中国の拠点を制圧した後、本拠地への直通地下鉄列車の駅にクロスライナーを停め、俺達は休憩していた。
拓斗
「ふう、さっぱりした~! まさかここの施設に風呂があるなんて」
望
「運良く壊れてなくてラッキーだったな。あー、やっぱ風呂は最高だ」
慎司
「ですね」
今現在、俺を含んだ部隊の男性陣は何故か拠点にあった大浴場から上がっていつもの車両に戻って来ていた。が、案の定と言うか何というか、女性陣はまだ戻ってなかった。
のび太
「やっぱりみんな居ないや」
ドモン
「毎度思うが、何故女は風呂が一々長いんだ?」
智哉
「そりゃあ、髪の毛とか肌とか繊細に洗うからじゃないか? 僕達は適当にガシガシ洗うけど」
ドラえもん
「よくわかんないや」
ヒカル
「まあ気にしたら負けだ……って、光輝と紀斗さん達が戻って来てないぞ?」
拓斗
「あれ、そういえば……」
どっかで道草食っているんだろうか? そう思っていると扉が開き、ボロボロになっている光輝を引きずりながら紀斗さんと東方不敗が入って来た。
拓斗
「な、何があったんですかこれ!?」
一夏
「まさか敵が!?」
紀斗
「いや……コイツが女湯覗こうとしていたから、取っ捕まえてギガントとかぶち込んでやった」
『『『………………は?』』』
光輝
「クソ~……もうちょっとだったのに……」
東方不敗
「フン、このうつけが」
思わず周りと唖然になったが、うわごとのように呟いたのを聞いて事実だとわかり、軽蔑の目線を向けた。
彰人&竜馬
「「最低だな」」
星夜
「何やってんだか……」
隼人
「呆れる他ないな」
一真
「本気で覗く奴があるか」
浅倉
「バカだろコイツ」
慎司
「うん……超が付く程バカなんです……」
仲間の失態が申し訳無いのか、慎司さんが俯いてしまう。……まさか本当に覗きを敢行する奴が居るなんてなぁ……。
ヒカル
「ん? 今覗きで思い出したが、カイト君居なくね?」
慎司
「あ、カイト君なら楓に女湯連れてかれましたよ」
ドモン
「何? そうだったのか。まあ弟分が近くに居たら、甲斐甲斐しく世話をしたくなるだろう。俺もよく兄さんと一緒に風呂に入ってたしな」
弁慶
「そういや、俺も渓が小さい頃はよく世話をしてやったっけな」
慎司
「いや、そんな生易しいものじゃなくて……」
永琳
「急患! 急患よ! どいて頂戴!」
何か言いかけた時、突然列車の扉が開いて楓が担架で運ばれて来た。しかもよく見れば鼻血が出ている。
拓斗
「こ、今度はなんだぁぁぁあああああああああああ!?」
一夏
「のぼせたのか!?」
美夜子
「ち、違います! 何故か知らないけど、カイト君が抱きついたらいきなり鼻血を吹き出して……」
『『『………………は?』』』
またもや唖然となる。よーく聞くとカイト君が駆け寄って「楓お姉ちゃん! しっかりして!」と呼びかける声の合間に、「カイト君カイト君カイト君…………はぁはぁはぁはぁ…………」という声が聞こえてきた…………。
『『『へ……変態だぁぁああああああああああああああああああああ!!!!』』』
楓
「誰が変態だぁぁぁああああああああああああああああああああああ!!」
慎司
「お前のことだよ!!」
周りとのコンビネーションツッコミに楓がツッコミながら復活し、それに慎司さんがツッコミを入れるという…………うん、カオスだ。
一真
「なんかもうツッコミ疲れた……」
智哉
「僕も。こういう時は気分転換にカードゲームでもやりたいんだけど」
慎司
「あ、だったらやります? 持ってるんで」
のび太
「持ってるんですか!?」
彰人
「俺ダウトやってみたいんだけど、いい?」
紀斗
「なら俺はUNOで」
カードゲームの内容は俺、一真、ヒカル、光輝、一夏、彰人、智哉さんがダウト。望さん、ドモンさん、紀斗さん、のび太、ドラえもん、星夜さん、慎司さんがUNOだった。
ちなみに女性陣は女子トークを離れたところでしてて、海東さんと東方不敗さんと浅倉はパスだ。海東さんは寝てると言って目を閉じ、東方不敗さんは瞑想し、浅倉は作業をしていた。どんなものか覗いてみたら、かき集めたオーディンのカードデッキの山からストレンジベントというカードを抜けるだけ抜いて自分のデッキに入れ、後は外に捨てていた。……全員一致で見なかったことにしたのは言うまでもない。ゲッターチームの面々? 真ゲッターをゲットマシンに分離させて専用列車で牽引するってさっき言ったら、いつでも合体できるようにとコクピットで寝ている。コクピットで眠れるもんなのか?
ダウト側の様子
順番は拓斗→ヒカル→一夏→光輝→智哉→一真→彰人
拓斗
「んじゃ俺から。1と」
ヒカル
「2だな」
一夏
「んー、3」
光輝
「そんじゃま、4―――」
『『『はいダウト』』』
光輝
「バカな!? 何故わかったぁ!?」
彰人
「いや、顔に出てた。それもはっきりと」
結果……何度か順番を変えることがあったが、光輝の惨敗に揺るぎはなかった。
UNO側の様子
順番はドモン→のび太→ドラえもん→望→慎司→紀斗→星夜
ドモン
「黄色の7だ」
のび太
「黄色の2」
ドラえもん
「良かった、2で。青の2が出せる」
望
「青? 持ってたかな……お、あった。ドロー2と」
慎司
「させるか! 緑のドロー2!」
紀斗
「同じく緑のドロー2」
星夜
「黄色のドロー2。持ってて良かった……」
ドモン
「赤のドロー2」
のび太
「えっと……ドロー4で赤」
ドラえもん
「赤!? ち、ちょっと待って……あ、あったあった。赤のドロー2」
望
「青のドロー2っと」
慎司
「…………こんなの悲しみしかないじゃんか!!」
結果、慎司がまさかのドロー18を引く羽目になり、この試合での最下位に。その後は一位や最下位がコロコロ変わりながら、UNOを続けていった。
一方女性陣は……
まどか
「好きな人かぁ。そういえば考えたこともなかったな」
ほむら
「私も。戦いばかりで、そんな暇もなかったわ」
永琳
「焦る必要はないわ。人生は長いんだし」
楓
「そうよね。ねー、カイト君?」
カイト
「?」
早苗
「時には失恋することもありますけどね……」
セシル
「だがよ、そう考えると箒達って凄ぇよな。好きな男を複数人でシェアし合ってるんだろ?」
箒
「色々あってな」
鈴
「ていうか改めて思うと、一夏より彰人の方が断然凄いわよね。だって5人と交際してるんだもの」
彩愛
「彼、意外と女たらしなの?」
簪
「……そうじゃないけど、強いて言うなら……罪作り?」
セシリア
「ですわね。積極的に物事に取り組みますから、それに感化されてしまうんですわ」
シャルロット
「加えて、絶妙なタイミングでの殺し文句とかもあったし」
ラウラ
「正直、アレは反則な気がしなくもない」
刀奈
「私なんか知らない内に落とされちゃったしね~」
美夜子
「……それ、何となくわかる気がします」
すずか
「うんうん」
アリサ
「あ、あはは……」
美由希
「まあ仕方ないとは思うけどね」
明梨
「いいなぁ。私も恋とかしてみたいな……」
刀奈
「とか言って、実は既にしてるんじゃない? 例えば……杉原君とか」
明梨
「ふぇっ!? そ、それは……」
セシル
「やっぱりか。どうもそんな気がしてたんだよなぁ……ま、頑張れよっ。俺達が応援するぜ」
明梨
「う、うん……」
恥ずかしげに俯く明梨の表情に、若干暗いものが混ざっていたことに気づく者は居なかった。
海東
(海原明梨……僕が入手できたデータが正しければ、彼女は……。でもこれは、きっと打ち明けない方がいい。ま、彼らが自ら真実を求め、知ってしまったら無意味になるけど……)
裕太
「……碧。例の装置はどうだ?」
碧
「問題ありません。いつでも稼働可能です」
本拠地の一室にて、モニターを前に座っている裕太が碧に語りかける。
裕太
「そうか。フッ、これで奴らは迷宮に囚われることになるわけだ」
碧
「こちらの勝ちは確定したも同然だと?」
裕太
「まだわからん。まあ万が一突破できたとしても、中国の拠点と同じ戦力に加え、デビルガンダム軍団とゲッターG軍団、それに俺達が居る。それでも負けた時の為に、『コレ』があるしな」
碧
「それは俺もわかっておりますが、何故そこまで奴らを絶望させることに拘るんです? 今制圧した世界を絶望で満たすことが大切なのでは?」
裕太
「確かにそうだが、それではダメなんだ。俺を三度に渡り殺したアイツ等を絶望させなければ、俺の中で踏ん切りがつかないんだ」
碧
「では、奴らを絶望させれば主は満足なされると?」
その問いに江島は「いや」と首を振ると、こう続けた。
裕太
「まだだ、まだ足りない。いずれは全ての平行世界の住人達を絶望させてやる……! 今回矢作彰人達や、夕凪一真の世界に侵入したのはその為の試金石だ!」
碧
「主……」
裕太
「……だが、最後の戦いも間近だと言うのに、今一つ絶望不足でモチベーションが上がらないんだ。計画の為とは言え、拠点を自ら手放し絶望を弱めてしまったのが痛かったな…………………………………なあ碧。お前の絶望を、俺に見せてはくれないか……?」
碧
「……わかりました」
何の迷いもなく頷くと、碧は一本のガイアメモリを起動しロストドライバーのマキシマムスロットにセットした。
『KILLER! MAXIMUM DRIVE!!』
碧
「ご覧ください!!」
グサッ!
キラーメモリで凶器と化した右腕を自らの心臓に突き刺す。もう江島の役に立つことができない。彼と共に歩むことができない。そんな絶望の表情をしながら、彼は絶命した。
裕太
「……中々良い顔だ。十分満足するのを感じる……だが、お前程の男を失うのは惜しい。蘇るがいい、日向碧……!」
近づいた江島がDG細胞とアインストの技術で処置をし、碧は蘇った。
碧
「主……ありがとうございます」
裕太
「礼などいい。それより、明日に備えて早く寝よう」
碧
「はい」
死して尚、主に必要とされている―――その事実に歓喜しながら、碧は頷いた。