そよ風と荒風の間に   作:かえー

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どうも、第二部第二話です。キス島攻略にていつまでも家具箱回収しちゃいます。
早く攻略したい。


3-2 脱走

静かな海の上、体を撫でて行く潮風。気温はちょうどよく、いつでも寝ていられそうだった。だが、静かすぎて何か妙だ。不安になる、何かに見られる感覚。体に力が入り、勢い良く体を起こした。

そこは、オレンジで照らされた部屋で周りには机や椅子が置いてある。自分は上下赤のジャージ。自分の状況があまり読めていない島風は何をすればいいか分からなかった。島風の足元にある、フカフカの物が何か分からなかった。そこへ、一人の少女が何か持ちながらドアから入ってきた。島風の元へ近づくと持っていた物を置き、話し始めた。

「だいじょぶ?怪我はない?今おかゆ持ってきたから…!」

…誰だ?島風が第一に考えれたことはこれだった。茶髪の髪をツインテールにして、服はフリフリのパジャマ。何処かで見たことあるような気がしたが、島風はよく思い出せなかった。彼女はおかゆを島風の口に運んで行く。案外美味しいのか、島風の食べるペースが速くなった。

「いやーあなたさ、プールに沈んでたからさ、すんごくびっくりしたよ…持って帰ってくるのも大変だったんだから…」

自分は沈んでた?思い出そうとするが思い出せない。プールに沈んだらしいがなぜ沈んだのか分からない。さらに彼女は質問する。

「貴方、名前は?」

名前…全く思い出せなかった。自分が何が目的でなんなのか全く分からなかった。そして、怖くて話せないので、島風は首を横に振った。

「そっか…私、天笠風見って言うの。えっと…確か貴方コートきてたけど…水に濡れて乾かしてるから見れないし…ちょっと見てこようかな…そこに寝転んで待っててよ!」

風見は走って部屋を出て行った。島風は自分の名前を見つけるために自分の服を漁った。腰付近を触っていると何か入っている感覚があった。無線機だ。島風は録音された無線を再生した。

「島風さん!大淀です!!舞鶴鎮守府所属の大淀です!返事をください!事情は後で説明します!」

島風、と聞いた瞬間全て思い出した、と同時に体を痛みが走る。大淀の録音はまだ続く。

「鎮守府表口は憲兵が見張っているので突破出来ません。しかし、裏口は私が制御しているので裏口なら帰還が可能だと思っています…どうか、時間が空き次第一度帰投してください…」

鎮守府…そうだ、思い出した。島風は何故プールに落ちたのか、鎮守府にいない理由を思い出した。プールに落ちた後風見によって運ばれた。おそらくここは彼女の住処だと、島風は予想した。島風はベッドから起き上がり、窓からの脱出を図った。体が軽くなる、地面との対面の際に体が重くなる。島風は全く痛がる挙動をしなかった。そして、また、鎮守府に向かって走って行った。

 

風見の机の上にあった地図を拝借し、島風は舞鶴鎮守府を目指した。地図を見ながら進むも、今の時代舞鶴鎮守府という場所は見つからない。日本に鎮守府なんて存在しない。跡地に臨時で立てられた名称なのでそんな名前の建物はない。と思えば、似ている名前のもとに向かえばいい。島風は舞鶴航空基地に向かった。

 

その予想通り舞鶴鎮守府は建っていた。が、門の前には重装備の施してある憲兵が六人。おそらくこれを突破できたとして島風は助かることはないだろう。周りは壁に囲まれその外は海だ。島風は泳ぐことができない。力がない、自分を醜く思った。その時足元にあった、マンホールから大淀が出てきたのである。

「島風さん…!この通路を使ってください…!」大淀は答えを聞かずマンホールの中に島風を引きずっていくのだった。

場所変わり、司令室。ここの管理責任者は大淀である。大淀は島風を連れ出し、ここに連れてきたのである。島風は問う。

「なんで私を呼び出した?」「それは…島風さんに艦隊に復帰してもらうためです。」「…その話なら、他の艦娘にあたってくれない?いるでしょ、武装リリースした艦娘なんてそこらに。」

冷たい目線で島風が答えを出す。大淀も負けていない。「島風さん、私は…あなたを見ていました。あなたがここに着任してから…だけど、あなたがいなくなってから、この鎮守府は変わってしまった…あと…」

「もういいよ。そんな言葉も聞き飽きたしさ。私は武装も持っていないし、ただの女の子。今はどっちか解らない。だけど、情報は洩らしたらいけないから私は黙るしかない。」

「なら…やっぱり艦隊復帰したら…」「今、興味が湧いた人間がいる。」大淀は黙り込んでしまった、が少し考え話し出した。

「それなら、偵察任務として人間の世界に行ってくれませんか…?」島風は驚いた。その発想はなかった。さらに大淀は続ける。

「私もサポートします。戻ってこれる状態になったら戻ってきてください。舞鶴鎮守府の艦隊は絶対あなたを見捨てません。本当です。」「分かった。でも、しばらくは人間の世界にいるよ。」大淀は頷くと島風と司令室を後にした。しかし司令室の扉の前では、提督が立っていた。提督はにやけるとあざ笑うかのように島風に話しかける。

「これはこれは…どうしたのかな、この鎮守府で迷子になっちゃったのかな?」島風を殴りつけ、続ける。「ここは立ち入り禁止だよ?玄関にこわーいおじさんたちもいたはずなのに…どうやって入った?」一気に声のトーンが下がる。そして大淀のほうを見ると大淀を責める。「なんでこんなクソガキの肩を持とうとする?こいつは艦娘じゃない。お前もこいつの味方になるなら…消えろ。」大淀に提督は近づく。だが、大淀は全く動かない。

しばらくして、提督に連絡が入る。提督は舌打ちをすると走り去っていった。大淀は島風に小包を渡し、「島風さん、どうか無事で!」マンホールに島風を突き落した。

 

〇〇〇〇〇〇

 

「今から、鎮守府会議を行う。各鎮守府の提督は今日までにあったことを報告してくれ。」

「横須賀鎮守府は艦船の数に変化なく、海域奪還活動を続けています。攻撃はカレー洋まで攻略を終えています。今後も各泊地に艦娘を派遣して、防護活動に入ってもらおうと思います。一つ報告があり、横須賀鎮守府から1人、偵察任務として人間の世界に送り込んだ艦娘がいます。」

「「「おぉ…」」」

「今、深海棲艦が人間の世界に紛れ込んでいるという情報が入っています。場所は不明ですが、武装なしで軽巡を任務として、放出しました。以上です。」

「分かった…」

「佐世保鎮守府です。代理の時雨です。佐世保鎮守府は…陥落しました。何とか、深海棲艦は追い払いました。でも、残ったものは崩壊した建物と軽巡龍田、駆逐艦時雨です。今は佐世保の空は曇り、雨が降り続いています。」

「呉鎮守府です、呉は神通を中心とした第二水雷戦隊をカレー洋に配備し、横須賀のバックアップ体制をとっています。」

「…舞鶴鎮守府です。舞鶴は何もなく、艦娘の保有数も変わりないです。以上です。」

「ブインから移籍してきた駆逐艦の話があるはずじゃないのか?」

「…知りません。そんな情報は全く入ってきてません。」

「上層部である私たちの伝達ミスかね?」

「実は、俺も横須賀と同じ情報を得て、その駆逐艦を追い出…放出しました。俺は、提督業が忙しいんで抜けます。」

「君の所にいる大淀は…」

「舞鶴は見張っておこう…」

 

******

 

あれから、島風は風見の家に戻った。

「あんた…どこ行ってたの?」「おなかがすいたから何か食べようとして迷った。」「私が作るわよ…何食べたい?」

風見は玄関からキッチンへと向かう。

「いや…特に食べたいものはない…何でもいい。」島風の言葉を聞き、風見は料理を始めた。

そして、数分後…島風と風見の前には野菜炒めが置いてあった。「召し上がれ♪」もぐっ…島風は目を輝かせた。おいしい。いままで、こんなものを食べたことはない。「おいしい。ありがと…」島風は野菜炒めを平らげてしまった。そしてそのまま机に突っ伏して寝てしまった。

 

次の日。島風は机から顔を上げ、用意されていた朝ごはんを食べていた。島風が卵サンドを食べていると二階から風見が降りてきた。

「あら、おはよう…そのご飯美味しい?」

島風は激しく頷いた。

「それは良かった♪で、貴方の名前…島風ってコートに書いてあったけど…」

「逆に書いてある。風島って言うの。」

島風は顔色一つ変えずに答えた。風見は顔を傾げ質問する。「下の名前は?」「はぅ…分からない…」さっきまで島風は名前がどんな仕組みをしているか知らなかった。だが、やっぱり分からなかったので、適当にごまかしておいた。

「なら、私は学校にいってくる!風島ちゃんは待っててね?」

島風は嫌な予感を感じた。まさか昨日の私みたいに…

「だめ。学校にいっちゃ。」必死に引き止める。でも、その時には風見は制服に着替え終えており、島風の願いも虚しく風見は学校にいってしまった。

 

「島風、こちら舞鶴鎮守府大淀。応答してください。」大淀からの無線だ。「島風じゃなくて今は人間のほうの名前で呼んで。風島だから。」

「分かりました。要件を報告します。私たちは明日、キス島に艦隊を送ります。あなたにも攻略に参加してもらいたいと思うのですが…」

「話は聞こう。」島風は誰もいないことを確認すると無線機を頭につけた。

「島風さんには私たちからの無線を通してソナーをやってもらいたいと思っています。私の推測では島風さんは今まで見た敵艦のすべてを知っています。だから…ダメでしょうか?」

「作戦日時は?」自然に口から出ていた。「明日の1900です。」

「…それだと、人間…あや、風見に正体がばれちゃう。私に話がある。」

 

 

ここは舞鶴鎮守府のとある部屋。そこには舞鶴鎮守府所属の七隻の艦娘がいた。

「明日はキス島作戦がある!あと今この鎮守府に帰ってきた者島風のために祝会を上げる!」

小さな部屋が完成につつまれる。

そんな中、島風は春雨に話しかけていた。

「春雨、料理得意でしょ?教えて。」かなり一方的だが、春雨は優しく料理を教えてくれた。

数分後、二人の前に料理が二つ並んだ。一つは春雨の作った麻婆春雨。もう一方は島風が作った料理みたいな何かが並んでいた。

「島風ちゃん…初めてにしてはいい方だと思うよ!だって、初めての人はさ食材がいきなり消えたりするし!」必死に春雨はフォローするが、無表情のまま落ち込んだ島風には聞こえていなかった。「味付け美味しいよ!というかなんでいきなり料理なんて?」

「いいじゃん、自給自足は大事。」

「森林にでも暮らすつもりになったんですか?」

島風は春雨をにらめつけた。春雨はすぐに謝る。その後は無言で二人麻婆春雨をつついた。

 

「この鎮守府の誰かが私の親を偽って引き取ればいい。それなら鎮守府に帰れる。」

「すみません、島風さんに通達です。どうやら、深海棲艦が陸に上陸した模様です。目的はわかりませんが…今一人、横須賀から偵察に出ています。島風さんは…ソナーが終わり次第任務に戻っていただければと思います…どうでしょうか…?」

「分かった、誰が親になってくれる?」

 

……

 

大淀はさっきまであった出来事を思い返していた。そこから、風見のお家にお邪魔して、島風を引き取ったのである。もちろん、風見と話をつけての引き取りで、大淀は名目上島風の母親になった。

 

次の日の夜まで皆眠り、起きたのは夕方。作戦開始3時間前である。皆それぞれに準備して出撃に向けて仕上げていた。島風は頭にヘッドホンをつけ、音量などをセッティングしていた。「調子はどうですか?」

大淀が横に座る。「昨日はどうでしたか?」

「特に何も問題は無かったよ。」大淀に見向きもせず島風は答えた。

「旗艦阿武隈より連絡!旗艦阿武隈、以下夕立、春雨、時雨、響、叢雲、若葉、抜錨が完了しまし…」

「島風ちゃん!島風ちゃんの分も頑張るっぽい!」

阿武隈の声を遮り夕立が叫んで報告してくる。おかげで島風の耳はしばらく使い物にならなくなった。

「ぽいぽい、声でかい。ぽいぽいだけミュートにしておくよ。」

「ぽぃぃ…」艦娘だろうと聴覚はある。音は大事な情報源だ。エンジン音や、魚雷発射音、様々な事に対応する艦にとって機関の次に大切な物である。

「大淀、耳って何分ぐらいで治ると思う?」

[多分、10分で治ります。キス島への戦闘海域到着まで予定30分後です。]

大淀は気遣って紙に書いて教えた。

島風は頷いた後椅子に体を預けた。

 

○○○○○○

 

30分経ったキス島付近海域。

「皆ついてきてる?」阿武隈が後方を向き確認する。

「来てるっぽい!だよね、春雨ちゃん!」

「はい大丈夫です!」

単縦陣で阿武隈水雷戦隊が海原を滑る。

「でも、今回の作戦で戦果を上げても舞鶴(あいつ)に全部取られるのが気に食わないわ…」

叢雲が不満を漏らす。「まぁ、そうゆうこともあるさ、悪くない。」「ちょっとそれどうゆうことよ?」「私達は艦娘だ。従ってる皆のだから、文句は言えないだろう?」

『従う、か…』

無線越しで島風の声が漏れる。そんなことは全く考えてなかった。敵艦を撃ち撃退する。従うなんて考えても無い、島風は考えた。自分たちはなんなんだろうかって。

刹那、島風の耳が反応する。『二時の方向雷巡チ級率いる水雷戦隊接近中。10時の方向渦潮の音』

「なんでそんなことわかるのよ…!?」叢雲が驚き辺りを見渡す、がらしきものはない。

「旗艦、どうするんだい?」響が阿武隈に問う。「全速力でまっすぐを突っ切るよ!」

「強情っぽい…」

「最大速力まで上げて!ついてきてください!」阿武隈水雷戦隊がまっすぐを通り過ぎて行く。

『恐らく一時の方向にerite級。このエンジン音からル級二隻率いる艦隊接近中。回避不可能、多分ここが正念場。』

「どうするんだい…?」時雨が心配そうに尋ねる。「私がしんがりを務める。この時のためにこれがある。」「それは…」響が出したのは偽装煙突。確かに響が付ければ阿武隈そっくりの煙突になる。

「わ、分かった…なるべく避けてね!」響が先頭になり水雷戦隊は戦艦達に向かっていく。

『響、多分爆雷を落とすと面白いことになる。爆雷を3時の方向へ。』

艦隊は爆雷を投射した。しばらくし爆発、水柱が上がる。戦艦達は右にそれていった。それに気づかずはぐれた駆逐級が二隻。「砲撃用意!撃って!」一斉砲撃は見事駆逐級を撃ち抜いた。「このまま行くよ!」阿武隈が先導する。「この先にキス島があるんだけど…島風ちゃん、何かある?」

『…軽巡のflagshipだと思う…!?』

島風の声が詰まる。『水雷戦隊は今すぐ退避して。』

「えっ!?」阿武隈が驚く。ここまで来て退避を宣告されたので当然だ。「冗談じゃない…相手が水雷戦隊なら仕留めます!」

『輸送ワ級が…いる…爆雷!?』

途端、無線が切れた。「旗艦を沈めれば勝ちなんだから!行くよ!」

 

☆☆☆☆☆☆

 

「島風さん!なんで止めようとしたんですか!」

ヘッドホンを外し、島風が話す。「輸送ワ級は…何か嫌な予感がする…前にもあったんだ、輸送船の出現。あれは全く攻撃してこない。だから、何をするか分かんないから…危ない。」

大淀が黙り込む。その直後、阿武隈より打電。[我敵艦隊ト交戦ス。ソノ際、駆逐艦春雨、輸送ワ級に鹵獲サレル。]

司令室が固まった。次に聞こえて来たのは艦娘の声ではなく、男の声だった。

「関係ない!敵艦を全艦ぶっ潰せ!二度と動けないようにしてやれ!」彼は命令した後高笑いした。

 

○○○○○○

 

海域は沈黙が続いていた。

○○

数分前、阿武隈水雷戦隊は主力艦隊と交戦した。駆逐、軽巡を撃沈することに成功した。だが、旗艦の軽巡ホ級flagshipの前には二隻の輸送ワ級が立ちはだかっていた。

「春雨行きます!」今、阿武隈達の中ですぐ砲撃が出来たのは春雨だった。砲撃され弾は庇ったワ級に当たる。その直後だった。海中から網とワイヤーが飛び出して来たのである。その二つは春雨を捕らえ春雨の自由を奪った。

「離して!助けてください!」

「っ…!放すっぽい!」夕立が砲を構える。「やめるんだ!」それを時雨が止める。「今、ワ級を沈めれたとして!春雨は網にかかったまま一緒に沈むしかない…自分の手で妹を沈めたいのかい?」

「っ!!!」夕立の髪の毛は逆立ち目は赤く光り今にも暴走しそうな状態。それを時雨は羽交い締めにして引き止めている。ワ級が撤退する。「助けて!」春雨の悲鳴が海域に響く。だが、阿武隈たちは手が出せない。撤退するのを黙って見張るしかなかった。その時、ソナーはすでに電源が切れ、反応はなかった。

結局手が出せず輸送ワ級は撤退、キス島の海域を取り返すことに成功した。

○○

そして、今キス島には陸軍からあきつ丸が輸送していた。護衛で若葉が着いて行くことになった。

水雷戦隊は無言で鎮守府に帰投した。

 

○○○○○○

 

「あなたから呼ぶなんて珍しいですね、わざわざご苦労様です、島風さん。」

夜の呉駅。そこにいたのは武装を外した神通と島風がいた。島風は作戦の後連絡を取り鉄道を乗り継ぎ呉まで行った。神通も外出届を出し出てきたのである。

「私さ、艦娘って人間に従っているのか疑問になった。どう思う?」

「うん…確かにあまり考えることはありませんね…私は旗艦やってますけど…提督の指令を聞きますし…よく考えれば私が指令を下すときもあります…私にはまだわかりません。」

「そっか…これお土産。」島風はコートのポケットからココアシガレットとおしるこの缶を取り出し、神通に渡した。

「なんで私だったんですか?そちらの鎮守府には大淀さんがいると思います…合いませんでしたか?」

「いや、そういうわけじゃなくて…二水線の旗艦なら何か知ってるかと。」

「役に立てなくてごめんなさい…でも、何かあったんですね?」島風は頷いた。そして、輸送ワ級の話をした。

「輸送船がそんなことを…そちらの提督さんは?」

「キス島を攻略して、王様気分。撤退っていう言葉はなかった。私たちを道具としか扱っていない。私たちはいったいなんなんだろう…」

神通には島風の顔が暗く見えた。だが神通は何もできることがなく「ごめんなさい…でも、誰か知っていますよ。それは絶対島風さんのもとに近づいてきます。」

「分かった、今日はありがとう。これからも宜しく。」

それだけ言うと駅の中に消えていった。だが、神通は驚いた。しばらく島風はこんなことを言わなかった。成長したことが少しうれしかった。

 

〇〇〇〇〇〇

 

次の日、島風は彼女の家の前にいた。帰っては来たのだが、どう中に入ればいいのかよくわからない。玄関の戸が開く。そこには制服姿の風見が呆然として立っていた。「風島ちゃん…」「ただいま…っていうんだね、ここは。」風見は無言で島風をハグした。「おかえり…!」風見は泣いた。床に崩れ落ち、ただ泣いた。島風はなぜ泣くのか島風は分からなかった。

その後風見は学校に向かった。島風はソファーで寝転び思った。いつかなにかおこるんだろうか、と。




「あら…いらっしゃいませ♪居酒屋鳳翔へ。」
「やっぱり居酒屋だよねぇ…!雰囲気を察したぜ…早速熱燗を〜♪」
「隼鷹!次回予告…てもう酔ってる…仕方ないなぁ…!えー次回はあの場所にいるあの艦が登場するわよ…お楽しみに!」
ボリューム込々でお届けしました…駆逐艦が主となる話なので詳しく書いてみたかった…ということです。ちなみに響はブイン編でもいます。見守ってやってあげてください。
ではでは、また次回で。

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