スレツナまでの軌跡☆彡   作:cibetkato

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23.守護者VS守護者

 数分後、ものすごい勢いでドアが開く。

 

 1つ蝶番(ちょうつがい)がはじけ飛んだがそんなのを気にする人間はここにはいなかった。

 

 そして、そこからなだれ込むように入って来たヴァリアー&9代目と10代目の守護者連合を出迎えたのは満面の笑みの雲雀だった。

 

「守護者はこっちにおいで、僕が噛み殺してあげる。ああ、赤ん坊とヴァリアーはあっちに行きな。沢田に会えるよ」

 

 雲雀の言葉に、既にプッツンしちゃったXANXUSがまず走り出す。

 

「待て・・・っ!」

 

「待つのは君だよ、獄寺隼人」

 

 ニィ、と笑う雲雀は既に戦闘モードだ。

 

 守護者最強の名が伊達ではないことは同じ守護者であるからこそよくわかる。

 

「チッ!・・・しょうがねェ、テメェを全力でブッ倒して10代目のところに行く!!」

 

 VGを発動し“スモーキンボム”モードになる獄寺。

 

 それに合わせるように、他の守護者達もそれぞれVGを発動させる。

 

「9代目の守護者には手を出すなって言われてるからね、下がってなよ」

 

 雲雀の言葉に9代目の守護者達は次代の守護者達の戦いを見物することにした。

 

 実際に10代目ファミリーの戦いを見るのはこれが初めてとなる。初代ファミリーと瓜ふたつと評される彼等の戦いを見ておくのも悪くないと思ったのだ。

 

 9代目の守護者達が離れたのを確認した雲雀はこれまた機嫌良さそうにVGを発動した。

 

 この歳で長ランか・・・と思いきや雲雀はスーツ姿のままだった。

 

「・・・て、テメェっ、VG改造しただろーーーッ!!」

 

 獄寺が悲鳴に近い叫び声をあげた。

 

「フン、別にいいじゃない。見た目が変わらないVGだってあるんだよ?・・・それにもう学ランにこだわってないし」

 

 そういう問題じゃない。というか改造したのはわかったが、どう改造したのかがわからない。

 

「タルボ様か・・・」

 

 コヨーテがこめかみを押さえる。

 

 トゥリニセッテの1つでもあるVGをいじくり回せるのはあの御大しかいない。

 

「10代目の雲の守護者もいつの間にタルボ様と懇意になっていたのか・・・」

 

 10年後の未来でもそうであったように、匣兵器やリングの力を目覚めさせる者がちらほらと出始めてきている今、雲雀がそれに興味を持ち風紀財団で研究を始めるのはわかりきっていたことだ。

 

 が、まさかボンゴレに仕える彫金師であるタルボとまで関わりを持つとは思いもよらなかった。

 

 実は、ヴァリアーがその手引きを手伝わされていたのだが、9代目の守護者達がそれを知るはずもない。

 

「さぁ、来なよ・・・僕が咬み殺してあげる」

 

 トンファーを構える雲雀。

 

 それでなくとも最強の名をほしいままにする雲雀がVGまで使うとなると、作戦も無しにつっこむのは無謀だ。

 

「俺のボムで視界を潰す・・・そしたら、乱戦に持ち込むぞ」

 

 獄寺が簡単に作戦を説明する。

 

「獄寺がボムを投げたら、極限につっこめばいいのだな!」

 

「よし、じゃあカウント3で行くのな」

 

 了平が鷹揚に頷き、山本が刀を握り締める。

 

「3」

 

「2」

 

「1」

 

「喰らえ!!煙幕ボム!!」

 

 獄寺が投げたボムを見て、雲雀はわずかに眉を顰めた。

 

「その程度で、僕が止められると思わない方が良いよ・・・」

 

 煙幕が部屋の中の視界をゼロにすると、山本が雲雀の気配を読みつっこんで行く。

 

「はぁああああ!!!」

 

 ある程度の負傷はやむを得ないと容赦なく振るわれた刃に、手ごたえはなかった。

 

「・・・悪いけど、バレバレだよ」

 

「山本!極限に後ろに引けッ!!」

 

 了平の声に、山本は反射的に後ろに下がり、その鼻先をトンファーがかする。

 

「ッ!」

 

「雲雀相手に小細工は無用!!極限に拳を交わすのみ!!!」

 

 了平がそう叫び、雲雀に殴りかかる。猪突猛進の了平に、雲雀は口の端をつり上げる。

 

「そうこなくちゃね、咬み殺しがいがあるよ!」

 

「チッ・・・組み合っちまったら、俺の武器は使えねェじゃねェか!!」

 

 その間にツナの元へと行ければ問題ないが、雲雀は常に奥へと続く扉を背に戦っており、それもままならない。

 

 煙幕の効果は既に切れ、乱戦どころか山本と了平は雲雀に一撃も与えられないままボロボロになっていた。

 

 獄寺はチラリとランボを確認するが、プルプルと震えて戦いを見つめているのを見て眉間のしわを深める。

 

「ランボは使えねェか・・・いや、待てよ?・・・おいランボ!」

 

「ぴぎゃ!・・・な、なに?」

 

「いいか、俺がシールドを展開して山本と笹川兄を下がらせる。そしたらお前のVGで雲雀をしびれさせろ!」

 

 いかに雲雀といえど、感電すれば動きを鈍らせるだろうと獄寺は考える。

 

 ランボはランボで、あの獄寺が自分の力を認めて作戦に組み込んでくれたことに高揚感を覚えていた。

 

「・・・わ、わかったんだもんね!」

 

 抱きしめていたVGを頭に装着したランボを確認した獄寺は、再び煙幕ボムを用意した。

 

「こっちまで下がって来い!!山本!笹川兄!!!」

 

 獄寺の号令に、雲雀に圧され気味になっていた2人は雲雀から距離を取った。

 

「もう一度喰らえ!煙幕ボム!」

 

 再び部屋中に煙幕が張られる。

 

「・・・2度も同じ手を使うなんてね・・・それでも獄寺、君、彼の右腕って言えるわけ?」

 

 雲雀がそう呟いて一歩踏み出した時だった。

 

 パリパリと空気が震える音が耳に届き、咄嗟にトンファーを上に放り投げて自分は後ろに下がる。

 

 その瞬間、電気を帯びた雷属性の炎が燃え上がった。

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