インフィニット・オオカミ   作:陸のトリントン

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アニメ版がっこうぐらし最終回で号泣のあまり、執筆ペースが落ちました。

太郎丸関連のシーンは反則でしょ。


モーニング狼男

早朝

 

誰もがまだ眠りについている中、僕はアリーナで刀奈の指導によるISの操縦訓練を行っていますが・・・

 

「うわぁっ!」

 

「大丈夫!?」

 

「大丈夫・・・です」

 

打鉄で歩けずに倒れる始末です。

 

「ISって・・・こんなに歩くのが・・・難しいのですか?」

 

「操縦に関しては操縦者の適正によるものだけど安心して。適性が低くても努力すれば適正って上がるものだから」

 

刀奈は僕を励ましてるけど、そのセリフに信憑性を感じない。

 

「本当なんですか?」

 

「ええそうよ。今は実感が無くても、いつか分かる日が来るから」

 

そう言い、刀奈は僕に手を差し伸べてくる。僕の考えが読めるのかな?

 

「分かりました。特訓の続きをやりましょう」

 

「はい。エライエライ」

 

「子ども扱いしないでください」

 

「じゃあ、私が和也君を大人にさせてあげる」

 

「どういう意味ですか?」

 

「そうね~。ベットであんな事やこんな事を・・・」

 

「・・・聞いた僕がバカでした」

 

こうして、朝のSHRになるまでISの操縦訓練は続いた。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

訓練の結果、何とか刀奈の補助無しで歩くことはできたけど・・・

 

「生まれたての小鹿みたいな歩きだったな」

 

歩けたと言っても、堂々と歩けるレベルじゃない。両足を少し震えながらも慎重に一歩を踏み出せる感じだ。放課後には黛さんのIS整備等に関する講義があるから、その後で自主練習をしなければならないけど・・・

 

「眠い・・・」

 

慣れない事をやったのか・・・眠い。もうすぐ朝のSHRが始まると言うのに、二日連続睡眠に入ったらさすがにいけない。おまけに一夏はまだ教室に来ていない。

 

「頑張って、授業を受けないと・・・」

 

「大丈夫~?」

 

のほほんさんがのほほんと僕を心配しにやって来た。

 

「少し・・・眠くて」

 

「昨日の夜は眠れなかったから、遠吠えをしたのか~」

 

「あれはいつもの事だよ。狼男になって遠吠えとかしないと、ある日突然狼男になっちゃうんだ」

 

「ガス抜きみたいな事?」

 

「うん。そういうこと」

 

そういうのを疎かにした結果、狼男で授業を受ける羽目になったからな。

 

「でもビックリしたよ~。突然の狼の遠吠えにびっくりして消灯したからね~」

 

「そんなに驚くものなんですか?」

 

「そうだよ~」

 

地元では別に何ともなかったけど、狼男ってそんなに怖い存在なのか。

 

「ねえ、たかやん」

 

「何ですか?」

 

のほほんさんの目が輝いているんですが・・・

 

「狼男って、ふさふさしてるの?」

 

「え、ええ・・・」

 

「触らせてくれないかな~?」

 

狼男をどこかのぬいぐるみと勘違いしてるけど、大丈夫かな?

 

「どうしてですか?」

 

「狼の毛並み感が知りたくて~。えへへ」

 

「別にいいですけど頭だけでお願いします」

 

僕は狼男になって、のほほんさんに頭を触らせた。こういう事は昔からあったし、慣れてるから別にいいけど・・・

 

「おお~!ふさふさだぁ・・・・・・・・・Zzz」

 

僕の頭を枕にして寝るのは勘弁してほしい。

 

「あぶねぇ。もう少しで遅刻す・・・」

 

一夏と箒が息を荒げながら教室に来たけど、僕を見た途端顔を青ざめた。

 

「和也・・・その・・・」

 

「のほほんさんが僕の頭を触ったら寝たんだ・・・」

 

一夏が絶句するのも無理はない。

 

「はは・・・ははは。そうか・・・」

 

「一夏、前から気になってたけど」

 

「な、何だ?」

 

一夏の顔が依然青いまま、僕はある疑問をぶつけた。

 

「僕が貸したノートはどうしたの?」

 

「あ、ああ!そのノートか!い、色々と助かったよ」

 

一夏は手を震えながらも僕にノートを返した。

 

「これからは箒とか他の生徒に分からない所を聞いてみるよ」

 

「そうですか。頑張って下さい」

 

一夏にエールを送った後、ノートを見ると休み時間以降に使われた痕跡が無い。あのままカバンの中にしまっていたのか、カバンの匂いがかなり残っている。でも丁度必要だったし別にいいか。

 

「さてと。そろそろ戻るか」

 

狼男から人の姿に戻ったら丁度良くのほほんさんが起きた。

 

「ふぇぇぇ・・・」

 

「のほほんさん。寝てましたよ」

 

「いや~。狼男の毛並みがフカフカのベットよりフカフカでね~」

 

人の頭を枕にして寝てたのですが。

 

「凄く良かったよ~。また今度、フカフカさせてね~」

 

そう言い、のほほんさんは自分の席に着いた。

 

「不思議な人だな」

 

僕の独り言をかき消すかのように朝のチャイムが鳴り響き、SHRが始まった。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

SHRが終わった後、千冬さんは一夏に専用機が支給されると話した。世界で初めてISを動かした男性操縦者だからね。専用機が来てもおかしくない話だな。さらに篠ノ之箒のお姉さんがISの開発者だという事で教室は騒いだけど、篠ノ之さんの顔は喜んでいなかった。その部分には触れて欲しくなかったと言わんばかりの暗い表情をしていた。

 

「千冬姉・・・いだっ!」

 

「織斑先生だ」

 

一夏の天然かどうか分からないボケを颯爽と突っ込んだ千冬さんだけど、どこかお疲れのご様子。理由は大体察せるけど・・・

 

「和也の事なんだけど」

 

「高原がどうした?」

 

「いや、決闘当日・・・」

 

 

 

「和也は狼男で戦うのか?」

 

 

 

その発言に僕以外の生徒が固まった。

 

「一夏。僕は打鉄で決闘に参加するから、狼男で戦う事はないよ」

 

「そ、そうなんだ。・・・って、千冬姉?」

 

僕の返答に驚きつつも一夏は笑顔で返してくれたけど、千冬さんがものすごく不機嫌になってる。

 

「織斑・・・私が昨日言ったことを忘れたとでも言うのか?」

 

「え?」

 

「高原は狼男であっても人間だと言ったはずだ」

 

「昨日の遠吠えが・・・」

 

「私の前で言い訳をするとは良い度胸だ。少し屋上で話をしよう」

 

「いや!待って!これにはちゃんと・・・」

 

一夏の言い分が終わる前に千冬さんは一夏を屋上へ連れて行った。

 

「大丈夫かな?」

 

姉弟だから通ずる所があると信じて、一時限目の準備に・・・

 

「少しいいか?」

 

入れない。篠ノ之さんが睨みつけてる。

 

「はい。どうしたんですか?」

 

「昨夜の遠吠えはどういうことだ?」

 

雑な説明だと誤解を招く恐れがあるから、短く丁寧に分かりやすい説明をしないと。

 

「狼男にならない日が続くと、ある日突然・・・」

 

「私が聞きたいのはそういうのではない。お前がIS学園で遠吠えする意味は何だ?」

 

「意味?」

 

篠ノ之さんは僕が呆然としている中、話を続けた。

 

「自分が狼男である事に優越感を持っているのでは?」

 

「持っていませんが・・・」

 

「持っていなければ教室で平然と狼男になったり、夜中に平然と遠吠えするはずがない。むしろ、それ以外の理由があるとでも言うのか?」

 

篠ノ之さんの目つきが徐々に鋭くなってる。

 

「僕は・・・」

 

答えようとした時、一時限目開始のチャイムが鳴り響く。

 

「お前のいきさつはどうであれ、狼男になってまた遠吠えでもするのなら容赦はしない」

 

そう捨て台詞を吐き、篠ノ之さんは自分の席に着いた。

 

「好きでなったわけじゃないのに・・・」

 

僕はこの先の学園生活に一抹の不安を抱えながら一時限目を受けた。

 

一夏が教室に戻って来たのは、一時限目が開始して十分後のことである。




オリ主は仮面ライダーで言う「異形」とウルトラマンで言う「異星人」みたいな立ち位置なので、最初は色々と辛い目に遭います。

それでも、オリ主の応援をよろしくお願いします。
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