スレツナまでの軌跡☆彡   作:cibetkato

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11.引き継ぎ・・・晴と雲の場合

「さて、雲の守護者の引き継ぎだが・・・その使命はわかっているな?」

 

 ボンゴレ本部の離れにやって来たビスコンティと雲雀。

 

 さっそくビスコンティが切りだすと、雲雀は嫌々ながらに視線を向ける。

 

「何ものにもとらわれることなく、独自の立場からファミリーを守護する孤高の浮雲・・・でしょ?」

 

 何かと事件が起こる度に、リボーンに言い聞かされてきた言葉である。

 

 孤高という響きは嫌いではない。だからこそ不快な思いはしなかった。

 

「そうだ・・・だから、お前に引き継ぐことはただ一つ」

 

「・・・一つ?」

 

 雲雀は訝しげにビスコンティを見つめる。

 

「そう・・・ボスが脱走した場合の対処法だ」

 

「・・・・・・・・・・・・ワォ」

 

 としか、言い様が無かったというか。

 

 真面目くさってボスが脱走した場合とか言えるこの男に、思わずそんな言葉が口をついて出た。

 

「まだ、10代目が脱走常習犯になるとは限らない。が、歴代ボスに引き継がれている脱走法を10代目が授かれば、利用しないという方が不健全だろう」

 

「・・・沢田が脱走?まぁ、こんな城に縛り付けられるくらいなら逃げた方が良いようにも思うけどね」

 

「お前はその際に、敵対するか?味方するか?」

 

「さて・・・状況次第じゃないの?」

 

 雲雀の答えはビスコンティの望むものだったらしい。満足そうに頷くとビスコンティはカギを1つ取り出した。

 

 キラキラと光るシルバーのカギ。

 

 まるで美術品のようなそれを雲雀に渡すと、彼は口の端をつりあげた。

 

「それは、初代の雲の守護者であり、門外顧問であったアラウディのカギだ。・・・それは、このボンゴレ本部の全ての扉を開けることのできる、マスターキーとなっている」

 

 何ソレ、チートじゃん!!

 

 ツナがいたら、間違いなくそんなことを言っただろう。

 

 が、相手は雲雀である。

 

「ふぅん、面白そうだね」

 

 その一言で済ませて、カギを見つめた。

 

「・・・これで、沢田を捕まえるか、逃がすか・・・僕の自由にしてイイってことだろう?」

 

「そうだ」

 

 うなずくビスコンティに、雲雀は機嫌の良い時にうかべる笑みを見せた。

 

 果たして独自の立場を貫く雲は、大空の敵となるのか味方となるのか。

 

 全ては彼の裁量次第。

 

 

***

 

 

 雲雀じゃなくて良かった。そう思いはしたものの、了平もなかなかに手強かった。

 

 ニー・ブラウJr.は溜息交じりに告げる。

 

「はぁ・・・笹川了平、お前には直球で話をした方が良さそうだから、ハッキリ言おう」

 

「おう!」

 

 元気の良い返事は気持ちが良いものだ。なんて思えない。2時間以上説明しても、彼には1割も通じていない。

 

「我々の究極の使命はファミリーの逆境を自らの肉体で砕き明るく照らすことだ。が、もう一つ大事な使命がある」

 

「極限に、それはなんなのだーーー!!」

 

「・・・明るく大空を照らす日輪・・・つまり・・・サーチライトだ」

 

「・・・・・・サーチ、ライト?」

 

(ソレ、違くないか?というか、極限に俺は馬鹿にされているのか?)

 

 さすがの了平もサーチライトが大事な使命だと言われて、疑問に思わないわけがなかった。

 

「そうだ。・・・代々のボスに受け継がれる脱走の方法がある。我々守護者はその脱走法を見抜き、ボスを見つけることを使命としている」

 

 が、ものすごく真面目な顔をして語っている彼に、ツッコミを入れることは躊躇われた。

 

「聞いているのか?笹川了平」

 

「お、おう・・・」

 

「9代目は脱走の達人だ。神の采配と謳われる超直感で我々を出し抜き、本部を抜けだすことなどしょっちゅうだった。・・・つまり、9代目以上に超直感が優れ、また、体力的にも若い10代目ならば、9代目以上の脱走の達人になる可能性がある」

 

「・・・ちょっと待て・・・なぜに沢田が脱走の達人になるという話になっているのだ!!」

 

「決まっているだろう・・・9代目と10代目との引き継ぎは絶対に脱走法の伝授に多くの時間を費やされているだろうからだ!!」

 

 今までも理解のできない話は数多くあったが、ここまで理解の及ばない話をされたのは初めてだった。

 

「・・・あー・・・極限に理解ができんのだが」

 

「・・・とにかく、守護者達がボスの脱走を阻止するために、10代目の行く先を照らし出すサーチライトの役目を担っているのが、晴の守護者なのだ。わかったか?」

 

 わかったような、わからないような。いや、むしろわかりたくないような晴の守護者の役割に、了平はただ呆然としたまま、コクリ、と頷いたのだった。

 

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