心に大きな穴を開けて、断末魔を上げながら思念体は倒れる。
「何とかなったかな?」
「す、すごい……」
ユーノがなんか言ってる――ん?
「これは――?」
思念体に開いた穴の中に、何か青い石のようなものがあった。私は再び能力で自身に影響を受けないようにして手に取ってみる、が―――。
――パァア
「っ!? くっ!」
指が触れたと同時に石が強い輝きを放った。それと同時に魔力が溢れだし、私は石を遠くに投げ捨てる。
失敗した。まさか、触れることでトリガーが発生する奴だったなんて。私に影響がなくても、あれ自体に能力を使っていなかった。
石を投げた方を見ると、黒い魔力の塊がいた。今度は人型のようだ、大きさは成人男性ぐらい。 膨大な黒い魔力が、霧みたいに人型の周りを渦巻いている。
――■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!!
人型が耳をつんざくような声にならない叫びを上げる。
戦いはまだ、終わらない……。
もう一度、構成を練り直すので更新速度が遅くなると思います。
感想、ご指摘、お待ちしております。