これくらいの量がちょうどいいのに、なぜ最近は一万超えが多いのか……。私の中の激情がもっと書くのだと囁いて(ry
それでは、本編(ry
ライズside
『■。俺は■■の仕事を手伝うから、先に帰っていてくれ』
そいつはいつも、誰かを助けるために行動した。
『■■、バカなこと言わないでくれ! ■まで巻き込むことはできない!』
そいつはいつも、他人を第一に考えて行動して、自分に対しての価値観は低かった。
『オレと同じ悲劇を繰り返さないために――その男はここで死ななければならない!!』
だからそいつは助けた人に裏切られ、救った国に裏切られ――果てには自分の信じた理想にすら裏切られて、絶望したんだ。
――――――――――
マシュが宝具の展開ができるようになってからしばらく、俺たちは冬木市の外れにある洞窟に来た。洞窟は半分自然、半分人工といった感じで魔術師が長い期間をかけて少しずつ作ったもののようだ。
「それで、キャスター。あなたはここの奥にいるサーヴァントの真名に覚えがあるの? 先程からまるで知っているかのように話してたわよね?」
「ああ、知ってるさ。俺は一度あいつと戦って、その宝具を見たからな。あれを見れば、誰だって答えに行き着くだろうよ」
まあ、キャスターさんの言う通りだ。あの人の宝具はあまりにも有名で、見られただけで真名がバレてしまう可能性が高い。だから、あの人は自らの宝具を見えなくすることでカバーしてるんだ。
『それはつまり、宝具があまりにも有名ということかな? それだけ有名ならさぞ強力な宝具なのだろうけど、一体なんだい?』
「ああ。お前さんたちの時代ではもっとも有名な聖剣さ。王を選定する岩の剣のふた振り目。その名は――」
「
突然、俺たち以外の声が聞こえてきた。声のした方に目を向けると――
見知った顔のサーヴァントが立っていた。
「アーチャーのサーヴァント……!」
「お、言ってるそばから信奉者のご登場だ。相変わらず聖剣使いを護ってんのか、テメェは」
「信奉者になった覚えなどないがね。だが、不逞の輩を通す訳にはいかないのでね」
「ようは門番じゃねぇか。何からセイバーを守っているかは知らねぇが――」
現実から意識が離れ、周りの会話が聞こえなくなっていく。………そういえば、あの人があいつと知ってから見るのは初めてだったか。
――だからこそ、あいつの理想の果ての姿だと理解して見ると、罪悪感が湧いてくる。友として、家族として、止めることはできなかったのか? あの人に言われたように、護ることはできなかったのか? もしそうだとするなら――
「…………ず……うず! 坊主!」
「――っ!?」
気がつくと、キャスターさんが俺の顔を覗き込んでいた。大分ボーッとしてたみたいだ。いかんいかん。
「大丈夫か? しばらく上の空だったみたいだが、何かあったのか?」
「…………いえ、大丈夫です。ご心配なく。――マシュ。アーチャーとの戦い方だが、まずはひたすら矢を防いでくれ。とにかく、キャスターさんが詠唱できるように立ち回れ」
「はい、先輩!」
返事をして盾を構えるマシュ。
「随分と余裕なのだな。敵に聞こえる声で作戦を言うとは」
「あ、聞こえてました? まあ、問題ないんじゃありませんか? 弓兵に無闇に近づこうとして撃退されるくらいなら、防御に徹しつつ遠距離攻撃をした方が効率的…………こんなの誰でも考えつくことでしょう?」
「……そうか。君がそう考えるのならいいが、私はそれで作戦が終わっているとは思っていないぞ」
流石にバレたか。………すっとぼけるのもありだが、ここは警戒させておくか。そうすれば、隙もできやすくなるだろうし。
「あれ、わかっちゃいました? まあ、詳しい内容まではわからないでしょうし、問題ないですね。………それじゃあ、マシュ、キャスターさん。頼んだ」
「はい!」
「おう、任せな。テメェの面を見るのもこれが最後だ。後腐れもないように、手加減抜きで燃やしてやるよ!」
そして、アーチャーとの戦闘が開始された。
「…………ったく。なんで狙ったかのように顔馴染みが選ばれてるんだかな…」
ライズside out
no side
アーチャーはその手に持つ黒塗りの弓を構える。しかし、肝心の矢が見当たらない。
「先輩? あのアーチャーは、矢をどこにも持ってないようですが――」
「持ってるわけはないさ。――あの人は、自分で投影するんだからな」
その言葉を聞いて、一番驚いたのはアーチャーだった。それも当然。初めて会ったはずの相手に、自分の能力がバレているのだから。
(偶然か……? だとしても、的確すぎる。………彼のことは警戒しておこう。隙があれば、先に始末するのも手だ)
アーチャーは一番の警戒対象をライズに変更しつつ、自身が最も得意とする投影魔術で矢を投影する。そのまま3本の矢を同時に放つ。
マシュが正面から防ぐが、その威力はかなりのもので少し後退してしまう。
「おい、しっかり踏ん張れよ嬢ちゃん! ――アンサズ!」
キャスターが反撃の火球を放つ。が、矢に比べるとそのスピードは遅く、アーチャーは飛び退いて避けてしまう。その最中に再び矢を放った。一つはマシュに、そしてもう一つは後ろで待機するライズに。
「先輩!」
マシュが気づいて助けに行こうとしたが、その進行方向に矢が落ちてきたために、足を止められる。キャスターも助けに入ろうとするも、距離が空きすぎていて間に合わない。
そして、アーチャーが放った神速の矢は――
「おっと――!」
しゃがんだライズの頭上を通りすぎ、洞窟の床を砕いた。
「何――!?」
「あまりなめないでくれよ、アーチャー。それくらいならいくらでも避けれる」
アーチャーは驚愕していた。サーヴァントである自分の放つ矢は、威力も速さも普通のものとは比べものにならない。
にも関わらず、目の前にいるマスターは普通に避けたのだ。それどころか、まだ余裕があるととれる発言までした。
「そら! 坊主に気を取られてる暇はねぇぞ!」
「くっ!」
アーチャーに少しの隙が生まれたのを見逃さず、キャスターが火球を放つ。アーチャーは再び跳んでかわした。
(あまり宝具の多用はしたくないが…………どうやら、四の五の言ってられないようだ)
アーチャーは、今ので直感した。この戦いで最優先で抹殺するべきは盾の少女でも、キャスターでもない。――あのマスターだと。
(この狭い空間で
アーチャーの手に、先程の矢を投影した時以上の魔力が込められ、赤塗りの剣が投影される。
「気をつけろ! 魔力から考えて、あれは宝具だ!」
(偽・螺旋剣じゃない? あれ以外にも、特殊な剣を持ってたのか?)
ライズは警戒するように呼びかけながら、自分が知らない剣が出てきたことへの疑問を浮かべる。
射たせまいと、キャスターが火球を連続で放つが、アーチャーは剣に更に魔力を込めながら避け続ける。
その様子を見て、ライズも全身への硬化と視力の強化に魔力を回す。限界を越えた強化の代償に、目が血走り血涙が流れ出る。だが、アーチャーが切り札を出そうとしてるとわかってる以上、加減などしていられない。
――一瞬の油断が、死に繋がるのだから。
アーチャーが火球をかわし続けることしばらく。魔力が限界まで込められた剣が、遂に弓につがえられる。
それを見て、マシュが盾を構えて宝具展開の準備をし、キャスターは回避をサポートするためのルーンを準備する。
「――マシュ、突っ込め」
だが、そこにライズが令呪で命令を下した。突然の命令にマシュは驚くが、その感情とは裏腹にサーヴァントである肉体は命令に従い、アーチャーに全速力で突っ込む。
それに驚くアーチャーだったが、撃退するために矢をマシュへと向ける。いくら全速力でも、マシュの敏捷はD。今から放たれる矢は音速を軽く超えている。マシュがアーチャーを仕留めるよりも先に、アーチャーの矢がマシュを射抜くだろう。
――そこに、それ以上の速さで突っ込んでくる者がいなければ。
マシュに向けて矢を放とうとしたアーチャーだが、ライズがとてつもないスピードで跳んできている姿が見える。マシュよりも早くたどり着くと判断したアーチャーは、ギリギリでライズの方に向けた。
「――
そして、赤い剣は音速を超える魔弾となって放たれた。他から見れば、最早赤い線としか認識できない程の速度。対人戦においては必殺と言える一撃がライズの顔に直撃し、洞窟の壁に叩きつけた。
(む――?)
アーチャーはその様子に疑問を覚えた。吹き飛ぶのは予想通りだが、直撃した顔だけが吹き飛ぶ威力だったはずが、体ごと吹き飛んだ。それはつまり――
「はぁぁぁああああ!!」
だが、一瞬浮かんだ疑問は目の前に迫るマシュに対応するために捨てる。
「
アーチャーは手にしていた弓を消し、使い馴れた白と黒の夫婦剣――
「………意外だな。そこの術師もどきはともかく、君はマスターである彼がやられたら冷静でいられないと思ったのだが」
「………はい…! 自分でもそう思います……! ……でも、仕方ないですよね…!」
「ああ。令呪による命令は、単純である程強力な強制力を生む。だが、それ故に他の行動には制限がかかる。君のマスターの命令は悪くはなかったが、タイミングを間違ったと言えるな」
アーチャーは皮肉気にそう言った。マシュの冷静さを奪い、隙が生まれたところで一気にとどめを指そうという魂胆だった。
――だが、マシュは笑っている。汗を流し、決して余裕があるわけでもないのに、笑っているのだ。
その様子を見て、アーチャーは顔をしかめる。
「先輩に命令されたんです……! あのあと、小さな声でですけど、確かに…!!」
『――マシュ、突っ込め。
――俺の心配はするな』
突如、マシュが後退した。先程までの勢いをやめ、不自然な程に冷静に後退したのだ。
受ける構えだったアーチャーはすぐに追撃はせずに、様子を見る。マシュだけではなく、キャスター、洞窟全体へ注意を向ける。
その時、視界の隅で赤い物が映った。
それを認識すると同時に、アーチャーは反射的に干将・莫耶を正面に構える。すると、そこに赤い剣がぶつかる。
――それは間違いなく、アーチャーが先程放った
まさかと思い、アーチャーはライズがぶつかった壁を見る。
「いやー、流石に露骨だったか?」
そこには、自分の矢を受けたはずのライズが壁にしがみついていた。
「……投げ返したのはいい。どうやって
「簡単な話ですよ。あんたがさっき放ったあれを極限まで高めた視力で見切って、当たるであろう部分にだけ硬化を集中させたんだ。魔力そのものだと無理だが、純粋な物理的威力だけならこれでなんとかなる。――まあ、今回は表面は諦めたからうまくいったんだがな」
そう言うライズの額からは、一筋の赤い血が流れている。ライズの硬化と強化には極僅かではあるがタイムラグがあり、敵の攻撃が速すぎると硬化が間に合わないことがあるのだ。だからこそライズは致命傷を避けることを最優先にし、額の内側から硬化をかけた。
「なるほど。どうやら、君のことを侮っていたようだ。――では、次は威力で攻めよう」
(使いたくはなかったが、そうも言ってられない)
アーチャーは
――その背中を、赤い閃光が貫いた。
「がふっ――!?」
アーチャーはそのまま膝をつく。心臓部を貫かれたのだ。いくらサーヴァントでも、死は免れないだろう。そして、その心臓を貫いたのは当然、先程彼が受け流した
この
だが、アーチャーの投影した物である
『俺は、お前を護るように言われたんだ。お前が嫌だと言っても、この戦いには混ぜてもらうぜ』
「――ああ。そういうことか」
アーチャーはそう呟き、ライズを見つめる。髪の色、目の色、背丈も違うが、今なら彼の姿にかつての家族であった一人の男の姿が重なって見えた。
「まったく。お前には敵わないな――」
アーチャーはそう言い残して、消えていった。最後の言葉は此処にいる全員に聞こえたが、それを理解できたのはライズだけであり、少し寂しそうな表情を見せている。
「先輩っ!!」
「ああ、マシュ。ご苦労さ――まぁっ!?」
マシュがライズへと駆けより、そのまま抱きつく。結構な勢いのため、気が緩んでいたライズは倒れそうになった。
「よかった……! 先輩が無事で、本当によかった…!」
マシュは泣いていた。ライズが危険だとわかっているのに、助けにいけなかったことがとても怖かったのだ。これでライズが死んでいたら、どうなっていたか本人にもわからない。
「………ごめんな、マシュ。でも、どうにか慣れてくれ。勝つためなら多少の無茶も平気でするのが俺なんだよ。これから先も、無茶は続くだろうし。――でも、これだけは約束する」
ライズはしばらくマシュの頭を撫でて慰めると、マシュの顔が上がったタイミングでこう言った。
「勝手には死なない。これだけは俺でも約束できる。これで、許してくれないか?」
できる限りの笑みを浮かべ、安心させるような優しい口調だ。
「……………はい。でも、無茶はしすぎないでくださいね?」
「わかってる。俺もマゾじゃないからな。酷い目に遭うのはできる限り避けるよ」
そうして二人だけの親密な空間をナチュラルに創っていたが、空気の読めないロマニが通信を入れた。
『いやー、一時はどうなるかと思ったけど、お疲れ様! 見事、サーヴァント撃破だ!』
「………ロマニ。あなた、少しは空気を読みなさいよ」
「まったくだぜ。あんた、馬に蹴られて死ぬぞ?」
『え、何? 僕、悪いことした?』
オルガマリーとキャスターがロマニを責めるが、本人はなんのことかわかってないようだ。
『に、にしても、意志疎通ができるサーヴァントがいるとはね! 驚いたよ!』
これ以上は耐えれなかったのか、唐突に話題を逸らすロマニ。
「今までのが極端だっただけですよ。全員があんなに狂ってたら統率も大変でしょうし、まともなのが一人か二人はいないと」
「まあ、そうだろう。あるいは、忠誠心の薄い者ほど狂うようにされたか、だな。変に反逆されそうになっても、単純な戦法しかとれない相手なら倒しやすいだろうからな」
『あー、なるほどね。確かに、バーサーカーは動きが単調になることが多いから、その方がやりやすいこともあるかも』
「その代わり、基本ステータスは大体上がるけどね。………ところで、あなた。傷はもう回復したの? それに、どうやってアーチャーの宝具を使ったの?」
オルガマリーが先程見たことから生まれた疑問をライズに尋ねる。
「傷の治りは昔から早かったんですよ。それと宝具に関しては正確に言えば、一旦〈封印〉して、アーチャーに向けて〈解放〉したんですよ」
ライズがそう言うが、皆よくわかってないという顔だ。
「えーっとですね。順を追って説明すると、まず俺の起源は〈封印〉と〈解放〉なんですよ。そのため、封印関連の魔術は唯一人並み以上に使える魔術なんです」
「え? でも、先輩ってあんなに凄い強化と硬化が使えるじゃないですか」
「あれは魔力量で誤魔化してるだけだよ。効率的に見れば、一般の魔術師にも劣るさ。――で、話を戻しますが、まずアーチャーが俺に向けて放ったあの宝具を受け止めてから能力を〈封印〉、そして解析したんです。何もなければそこで普通に捨てて反撃に出るつもりでしたが、使えそうな能力だったのでアーチャーに向けて投擲する際に能力を〈解放〉して、対象をアーチャーへ移し変えたんですよ。基本、一度〈封印〉した能力は〈解放〉した時にターゲットや効果時間が初期化されるから、今回みたいなことができたんです」
その説明を受けて、全員納得した。それと同時に、キャスターは違和感を覚えた。
(なんだ……? 初めて聞くはずなのに、俺は前からこの能力について知っているような…)
「さあ、俺のことはこれくらいでいいでしょう? 行きましょう。――多分、次が最後になる」
ライズはそう言って歩き出す。その表情は、これから会うであろう人物に対する喜びと悲しみが混ざっていた。
段々と明らかになってきたライズの秘密。…………そんなこと、言われなくてもわかるって? ですよね~。
空の境界コラボ、楽しいですね。式さん強いよ、式さん。サーヴァントにも効く即死が弱い訳がない(一回しか成功してませんが)
ところで、このコラボでテンション上がって、小説を書いてるのですが、どのタイミングで投稿した方がいいでしょうか? やはり、時系列的にも序章が終わってからでしょうか? 私はいつでもいいので、皆さんのご意見をいくつか聞いて決めようと思います。まだできてはいないので、投稿することになってもしばらくは待ってもらうことになると思いますが、ご了承ください。
ああ、それと一言。804号室に気をつけろ(難易度的な意味で)
それでは、この辺で。さようならノシ
(3月3日 追記)入れ忘れてた次回予告です
「これが大聖杯……」
「宝具、展開します!」
「タイミングはお前さんに任せるぜ。うまく決めろよ?」
「ここからは、俺の役割だ」
「――よいだろう。死に物狂いでかかってくるがいい」
次回 己が理想