スレツナまでの軌跡☆彡   作:cibetkato

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22.ツナ様がお怒りのようです

「・・・ごめんなさい、ボス・・・」

 

 くすん、くすん、と目に涙をいっぱいためて、鼻をすするクローム。

 

「泣かないで、クローム」

 

 頭を優しく撫でながら、ツナは眉間にしわを寄せた。

 

「でも、でも・・・ボスの役にたとうって思ったのに・・・」

 

「うん、クロームは頑張ったよ、充分に時間稼ぎしてくれたし。だから、気にしないで?」

 

「・・・でも、もっともっと、役にたちたかったの・・・」

 

 あっさりと幻術を、しかも物理攻撃で強制的に解除されてしまったことに相当ショックを受けてしまったらしく、クロームは泣きやむ気配がない。

 

「・・・クローム・・・」

 

「術師は物理攻撃に弱いっていうしね、仕方ないんじゃないかな。まぁ、骸は規格外だけど」

 

 珍しくも雲雀までもが慰めを口にしたので、クロームは顔をあげて泣きはらした目を大きく見開いた。

 

「雲の、人が・・・慰めてくれるなんて」

 

「・・・雲雀って呼びなよ、雲の人っていうのは、あまり好きじゃない」

 

「・・・あ、えっと・・・」

 

「呼んであげてよ、クローム」

 

 珍しく歩み寄っている雲雀に戸惑うクロームの背を、ツナが軽く押す。

 

「う、うん・・・えと、雲雀さん」

 

「うん、それでいいよ。・・・まぁ、君と交流を深めておけば、アイツが黙ってないだろうしね」

 

 雲雀のいうアイツというのが誰を指すのかわかったツナとクロームは視線を合わせて苦笑をうかべた。

 

「クロームと仲良くする理由は、骸を怒らせるためですか?」

 

「そうだよ、アイツを怒らせれば、本気でかかって来るでしょ?」

 

 いつも軽くいなされてしまうため、本気でかかって来るように仕込みたいらしい。

 

「・・・あはは、命の取り合いにまで発展させないでくださいね?」

 

 いざという時に止めに入る役目は専ら自分であることがわかっているので、ツナはさり気なく止めておいた。

 

「ふむ、しかし・・・こうなってくると、もう逃げ回るのは止めた方が良さそうだね」

 

 9代目が観念したかのように呟けば、ツナも頷く。

 

「うん、そうだね、じい様」

 

「・・・いいの?このまま捕まっても」

 

 雲雀が首を傾げて問う。

 

「イイですよー、クロームを泣かせたヤツ等にちょっとお仕置きも必要でしょうし」

 

 ニッコリ。

 

「・・・ワォ、そうは見えてなかったけど、かなり怒ってるんだね」

 

「あっはっは・・・何言ってるんですかー怒ってないですよー」

 

 セリフ棒読み状態のツナに、雲雀はニヤリと笑った。

 

「充分、怒ってるじゃない。怒られるのは嫌だけど、本気になった君とは戦いたいな」

 

「ヤダなー、雲雀さんと戦う時はいつだって本気ですよ~」

 

「嘘つきなよ、余裕で僕の攻撃避けてたじゃない」

 

「・・・いや、ヒバードとロールを殴るのはちょっと可哀想だったんで」

 

「・・・・・・まぁ、わかるけどね」

 

 実は可愛いモノ好きで気が合う2人だったりする。

 

「・・・2匹とも、可愛いから。ナッツも、だけど」

 

 クロームまでそんなコトを言い出したので、雲雀は機嫌良く口の端をあげた。

 

「まぁ、VG無しで戦えば、あの子達は使わないで良いし・・・どう?」

 

「それなら、良いですよ。・・・でも、俺、死炎使いますよ?」

 

「僕だってトンファー使うよ」

 

「じゃ、この追いかけっこが終わったら、ちょっと1戦やりますか」

 

「そうだね」

 

 以前なら考えられない会話である。

 

 この1ヶ月で一番変わったのはツナであるのは間違いない。

 

 なんというか・・・かなりイイ性格になった。

 

「2人ともあまり怪我をしないようにね」

 

 そんな2人を止めるでもなく、ニコニコと9代目が言う。

 

「うん。わかってるよ、じい様。ちゃんと(やりすぎないように)気をつける」

 

 クロームを泣かせた連中には手加減するつもりはないが。

 

 そう付け加えれば9代目とクロームは苦笑し、Ⅰ世は笑顔でうんうんと頷く。

 

「じゃあ、僕は手を出さない方が良いわけ?」

 

 1人ムッとした雲雀が首を傾げれば、ツナは破顔した。

 

「俺1人でボコるには人数が多いんで、守護者は雲雀さんに任せますよ。あ、でもリボーンはこっちで。今までの分もお返ししておきたいし」

 

「ああ、イイよ。赤ん坊とはこの間も戦ったからね」

 

 ニヤリと笑いあったツナと雲雀。

 

 きっと、これからやって来る者達は地獄を見ることになるのだろうと、クロームは仲間達を憐れんだのだった。

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