会長の思惑、Second Phase   作:抱き枕50

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兆しと搦手

「蘇芳ちゃん、血が薄いんじゃない? 前にも有ったよね倒れたの」

 

「そうかな? 少しは偏食有るけど・・・・・・。選んできたものは残したりしないし、違うと思うわ。沙沙貴さん達は偏食有るの? 」

 

 

二人して"私達は偏食は無い"とハモった。あまりにぴったりシンクロしたので吹き出してしまった。

 

 

「蘇芳ちゃん、汚ーい。ナニ吹き出してんのよ。林檎、雑巾! 全く世話が焼けるんだから。でもそこが良いんだけどね」

 

「そー。ギャップ萌えって奴!?。見た目完璧のくせに抜け作で、真面目なのにルールを破ったりするの平気だったりね。血塗れメアリーの時みたいに」

 

お昼を林檎さんに持ってきて貰うことになり、私は苺さんと二人で待つことになった。待っている間、私は何故か二人が私をベッドに縛り別れのキスをして脱柵したあの日の事を思い出した。

 

あの裏切りとも思える事案を乗り越えたから今が有る。そう、今やかけがえの無い友になった二人と私。しかしそれを崩そうとする悪魔が居る。弱みを握られている以上、迂闊には動けない。動いても肉を切らせて骨を断つとなるだろう。何かを失う覚悟が必要なのか・・・・・・。

 

 

「何真剣な顔しているの。そんなに献立が心配? ねえ、次の時間は試験前最後のバレエの授業だけど、蘇芳ちゃんは見学なんでしょ? 今日は履修確認のプチ発表会なのに残念だね。折角うまく踊れるようになったのに」

 

「ほんと。四月なんて身体固くて踊る段階じゃなかったもの。毎日補習だったもんね、蘇芳ちゃんとユリーは」

 

「でも今は、未経験組で上位の踊りが出来るんだから、たいしたものだよ」

 

「それは、教えてくれた沙沙貴さん達が上手だからよ・・・・・・。沙沙貴さん達だって入学してから始めたのに経験者組の後に続いてるじゃない、凄いわ」

 

 

「いやーもっと褒めてよ蘇芳ちゃん。そうだそうだ、試験が終わったらサッカー部また始めるって八代先輩が言ってたよ。先輩は試験期間の今日も早起きしてロードワークしてるんだー尊敬しちゃう。ニカイアの会の会長をして、且つ料理部に合唱部、更にサッカー部。それに趣味の写真もやってるしバイタリティー有りすぎだよね先輩」

 

「私も次の試合では必ず点取るよ。それでお立ち台乗ってインタビューされるんだー。林檎は姉の勇姿を見せてやるから応援に来な」

 

 

何時の間にか、林檎さんが部屋にお昼御飯を持ってきていた。私を慮って消化のよいパンのサンドイッチ。三人ともだ。どちらかというと御飯党の二人だけど、私を最優先に揃えてくれたのだろう。林檎さんはこういう空気は読んでくれる・・・・・・。優しい人なんだよな・・・・・・。

 

「苺姉、来なじゃなくて、来て下さいでしょ。勝利の女神を蔑ろにしないように。思うんだけど八代先輩も、もう少し蘇芳ちゃんに時間割いて上げれば良いのに。蘇芳ちゃん・・・・・・淋しいんじゃないの? デートとか誘われてないんでしょ」

 

 

「そういえばー。例の交換日記はどうしたの、蘇芳ちゃん。あれセンセーショナルだったよね。たかが交換日記で婚約したような盛り上がりでさ。あの日の昼休みに購買で交換日記帳が馬鹿売れしたって話聞いたよ。で、内容はやっぱりハートマーク乱舞なの!?」

 

二人して興味津々。食い気味の態勢だ。だけど・・・・・・。

 

「実は・・・・・・まだ書いてなくて私の所に止まって・・・・・・ます・・・・・・。ほら、色々有ってそれどころではなかったから」

 

 

「それって最低ー」

 

またもやハモられた。乙女の純情を蔑ろにするなんてと。散々に罵られた。でも目が笑っている。彼女達なりのスキンシップだ。

 

 

「実は私も上級生としてるんだ、交換日記。相手はね、ヒ・ミ・ツ。蘇芳ちゃんは知らない人だよ。癒されるんだよーお母さんみたいで」

 

意外な話に驚く。でも亡くなったおばあちゃんとも手紙をマメにしていた事を思えばそんなに変では無いのだけど、クラス1お転婆な苺さんが文学少女みたいな事をしてるのは、やはり違和感が。八重垣さん辺りが知ったらツッコミを入れそうだと思った。

 

 

「ダリア先生としてる子も居るんだって。そんな噂もあるよ。相手が先生じゃ・・・・・・そんなのレポート提出みたいで私は嫌だなー」

 

 

それは私も嫌だ。世辞はともかく褒められたことなんて皆無だし、今私は疎まわれているから・・・・・・。楽しかったのに暗く落ち込んで来てしまった。と同時に予鈴が鳴った。次はバレエ。点滴は未だ残っている。引っかけるスタンドと共にレッスン室に移動だ。食事の後片付けを苺さんに頼み、林檎さんと私、スタンドを引きずりながら校舎に戻って行った。

 

 

 

「蘇芳。やっと見つけた。なんだよそれ。点滴なんかして・・・・・・。もしかして熱中症にでもなったのか? お昼に食堂で会えると思ってたのに、居ないから探し回ったんだよ。今も蘇芳の教室行ったら居ないし。他も色々見てたのに。寮の保健室とは気が回らなかった。基本丈夫な蘇芳がこうも連チャンで保健室にお世話になってるとは思わなかったよ」

 

 

試験が終わったらまたサッカー部始めるから。言ってないの蘇芳くらいだし気になっててさ。まあそんなわけで、補講や追試にはならない様に頼むよ。キーパーが居ないんじゃ困るからさ。なんだ林檎君も居たのか」

 

「酷い。いくらなんでも付き合ってるからって・・・・・・。私に気が付かないなんて無いわ」

 

 

廊下で、階段を降りてきた譲葉に声をかけられた。本心を隠している様な話しっぷり。周りに人が居るから当たり障りのない話をした感じがありありだった。

 

「沙沙貴さん達から、サッカー部の話し聞きました。試験終わったら顔出しますんで・・・・・・。それじゃ急ぎますから。先輩も遅れますよ、こんな所で油売ってると」

 

「えっ、おい、ちょっ、待て」

 

呆気にとられる譲葉を余所に、廊下を進む。角を曲がったら林檎さんが私の正面に回って、ギッと睨む。

 

「何今の。もうちょっと誠意がある対応しなさいよ。先輩、なんだか泣きそうだったじゃない。二人の間に何あったか知らないけど、酷いよ。蘇芳ちゃん」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

「夫婦喧嘩ね。確かに犬も食わないって言う理由がわかるわ。恋愛の機微に疎い私には全く理解不能。好きにしてよもう。それにしてもね・・・・・・」

 

林檎さんはそれ以上言うのを止めて、前をすたすた歩き始めた。そしてレッスン室にたどり着く。私は着替えをしないので、靴だけ履き替えて入室した。なんだか皆の視線が痛い。

 

 

「白羽さんが八代先輩を廊下で泣かしたんだって。風紀委員の萩野さんが見たそうよ。なんだか見た目と違って意外とキツい人みたいね」

 

「なんか養護教諭に口説かれてるなんて噂も有るのよ。肉食なのかな。私白羽さんになら食われても良いかも・・・・・・」

 

「しっ、委員長が睨んでる。じゃね」

 

 

そんな言葉が耳に飛び込んでくる。しまったと思ってももう遅い。ここでどう見られても良いけど、譲葉には謝っておかないと。会うとまたやらかしてしまいそう。そうだ止まってる交換日記を使おう。自分なりに答えが出たので安堵した。

 

 

「白羽、呼び出されて教室出てからここに来るまで何してたんだよ。その点滴。また保健室かよ。お前さ、一度カウンセリングみたいの受けた方が良いんじゃないのか? それにしても先輩を苛めるなよな。大事にしておかないと・・・・・・取り巻きに嫉妬で殺されても知らないぞ」

 

「八重垣さん・・・・・・。ただ単に熱中症で倒れただけよ。譲葉のことは本当・・・・・・かな。泣きそうだったけど、その先は知らないから。ここに来るのを最優先にしたから譲葉と別れた後の事は・・・・・・。八重垣さん、別に病んでないわ、私」

 

「いや、どう見たって倒れてからのお前は奇怪しい。あの日の前と今のお前は全然違う。私だけじゃない皆判ってる筈だ。そうだからバスキア教諭に呼び出されたんだろ? 」

 

 

彼女の視線の先には、バスキア教諭が。教諭は準備体操を念入りにする様に訓示している。その視線がこちらに向いた。

 

「八重垣さん、こっちに来て私の補佐をして下さい。バレエ、詳しいのでしょう? 」

 

 

意外な言葉に耳を疑う。それは私だけでなくクラスの殆どがそういう反応だった。委員長の立花さんだけがそれを知っていた様で自然にしている。

 

「そうなの? 八重垣さん。意外だわ。そんな素振り見たことなかったのに」

 

「ずっと伏せておくつもりだったんだけど、ばれちゃしょうがないな。長姉がそこそこやっていたんで、門前の小僧・・・・・・って奴だよ。とはいっても、出来る事は何も無いけどね。にしても無駄足女に何をさせるやら・・・・・・」

 

 

愚痴りながらも満更でも無い顔で、バスキア教諭の所に車椅子を滑らせて行った。そしてあーだこーだ言いながらビデオ撮影のセットをしている。そして出席番号順に課題のお披露目だ。一応採点することになるので、皆真剣に演じていた。

 

私の前の番号の沙沙貴さん達が終わり、バスキア教諭が私の方に顔を向けた。皆もつられてこちらを見る。レオタードでなく制服での見学者はなんとも所在無い。教諭が白羽さんは見学。次は・・・・・・と言おうとして口をつぐんだ。再び口を開き私を見た。

 

 

「白羽さん、まだ残ってはいるけど程なく点滴が終わってしまうわ。見学はもういいから保健委員と保健室に行ってきて下さい。あっダメだわ。関本さんはこれから順番だもの、白羽さん一人で行けるかしら? 」

 

見やると確かにバスキア教諭の言う通りだ。仕方ないので中座して一人部屋を出た。誰も居ない授業中の廊下。風が窓を揺らして音を立てる。気になり閉めてふと外を見やると、ちょうど養護の先生が車から降りてきたのが見えた。学院で初めて見る黄色の車。流線型のスポーツカーだ。先生こんなの持っていたっけ? 中東のゲリラが乗ってる様な感じの車だった様な・・・・・・。まあいいや。今は点滴が無くなる事を何とかしないと。

 

「白羽です、失礼します。点滴が無くなりますので処理をお願いします」

 

「そうかそんな時間か。調子はどうだ? 良くなったか? 」

 

「おかげさまで。もう大丈夫だと思います。昼食も食べられましたし。今もここまで一人で歩いて来ました」

 

「検査の結果は、まあ正常だ。風邪のせいかちょっと白血球が多いし脱水の気があるけど、心配は要らないと思う。ただ鉄分はもっと取らないとダメだな。規定の最低だよ、白羽」

 

 

そんな話をしながら、点滴を外しパッチを貼ってくれた。休んでいくかと聞かれたけど、固辞しレッスン室に戻る事にした。窓の外を見ると、黄色のスポーツカーは居なかった。窓を開けて乗り出してキョロキョロ探したけれどやはり居ない。そうしていたら背後から抱き抱えられた。

 

「危ないわ。貴女落ちるわよ。自殺でもするつもり? 」

 

「まさか。でも気を使っていただいてすみません。ちょっと気になる事が有ったものですから乗り出していました。以後気をつけます」

 

「そう。ならいいわ。貴女、一年の白羽さんでしょ。保健室の帰りかしら? 最近保健室に良くお世話になってるらしいわね。早く元気になってクラスの子を安心させてあげてね。それじゃね」

 

「あの、貴女は・・・・・・」

 

「私は三年よ。名乗るほどの者ではないわ。気をつけてね。貴女色々目立つから・・・・・・」

 

 

 

「白羽です。入ります」

 

 レッスン室は全員が踊り終えた後で、皆がリラックスして順番を待ち、ビデオ見ながらバスキア教諭の評を聞いていた。

 

 

「蘇芳さん、こっち来て。一緒に見ましょう」

 

立花さんとマユリさん、それに孝崎さんが座ってる脇に腰を下ろす。

 

「もう大丈夫みたいね。良くなって良かったわ。でも踊ってる姿見たかったな、残念」

 

「マユリさん、採点結果って出たの? 」

 

「うん。三位までと敢闘賞みたいなの一人で、孝崎さん、立花、根本さんがトップ3。敢闘賞は苺だね。未経験からここまで上達したってことらしいよ」

 

苺さんを見ると、ピースサインを返してきた。私からも送り返す。そして孝崎さん、立花さんにおめでとうを言う。二人から謝辞をもらい恐縮する。

 

 

「蘇芳さんが踊るとこ見たかったわ。まだじっくり見たことないから」

 

「そうか、孝崎さんはまだ見たことないのね。孝崎さんはこんなものかと思うかもしれないけど、未経験者の下手具合を知ってる身としては凄い上達ぶりなのよ。今日踊ってたら敢闘賞間違いなしだったのに。本当に残念で惜しいわ」

 

「それは無いと思うわ。私より苺さんの方が上手だし、私バスキア教諭苦手でこういう場ではうまく行かないと思うし、何よりも・・・・・・」

 

「白羽さん! 私語は慎んで下さい。集中が足りませんね。えーと、この映像のダビング希望者は私の元にある書類にサインして下さい。夏に帰省されたりする時には、親御さんには良いお土産になるわよ。ではこれで試験前のバレエの授業は終わりです。明後日からの夏期試験頑張って下さい」

 

 

期せず拍手が始まり、バスキア教諭が驚いた様に目を潤ませて私達に手を振りながら控室に消えて行った。私は素直にそういう気分には成れずにじっと下を向いてやり過ごした。

 

「変な蘇芳さん。また気分でも悪くなったの? 」

 

バスキア教諭に呼び出された事を知らない孝崎さんが私を見て不思議がる。

 

 

沙沙貴さん達や八重垣さんは部屋の空気を読んだのか、私を無視してくれる。今の私はその方が嬉しい。そして更衣室に向う級友とすれ違いながらこっそりとレッスン室を出た。

 

 

次の時間は、自習という名のHR。立花さんが音頭を取っての勉強会の様相。各々得意科目を教えたり、教わったり教室のあちこちでグループが出来る。私は科目ではなく、沙沙貴さん達のお守りの態だ。立花さんからこの二人が静かだと結果オーライになるから、面倒見てと厄介払い? された格好だ。級長としてその判断は正しいとは思うが、真相は話せないなと思う。

 

八重垣さんも、意外なくらいに協力的に教え役をこなしている。出会った頃からは全く想像できない程の変わり様だ。一方、転入生は試験の代わりに課題が出た。孝崎さんは私が教える形に、残りの根本さん達は転入生同士で進めている。私の一件から孝崎さんは袂を分かったのだ。

 

「白羽さん、ここの所教えてくれないかしら。あの子に聞きに行ったら、貴女の方が得意だろうって言われたの」

 

「八重垣さんたら、照れてるのかしら。良いわ。今手すきになったから。一人で大変でしょ。わからない事が有ったら遠慮なく聞いてね。あのね・・・・・・孝崎さん、良いの? 関本さんと根本さんはともかくとして、他の子は関係ないと思うの。 そんなに無下に切るなんて・・・・・・」

 

 

「良いのよ。あの子達は同い年だけど、同じバレエスクールの先輩と後輩なんだもの。先輩には逆らえないでしょ・・・・・・。だからいっそ、私が離れてしまえば、貴女の事で無理強いされないかなってね」

 

「優しいのね。孝崎さん・・・・・・」

 

「ありがとう。白羽さん。貴女にそう言われると心に沁みるわ・・・・・・この学院に来ると決まった時は白羽さんみたいな人が居るなんて思わなかった」

 

そう言ってウインクした孝崎さんにドキマギしてしまった。

 

 

「それでは、この時間をもってHRは終了になります。ダリア先生は来ないのでこれにて解散です。掃除当番の方は教室と階段を清掃して下さい。日直の方は掃除終了を確認してから日誌を職員室までお願いします」

 

立花さんがそう言うや否や、当番以外の人は即効で教室を後にした。テスト期間で部活は無いのでクラブハウスに行く人は無く、寮に戻る者、図書室に足を運ぶ者、購買で菓子を買うものそれそれに散っていく。校内は狭い様で広い。誰も居ない場所、来ない場所がある・・・・・・。

 

 

「白木先輩、お呼び立てして申し訳ありません。テスト前の大事な時期に大変失礼と思いましたけどどうしても暗室を使用する用事が出来てしまって・・・・・・」

 

「和田部長の妹さんである関本さんの頼みでは無下に出来ないものね。良いわよ。私はこっちで勉強してるから。何か有ったら呼んでね」

 

どれくらい時間が経ったろう。あまりにも静かなので暗室をノックした。換気扇は回っている音がする。返事が無いのでドアノブを回すも鍵がかかっている。『中で倒れたのかな?だとすると・・・・・・』慌てて鍵を取り出し開けると中は真っ暗だった。暗室用の電気も点いていなかった。

 

「関本さん? どうしたの? 居るんでしょ? 返事をして・・・・・・」

 

そこまで口にしたら、首に強いショックを感じて倒れてしまった。

 

 

「気が付きましたか? 白木先輩。これが暗室を使う用事なんですよ」

 

「関本さん、貴女一体・・・・・・。どういう事なのこれは。動けない!?。先生に言うわよ。早く電気を点けなさい」

 

明かりが点くと全てを理解した、私は椅子に両手両足縛られていた。制服は脱がされて下着姿・・・・・・。状況が判ってきて、恐怖心が沸き立ってきた。

 

「お願いだから、酷い事はしないで・・・・・・」

 

 

「あーあ。ゆかりったら先輩泣かしちゃって。可哀想に。それにしても写るんです改造のスタンガン効くのね。ゆかりはそういうの得意で尊敬するわ」

 

「小夜花だって、手先が器用でしょ。縛るのが達者で助かるわ。痛くないけど動けないでしょー葉子先輩」

 

「私達、先輩にお願いしたい事がありまして。でも先輩は素直じゃないからちょっと手荒だけどこういう事になりました」

 

「私に何をするの、何をさせたいのよ」

 

「取り敢えず、落ち着いて下さい。そうすれば直ぐに済みます」

 

 

二人が代わる代わるに私にキスをしてきた。舌を入れる激しいものだ。なすがままにされて結果として観念してしまった。二人に言いようの無い怖さを覚えたから・・・・・・

 

「あのですね、葉子先輩はアミティエの八代先輩の事が好きですよね。それでー私達がそれを成就に導いてあげようかなって。だって先輩はずっと八代先輩のこと影から支えていたのに、向こうはぽっと出の一年に夢中なんて誰が見たって酷いですから」

 

「何を言ってるの貴女達、譲葉と私はそんな関係じゃ・・・・・・。それに貴女達に何の関係があるのよ。早く解きなさい。今ならこんなことして脅した事黙っててあげるから」

 

「仕方ないな、素直じゃない人。こういう人にはこれが効くのよね。ゆかり、カメラ貸して。じゃブラを外しましょうね先輩。あらあらなんだかなー判ってたけどちっぱいですねー小学生だってもう少し有るんじゃない」

 

コンプレックスを直撃されて、頭の中か真っ白になった。何でこの子達にそんな事言われなきゃならないの・・・・・・。

 

「先輩、カメラ目線でお願いします。こっち向いて下さい。また電撃食らいたいのですか? またおしっこ漏らしたくは無いですよね」

 

あれは嫌だ。顔を横に振り止めてとアピールした。諦めてカメラを見る。滝の様に連写されてしまった。もう取りかえしがつかないと思ったら涙がこぼれてきた。

 

 

「何泣いてるんですか。怖かった? 先輩は泣き虫さんだこと。ねえゆかり。そのメモリーカード、コピーしておいて。郵便書留で学外に持ち出すから。ここからクラウドにっていかないのが残念。ほんとにここは2015年なのかと思うわ。デジカメだってここの部で持ってる星用のくらいしか無いし、ネットにつながるのは職員室と事務室のパソコンだけ。しかも無線LANじゃないから中々手が出せない・・・・・・」

 

 

終わったよ葉子先輩。試験が終わってからで良いの。八代先輩を誘惑してくださいな。拒否したら写真をばらまくから。葉子先輩は良いとこのお嬢様だもの、流失したら・・・・・・わかるでしょ? 」

 

 

「それじゃ、落としのテクニックを私達が教えてあげます。葉子先輩、今から仮眠室で実技指導してさしあげますから。歩ける用に縛り直して小夜花」

 

 

「ホンとに、綺麗に縛るわね。見えるところに痕が付かない様にするし、それで食えるわよ。手に職っていいなあ」

 

「ゆかり、どうでもいいけど、このおしっこ臭い下着なんとかしてよ。取り敢えず脱がすからバケツの中にでも入れて置くなりして・・・・・・」

 

あからさまにお漏らしを揶揄されて完落ちした。なすがままに二人に連れられ、仮眠用の大きなベッドに寝かされた。そして縄を解かれた。でも逃げられない。それほどまでに二人は巧みに私を抑えた。そして私を犯した。一応過度の挿入は遠慮してはくれたけれど・・・・・・。私は何度も達した。あり得ないくらいの快感。

 

今まで、頭の中で想像するだけだった、女性同士のまぐわい。その相手は何時も譲葉だった。毎晩の様に夢を見、夢の中の彼女は何時も優しく私を受け入れてくれた。朝、濡れた下着を見て罪悪感と恋心を共に心の闇に封印し、普通に朝の挨拶をするのが日常。イヤらしい女と思われたくはなかった。そしてまた夜、封印を外す・・・・・・。それは知られてはいけない私の秘密だ。だけど・・・・・・。

 

 

「葉子先輩、凄いわ。素質有るよ。私達で開発してあげる。どんなに気のない女でも虜に出来る様にね。試験が終わったら合宿のプランを練って。いいい事してあ・げ・る。お姉ちゃんには私から話しておくから・・・・・・」

 

「先輩、すっきりしたでしょー。明後日からの試験頑張って下さいね。憑き物が落ちた顔してますよ。じゃ、ゆかり帰ろう。これから本命を攻略しないとね。これから毎日あの身体を・・・・・・」

 

そこまででドアが閉まり、その先は聞こえなくなった。暫くぼーっとしてから立ち上がり、乱れたべッドを直し証拠を消した、お漏らしで汚れた下着をもみ洗いしながら洗面台の鏡を見る。そこに居たのはうぶな少女でなくまぎれもなく女だった。

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