スレツナまでの軌跡☆彡   作:cibetkato

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※このお話での“読心術”について・・・。

 とってもハイパーな能力として進化しており、文字通り“心の中がまるっとわかってしまう”術として取り扱っております。

 防御できるのは同じく“読心術”を使う者だけです。

 そのことを前提にお読みください。(あらすじにも追加しました)


8.引き継ぎ報告会・・・?

 朝夕の食事はファミリーと一緒にとる。

 

 様々な事情がある中でも、それだけは絶対に欠かさないのがボンゴレの習わしである。

 

 あのヴァリアーですら、任務が無い日は幹部で揃って食事をとっているというのだから驚きだ。

 

「皆、引き継ぎは順調?」

 

 3日目も無事に引き継ぎを終え、ボンゴレ本部お抱えの料理長が腕を振るった料理に舌鼓を打ちながら、ツナが己の守護者の顔を見回した。

 

 途端、獄寺と山本、クロームの手が止まった。

 

「はいはーい!オレっちはねェ、今日はガナッシュと森の方を散歩したんだもんね!」

 

「散歩かァ、良かったな、ランボ」

 

「うん、あちこちに隠し扉みたいのがあって、面白かったもんね」

 

 ランボの言葉に、ガチャン!とフォークやナイフを落とす獄寺達。

 

「獄寺君?どうしたの?」

 

「武兄、顔色悪いよ?」

 

「クローム、手が震えてるぞ?」

 

 ツナやフゥ太、リボーンが心配そうな視線を送ってくる。

 

 ハッと我に返った獄寺が、ツナに向かって焦ったように答える。

 

「お、俺は、今んトコ本部の中を連れ回されて、構造を覚えるように言われてます」

 

「え~!こんな広い所を全部!?」

 

 ツナが驚くと、獄寺は苦笑をうかべた。

 

「ええ、まぁ・・・右腕には必要って言われたら、覚えるしかないっスよ!!」

 

「スゴイなぁ・・・頑張ってね、獄寺君」

 

「は、はい!!」

 

 頷く獄寺にツナは笑みをうかべ、山本に視線を向けた。

 

「で、山本はどんな引き継ぎしてるの?」

 

「・・・ん~、わかんね」

 

 正直に答えれば、獄寺から睨まれる。

 

「おい、ちゃんと答えろよ」

 

「だって、答えようと思ってもさ・・・鬼ごっこしかしてねーもん、俺」

 

「お、鬼ごっこォ?」

 

 ツナが鸚鵡返しに問えば、山本は困ったように頷いた。

 

「ああ・・・とにかく時間内にブラバンダーさんを捕まえなきゃならねーんだけど・・・さすがに広すぎて探しきれね―んだよな。今はこの本部内って言われてんだけど、この中で時間内に捕まえられるようになったら、今度は森の中まで範囲を広げるってさ・・・」

 

 だから、ランボが森に隠し扉があるなどと言うものだから、驚いて手を止めてしまったのだと告げる。

 

「鬼ごっこか・・・何の意味があるんだろう?」

 

 ツナが心底不思議そうに言うと、その“理由”を告げられている獄寺とクロームが挙動不審になる。

 

 それを見逃さなかったリボーンが読心術で2人の心の中を読み・・・頭を抱えた。

 

(9代目・・・なんつーことを・・・)

 

 9代目の守護者が揃って獄寺達に脱走ルートやらなにやらを叩き込んでいるのは、紛れもなく9代目の所業に因るものだ。

 

 ツナが“そう”なるとは限らないが、コヨーテは絶対なるとの確信があるとみえて、かなり獄寺に詳しく教え込んでいるようだ。

 

「クロームは?どんな引き継ぎをしてるの?」

 

 興味津々のツナに、クロームは何と答えたらよいのかと戸惑う。

 

「私は・・・えっと・・・」

 

 まさか、ツナを脱走させるための手順を教えてもらっているなどとは言えず、視線を彷徨わせ、終いには俯いてしまった。

 

「・・・そ、そんなに説明が難しいことなら、言わなくていいから!ちょっと聞いてみようって思っただけだからさ、だから、泣かないで!ね!?」

 

 ツナが今にも泣きそうなクロームに思わず腰を浮かせる。

 

 そんなツナの言葉にクロームは顔を上げた。

 

(そうだ、私がしっかりしないと・・・ボスをちゃんと脱走させてあげられない)

 

 ちょっと毒されてきたクロームである。

 

「ボス・・・大丈夫、泣いてない。私、今は言えないけど、ちゃんとボスの役にたってみせるから・・・だから、私に任せて」

 

「え?・・・あ、ああ、うん」

 

 グッと胸の前で両手を握りしめて力強い視線を向けてくるクロームに、ツナは戸惑った様子で頷く。

 

 この中でクロームの言葉の意味に気付いているのはリボーンだけだ。

 

(一体全体、どうなってるんだ???)

 

 本来、引き継ぎなんていうものは事務的に済むような話で、こんなくそ真面目にボスの脱走対策を練るとか有り得ない。

 

 まさかとは思うが、晴や雲までもこんな引き継ぎだったらどうしようと思いながら、リボーンは明日ようやく合流する晴と雲の守護者の顔を思い浮かべたのだった。

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