インフィニット・オオカミ   作:陸のトリントン

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思い付きで書き始めたので、いつまで続くか分かりません。

なので、長い目で見守ってください。


狼男は生まれた

「はーい。ちょっとだけ痛いから、我慢してねえ」

 

とある病院の一室。看護師が子供の二の腕に注射器を差し込んだ。

 

「うわあああん!」

 

「はい、よく頑張ったね!」

 

子供は痛みに耐え切れず泣き叫んだが、看護師は慰めるように子供をあやしたが・・・

 

「うわあ・・・・・・あ・・・が・・・!」

 

「どうしたの!?」

 

子供が突然もがき苦しみ始めた。

 

母親も突然子供が苦しむ状況にパニックに陥った。

 

「うちの子供に何をしたんですか!?」

 

「お母さん、落ち着いて下さい!」

 

「あなたにお母さんと呼ばれる筋合いはありません!」

 

「落ち着いて下さい!」

 

看護師と母親の漫才を横目に子供は床にのたうち回っていた。

 

「何事かね!?」

 

「先生!おたふく風邪の予防接種をしたら・・・」

 

「その容器は!」

 

「これです」

 

先生と呼ばれる白衣を纏った中年男性は予防接種の際に使用した容器のラベルを見た瞬間、顔が真っ赤に染まった。

 

「何をしてくれたんだ!」

 

「え!?それはワクチンじゃ・・・」

 

「私の研究品を勝手に持ち込むな!このバカタレが!」

 

「先生!研究とはなんですか!?」

 

「お前に聞く権限などない!」

 

突然の豹変ぶりに母親はあまりのショックにその場に座り込む。

 

「ええい!これでは私の夢が・・・」

 

愚痴をこぼしながら子供を見た時、男は言葉を失った。

 

子供の全身は白と灰色の毛で覆われ、手足には鋭く尖った爪が伸びていた。頭の上にヨコミミが生え、鼻は顔の前に飛び出し、乳歯は全て鋭く尖っていた。そして・・・

 

 

 

お尻に太い尻尾が生えていた。

 

 

 

「成功だ・・・私の研究が成功したぞぉ!」

 

「成功って・・・」

 

「出来たんだよ!この世界に初めて、本物の狼男が誕生したんだ!」

 

「そ、そんな・・・」

 

中年男性の狂喜に母親はただ涙を流す事しか出来なかった。

 

「がるる?」

 

白騎士事件発生の一年前の事である。

 

 

 

「高原和也」4歳 狼男になる。

 

 

 

 

 

 

「・・・と言う感じの報告書だけど、どう?」

 

「これじゃあ、B級ホラー小説を読まされてる感じですよ。それに脚色されてますよね。報告書として意味を成してない気がするんですけど・・・」

 

「でも、これぐらいの感じにしないと悲惨さが伝わらないと思うけど?」

 

「これを提出するんですか?」

 

「して欲しい?」

 

「しないで下さい!真面目に書いて提出をして下さい!」

 

「そうやって怒ってる所も可愛いんだから」

 

「からかわないでください・・・」

 

「一週間で私卒業しちゃうんだから、私のワガママに付き合っても良いじゃない」

 

「そのワガママが二年続いたような気がしますが」

 

「気のせいよ」

 

「絶対、気のせいじゃない・・・」

 

 

 

僕の名前は高原和也。中学二年生で生徒会副会長を務めています。

 

十年前、僕はおたふく風邪の予防接種でワクチンと間違えられ、謎の薬品を打たれました。幸い、命に別状はなかったけど薬品の副作用で色々と苦労しています。

 

そんな僕ですが、今は生徒会室で生徒会長と書類整理を行っています。

 

 

 

「そろそろ、帰らないとね」

 

「そうですね。帰らないと両親が心配しますしね」

 

「私の事より心配してるの?」

 

「先輩の場合は、ただヘタレてただけじゃないですか。妹に何て言えばいいのか、一人で落ち込んでいて」

 

「そんな事あったけ?」

 

「とぼけないで下さい。刀奈先輩」

 

 

 

彼女の名前は更織刀奈。生徒会長を二年も続けた先輩。

 

僕が生徒会に入ったきっかけの人であり、近い内に更識家の当主になるというお嬢様のお嬢様である。いつも僕をからかって楽しんでいるけど、実は重度のシスコン。僕に妹の事で相談しに来た時は形成逆転したかの様にヘタレる、そんな可愛い先輩です。

 

 

 

「ところで、本当に襲名するんですか?」

 

「ええ。君のお陰で決心がついたわ」

 

「確か・・・た、たて・・・」

 

「楯無よ。でも、残念だったなぁ、最後まで刀奈って呼んでくれなかったのは」

 

「い、いや、僕は・・・その・・・」

 

「そうやって、顔を赤くしてる所は可愛いなぁ」

 

「か、からかわないで下さい!」

 

「冗談よ」

 

そんな他愛のない会話をしているけど、僕は刀奈先輩に絶賛片思い中です。

 

何でも完璧にこなそうとして、ちょっと背伸びしているお姉さんと言う感じがあって、ほっとけない部分に惹かれたのが理由かな。

 

「さて、日が暮れそうで私は早く帰らないといけない」

 

「先輩。本当は乗りたいから遅くしたんですか?」

 

「ばれちゃった?」

 

こういう所も可愛いから憎めないんだけど。

 

「別に構いませんが、怪我しても知らないですよ」

 

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 

僕は刀奈先輩を背負い・・・

 

「行きますよ」

 

空を跳んだ。

 

「おお!早いねぇ!」

 

この時の僕は人の姿などしていない。全身は白と灰色の毛で覆われており、頭の上にはヨコミミ、手足には鋭い爪、お尻には太い尻尾が生えており、顔は漫画やゲームに出てくる狼の顔そのものである。

 

「聞いておきますけど、家の人にはちゃんと説明してくださいね」

 

「大丈夫よ。ちゃんと説明してるから」

 

屋根から屋根へと飛び回り、僕は刀奈先輩を家まで運んで行った。

 

「でも信じられないね。あなたが本当に狼男だったなんて」

 

「なりたくて、なったわけではありませんから」

 

「でも、皆から頼られてるのは確かでしょ」

 

「珍しいから、声を掛けてるだけじゃないですか?」

 

「少しは素直になったらどうなの?」

 

 

 

 

 

 

そう・・・

 

僕、高原和也は謎の薬品の副作用で狼男になってしまったのです。




主役とヒロインの紹介話になりましたが、中学時代の話は続きます。



簡単に主役紹介。



高原和也

身長:150cm(狼男になった時は170cm)

容姿:「男の子」または「男の娘」

趣味:家事全般、手芸、裁縫、ランニング

好きなもの:刀奈先輩

嫌いなもの:刺激臭、差別
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