ちまちま書いて、何とか話になるようには出来上がったつもりです。
保健室に入った時、葉山さんがいたので急いで簪をベットに寝かせて、これまでの経緯を話した。
「なるほど。だけど、今は安静にした方がいい。寮長には俺から話をするから、部屋に戻って掃除をしてくれ」
「分かりました。簪の事、よろしくお願いします」
簪がベットで寝ているのを確認し、保健室を後にした。
「葉山さんがいたから助かったけど・・・」
葉山さんの迅速で丁寧な対応に安堵しつつも、一つの疑問が思い浮かんだ。
「簪はどうして倒れてたんだ?」
・・・・・・
保健室
「ん・・・」
瞼を開けると白い天井と白く光る蛍光灯がある。窓がある方を向くと、黒い雲と輝く三日月が空に浮かんでいる。制服ではなく体操着を着ている事から、ここが寮の部屋ではない事は分かった。だけど、どうしてここにいるのか分からない。
「ここは・・・?」
「ここは保健室」
状況を整理しようとした時、突然の声に驚き、声がする方を向いてみると白衣を着た男性が立っていた。背は一夏より少し高く、髪が逆立つような黒のショートヘア。中肉中背で髭が生えたら似合いそうな顔立ちをした男は椅子に腰かけ、私と同じ視線に合わせた。
「君が部屋で倒れてる所を一夏が見つけて、ここまで運んで来たんだ。彼から話を聞いて、今夜はここで寝てもらう事にした。食事はあんぱんと玉子サンドイッチとミネラルウォーターしかないけど、いいかな?」
見知らぬ男の話に、どう返答すれば良いのか困ってしまう。
「自己紹介がまだだったな。俺は葉山幸助。外科医で高原和也専属の医者だ」
「・・・!」
高原和也。その名前を聞いた時、あの時の光景がフラッシュバックしてくる。雄叫び、飛び散る血と匂い、人の叫びが私の頭の中に少しずつ響き始め、全身に悪寒が走る。
「和也の事で何かあったのか?」
「い、いえ・・・」
「そうか。しかし、どうしてあいつにだけ災難が降るんだろうか。このままだと、体が壊れる前に心が壊れてしまう」
「・・・・・・」
「一つ、聞いていいか?」
「な、何ですか?」
「和也に何かされたのか?」
「・・・!」
その質問に私は言葉を詰まらせた。
「和也が君に何かされたように感じだから聞いてみたけど・・・違うのか?」
「ち、違います・・・けど・・・」
「けど?」
「そ、その・・・和也が・・・怖い・・・」
顔を青ざめながら、和也に対する印象を一言で言ってしまった。専属の医者がいる前でとんだ失言を・・・
「怖い、か・・・仕方ないか」
「・・・え?」
医者の素っ気ない回答に私は呆気にとられた。和也の事ですぐに怒りだす医者と噂では聞いてたけど、怒りもせずに私の言葉にただ頷いている。
「言葉だけで知ったつもりになっても、実際見ると耐えられない所があるのはしょうがない。だけど、ああなってしまったのは和也のせいではない。だから、あいつを警戒せずに接してくれ」
「どうして、私の考えを・・・!」
「そういう反応をする人を飽きるほど見たからね。さっきも言ったけど、今日はここで寝てくれ」
「あ、あの・・・」
「先生!急患です!」
私が口を開こうとした時、女性の怒号が私の言葉を遮った。その声の方を向くと・・・
「おいぃ!急患じゃないでしょ!ひっぐ。私はぁ・・・まだまだぁ、元気なんだぞ・・・ひっぐ。オイゴラァ!」
「むぐぐ・・・首を・・・絞めないでください・・・」
割烹着を着た女性に後ろから首を絞められてスーツが乱れつつ、その女性に肩を貸している織斑先生がいた。
「織斑先生・・・またですか?」
「はい・・・またです」
「何がぁ?ひっぐ。織斑先生ぃ、もしかして・・・」
「そういう意味ではありません!大丈夫です!私は至って健康です!」
「そおぉ?私にはぁ、ひっぐ。・・・なんて言おうとしたっけ?」
葉山先生は苦笑しつつ、かっぽぎを着た女性をソファーに座らせるよう仰いだ。
「私はぁ!一人で、ひっぐ。座れますから・・・」
何か抗議しようと声を上げたが、直後に彼女の体が沈んだ。
「先生・・・これは少し・・・」
「ああ。早くも寝てしまったみたいだ。どれ、俺も手伝うよ」
「お願いします・・・」
女性は織斑先生の首に腕を掛けたまま寝てしまったみたいだ。織斑先生は苦しみながらも葉山先生の助けでソファーに寝転んだ見たいけど、織斑先生の首から腕は外れていない。
「悪いが、今日はこのまま寝るしかない」
「何とかならないのですか?」
「何とかなったら、ここで寝ろとは言わないさ」
凛々しい顔立ちから一変して、げんなりした表情でため息を吐いた。あの織斑先生をそこまで追い詰める割烹着の女性は一体何者なんだろう。そんな事を考えてたら、葉山先生は私に気付いて・・・
「紹介してなかったな。織斑先生に担がれてたのは、和也のお母さんだ。酔っ払うと真の
最後の一文が余計な紹介をしてくれた。