巡る日誌と恋の問答   作:碧兎

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おはこんにちばんわ、碧兎です。

唐突に書きたくなって、らしくもなくこんな昼間の投稿となりました!

今話もどうぞお付き合い下さいませ♪





巡る日誌2巡目

俺が芽久里に返事を渡してから早一ヶ月。待ちに待った学級日誌が回ってきた。

 

「はい、主水君。次の日誌よろしくね」

 

そう言った芽久里の透き通った声はいつもより弾んでいるような気がした。

 

そっと今日のページを開くと前回と同じ様に小さなメモが挟まっていた。

見ると、ボールペンで書いたであろう丸字で細々と問題が書かれていた。

 

「問1。死よりも扱いが下の調味料はなんでしょう」

 

……なるほど、パズルというからてっきりジグソーパズルか何かだと思っていたが論理パズル…なぞなぞだったのか…。

初めて見るような問題にこれはこれで興味が湧いてくる。

 

死よりも下ってどういう意味だ……?調味料……?

駄目だ、全く解らない。一問目からひねり過ぎだろコレ……。

そう思って何気なくメモを裏返すと小さな文字で何かが書いてあった。

 

「あかさたなはまやらわ」

 

あかさたな……?五十音…か…?五十音?そうか、解ったぞ……!

死の下、つまりはし、の下。さしすせそ、の並びを考えると答えはす、酢だな……!

うぉぉぉっやべぇ…解けたらすっげぇ気持ちいいぞこれ…!

 

高揚して震える手で設問の下に答えを書き込んだ。

「A,酢」

 

さて、俺もなにかパズルを考えてみようか……。散々悩まされたんだ。どうせなら、少し難しいくらいが良いよな……!

そう意気込んでペンを取ったが問題を考えるのって思っていたよりずっと難しい。

 

「うぅ……どうすっかな……」

「どうしたんだ?」

 

1人考えあぐねていると後ろから声をかけられた。

 

「うぉっ?!びっくりした…ってなんだお前かよ……」

「なんだとはなんだ。この杏様が話しかけてやってるというのに」

 

偉そうに俺を見下ろしながら話すそいつは幼稚園からの幼馴染、矢東杏。やひがしじゃなくて、やとう あん。

杏なんて女子みてぇな名前だが、178cmと中々の長身。加えてサッカーが得意だったりと生粋の男である。

 

「いや別に話しかけて要らねぇよ」

「そんなことより賢大は馬鹿なのに何をそんなに考え込んでいるんだ?馬鹿なのに」

「なんで2回言ったんだよおい」

 

話しかけるなという俺の訴えを華麗にスルーしてくれやがったうえに馬鹿馬鹿言うこの阿呆も確か芽久里のことが気になってる系男子だったはずで。

こいつならパズルの1問や2問、すらっと作ってしまえるのだろうが、意中の人と友人のパズル合戦の話なんて聞きたいわけがない。ここはなんとしてでも自力で……

 

「おい、賢大お前……」

 

決意を固めて杏を見上げると、小さな紙を手に、震えるそいつが目に入った。

 

「あ…」

 

自分の顔からさぁっと血の気が引くのが判る。決断が少しばかり遅かったようだ。

杏を傷つけてしまっただろうか…。

 

「なんだよ、なんか面白いことやってんじゃんか」

 

そんな心配とは裏腹に、杏は目を輝かせて笑っていた。

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