スレツナまでの軌跡☆彡   作:cibetkato

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3.溺愛ですが、なにか?

「さて、ツッ君はもちろんのこと、守護者の皆にも3ヶ月の間に引き継ぎやら顔見せやらといろいろやることがある。だから、最初に言っておこう」

 

 9代目が話を切り出すと獄寺は背筋を正し、山本も表情を引き締める。

 

「確かに伝統を引き継いでいくことは重要だが、すべてその通りにやらなければならないというわけではない。君達の思うようにこのボンゴレを導いて行って欲しい」

 

(栄えるも滅びるも好きにせよ)

 

 初代の言葉がツナの脳裏に浮かんだ。

 

(そうだ、初代は俺を待っていたって言ってた。俺がボンゴレを今以上に栄えさせるのか、緩やかな滅びへと向かわせるのか、好きにしていいんだって)

 

「はい」

 

 ツナは力強く9代目に向かって頷いた。

 

「俺は10代目にどこまでもついて行きます!」

 

「俺も、ツナが決めたんならそれに従うぜ」

 

「俺っちも頑張るんだもんね!」

 

「僕も皆の足を引っ張らないように頑張るよ」

 

 獄寺達が口々に誓いあうのを聞いて、9代目は嬉しそうに笑って頷いた。

 

「うん・・・これならば安心だね」

 

「そうだな・・・何度も危機を乗り越えてきたからこその絆だ」

 

 リボーンも自信たっぷりに告げる。

 

「では、さっそく引き継ぎを始めてもらおう。最初は戸惑うかもしれないが、じきに理解できるようになるだろう」

 

 9代目の言葉と共に、9代目の守護者の面々が入室してくる。

 

「既に霧の守護者の引き継ぎは始まっている。今日ここにいるのは嵐・雨・雷だったね。・・・獄寺君、山本君、ランボ君?」

 

 呼ばれた3人が9代目に視線を向ける。

 

「君達には、私の守護者から直接引き継ぎを受けてもらう。先程も言ったが、必ずやらなければならないということではない。参考までに聞いておいてほしい」

 

「「「はい」」」

 

 3人が返事をすると、9代目の守護者の中から嵐のコヨーテ・雨のブラバンダー・雷のガナッシュが前に進み出る。

 

 それぞれの属性のペアが作られると、獄寺達は有無を言わさず部屋の外に連れ出された。

 

「あ・・・行っちゃった」

 

 いきなりのことに目を丸くして彼等を見送ったツナはポツリと呟く。

 

「守護者のことは守護者に習うのが一番だよ。だから安心しなさい」

 

「・・・うん」

 

 頷いたツナは9代目に向き直る。

 

「俺もおじいちゃんから引き継ぎするんだよね?」

 

「ああ、そうだよ・・・というわけで、リボーンにはフゥ太君と一緒に席を外してもらおう。城内を好きに歩き回っても良いが、外に出る時は誰かに言ってからにしておくれ」

 

「ああ、わかったぞ。・・・フゥ太、しばらくは俺と一緒に行動して貰うぞ」

 

「わかったよ、リボーン」

 

 リボーンとフゥ太が退室し、それに続くように9代目の雲と晴の守護者が部屋を出て行く。

 

 そして9代目の執務室には2人だけになった。

 

「・・・えっと」

 

 戸惑うツナの前に立った9代目は、ポン、とツナの両肩に手を乗せる。

 

「引き継ぎの前に・・・ツッ君、私のことはじい様と呼んでおくれ」

 

「・・・・・・・・・・・・じ、じい様?」

 

 なんだか雲行きが怪しい気がするのは気のせいだろうか。

 

 小さな頃に猫可愛がりされたことを思い出したツナの背中に汗が伝う。

 

「うんうん、やっぱりその方が良い。特別な感じがするよ」

 

 ニコニコと笑う9代目を見て、ツナの超直感が大警戒を発した。

 

「・・・・・・じい様?」

 

「ん?なんだい?」

 

「ま、まさかとは思うけど・・・守護者とかリボーンとかを追い出したのって・・・」

 

 超直感の示す通りならば9代目の認識を改めようと思いながらツナは問う。

 

「はっはっは!さすが初代に匹敵すると言われる超直感の持ち主だ!その通り、私はツッ君と2人っきりになりたかったんだよ!」

 

 9代目はあっさりきっぱり暴露してくれた。

 

「・・・・・・父さんと同類かよ」

 

 高校に入学したての頃、“奈々&ツナ欠乏症”にかかった家光が日本に帰国した。

 

 それも、リボーンには大量の任務を与え、ビアンキと子ども達にはマフィアランドへの旅行券なんぞをプレゼントして。

 

 家族水入らずで、とにかく奈々やツナとイチャつきたいがための職権乱用に、ツナは驚きを通り越して呆れかえってしまった。

 

 いつもは大空属性かと思えるほどの包容力を持つ奈々も呆れるほどに、家光は2人に至れり尽くせりの家族サービスをし、リボーン達が帰る頃にはご満悦でイタリアに戻って行った。

 

「ツッ君、ちゃんと公式の場でもじい様と呼ぶんだよ?(フフフ、これで家光だけに保護者面をさせずに済む)」

 

「あ~・・・はい」

 

 いろいろとツッコミを入れたいところだが、それが徒労に終わると家光の件で充分に理解していたツナは、さっさと諦めて放っておくことにしたのだった。

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