インフィニット・オオカミ   作:陸のトリントン

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皆さん、長らくお待たせしました。

今回はオリ主の恋愛に対する姿勢が分かるはずです。


ドキドキ狼男

友達の襲来から翌日。一夏の中二病は回復の兆しが現れましたが・・・

 

「完全無欠のヒーローって、黄金バット以外にいるのか?」

 

「ヒーロー番組はそんなに詳しくないから僕には分からない」

 

別の不安が生まれました。母さん・・・自分の好きなヒーローを使って一夏に何したんですか?

 

一夏と簪は共通の趣味が出来たと嬉しがっていますが、何故か箒が不満を持っていました。理由は話してくれませんでしたが。一夏の周りはまだまだ不安要素がたくさんあります。

 

そんなこともありますが、僕はそれなりに学園生活を送っています。

 

「和也君。いい加減、私と一緒に寝てくれない?」

 

刀奈に振り回される事を除けば・・・

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

早朝 生徒会室

 

「早く書類を片付けないと、授業が始まってしまいますよ」

 

「はいはい。でも、和也君が生徒会に入って来てくれたお陰で書類は見る見るうちに減ってるから」

 

朝の生徒会室には僕と隣にいる刀奈の二人しかいない。他にも生徒会役員はいるのだが、二人きりでいたいんだろう。というより、他の役員の顔を見た事はないけど。僕が生徒会の仕事をやり始めたのは今日だからだ。

 

「というより、どうしたらこんなに書類が増えるんですか?学園の施設や用具類の申請書に判子を押すだけの事なのに」

 

「生徒会のメンバーは私を含めて5人しかいないの。だから書類の仕事はいつもこんな感じ」

 

凄く軽い口調で言ってるけど、明らかに人員不足が原因です。

 

「生徒会のメンバーは増やさないんですか?」

 

「私の身内で構成してるの。だから、生徒会に新しく入って来る人はいないわよ」

 

「駄目じゃないですか。少なくとも10人はいないと・・・」

 

「私は和也君と一緒にいられる時間が多くもらえるからいいかなって」

 

完全に生徒会を私物化してる・・・

 

「それとも、和也君は私以外の女の子に興味が出たの?」

 

「ええっ!?」

 

「だって、私以外に可愛い子がいるじゃない。もしかして・・・私より魅力のある女の子とか見つけちゃったの?」

 

「そ、そんなことありませんよ!か、刀奈より可愛い・・・女性は・・・その・・・い、いませんから・・・」

 

葉山さんから素直になれと言われたけど、これは流石に恥ずかしい。

 

「証拠を見せてくれない?」

 

「しょ、証拠!?」

 

「ええ。和也君が私以外の女の子に興味が無い証拠」

 

「ど、どうやって証明すればいいんですか!?」

 

すると、刀奈は目をつぶって顔を近づけて来た。

 

「んー」

 

「えっと・・・それは?」

 

「キスしたら、証明したことになるわよ」

 

「け、結構です!い、急いで書類を・・・」

 

「だーめ!」

 

急いで書類作業に取り掛かろうとした時、刀奈は僕に寄りかかってきた。

 

「和也君。葉山さんに言われたじゃない。もう少し素直になったらって」

 

「ど、どうしてそれを!」

 

「IS学園生徒会長を甘く見ないで欲しいわ。で、私にキスしてくれないの?」

 

「そ、それは・・・その・・・デートの時に・・・」

 

「そうやって逃げようとする和也君にはお仕置きが必要ね」

 

「え?」

 

すると刀奈は僕の膝の上に跨って来た。目の前に刀奈の顔が・・・吐息が掛かる。

 

「これでもすごくドキドキしてるのよ。こんな事をするのは和也君だけだから」

 

「あわわわわ」

 

刀奈の顔がずいずいと近づいてくる。

 

「あら?顔を赤くしてるわね。風邪かしら?」

 

絶対、分かって言ってるよ!

 

「どれどれ。お姉さんが和也君の熱を測ってあ・げ・る」

 

「だ、大丈夫です!」

 

「大丈夫って言ってる割には目が泳いでるけど」

 

「いや、だから、その・・・」

 

刀奈の唇が徐々に近づいて来てる。後2、3cmの所まで迫って来ている。

 

「ここまで来て、キスをしないのはおかしいよね?」

 

「いや、キスは・・・」

 

「いつキスしてくれるの?卒業式から1年もキスしてないのよ」

 

「うう・・・」

 

「じゃあ。今ここで・・・」

 

「お嬢様・・・」

 

「・・・え?」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

昼休み 食堂

 

「虚さんが来てくれたお陰で、事なきを得たけど・・・」

 

「和也、それは事なきを得たと言うのか?」

 

「生徒会長の行動に問題があるのは分かるが、お前の行動にも問題があるぞ」

 

「和也さん。いくら何でも奥手過ぎではありませんか?」

 

僕は一夏と箒とセシリアに昼食を摂りながら今朝の出来事を話したら、3人揃ってため息をつくような呆れ顔が戻って来た。

 

「俺にはよく分からないが、楯無さんを待たせ過ぎたんじゃないのか?」

 

「一夏、言ってる意味は分かるけど・・・」

 

「和也、お前に足りないのは素直さではない。男らしさだ」

 

「箒、見た目が男らしくないからって・・・」

 

「なら、決断力ですわ」

 

「セシリア・・・ストレートに言われると少し傷つくよ」

 

揃いに揃って、僕の不甲斐なさを指摘する。分かってるさ。でも、恥ずかしいじゃないか!刀奈にキスするなんて、ISで戦うぐらい難しいよ!

 

「和也。顔を赤くして、頭抱えなくて大丈夫だから」

 

「い、一夏・・・ぼ、僕には・・・」

 

「仕方がない。私達が一緒に付いて行ってやる」

 

箒は若干自身気に言うけど、それはそれで僕の心が耐えられない。

 

「和也さん。いくら恋人同士だからと言って、そこまで奥手でありますと彼女に嫌われますわ」

 

「ぐはっ!」

 

セシリアの言葉が僕の心に容赦なく突き刺さる。今日のセシリアは何かが違いすぎる。

 

 

 

「そうだ!織斑先生に、何か可愛いあだ名を付けますか!」

 

「いや・・・お母さん、大丈夫です。あだ名なんて・・・」

 

「そうですか?山田先生は色々なあだ名で呼ばれて生徒達に愛されてるのです。だから、織斑先生にも可愛らしいあだ名を付けた方が良いと思います!」

 

「大丈夫です・・・ブリュンヒルデ(世界最強)というあだ名が・・・」

 

「じゃあ、『おりむらちふゆ』だから・・・ちっちゃんはどうかしら?」

 

「・・・随分、可愛らしいあだ名ですね。はは、ははは・・・」

 

 

 

織斑先生の活力がセシリアに奪われたみたいだ。織斑先生・・・生きてるだけで精一杯だ。

 

「ここで話しても埒が明かない。今日の放課後、和也の部屋に遊びに行かせてもらうぞ」

 

「ナイスアイディアだな、箒!」

 

織斑先生を横目に何故か僕の部屋に遊びに行くことが決まっていた。

 

「和也。これはお前が彼女とどういう風に過ごしているのかを観察するためだ。このまま奥手で恋人を待たせないためだ」

 

「絶対、別の目的があって提案したと思っていますが?」

 

「べ、別に!い、一夏とい、一緒にいられる方法を・・・知りたい訳ではない!」

 

別の目的があった。

 

「何で俺と一緒にいたいんだ?」

 

一夏は人の気持ちを察しよう。そういうのが原因で簪さんを泣かしたんだよ。

 

「何はともあれ、善は急げですわ!」

 

セシリアはそんな言葉を覚えたのか・・・

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

放課後 学生寮廊下

 

「クラスメイトを部屋に入れさせるのは、何か緊張するな」

 

「緊張する程の事か?」

 

「僕は一夏みたいに分け隔たりなく接する事はできないんだ」

 

「確かに、一か月前のお前は一夏と違ってどこか腰が低かったからな」

 

「ですが、あれは低すぎではないでしょうか?」

 

「うう・・・」

 

結局、箒の案が採用されてしまい、僕は一夏、箒、セシリアの三人を招待することになった。刀奈には全く知らせてないから、僕が3人に茶菓子を用意しないといけない。幸い、お茶と饅頭はあるからそれを出すとしよう。

 

「部屋の前に着いた」

 

「和也、そんなに力まなくても大丈夫だから」

 

ああ・・・今は一夏の言葉が心の支えだ。

 

「じゃあ、どうぞ入ってください」

 

3人を部屋に招待すべくドアを開けると・・・

 

「お帰りなさい。ご飯にします?お風呂にします?それともわ・た・し?」

 

裸エプロンの刀奈が待っていた。

 

「もう、和也君ったら。私に何も言わないでお友達を招待するなんて!」

 

「・・・・・・」

 

「それとも、そこにいる二人の女の子に惚れちゃったの?」

 

「・・・・・・」

 

「和也君?」

 

「・・・・・・」

 

「和也・・・はっ!?」

 

「どうしたの!?織斑君!」

 

「か、和也の奴・・・」

 

「和也君がどうしたの!」

 

 

 

 

 

 

「立ったまま・・・気を失ってる」

 

 

 

・・・・・・

 

 

 

同時刻 総合受付所

 

「はぁ・・・やっと、入学手続きが終わった。もう、あんたといるのもこれが最後ね」

 

二つの人影が受付所から出て来た。一人は、ツインテールで小柄な少女がボストンバックを片手に入学手続きが終わり、安堵の表情をしている。もう一人は、髭を少し生やしている大柄な男がパスポートと財布とメモ帳。何かが包まれている布を持ち、少女の安堵の表情を見て苦笑している。

 

「おいおい。俺だってここの学園にこれからお世話になるんだ。最後は無いだろう」

 

「ええっ!?あんたIS使えるの!?」

 

「全然使えない。俺の息子が使えたからって、妻から連絡があって・・・」

 

「それで中国経由でIS学園に向かおうとしたの?」

 

「その通りだ」

 

「はぁ・・・」

 

男の答えに少女は、これから来るであろう災難に巻き込まれることを予期したのか肩を落とした。

 

「あんたといると厄介な事しか起こらないわ。飛行機は落ちるし、列車も落ちるし、車も落ちるし、裏組織に狙われるし、銃撃戦に巻き込まれるし、雪山登らされるし、変な遺跡を探検させられるし、未知の生物と遭遇するし、どこかの冒険映画みたいな行動をしてくれるし、もう散々だわ!」

 

「でも、冒険したお陰でちょっとは成長できたろ?」

 

「こんなんで成長したくないわよ!」

 

疲れ知らずなのか、男は笑顔で少女の愚痴に応えるたが少女の機嫌が良くなることは無かった。

 

「この私が二組に来たからには、一夏に目にモノを見せてやるんだから!」

 

彼女の名は凰鈴音。一夏のセカンド幼馴染であり、二組に編入する中国代表候補生。

 

「おお。じゃあ、俺は和也にお土産を渡さないとな」

 

そして、鈴音の隣にいる男は高原和也のお父さん。世界を駆け巡るトレジャーハンターであり、高原家の収入源である。

 

「と・・・その前に俺達は、まずやるべきことがある」

 

「何よ?」

 

鈴と和也のお父さんにはある共通点がある。

 

 

 

 

 

 

「服と体を洗おう」

 

二人は泥臭く汚れているのである。




ラストでセカンド幼馴染とオリ主の父が登場。

次回は、その二人をピックアップした話を執筆する予定です。
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