インフィニット・オオカミ   作:陸のトリントン

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今回はオリ主専属の医者(自称)が登場します。


(自称)狼男専属の医者

 

俺は和也に謝ろうと教室で待ってるが来ない。寝坊かと思い、SHRが始まるまで待っているが・・・

 

「それではSHRを始めます」

 

俺の隣の席が空いたままSHRは始まった。

 

「えっと・・・今日は織斑先生は所用でお休みなので、私が代わりに授業を進めます」

 

山田先生の一言でクラスの皆がざわめき始めた。

 

「皆さん、静かにしてください!」

 

恐らく昨日の左腕の怪我が原因だ。

 

 

 

「あの噂・・・本当だったの?」

 

「織斑先生が狼男に負けたの!?」

 

「夢・・・だよね?」

 

 

 

皆が思い思いのことを言っているが、原因は俺だ。俺がちゃんと千冬姉の言葉に耳を傾けていればこうならなかったんだ。

 

「皆さん落ち着いてください!織斑先生は所用でお休みしてるだけで、大きな怪我を・・・」

 

「それ以上言ったら、生徒達が混乱しますよ」

 

突然、男の声が山田先生の声を遮り、教室は静かになった。

 

「あ、あの・・・ドア越しで言われても・・・」

 

「そうだったな」

 

教室のドアが開き、現れたのは白衣の男。黒の短髪でそれなりに長身。落ち着いた雰囲気を持った大人の男性が教壇にあがった。

 

「自己紹介をしよう。俺は葉山幸助。外科医で高原和也専属の医者だ」

 

千冬姉が昨日言っていた人ってこの人だったんだ。

 

「あの・・・葉山さん。まだ出番が・・・」

 

「遅かろうと早かろうと、どうせ話すんだ。別に問題は無い」

 

山田先生と仲良さげに会話をしてるが、学生時代からの友人かな?

 

「一応言っておくが、俺と山田先生は今日が初対面だ」

 

赤の他人なのかよ!

 

「お喋りはここまでにして、本題に入るとする。お前達が知っての通り、織斑先生は左腕を怪我して現在、病院で治療を受けている。全治1ヶ月半と言った所だ」

 

葉山さんの言葉にクラスは静まり返った。

 

「ま、あの人の事だ。すぐに治ってまた、教壇に立ち上がるだろう」

 

軽く言ってるけどクラスの重い雰囲気が無くなる気配が無い。

 

「あ、あなたって人は!」

 

セシリアが激怒する程、悪い方向に向かっている。

 

「大体、何なのです!あなたというお方は!?」

 

「俺は外科医で高原和也専属の医者だ。それ以外は何もやっていない」

 

「なら、あなたから言ってくださいませんか?この学園から去って欲しいと!」

 

「そいつは無理な話だ。ここの入学は高原自身が選んだことだ。他人があれこれ言う資格はないだろ?」

 

セシリアの怒りを何ともせず、葉山さんは淡々と答えてる。

 

「あのような怪物がいるお陰で、学園は恐怖に包まれているというのに・・・」

 

「・・・怪物?」

 

葉山さん・・・和也が狼男だと言うのを分かって言ってる。

 

「そうですわ!あなたが担当している患者さんは狼男なのですよ!」

 

「それは知ってるよ。あいつ専属の医者になって10年になるからな」

 

「10年!?」

 

意外と和也との交流が深い。

 

「最初は驚いたが、今では別に狼男になっても驚きはしないな」

 

「織斑先生を傷つけ、学園を恐怖に陥れてる怪物を何とも思わないのですか!?」

 

「高原の学園生活については、その織斑先生から聞いたよ。随分苦労しているな、あいつ。地元と違ってISがかなり浸透しているせいで、IS以上の存在が現れたと思われて友達も満足にできていないのは心配だ。けど友達は・・・って、高原は寮の部屋かぁ。今、良いセリフ言う所なのになぁ」

 

葉山さんの挑発なのか、本当のことを言ってるのか分からないセリフにセシリアの怒りが頂点に達しそうだ。

 

「あなた・・・織斑先生を傷つけた怪物を擁護するのですか!」

 

「織斑先生を傷つけたことに関しては、俺が話をするという事になってるから安心しろ」

 

「安心などできませんわ!お陰で学園内は恐怖に・・・」

 

「一番恐怖に怯えてるのは誰なのか知っている」

 

今まで少し軽い口調で喋ってた葉山さんの態度が変わった。

 

「知ってらっしゃるのですね。誰なのですか!?」

 

「高原和也だ」

 

クラス中がざわめき始めた。どうして和也なんだ?

 

「あなた、ふざけるのも・・・」

 

「ふざけてなんかない。学園内で狼男に一番怯えてるのは高原だ。それが変わる事は無い」

 

「どうして言えるのですか!」

 

「それは、あいつが狼男になれる原因から話さないとな」

 

葉山さんは息を整え、俺達に和也が狼男になれる原因を話した。

 

「高原和也が狼男になれる原因は、とある薬品だ。その薬品は細胞、筋肉、骨髄、神経。人間を構成するありとあらゆるものに感染し、狼男に変化させるものだ。それに適応する人と適応しない人がいる。適応しない人はそのまま薬物中毒で死に、適応する人は一生人狼生活を送る事になる。・・・・・・以上だ」

 

え!?それだけ!?

 

「それだけでは納得いきませんし、理解できません!もっと詳しく説明していただけませんか!」

 

セシリアは怒りが収まらないが、葉山さんの表情が崩れる様子が無い。

 

「残念だが、分かってるのはこれだけだ」

 

「あなたは、10年間一体何をしてきたのですか!」

 

「俺はあいつに、人並みの生活ができる様に助言をしただけだ」

 

「どうして男性の医者と言うのはこうも不甲斐ないのですか!」

 

セシリアは怒りを未だに露わにしているが、葉山さんはすごく悔しがっている。

 

「俺も不甲斐ないと思っているさ。10年間、あいつを人間に戻せる方法を探しているのに見つからないなんてな」

 

「では、研究機関に送ればよろしいのではないでしょうか!」

 

その時、葉山さんの表情が一変しセシリアを睨みつけた。

 

「それがあいつの幸せに繋がるのか?人としての幸せを奪われ、必死にもがいて掴み取った当たり前の幸せを捨てるのが、あいつの幸せに繋がるというのか!?」

 

「怪物のためにわたくしたちの幸せをを脅かさ・・・」

 

「いい加減にしろ!」

 

葉山さんの怒号に教室は静まり返った。

 

「あいつが・・・あいつが俺に言った第一声は何だと思う?」

 

「し、知りませんわ!一体、何ですの?」

 

葉山さんの睨みにセシリアはオドオドしながらも答えた。

 

「『僕を殺してください』って、言ったんだ。最初は周辺の人達からひどい仕打ちを受けていた。石やモノを投げられ、人助けをしたら怒られ、果ては病気になっても病院に入る事すら出来なかった」

 

俺は言葉を失った。誰にでも優しく、俺が怒りを露わにしても怒る事のないあいつが葉山さんに殺してくれって・・・

 

「俺は医者として、できる限りのことをやった。治療や予防接種、警察と協力して狼男にさせた犯人を探した。だが分かったのは全て、残酷な事実だけだ」

 

そう言い、葉山さんは黒板にある男の顔写真を貼り付けた。髪は七三分けで、典型的な中年の太顔をしている男の顔だ。

 

「この男は和也を狼男にさせた犯人で・・・」

 

 

 

 

 

 

「俺の大学時代の教師だ」




区切りが良いと思い、今回はここまでにしました。

次回は、狼男の苦悩と犯人に関する話を執筆する予定です。
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