オラリオで自由気ままに過ごすのはダメだろうか(一時完結)   作:ダーク・シリウス

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冒険譚0

白大樹(ホワイト・ツリー)白樹の葉(ホワイト・リーフ)の採取、大量大量っと」

 

背中に背負うバックバックに次々と白い葉っぱを入れる。ダンジョンと言う存在を知り、とある理由でダンジョンの中を冒険する冒険者になった。今現在こうして採取している葉っぱは誰にも頼まれているわけでもない。利益になるので、こうして出向いてやって来ているだけだ。

 

「この辺の中層のアイテムはもうGETしたからなぁ、深層でも行くか」

 

光る苔に照らされる中で誰にも返ってこない呟きを漏らし、転移魔法で更に下へと移動する。

場所は竜のようなモンスターが守っている泉水がある空間。

だが・・・・・なんだこれは?いるであろうモンスターはいなく、小山の灰しかなかった。

腐臭が漂い、溶けた痕のようなまだ液体が付着している木の破片を一瞥して、

 

「お、何だか知らないがドロップアイテム。それも六枚」

 

灰の中から皮膜を手に入れたところでバックパックから10リットル程は入れられる瓶を取り出し、壁から湧き出てくる泉水に流し込んで満タンになるのを待って瞑目をしていると・・・・・気配が感じるな。

数は四・・・・・冒険者か。目を開けると四人の少女達がこの空間に入って来た。

 

「こんなところに・・・・・冒険者?しかもたった一人?」

 

「うわ、これって強竜(カドモス)の死骸!?」

 

―――アマゾネス二人と、エルフ、ヒューマンの四人・・・・・【ロキ・ファミリア】か。

 

「あなたが・・・・・?」

 

金髪金目の少女が俺に問いかけてくる。が、生憎俺じゃないと首を無言で横に振る。

 

「泉水を採取する為に来た時には既にこの有り様だった。で、何か用か?」

 

「・・・・・ちょっとだけ泉水、欲しい」

 

「わかった」

 

半分ぐらい溜まっている瓶をどかして俺のより小さな瓶を持っている山吹色のポニーテールにしているエルフの少女に明け渡した。

 

「あなたは、どこの【ファミリア】?」

 

「零細なファミリアさ。最大派閥の【ロキ・ファミリア】の冒険者が気にも掛けないだろう?」

 

エルフの少女の持つ瓶に泉水が溜まるとすかさず再び俺の瓶に溜め始める。

 

「あなた、これからどうする気?」

 

アマゾネスの黒い長髪の少女が尋ねてきたのでこう答える。

 

「しばらくこの階層辺りを探索する予定だ」

 

「ひ、一人でですか?」

 

そうだが?不思議そうに首を傾げる。俺しかいないのに誰かと一緒にこの深層へやってきているパーティはいない。俺は一人なんだ―――。

 

「じゃあ、一緒に来ない?」

 

「・・・・・人の話を聞いていないだろ。俺はこの辺りを探索するって」

 

「ここまで来れたのは凄いけど君一人じゃ危険だって。一緒に地上へ戻ろうよ」

 

活発そうなアマゾネスの少女が誘ってくる。他の少女達に見渡すと、

 

「そうね。一人でここまで来れる冒険者は驚いたけれど、残して放っておくなんて後味悪いし・・・・・」

 

「い、一緒に行きませんか?」

 

「うん、一緒に行こう」

 

雰囲気的に、俺が肯定と頷くまでこの場に留まりそうな・・・・・・。

瓶の方へ視線を向ければ言う通りにしておけとばかり十リットルに達しそうになっていた。

 

「・・・・・溜まってからでいいな」

 

「結構溜まっているようにも見えるのだけれど」

 

「【ディアンケヒト・ファミリア】に売るつもりだからな」

 

「なーんだ。あたし達と一緒じゃん!」

 

と、楽しげに言うアマゾネスの少女に「私達は冒険者依頼(クエスト)でしょうが」と違いをハッキリするもう一人のアマゾネスの少女。

 

「あの、君の名前はなんて言うの?」

 

「・・・・・イッセーだ」

 

「イッセー・・・・・」

 

泉水が満タンに成り、蓋を閉めてはバックパックの中に入れて移動の仕度を整えると声が掛けられた。

 

「あっ、自己紹介してなかったね」

 

ティオネ・ヒュリテ、ティオナ・ヒュリテ、アイズ・ヴァレンシュタイン、レフィーヤ・ウィリディスと少女達から自己紹介を聞きながらバックパックを背負って立ち上がる。第一級と第二級の冒険者達が来た道に戻るのを後に続く。

 

「お前らだけできたのか?」

 

「違うよ。【ロキ・ファミリア】は未到達の階層を攻略する為に遠征をしているんだぁ」

 

ティオナから返ってきた言葉に嫌な予感を覚えた。どの【ファミリア】でも必ず休憩兼ねてモンスターが生まれない階層に留まっている。俺が知ったその階層の中で50階層に―――。

 

「・・・・・もしかして、50階層に堅牢な石造りの要塞みたいなのなかったか?何処かの【ファミリア】の旗が掲げてある要塞が」

 

「あったわね。私達や団長達も驚いたわ。誰もいないから勝手に夜営として使わせてもらっているけれど」

 

なんてことだ、俺のいない間にこいつらの根城と化していたとは・・・・・。

 

「あの要塞。俺の要塞だから戻ったら出て行ってもらえるか?」

 

「「「・・・・・」」」とティオネ以外の少女達は無言で俺を見つめてくる。嘘は言っていないぞ本当だ。

 

「その証拠は?」

 

「要塞みたいな建造物に梟や蛇、レリーフの銅像が至るところにある。アレはとある神の特徴を表している【ファミリア】の要塞だ。俺はその主神の【ファミリア】。最大派閥の【ロキ・ファミリア】のお前らでも、無人の拠点に出入りする権利はないはずだ」

 

背後からジト目で警告する。四人は尻目で俺に視線を向け―――。

 

「・・・・・ごめん、なさい」

 

「まさか、君の本拠(ホーム)みたいなものだったなんてね」

 

「それ以前に、あの場所で一体何時からあったのでしょうか?」

 

「取り敢えず、団長に言わないとね」

 

理解してくれたようで、一先ずは安堵する。最初に過ったアイズが好奇心な色を浮かべている金目を向けて、柔らかく瑞々しい唇を動かし始めた。

 

「君はLv.5?」

 

「教える気は無い」

 

キッパリと質問に応じず否定した。教えたところで信じてはもらえないだろうしなぁ。

 

「ちょっと、別にLv.ぐらい教えてくれたっていいじゃない。『深層』にいるのだからLv.4ぐらいでしょう?」

 

「・・・・・絶対に信用しない」

 

「するから教えてよっ。ねっ?」

 

「・・・・・信用しなかったらデコピンの刑だからな」

 

「「デ、デコピン・・・・・?」」

 

頭の上に分かるほど疑問符を首を傾げながら浮かべるレフィーヤとアイズ。さり気なくしょうがないから教えてやると述べて一息吐いてから言おうとした、

 

『―――ああああああああああああああああっっ!?』

 

いきなりだった。臓腑の底から引きずり出されたような絶叫が、俺達のもとに届く。アイズ達の仲間の声か、

焦心に駆られて目を真ん丸にし、俺の耳に「ついてきて!」「今のはラウルの声!!」と少女達の声が聞こえて歩く速度が速くなって悲鳴が聞こえた通路へ進みだした。悲鳴の方角と、後は勘頼りっぽく向かう。現れるモンスターを強引に振り払い、通路を幾度も曲がった俺達の視界に、それは飛び込んできた。

 

「なに、あれ!?」

 

「い、芋虫・・・・・!?」

 

「外見だけなら抱き絞めて触ってみたいかな」

 

「なに言ってんの!?」

 

だって、あんなぶくぶくとした体ならトランポリンの代わりならできるんじゃない?

というか、初めて見るモンスターだ。全身を占める色は黄緑で言ったようにぶくぶくと膨れ上がっている柔らかそうな緑の表皮には、ところどころ濃密な極彩色が刻まれており異様に毒々しい無数の短い多脚からなる下半身は誰かが呻いたように、確かに芋虫の形状に似ている。長い下半身に乗る格好の上半身は小山のように盛り上がっていて、厚みのない扁平状の器官―――恐らくは腕が左右から伸びていた。先端には四本の切れ目が入っており、指に見えなくもない。

 

進行に合わせて上下に振動する蟲の巨躯が、四Mはある天井と何度もぶつかり合い削り落とす。横幅も道の両端にほぼ届き、通路一杯を塞ぎながらこっちへ迫ってくるその光景は、ダンジョン特有のトラップ―――巨大な鉄の塊に連想させた。

 

「団長!?」

 

ティオネが悲鳴染みた叫びを口から出させる原因。少年と青年、負傷している青年を担いでいる老人の計四人が、モンスターを背に向けながら全力で逃走している。

 

「しゃーない」

 

地面に両手を強く叩きつけるように触れた次の瞬間。逃走するアイズ達の仲間を追いかける蟲のモンスターに障害物、ダンジョンの地面を盛り上げて進行を妨げる壁を作ってやった。

 

「な、壁・・・・・・?」

 

「いや、一時的なものだ。直ぐに突破される」

 

団長とやらと合流を果たし、この場から遠ざかるように駆け出す。

 

「君は・・・・・?」

 

「しがない冒険者だ。ところでアレ(ドゴンッ!)なに?」

 

壁を突破してくる蟲は一匹から数え切れない数になって追いかけてくる。

 

「わからない。僕達も突然襲われた。交戦したらしたで武器を溶かされて止むなく逃走しているんだ」

 

「溶かすって厄介だなぁー」

 

「君は一人なのかい?他の【ファミリア】の冒険者は?」

 

「しがない冒険者です」と小さな子供―――もとい小人族(パルゥム)に同じ言葉を繰り返しこれからどうする?と視線で尋ねつつ後ろに尻目で見れば―――。

 

「え、ちょっと・・・・・あのモンスター、ブラックライノスを襲ってるよ!?」

 

「うわー、共食い」

 

俺達が既に過ぎ去った十字路で、横手の道から現れたサイを彷彿させてくれるモンスター、ブラックライノスを、例の蟲のモンスターは出会い頭に攻撃していた。何やら口から液体を吐いて、体を溶かし動きを止めた後、巨大な口を開けて上半身を一呑みにしている。

 

「あのモンスターは、僕達の他のモンスターも、近づいた者には全て反応して攻撃してくる」

 

「見境なしってことですか?」

 

「いや、どうかな。決めつけるには材料は少ないけど・・・・・モンスターを率先して狙っている節があるように感じる」

 

「案外、モンスターの魔石を吸収しているんじゃないか?」

 

何となく思った言葉を漏らすと団長が意味深に俺を見つめてくる。が、何も言ってはこなく、ティオネから渡された木の欠片に意識を向ける。

 

「おい、最終的に50階層に戻るんだよな?」

 

「うん」

 

「なら、戻るぞ」

 

逃げる先の空間に別の風景が見える穴がぽっかりと開いた。団長達は驚愕した顔だが、見覚えのある風景や素早い判断力で、穴の中へ潜った。そしてその先に待ち受けるのは―――。

 

「おいおい、ここも・・・・・?」

 

億劫そうに漏らす俺が周囲を見回した目の先に、大勢の負傷者と介護する冒険者達。砦を守護の役目を機能している金色のドーム状の膜と言う結界に押し寄せる蟲のモンスター。うん、備えあれば憂いなし。防御壁のシステムを備えておいてよかったな。

 

「ここ、50階層!?」

 

「皆っ!」

 

アイズ達は仲間のもとへ。俺の要塞で籠城している冒険者は【ロキ・ファミリア】。アイズ達の帰還に歓喜した声と雰囲気が伝わってくる。それ等を背に例の腐食液を吐く蟲のモンスターを見下ろす。金色の膜にいくら吐こうが、これは物理的な防御じゃない。だからこそアイズ達の仲間も少なからず無事にいられる。

 

「これだけの数、相当なヴァリスを得れそうだ」

 

イレギュラーに等しい事態に俺は口の端を上げて両手を前に付き出す。

 

「・・・・・何を、するの?」

 

「見てからのお楽しみに」

 

城壁の上にいる俺の隣に立つアイズの質問に答えるように腕を動かす次の瞬間、眼前のモンスター一匹残らず俺の手の動きに呼応して宙に浮かび上がった。俺がこれから何をするのかと言うと、ダンジョンのモンスターに魔石と言う核がある。

 

それを破壊したり引き抜かれたらモンスターは灰になってしまう運命。

 

だから―――。両手を左右に勢いよく動かし、蟲のモンスターから魔石を取り除いたその時、モンスター達が灰と化して俺の前の前からいなくなった。

魔石は意思を持っているかのように俺の傍に集まってきた。その内の一つを手にして疑惑を抱いた。

 

「なんだ、この魔石は」

 

紫紺色の魔石ではなく、極彩色が混じっている紫紺の魔石。全てそうだった。

 

「これ換金できるか?」

 

「わからない・・・・・初めて見た」

 

アイズも興味深く変な魔石に金目を向ける。

 

「なになにーって、なにその魔石?」

 

ティオナが上がってきて俺が引き抜いた通常の魔石とは異なる魔石を意識した。

 

「分からない。ま、あの蟲のモンスターは全部倒しといたぞ」

 

「へ?あっ、いない!」

 

今さらな反応・・・・・まぁ、いいや。

 

「俺は戻るけど、さっさと俺の要塞から出て行けよ」

 

「戻るってまた下の階層に行くの?」

 

「違う、地上だ・・・・・あれを倒した後にな」

 

森に視線を向けながら言う。森からまた新たなモンスターが現れた。芋虫型のモンスターの進化形態だろうか?

黄緑の体躯に扁平状の腕はあの蟲と同じだが、全容だと大きく異なっている。芋虫を彷彿させる下半身は変わらない。ただ小山のように盛り上がっていた上半身は滑らかな線を描き、人の上体を模していた。エイ、あるいは扇にも似た厚みのない扁平状の上はニ対四枚。後頭部からは何本の垂れさがる管のような器官。

 

黄緑の肌には例の極彩色が塗料を浴びせかけたように秩序なく及んでおり、まるで得体のしれない毒に蝕まれているようにも見える。濃厚な色彩が及ぶ顔面部分には花も目も口も無いが、どこかその線の細かさから女性のものを連想させた。が、大きく盛り上がった腹部が女性的な要素をすべて台無しにしている、。妊婦と呼ぶにはその腹は丸みを帯びておらず、何よりあまりにも醜悪で、どす黒い。

 

「なに、あれ・・・・・」

 

「さあな。取り敢えず、この要塞から出てくるなよ。アレを倒すまでは」

 

「君が倒すの!?武器なんてないじゃん!」

 

危険だよ!と警告、注意してくるが俺はそんなこと意も介さずバックパックを背負ったまま、城壁から跳躍して一気に女体型のモンスターの前に降り立った。

 

「うーん、こんなモンスターは見たことない。久々にワクワクしてきた」

 

バックパックを亜空間に仕舞い込んで戦闘態勢の構えをする。その間でも女体型のモンスターは微動だにしないでいるが、そんなこと俺は気にせず、躊躇もせずのっぺらぼうみたいな目も鼻も口もない顔らしき頭部まで跳躍して激しく蹴り付けた。モンスターは吹っ飛ぶかと思ったが、下半身の芋虫の体と繋がっている腹部の上半身が柔軟性を持っているのか、蹴りによる衝撃を吸収して自分の下半身に背中から叩きつけられたように折れ曲がっただけだった。

 

『―――!』

 

「お?」

 

無貌(のっぺらぼう)に見えた顔面部に、横一線の亀裂を走らせ、口腔を解放する。鉄砲水の如き勢いで撃ち出される腐食液。食らうか!と俺は頭の中でそう思い浮かべながら空中のまま横跳びに宙を蹴って回避し、右足を振るっては鎌風を起こし、女体型のモンスターの顔面に目掛けて放ったが、凄まじい速度で扇状の二対四枚の腕に阻まれたものの、効果は合った。

 

「斬れたが、両断までとはいかないか。硬いなぁー?」

 

宙を蹴って女体型のモンスターの意識をかく乱。俺を捉えようとする動きが―――ニ対四枚の腕を徐に横薙ぎで振り払った。俺を叩く訳でも、距離を遠ざけようとする動きじゃない。舞う光。七色の粒子群。正直一瞬だけ綺麗だなと思った鱗紛、あるいは花粉か。極彩色の微細な光粒が周囲に広がり漂う。その中に俺はいる。

 

次の瞬間―――。

 

間を置かず、俺ごと巻き込むように無数の爆光が連続で起きた。

 

「―――粉塵爆発ッ!」

 

直感に逆らわず後方に引き下がって正解だった!あの女体型のモンスター。中々見た目に反してやるじゃないか。

 

「はははっ!それでこそ未知のモンスターは倒し甲斐がある!」

 

 

しかもあの粉塵。使い道がある。『採取』しよう。

 

 

要塞から飛び出した一誠と突如現れた女体型のモンスターはアイズ達がいる要塞からでも見聞できていた。

防戦一方、のようにも見える一誠の戦いは爆発する極彩色の粒子群が夥しい量が降り注がれると、

それを待っていたかのように僅か爆発する前に全ての粒子が何かに吸い込まれていく動きをして爆発することもなく消え去った。

 

「あいつ、苦戦しているんじゃないの?」

 

「いや、防戦一方にも見えるけれど何かを待っているような節が見える」

 

「何かってなんですか団長?」

 

「・・・・・爆発する光の粉?」

 

アイズの指摘は正しかったと証明するように一誠は行動をした。女体型の二対四枚の腕部から降り注がれる粒子群を狙っていたかのように、また、何か極彩色の粒子群がうねりの動きをして、一誠に吸い込まれる。

 

「す、吸いこんでいる・・・・・?」

 

信じられないと言う呟きがアイズの耳に届く。それから距離を置いて戦う一誠は極彩色の粒子群を狙って、その後三回も繰り返して吸いこんだ結果、女体型のモンスターは粉塵爆発による広域、広範囲攻撃は通じないと悟り、馬鹿の一つ覚えのように腐食液を頭の管のようなところからも吐き出して攻撃を始めた。

 

「あれ、ヤバイんじゃ・・・・・?」

 

未だに腐食液を放ち続けているモンスターを見るに、まだ一誠は戦っているのだと悟る。

 

「ねえ、あたし達も一緒に戦った方がいいんじゃない?」

 

「止めておきなさい。それに武器を溶かす液体を抱えているモンスターに攻撃したらあんたの大双刃(ウルガ)も溶かされちゃうわよ。その後、莫大な借金を抱えるの火を見るより明らかだし」

 

「なら、レフィーヤやリヴェリアの魔法でドカーンと一発!」

 

「下手な援護はあの者を巻き込んでしまうから無理だ」

 

長い緑髪を一つに束ね、緑を基調とした服装やマントを羽織る女性のエルフが瞑目しながらティオナの目論みを否定した。【ロキ・ファミリア】は一誠が倒すかやられるか、そのどちらかの結果を待つことしかできない。

しかし。新たな動きを一誠は見せた。女体型のモンスターニ対四枚の腕を両断。その後、胸部に目掛けて赤い軌跡が残るほどの速さで突っ込み、背中から飛び出してきたその直後。女体型のモンスターの全身が急激に膨張、腐食液を巻き散らかしての大爆発を起こした。

 

「た、倒した・・・・・一人で・・・・・・」

 

「・・・・・(ダッ!)」

 

「アイズ!?」

 

要塞から飛び出して真っ直ぐ戦場と化した場所へ金髪を激しく揺らしながら向かう。

見てみたい。あの未知のモンスターをどうやって倒したか分からない真紅(あかい)髪の少年を。

木々を滑らかな動きで通り抜け、アイズの足の速さはあっという間に腐食液で溶かされた森の一部、戦場へと辿り着いた。

 

「いない・・・・・」

 

あの少年がいなくなっていた。既にこの場を後にしたのだろう。どこの【ファミリア】に所属している冒険者、Lv.もわからない。

 

「また・・・・・会えるかな」

 

―――○●○―――

 

 

本拠(ホーム)と混合した純潔な白一色の石材で造られた建物には、【ディアンケヒト・ファミリア】を表す光玉と薬草のエンブレムが飾られている。主に回復薬(ポーション)や冒険者にとって役立つ物を製作している商業系の【ファミリア】。

 

「いらっしゃいませ」

 

訪問しに来た冒険者を出迎えたヒューマンは精緻な人形、という言葉が真っ先に浮かぶ。一五〇Cに届かない小柄な体がその印象に拍車を掛けていた。下げられた頭からさらりと零れる細い長髪は白銀の色で、大きな双眸には儚げな長い睫毛がかかっている。服装は白を基調とした、どこか治療師を思わせる【ファミリア】の制服だ。

アミッド・テアサナーレ。【ディアンケヒト・ファミリア】に所属する団員だ。

 

「本日のご用件は?」

 

「アイテムを売りに来た」

 

「・・・・・では、商談室で見せていただきます」

 

アミッドは冒険者とともに隔離された一室へ入って、ガチャリと鍵を閉めた後に。

 

「お久しぶりです」

 

「ん、久し振り」

 

一人の女として一誠と接し始める。小柄な体を自分より大きく、安心させる温もりを感じさせてくれる男の腹部や胸に密着、寄り添うように抱きつくと背中に確かな温もりが感じるようになった。抱き締められているのだ。

こんな年下扱いされる体を一人の女性としてしっかりと抱きしめてくれる。他の【ファミリア】との恋愛はともかく結婚はできない。【ファミリア】同士の結婚は後に面倒事が起こる為、アミッドは人目がない場所でしか大胆な行動はできない。

 

「今日はどうでしたか?」

 

「【ロキ・ファミリア】や新種のモンスターと出くわして今回の成果はボチボチだ」

 

小柄な女性の体を抱きしめていた腕を解いて、徐に背負っていたバックパックを下ろし中から泉水と皮膜、白樹の葉(ホワイト・リーフ)をテーブルの上に置き始める。

 

「『カドモスの泉』と『カドモスの皮膜』、『白樹の葉(ホワイト・リーフ)』・・・・・」

 

回復アイテムの材料として、席に座る一誠の膝の上で品定めをするアミッドの瞳は光景とは裏腹に真摯な表情だった。

 

「全て―――の金額で買い取らせていただきます。よろしいでしょうか」

 

「・・・何時も思うけど、標準金額はそういうものなのか?」

 

一誠が軽く疑うような金額に若干の疑惑を込めた言葉を告げた。アミッドは回復アイテムの一つ、『白樹の葉(ホワイト・リーフ)』を手にして一誠に説明した。

 

「『白樹の葉(ホワイト・リーフ)』はどの商業系【ファミリア】、主に道具店を運営しているところでは品不足です。それを一度にこれほどの量を採取してくださるイッセーの実力を考慮しての金額です」

 

「・・・・・そうか。ならこの葉っぱは【ミアハ・ファミリア】と【ヘルメス・ファミリア】にも高く売れそうだな」

 

回復アイテムを売りさばく【ファミリア】の名を口にする一誠に上目遣いで「お金が、好きなのですか?」と問うアミッドに、誤解されそうになっていると苦笑いを浮かべ、首を横に振る。

 

「好きと必要は別物だアミッド。金がないと何も得れないこの世界は何とも残酷だ。生きる為に命や身を削って金を手にしないと明日を生きていけれない。今後の為に金は必要なのさ」

 

「そうですね・・・・・ディアンケヒト様もミアハ様の借金の取り立てに生き甲斐として楽しんでおられます」

 

「それはただ意地の悪いだけだと思うぞ。仕方がないとは言え」

 

脳裏に容易く思い浮かべる光景に何とも形容し難い思いとなる。

 

「・・・・・」

 

くるり、と膝の上で体の向きを変えた。一誠と対面の形で落ち着き、男の胸に白磁のような頬を小柄な体とともに寄せると規則正しく鳴る心臓の鼓動を感じ、異性に身を寄せるなど一誠しかしないだろうアミッドは無意識に笑みを零す。出会いは何時だっただろうか。最初は主神と話をしてみたいと訪問してきて、それから度々回復アイテムを売って来ては知識を求めてくるようになった冒険者。

 

他の冒険者とどこか違うと次第に理解し、触れ合う度に訪問してこない日はあの冒険者はどこで何をしているのだろうかと思う日々が多くなった。そして極めつけは―――。

新種の回復アイテムと成りうる綺麗な花をプレゼントされて、アミッドの心は奪われてしまった。

 

「(貴方のことが好きという思いを抱くぐらいなら、主神(ディアンケヒト様)も許してくれるでしょう)」

 

それでも駄目ならば【ファミリア】を辞退して一誠の所属【ファミリア】に移籍する所存でいるアミッドだった。

 

 

 

大量の金を手に入れた一誠は本拠(ホーム)へと帰路する。だがしかし、本拠(ホーム)とは言い難い場所だった。

 

―――『豊饒の女主人』―――

 

酒場である。なので一誠はこの酒場を住み込みで働いているのだった。

 

「ただいまー」

 

我が家当然のように出入口から入って来て、挨拶を口にすると厨房の奥から一つの影が飛び出してきた。

 

「お帰りなさい」

 

銀色の長髪、灰色と青色の双眸、女性らしく豊かな胸、一誠と同じぐらいの身長の女性が若葉色を基調とした白いブラウスとひざ下まで丈のあるジャンパースカートに、その上から長目のサロンエプロンを着込んでいるウエイトレスの出で立ちで一誠を出迎えた。

 

「ただいまアテネ。今日も稼いだぞ」

 

「毎日お疲れ様。私も頑張らないといけないわね」

 

「俺ももう一働きするかな。ミアさんは厨房か?」

 

コクリとアテネが肯定として頷く。アテネ―――一誠の主神兼女神。一誠がいる都市『迷宮都市』オラリオは様々な神が下界に降り立っている。天界での堕落した生活に飽き、娯楽を求め下界に降り立った気まぐれな神々が多い。女神アテネもその「違うわよ!」。

 

「・・・・・いきなり叫んでどうした?」

 

「誰かが失礼な事を言った気がして・・・・・」

 

主神の奇怪な行動に首を傾げる。一先ず気にしない方針で厨房の奥へと歩み寄り、目的の人物の傍に近づく。

 

「ミアさんただいま。はい、今月の家賃」

 

恰幅の良い女性、酒場の女将でもあるミア・グランドに亜麻袋一つ詰まった金=ヴァリスを手渡す。ミアは手渡される亜麻袋を見て息を零す。

 

「住み込みで働き、家賃も払うってことで決めた手前だけど、こんなに貰っちゃこっちが当惑しちまうね」

 

「後々俺達がこの店からいなくなった後の迷惑料として受け取ってくれよ」

 

一誠にそう言われてしまうミアは「そうかい」と相槌を打って意味深な笑みを浮かべ出した

 

「いっそのこと、このままうちの店員として働いても構わないんだがねぇ?娘達もお前達二人を大層気に入ってしまってるしさ」

 

「はははっ、もうしばらくはここに住むよ。後もう少しで目標金額が達成できそうなんだ」

 

「目標金額ってあんた、どのぐらい貯めているんだい」

 

問われた目標金額に一誠は爆弾発言をした。

 

「10億ヴァリス。それからだ。俺達は本当の意味で羽ばたくのは」

 

笑みを浮かべ、ハッキリとそう発言した後に酒場に戻った一誠はやることただ一つ。

 

「注文入りました~!」

 

「ミャッたく、今日も今日で忙しいニャー!」

 

「シルー、料理できたから持ってってー」

 

「はーい!」

 

続々とやってくる冒険者やフリーの一般人に対してメニューを作る作業だ。慣れた手つきで厨房にいる一誠は魔法で分身体を作っては料理を作って作って作りまくって客に同僚のウエイトレスに運ばせる。

 

「はっはっはっ!今日も厨房(こっち)は楽に仕事ができるね!坊主が来てから仕事はスムーズにできちまう」

 

「元から料理を作るのは嫌いじゃないから。はい、ミアさん。こっちはもうできたぞ、そっちは遅いんじゃない?もしかしてもう疲れた?奥で休んでていいよ、後は俺が作るからさ。ミアさんより美味しく料理ができるし」

 

上司に対して失礼極まりなく、嘲笑う言葉を真っ直ぐにミアへ告げたことで思いっきり鼻で笑い、言い返すミア。

 

「抜かすんじゃないさね!まだまだ青い若造にこの私が料理の腕っ節に負けると思ったら大間違いだよ!」

 

「ほほーう?それは挑戦状として受け取って良いんだな?」

 

厨房内でバチバチと両者の目から迸り、ライバル心を燃え上がらせた。

 

「フニャーッ!ミア母さんとイッセーがまた対抗心燃え燃えニャー!?」 

 

「アーニャ、さっさと運び出さないといけないですよ」

 

「ふふっ、二人とも楽しそうに競い合ってますね」

 

「そうですねアテネ様」

 

「笑ってるお二人さん、こっちのことも考えてとか思わないのかニャ」

 

「クロエ、ミア母さんとイッセーがそうさせるんだから仕方ないよ」

 

ウエイトレスの女性達の様々な反応を余所に、ミアと一誠は負けず嫌いを発揮して片っ端からメニューを作って行く光景は冒険者達にとっても「またおかみと少年の料理対決が始まったぞー!」「おかみに100ヴァリス!」「俺は赤髪に300ヴァリス!」「俺は引き分けに500ヴァリス!」「「「セコーッ!空気読め!」」」と娯楽と賭け事の的となる。まあ、その結果。ドローとなり賭け事は曖昧と言う未来が多いのだが。

 

 

 

「―――ふぅ、今日も疲れたわ」

 

「くそぅ、またミアさんと引き分けか」

 

住み込みで酒場の宿を借りている一誠とアテネ。二階の離れの部屋―――とは思えない快適な空間にある大きなソファへ同時に腰を下ろす。

 

「思うのだけれど・・・・・この部屋、他の部屋とは全然違うらしいのだけれど?」

 

「そうだな。俺の能力で色々と工夫や細工をしたし、当然だろう」

 

と、一誠はぐるりと周囲を見渡しながら唇を動かす。

 

「のんびりと寛げることができる大浴場、それぞれ俺の翼の羽で作った快適に寝れる大きなベッド。キッチンやトイレ、その他諸々と完備された部屋」

 

壁や床、天井は本来の部屋とは異なり、豪華絢爛とまではいかないがそれでも高級宿屋に近い装飾や家具など設けている。アテネも肯定と「そうね」と言い、一誠に提案を述べた。

 

「もう・・・・・この部屋が私達の本拠(ホーム)にしていいと思うのだけれど」

 

「いや、それは無理だろう」

 

そう言って木製の扉に目を向けた矢先、中にいる二人の了承を得るどころか、礼儀知らずに入ってくる。「「ニャッホー!」」と言う猫人(キャットピープル)の二人を始め、申し訳なさそうに続いて入ってくるエルフとヒューマンの女性が入って来た。

 

「イッセー。今日もこの部屋で寝かせて欲しいのニャ!」

 

「後輩の物は先輩の物、先輩の物も先輩の物ニャ!」

 

ニャー!と嬉々として本来一誠が寝るはずのベッドに飛び込んだのであった。

 

「イッセーとアテネ様。誠に申し訳ございません」

 

「このどうしようもない我がまま猫がどうしてもって聞かなくて」

 

「お二人もちゃっかりベッドに乗ってくるのはどうしてなのかな?」

 

「「私も今日もこの部屋で寝に来ました」」

 

ミイラ取りがミイラ以前に最初からこの快適な空間の中で寝に来た二人にアテネは溜息を零す。

 

「イッセー、この四人の部屋にも同じようにしてくれない?」

 

主に二人きりの時間ができなく、一誠と過ごすことができない理由で懇願するように述べたのだが、一誠はアテネと同じように溜息を零した。

 

「無理だ。ミアさんにそうして良いかと聞いてみたら『甘やかすな』の一言で突っぱねられた・・・・・って、そこの猫娘達。どうしてベットをくっつけようとしているのかな?」

 

「「ニャ?一緒に寝ようとしているからニャんだけど?」」

 

黒髪と茶髪に猫耳を生やし、腰辺りには尻尾を揺らしている、アーニャ・フローメルとクロエ・ロロの行動に怪訝な表情となる一誠。

 

「大きいベッドニャんだけど、ルノアやリューも一緒じゃあ入り切れニャいのニャ。というか、もう何度も同じことを繰り返して一緒に寝ている(ニャか)ニャんだからずっとこうしてくっつけてて欲しいのニャ」

 

二つのベッドが合わさるとキングベッド以上な大きさとなり、一誠達6人が川の字に寝てもまだスペースが残るほどになるのだ。

 

「にゅふふっ、自分の部屋で寝るよりこうしてみんニャと一緒に寝る方が楽しくていいニャ」

 

「イッセー、周りが女の子だらけだからってニャー達を襲っちゃダメニャからな?」

 

意味深に笑みを浮かべ、年頃の男の子をからかう猫人(キャットピープル)達に手が迫った。

 

「ああ、大丈夫だ。可愛い猫をこうして可愛がるほうが好きだから」

 

クロエとアーニャの顎を擽るように指先で優しく引っ掻けば「「ニャ、ニャ~ン・・・・・っ」」と気持ちよ下げに目を細め、尻尾は喜びと表現しているかのようにフリフリと揺れる。そしてさらに可愛がる。

頭に手を置いて梳かす感じに撫で始め、耳をさわさわと触れ、その後背中に手を回して撫で始める。

 

「ほらほら、こことか優しく触ってやるとお前ら、気持ち良さそうな顔と嬉しそうな顔をするだろう?」

 

「「お、おのれ・・・・・ニャー達を手篭めにしようとそうは・・・・・ニャ、ニャア~ンッ♡」」

 

一誠の愛撫によって手篭めにされた猫娘達だった。深夜、ベッドの上で何をしているのかと思うのだが、楽しそうな一誠を見ていると苦笑するしかなかった。

 

「感嘆の声しか出ません。流石イッセーです。猫人(キャットピープル)を手懐ける極意を極めていましたか」

 

「なに感心しているのよリュー?あなたもあの子に触れられたくて堪らないんじゃない?」

 

「ルノア、何を言って・・・・・」

 

「次はリューの番だな」

 

何時の間にかエルフの女性、リューの前にいた一誠。猫達はその場で全身を痙攣させては恍惚な表情を浮かべていた。一誠はすぐにリューの頭に触れることはない。まずは優しく、手を取ってはグイっと自分の方へ引き寄せた。

抵抗をする暇もなくリューは一誠の胸に飛び込んでしまい抱き絞められた。

目を張って緊張と若干の羞恥心なエルフがしばらく経っても抵抗や拒む言動をしないことに受け入れたのだと察して最初は背中、それからようやく頭へと手が回される。

 

「今日はさせてくれるんだね。何時もは距離を置いて触れさせてくれないのに」

 

「・・・・・たまには後輩に頑張ったご褒美と思っているだけです」

 

「なら、これからもっと頑張ったら一杯ご褒美がもらえるんだな?」

 

「あなたの、その・・・頑張り次第です」

 

撫でられる感触と伝わる温もりに、ほんのりと頬が薄紅に染まってご褒美の約束を交わしたリュー。

 

「・・・・ふぅ」

 

「ひゃっ!?」

 

尖った耳に一息。敏感に感じ、リューの口から可愛らしい短い悲鳴が発し、「リュー、ひゃって、可愛い・・・・・」と同僚のヒューマンに満面の笑みを向けられる始末。

 

「くふふ、可愛いなーリュー・・・・・いや、マジでゴメンナサイ。悪戯はしないから首絞めんの止めて」

 

何度か首を絞める腕にタップをし、顔を真っ赤に怒りで満ちたリューの行動に一誠は徐々に青褪める。

それからルノアやアテネに助けられ、何とか彷徨っていた死の淵から生還したのであった。

 

「大丈夫?自業自得とは言え、面白いことをしてくれたわね」

 

「そうだろう?と、言いたいところだけどリューが視線だけで殺さんばかりに睨んでくるから言えないんだよな」

 

ルノアの手を握り、握り返されるとそれは何かの合図であり、一誠はルノアをスッと自然に抱き絞める。

 

「好きだねー?女の子に甘えたがり屋な後輩君」

 

「そう言うルノアは嫌か?こんな甘えたがりな後輩に抱き絞められて」

 

「ううん、大好き♪貴方の温もりを感じられるならこのまま寝ても良いぐらい」

 

とそう言ってはばからないヒューマンの女性は一誠に抱き絞められたままゴロリとベッドに寝転がった。

すかさずアテネが自分の特等席とばかり覆い被さるように一誠の上に寝転がり、リューはルノアの反対側、一誠を挟む感じで寝転がっては再起したアーニャとクロエがノロノロと近づいてきて、一誠の手を握ることで落ち着き、

 

「この手がいけないんだニャッ」

 

「おのれぃ猫人殺しの手(キャットピープル・ハンドキラー)めッ」

 

口はそう言うが、その手をすりすりと擦り寄せている時点で言葉とは裏腹にまんざらではない様子のアーニャとクロエだった。

 

「ううう~・・・・・」

 

恨めしいとばかり漏らすアテネ。眷属、【ファミリア】でもない酒場の娘達に気に入られる一誠に複雑な気分と気持ちを抱き、両腕を一誠の首に回すことで『自分のものだ』と自己主張することにした。

 

「イッセーは私の眷属なのにッ。一緒にいたいなら私の眷属に成りなさい!」

 

「「嫌ニャ」」

 

「すみません。私はとある理由で改宗(コンバージョン)できませんので」

 

「というか神アテネ?眷属になったらなったで、もっとイッセーと二人きりに冒険しちゃってダンジョンの中で一杯甘えちゃうって言う考えは無いんですか?」

 

「はうっ!?」と重大で重要な事を頭からすっぽ抜けた主神の間の抜けた驚愕の声を聞き、

苦笑いを浮かべるしかなかった唯一無二の眷属だった。

 

「ははは・・・・・明日も早いし、そろそろ寝よう。おやすみ」

 

「「おやすみニャ」」

 

「「「おやすみなさい」」」

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