インフィニット・オオカミ   作:陸のトリントン

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更新が早いのは、最初のうち(経験談)


狼男の恋心

「たどり着きましたよ」

 

「はい。お疲れ様」

 

僕は刀奈先輩を家の近くで降ろしたけど、刀奈先輩の家って大きいなあ。きっと家の中にはメイドさんがたくさんいて、不自由なく生活してるんだろうな。

 

「それにしても、君が狼男なのに町の人達は全然怯えてないよね」

 

「慣れですよ。10年前はテレビや雑誌の取材や近所の説得などで両親は大忙しだったんですから」

 

「でも、白騎士事件で世間の目はISに集中して平穏になったと」

 

「まあ、そんな所です」

 

 

 

IS。通称インフィニット・ストラトス。僕が狼男になった翌年に突如現れた史上最強の兵器。日本に撃たれた2341発のミサイルの約半数を一機のISが迎撃し、世界中にISの驚異的な戦闘力を見せしめた。ただ、ISは女性にしか扱えないという欠陥があるためか「女尊男卑」の風潮が生まれたと言うが・・・

 

 

 

「そういえば、この町に女尊男卑の風潮って来たこと無いんですけど、どうしてでしょうね?」

 

「うーん。君がこの町のシンボルだからじゃない?」

 

「何で嬉しそうに言ってるんですか?」

 

「さぁ。どうしてでしょうねぇ?」

 

僕の町は女尊男卑の風潮を受けていない。僕の存在がこの町にとっては大きかったのか、ISが登場して九年経った今でも町の様子は九年前と変わっていない。正確には、ISが登場しないまま九年経った町と言ったところです。なので、この町に引っ越してきた人達がタイムスリップしたのかと困惑する姿を見るのは日常茶飯事です。この町にとって、狼男と言う存在はISをも凌駕するほどの存在みたいです。僕がそれに気づいたのは去年の事なんですけどね。

 

「さてと、ここで立ち話してると簪ちゃんに怒られるから帰るわ」

 

「じゃあ、お疲れさまでした」

 

「えぇー。バイバイとか、また明日ねとか言って欲しいのに」

 

「年上にため口はさすがにダメですよ」

 

「ケチぃ」

 

「礼儀は大切ですよ。それじゃあ、お疲れ様でした」

 

僕は狼男のまま、刀奈先輩の家を後にしました。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「・・・・・・」

 

屋根から屋根へと飛び回り、自宅へ向かっているが・・・

 

「ぐ・・・」

 

もやもやとした気持ちが収まらない。

 

「ぐるる・・・」

 

もやもやした気持ちを解消するために僕は山に入り込んだ。

 

「ああ、もう・・・」

 

単なるストレス発散だけど、周りに迷惑を掛けるのは嫌なので山の中で・・・

 

 

 

「ウオーーーーーン!」

 

 

 

遠吠えをします。

 

「ああ!どうして刀奈先輩に告白が出来ないんだ!」

 

そして狼男のまま山の中でのたうち回ります。そうしないと、胸のもやもやが抜けきりません。

 

「このまままじゃ告白できずに受験生になってしまう。卒業式まで先輩はロシアに行ってるから・・・卒業式に告白しかないのかよ・・・」

 

卒業式に告白って、恋愛ゲームじゃないんだから・・・

 

「うおー!僕のバカー!」

 

その後、青いハリネズミの如く山の中を走り回った僕は、帰宅して母さんにこってり叱られました。

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

「うぅ・・・また素直になれなかった。このままじゃ、本当にヘタレのまま卒業しちゃうよ・・・」

 

私は部屋の布団に潜り込み、今日の反省をしていた。

 

高原和也。最初は小さくて可愛い後輩だと思ってからかっていた。だけど、私を特別扱いせずに接したり、簪ちゃんの事で悩んでた時には真摯に相談に乗ってくれたり、私を支えてくれた。徐々に私の心は彼の事でいっぱいになっていった。私を普通の女の子として接して来てくれた彼には感謝している。妹との不仲を解消させてくれたのは感謝している。だけど・・・

 

「ああー!和也君に好きって言えない!」

 

私は枕に顔を当てて叫んだ。そうしないと簪ちゃんに怒られちゃうもん。

 

「このままだと告白できずに卒業しちゃう。おまけに明日からロシアに行っちゃうから・・・・・・卒業式に告白することになるの・・・」

 

卒業式に告白なんて、ドラマじゃないんだから・・・

 

「もうー!私のバカー!」

 

その直後、私は仏の顔をした虚ちゃんにこっぴどく叱られました。




この作品の文章量は2000字前後を目標としていますが、なかなか難しいです。
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