オラリオで自由気ままに過ごすのはダメだろうか(一時完結)   作:ダーク・シリウス

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冒険譚19

「異世界・・・・・?」

 

一誠から発せられた言葉に全員が首を傾げる思いだった。聞いたことのない言葉、単語であった。

 

「イッセー、異世界とやらはなんなんだ?」

 

「そうだな・・・・・この『迷宮都市』オラリオがある世界と『迷宮都市』オラリオがない世界が二つあると例えよう」

 

両手の平から浮かぶ青い球体状の立体映像。

 

「右は『迷宮都市』オラリオがある地球、左は『迷宮都市』オラリオがない地球。俺はこの左の地球からやってきた」

 

「地球ってなに?」

 

ウィーネから質問され、苦笑いを浮かべて説明した。

 

「あー、これ全体の事を言う。この青くて丸い、今俺達が生きている大陸、世界の全てだ」

 

「これが、私達が生きている世界の全体・・・・・!?」

 

「殆ど海が多い世界だ。大陸も繋がっているところがあれば繋がっていない大陸もある。極東の方は多分そうだったんじゃないか?」

 

極東出身の春姫に一瞥して、話を進める。

 

「何度も言うが、俺は『迷宮都市』オラリオのない世界にやってきた。つまりこっちの世界で俺は生まれたんだ」

 

「はい、質問っ!」

 

「なんだ、リド」

 

「お前の世界ってやつは、モンスターがいるのか?」

 

リド達、理知を備えているモンスター達が興味身心で何度も頭を振った。その質問に一誠は答えた。

 

「ああ、いるぞ。ただし、人間の敵だったり、密かに人間と共存していたりとか色んな場所で生きている」

 

おおーっ!と感嘆の息を漏らすリド達。

 

「んじゃあ、春姫のような狐人(ルナール)とウィル、レリィーのような人魚族(マーメイド)もいるのかい?」

 

「うん、勿論いる。アマゾネスもな」

 

こちらからも、おおーっ!と声が上がった。

 

「ただ、種族は同じだが呼び方が違う種族がある。この世界の狐人(ルナール)は俺達の世界では妖術の妖と狐を合わせて『妖孤』と呼ぶんだ」

 

「妖孤・・・・・ですか」

 

呼び名の違いをオウム返しで発する。どんな姿であろうか、自分と同じ?それとも異なっている姿だろうか。

 

「あの、妖孤という種族の姿は一体どのような?」

 

「春姫と大して変わらないさ。狐の耳に狐の尻尾の出で立ちだ」

 

人魚族(マーメイド)は?」

 

「同じ姿だ。アマゾネスも性格も変わらんぞ」

 

「へぇ、会ってみたいもんだねぇ?」

 

興味深い話しだと耳を傾け続けるアイシャ。

 

「・・・・・ならば、神はいるのか?」

 

フェルズは問うた。神の存在の有無を。当然とばかり、一誠は頷く。

 

「いる神もいれば、いない神もいるが、ああ、存在してるよ。―――ただし、オラリオに永住するような神々とは全然違うがな」

 

「・・・・・どういうことだ?」

 

説明する。

 

「俺の世界にいる神々はそれぞれ自分の世界、この世界で分かり易く言えば天界に存在している。―――人間界に娯楽を求め地上に降臨するような自分の仕事を放り出す神々とは違うんだよフェルズ」

 

「そ、そうなのか・・・・・」

 

何気に威圧が、凄みが一誠から感じるのはどうしてだろうか。触れたら長々と言われそうなのでまたの機会にしようと質問する。

 

「話を纏めると、オラリオに存在するヒューマン、亜人(デミ・ヒューマン)、モンスター、神がいる世界となんら変わりはないようだな。もしや、ドラゴンもいるのかな?」

 

「勿論だ。だが、それだけじゃない。俺の世界には悪魔、天使、堕天使がいる。悪魔を纏める魔王、堕天使を束ねる堕天使の総督って存在もいる」

 

「そんな種族までいるのか・・・・・っ」

 

「ああ、この三つの種族は人間達と共存を果たしている」

 

フェルズは言葉を失った。悪しき存在と聖なる存在が共存など話を聞いただけでも信じられない。だが、一誠から語られる話は全て事実であると言われ、受け止める他ない。

 

「イッセー、そっちの神とこの世界の神、どっちが強い?」

 

「戦ったことがないから分からないけど、個人的に言わせてもらえば俺の世界の神だな。マジ、ハンパねぇ。超越者(デウスデア)だぞ。俺が勝負を挑んでも勝てない神がいるんだからな」

 

「そ、そうなのでございますかっ!?」

 

神の力(アルカナム)を振るえる一誠の世界の神々でもあるようだ。フェルズはウラノスに報告する一つとして記憶した。

 

「ならば、そちらの世界のウラノスはどんな神物なのかわかるかな?」

 

「んー、会ったことがないからなー。俺の世界の知識で良いなら教えられる。ま、それは後でにしてくれ」

 

他に質問はあるかとアイシャやリド達にそれぞれ質問すると手を挙げられ。

 

「お前ってどうして人間達と変わらない姿でモンスターとしていられるんだ?」

 

「あー、それも私も知りたいねぇ」

 

リドとアイシャが同じ気持ちを言葉として一誠に投げた。二つの地球の映像を消して、腕を組み、うーんと悩む。

 

「俺の世界の大半の種族の姿は人型が多いんだ。ドラゴンも人型の姿に変えられることができる。ただしそれは力が強い種族、モンスターじゃないと出来ない」

 

「なるほどな・・・・・。んじゃ、お前は元からドラゴンだったんだな」

 

「いや、元人間だ」

 

―――はっ?と、唖然とするリド。一誠が元人間?とそんな反応をした。

 

「小さい頃、兄に包丁で腹を刺されて瀕死の状態だった俺を、たまたま通りかかった力の強いドラゴンにドラゴンとして生き長らえさせてくれたんだ。所謂転生って奴だ」

 

「人間が、ドラゴンに・・・・・そんなこと、お前の世界じゃ出来るのかよ」

 

「唯一、人間から転生したドラゴンが俺だけだからな。まあ、俺がドラゴンなのはそういう経緯でなれたわけだ」

 

朗らかに微笑む一誠は後悔や苦難などしていない風に笑んだ。

 

「俺の世界はモンスターの存在を認知していて、とある町では異種族と交流できる場所もあった。だからこそ、俺はドラゴンとして人間や異種族と共に生きていけれた」

 

「・・・・・とても、恵まれているんだな。お前の世界は」

 

「別にそうでもないぞ。そんな人とは異なる種族と共存なんて恐ろしいから反対だって過激派だっていたんだ。世界を巻き込む盛大な事件も、それとは全く別に神々が世界の覇権を求めた争いも勃発した」

 

「そうなんだ・・・・・」

 

「全部が全部、うまくいくとは限らない。世の中は甘くないってことさ」

 

肩を竦め、自嘲気味に目の前で自分の話を聞く面々へ語る。

 

「・・・・・イッセー、人間からドラゴンになって後悔してないんだよね?」

 

「寧ろ感謝している。あのまま死んだら、俺は悔しい思いで一杯だっただろうな。それに、俺は元の種族に戻れる方法があるから全く問題ない」

 

「元の種族に戻れるって・・・・・どうやって?」

 

亜空間から一つの杯を取り出して面々に見せつける。

 

「『幽世の聖杯(セフィロト・グラール)』という聖なる杯だ。この杯は生命の理を覆す力、能力がある。これを使って俺は人間だけじゃなく、他の種族にも転生できるんだ。そして死んだ者を甦らす死者蘇生も可能だ」

 

「―――そんなこと、可能なのかっ!?」

 

フェルズが初めて叫び声を上げた。死者蘇生など神しかできないような神秘の力があの杯一つで可能にする。そんな旨い話しがあるのかと、一誠に問い詰めるような形で近づくと、

 

「なんなら、違う種族になってみる経験、してみるか?俺の世界の人間、異種族限定だけど」

 

『―――っ!?』

 

一誠以外の面々の度肝を抜かす発言をされた。

 

「因みに、この世界じゃ試したことないが、悪魔と天使、堕天使、ドラゴンは半永久的な生命力がある。一万年も生き続けることだって可能だ」

 

「そ、そんなにっ・・・・・!?」

 

「俺は嘘は言わない主義だ。まあ、臨むであればいつでもやってもいいがな。俺もドラゴンだからそのぐらい生き続けられる」

 

さて、と一誠はフェルズに問いかけた。

 

「まだ説明できることはあるが、そろそろフェルズ、お前とリド達の説明をしてもらいたいんだが?」

 

「・・・・・そうだな。君の秘密の一端を教えてもらったからには私も教えねばならない。ここへ連れてきた目的も含めて」

 

―――○●○―――

 

「では、私も君達に見せておこう」

 

フェルズは、被っていたフードを手袋(グローブ)で掴み取り、剥ぎ取った。

 

「―――――」

 

一誠、春姫、アイシャ、ウィル、レリィー、アミッド、同時に時を止める。そこあるべき瞳がなかった。真っ黒な空洞、がらんどうな眼窩が空いている。そこにあるべき皮がなかった。生え揃えた歯が、骨格が剥き出しになっている。そこにあるべき顔が、存在しなかった。

 

「「が―――骸骨!?」」

 

「「ひぅっ!?」」

 

「『スパルトイ』!?」

 

「死神ハーデス!?」

 

六人揃って絶叫する。まさしく目の前に存在するのは白骨化した頭蓋骨だった。目も鼻も耳も髪も存在しない。そのおぞましい死の象徴は紛れもなく人ならざる者の証だ。アイシャが『深層』に棲息する骸骨のモンスター『スパルトイ』の名を、一誠が自分の世界に存在する死を司る神の名前を驚き交じりに出すと、眼前の髑髏、フェルズは緩慢な動きで顔を横に振った。

 

「生憎モンスターではない。元人間だ」

 

「も、元人間って・・・・・」

 

「一体、どういう・・・・・!?」

 

一誠と同じ元人間というフェルズに一誠は唖然として頭の中が疑問で支配されている。アイシャは必死に冷静になろうとするものの、顔に浮かぶ動揺は隠せない。頭部は勿論、首の皮や肉、喉そのものが存在しないにもかかわらず、顎骨の奥から生まれる声音は今日すら喚起してきた。動転する一誠達の疑問に、リドが答えた。

 

「フェルズは『賢者』さ。すげー魔術師(メイガス)なんだ」

 

「『賢者』・・・・・?」

 

この世界にやって来てまだ日が浅い一誠は発した言葉と共に疑問を漏らした。

 

「フェルズって凄い魔術師だったのか?」

 

「異世界から来たイッセー、君には知らないことだろう。私は過去、永遠の命を発現させる魔道具(マジックアイテム)『賢者の石』を生成したことがある」

 

「うわ―――それは凄いな」

 

「イッセー、賢者の石って分かるのか?」

 

アイシャに問われ、肯定と頷く。

 

「俺の世界でも魔術師が存在している。だから魔法に関する道具もあるから『賢者の石』なんて伝説の代物も知らない方がおかしいんだよ。常識的な知識の一つだからな」

 

「ほう・・・・・異世界に私のような魔術師がいるのか」

 

「俺の世界ではその石を生成した人物はまだいないんだ。だからフェルズは凄過ぎるでしょ」

 

「―――石を、『賢者の石』を神に報告したら、目の前で叩きつけられ破壊されたどうしようもない魔術師(メイガス)だがな」

 

一誠の気持ちが一気に冷めた。やっぱり、神というのはどうしようもない奴等だなと再認識した。

 

「・・・・・なんて声を掛けたらいいかわかんない」

 

「気にしないでくれ。もう過去の話だ。話を戻すが、リド達のことを説明しよう。そこのウィーネも含めてね」

 

本題に入ろうとするフェルズ。リド達に目玉がない眼窩を向け、語り始める。

 

「理知を備えるモンスター・・・・・リド達と私が接触したのは、十五年、いや十六年ほど前のことか」

 

統治、ウラノスと深い繋がりがあった【ファミリア】の冒険者達が彼等を捕獲した。派閥内には徹底した緘口令が敷かれ、リド達の情報がオラリオに出回ることは防げた。彼の【ファミリア】は消滅し、現在はもう存在しない。そしてウラノスの神意に従い、以降フェルズが使者として彼等と関係を持つようになる。地上側との接触の開始だ。

 

「リド達の話を聞いた我々は彼等を『異端児(ゼノス)』と呼称し、同名の共同体が作られた」

 

「共同体、ですか?」

 

「ああ。ダンジョン内で生まれた『異端児(ゼノス)』を保護する、彼等の言う同胞達による組織だ」

 

アミッドにフェルズが返答し、リドが言葉を引き継ぐ。

 

「こういう未開拓領域(ばしょ)に居座っては移動してるんだ。新しい同胞がいないか探しながらよ」

 

活動の中心は大体下層域が中心だとそこまで述べると、何かを考えていた一誠が疑問を挟む。

 

「この広まってモンスターは産まれないのか?」

 

「お、気付いていたのか、イッセー」

 

リドは濃緑の石英(クオーツ)が生える広間を見渡した。

 

「こんな場所・・・・・イッセー達が安全階層(セーフティポイント)って呼んでるところが、他にもいくつかあるんだ」

 

「マジでっ!?」

 

「冒険者達にも勿論見つかってねえ。オレっち達は『隠れ里』って呼んでる」

 

喫驚する一誠やアイシャ達を他所に、リドは説明続けた。自分達しか知り得ない『未開拓領域』―――『異端児(ゼノス)の隠れ里』を駆使し、拠点とすることで、中層域から深層域まで移動して、同胞探しを行っていると。まさに、モンスター達による共同体、『旅団』だ。

 

「今いる『異端児(ゼノス)』が四十体ほど・・・・・増減を繰り返しているが、その中でもリドやレイ、グロスは『異端児(ゼノス)』の最初期からの構成員だ」

 

「レイとグロス?」

 

後に歌人鳥(セイレーン)石竜(ガーゴイル)のことだと説明された。

 

「『異端児(ゼノス)』の集団・・・・・フェルズとウラノスはリド達を知っているけどギルド全体は知らないんだな?」

 

「そうだ。知られたら間違いなく非難の嵐が殺到するだろう。オラリオを創設したウラノスといえどもな」

 

「それでも、今の立場を覆す危険を承知の上で今まで接触、協力してきたんだよな?そこまでしてお前とウラノスは何を考えて、リド達は何を望み、求めている?」

 

いや・・・・・一誠はあることを思い出した。モンスターとの共存はできなくないと自分が言った言葉とフェルズとウラノスりの会話のやり取りを。あの一件で一誠達はここまで案内され、リド達と会合の機会を与えた。

 

「・・・・・まさか、人と『異端児(ゼノス)』との共存か?お前らは望んでいるのか?」

 

『・・・・・』

 

沈黙は是なり。一誠の予測は的を得ていたのだった。アイシャ達は信じられないと目を丸くする他所にフェルズは訊いてきた。

 

「そうだ、と言えば君はどう思う?」

 

「・・・・・ここまで来させられた理由は納得できる」

 

「もしかして、俺は期待されているのか?」と思い上がりもいいところな発言をフェルズに向けたら、

 

「―――ああ」

 

ハッキリと頷いたフェルズ。

 

「イッセー、君の話を聞いて確信した。オラリオに存在する住人達とは根本的に違うと。異世界から、異種族と共存していた君だからこそ、難しいが出来ると言う言葉が出てきたんだろう。だからこそ、ウィーネを抵抗も無しに触れることができたんだろう」

 

白骨化した手を被せているであろう手袋(グローブ)を外し、本当に白い骨の手を窺わせたフェルスが一誠に握手を求めた。

 

「私達と協力して欲しい。君の力が必要だ。彼等の夢―――地上進出を叶えるために」

 

「・・・・・」

 

その手を無言で見つめ、頭の中で今後の事を考えた上で・・・・・あっさりとフェルズの手を掴み、握手に応じた。

 

「了解了解。未到達階層を突破するより、やり甲斐と楽しそうだ。【ファミリア】としては考えさせてもらうけど、個人的には喜んで協力しよう」

 

満面の笑みを浮かべる一誠。

 

「―――ああ、よろしく頼む」

 

顔の表情が分からないが、きっと嬉しく笑んでいるだろうフェルズ。

 

 

次の瞬間―――わっっ!!と。

 

 

リド達が、歓声を上げ始めた。新たな協力者、新たな同胞が増えた瞬間を喜ぶように沸きだった。アイシャ達は苦笑いを浮かべ出す。

 

「私達の団長は自由すぎるね」

 

「そ、そうですね・・・・・」

 

「良いんじゃない?私とウィルもモンスターなんだから」

 

「私達を受け入れてくれるイッセーだからこそ、素敵なのよ」

 

「イッセー自身も、モンスターであろうがなかろうが、きっと関係なくですね」

 

―――アルミラージ、ゲットォーッ!―――キュゥーッ!?

 

早速一誠はモンスター達を戯れ始める。抱き合ったり、握手し合ったり、笑い掛けたりと親交を深める一誠の行動力は感嘆の一言である。

 

「・・・・・君達は良き団長と巡り合えたな」

 

「かなり、変人だけどねぇ?」

 

もう苦笑いしか浮かべれない。モンスターと好んで触れ合うのはきっと一誠ぐらいだろう。異世界から来た一誠だからオラリオの住人達とは根本的に概念や考え方も違う。

 

「しかし、ギルドが裏でこんなことしていたとは知らなかったよ」

 

「神の考えは我々下界の子供では計りしれないものなのだよ」

 

「違いない」

 

フェルズの言葉に同意と小さく笑むアイシャ。次第に春姫とウィル、レリィー、アミッドにまでリド達が押し寄せて触れ合いを求め始めたのだった―――。

 

 

 

 

竜女(ヴィーヴィル)がいた?」

 

「ああ!俺も人伝で聞いた話だが、あの竜女(ヴィーヴィル)を横取りしたあの赤い髪の冒険者がまだ19階層にいるはずだってよ!探して竜女(ヴィーヴィル)を奪い取ってくれたら報酬を山分けするからって頼まれたんで―――俺は忙しいから、じゃあなっ!」

 

一誠達が街からいなくなってしばらくした頃、片足一本骨が折れた男女四人の冒険者達が『リヴィラの街』に現れてまた一騒動を起こした。『19階層で希少種(レアモンスター)の発見!』と、金にがめつい、金に貪欲な、金儲けの為ならばと不良冒険者(ごろつき)達は街の復興と希少種(レアモンスター)の捜索の二手に分かれて行動し始めていた。また何の騒ぎかと一度地上に戻ろうとしたフィン達が思って聞きこんだら、

 

「・・・・・イッセーの仕業に違いない」

 

「イッセーだねっ」

 

「イッセーしかいないわよ」

 

「うん、イッセーだよ」

 

一誠と接しているアイズ達女性陣が揃って事の原因である冒険者を看破した。

 

竜女(ヴィーヴィル)か・・・・・彼が横取りするほどなにかあるのかな?」

 

「アイツの頭の中を覗けて分かるなら苦労はしない」

 

「イッセーは色々と凄いから・・・・・」

 

「そうだねっ!」

 

「で、どうするんです団長?」

 

冒険者から横取りしたと言う一誠を探し出すのかとティオナの問いに応えるフィンは、

 

「いや、探し出して見つけるのはほぼ不可能だ。イッセーは自由にダンジョンや地上へ移動できる魔法を行使できる。我々が探しに向かったところで、既にダンジョンにいない可能性が高い」

 

リヴェリアがフィンの言葉を遮るように否定した。アイズとティオナも「そうかもしれない」と風に顔を見合わせ頷いた。

 

「ンー、彼の魔法。聞くと便利だね。次の遠征では一気に『深層』まで一緒に連れていってくれないかな?」

 

「私から頼んでおこう。だがフィン」

 

竜女(ヴィーヴィル)を探すのか?」と王族(ハイエルフ)の問いかけに勇者(ブレイバー)の二つ名をもつ小人族(パルゥム)は首を横に振った。

 

「・・・・・リヴェリアの言うことも一理あるだろうし、僕達はこのまま地上に戻るとしよう。酒場で彼を見掛けたらその時話を聞けばいい」

 

より効率的に見つけだす方法を指摘した。

 

 

 

 

「さて、フェルズの目的は果たされたと思ってもいいんだな?」

 

「ああ、その通りだ。今日はありがとう。実に興味深い話も聞けれた」

 

「ふふっ、俺も少しだけ懐かしい話しができた。だが、異世界の文化を知ればますます興味が湧くと思うぞ?」

 

広間で宴を繰り広げている。今では人魚族(マーメイド)歌人鳥(セイレーン)の歌対決が行われ、盛り上がっている。

 

「また今度、ウラノスの前でその話を聞かせて欲しい」

 

「その機会があればな」

 

綺麗な歌声と心地の良い声音が広間中に聞こえる他所、一誠とフェルズは会話を続ける。

 

「他にも協力者がいるのか?」

 

「ウラノスの依頼を請け負うヘルメスと、後はガネーシャだけだ」

 

「ヘルメス!?しかもガネーシャまでもか・・・・・」

 

「そして君達【アテネ・ファミリア】が加わってくれた。協力者が多いほど頼れる事が増える」

 

思いもしなかった二柱の名前が出た。しかし、どこか納得できる部分があるのは否定できない。

 

「イッセー、頼みがある」

 

「早速か。なんだ?」

 

「遊園地とやらをリド達のために有効活用はできないか?」

 

「―――あん時、視られていたのかっ」

 

極一部の者しか知られていない事をフェルズの口から出たことで確信した。この覗き魔め、視線に込めて

 

「ああ、観ていたよ。随分と面白そうな建造物であった。アレも異世界に存在するものなのかな?」

 

「そうだな。異世界にも色んな遊園地がある。しかし、リド達のために有効活用か・・・・・。今のオラリオじゃ、アレを具現化するほどの敷地はないだろう」

 

「オラリオの外ならば?」と問われてしまい、「直ぐにできるな」と肯定する。

 

「だが、運営するにも色々と必要なのは分かっているはずだ」

 

「あの大規模な建造物に働かす動員のことならば、【ガネーシャ・ファミリア】の団員達に協力してもらえば解決するのでは?」

 

「ん?そんなことできるのか?」

 

「ウラノスの協力派閥として願えば不可能ではない」

 

顎に手をやってあの遊園地の有効活用を考え始める一誠。群衆の主ガネーシャと呼ばれている一柱、直接遊園地の面白さを体験したヘルメスが商談の話を持ちかけてきたほど。民の信用と信頼をどの神々よりもあるガネーシャを中心に【ヘルメス・ファミリア】とサポート、フォローすればあるいは・・・・・と。

 

怪物祭(モンスターフィリア)ならぬ怪物遊園地(モンスターアトラクション)って感じか」

 

「できるか?」

 

「二柱の神と直接協力態勢の契りを交わし、会談をしてそれから相談し合う必要がある。しかし、オラリオの外よりオラリオの中でやったほうが色々と効率が良いと思うんだよな」

 

「あの規模の施設同等の敷地が必要とするならば外でやる他はない」

 

運営をするならば中が好ましいが、遊園地を設ける敷地、土地がないオラリオではできないの現実で頭を悩ます一誠。

 

「既に使われている広い場所ってある?」

 

「【ファミリア】であれば【ガネーシャ・ファミリア】かもしれないな」

 

「・・・・・ダメもとで頼みこんでみるか」

 

―――【ガネーシャ・ファミリア】を丸ごと遊園地にしようと。

 

「さて・・・・・そろそろ地上に戻るとしようか。お前ら、帰るぞー」

 

やることが増えたとばかり『未開拓領域』を後にしようとする一誠が立ち上がって声をかければアイシャ達が徐に立ち上がる。

 

「帰っちまうか?」

 

「ああ、お前らの為にやることができたからな」

 

「そっか。ありがとうよ」

 

手を差し伸べてくるリドに応じる一誠。握手を交わし、

 

「なんなら、一緒に地上へ行ってみるか?俺達のホームの敷地内でよければ」

 

「はっ?」

 

「広大で大きな森だらけだから少しぐらい地上にいたって姿を隠せばバレやしないって」

 

思いもしなかった朗らかに誘う一誠を中心に巨大な魔方陣が展開した。戸惑い、狼狽するリド達を見据えながら一誠達は魔方陣の増す光に包まれては弾け―――『隠れ里』からいなくなった。

 

一誠達が次に姿を現したのは盛り豊かな森に囲まれた【アテネ・ファミリア】の本拠(ホーム)。突然の地上進出にリド達は愕然とし、固まった。

 

「・・・・・ダンジョンの中にいたはずなのだが、どうやって地上から出た?」

 

「異世界の魔法だフェルズ。転移式魔方陣と言って、遠い場所まであっという間に転移できる魔法だ」

 

「・・・・・くくくっ。魔法大国にいる魔術師(メイガス)達が知れば、仰天する超越魔法(レアマジック)だな」

 

 

青空の下、黄金の大鐘楼(グランドベル)の前で立ち尽くす面々。リド達『異端児(ゼノス)』の眼は透き通った青い空と白い雲を凝視していた。

 

「ここが・・・・・地上・・・・・」

 

「美しい・・・・・そして、温かイ」

 

「・・・・・風が」

 

一匹、一体が全身で味わう無限の暗闇、無限の迷宮では感じられない太陽光の温かさと風の心地よさ、見渡す限りの大地の草原をその目で、その耳で噛みしめるように記憶に焼き付けていく。体で覚えていく。

 

『――――――っ』

 

次の瞬間。『異端児(ゼノス)』達の歓喜の咆哮が空に向かって響き渡った。闇の世界から光の世界へ進出した怪物達の喜びがヒシヒシと一誠達は伝わってくる。有翼の歌人鳥(セイレーン)や、石竜(ガーゴイル)半人半鳥(ハーピィ)といったモンスター達は青空に向かって翼を羽ばたかせ、空を飛び始める。太陽の温もりを飛びながら全身で浴び、無翼のリド達は絶えず歓喜の咆哮を上げ―――。

 

「涙・・・・・」

 

怪物の頬を汚す水滴が瞳から零れ落ちている。

 

「喜んでいるんだ。リド達は」

 

フェルズが骸骨を晒したまま青空を見上げる。

 

「暗く冷たい空間の中で地上に対する『強烈な憧憬』を胸に秘め抱き、想い描いていた夢が叶えられた」

 

「・・・・・やっぱ、そうだよなぁー」

 

金色の杖を発現し、石突きを石畳の床を付けば金色の魔方陣が発現し―――。【アテネ・ファミリア】の敷地と隔てる一〇〇Mの巨大な石壁が取り囲むように出現したのだった。

 

「後は結界でも張っておけば不法侵入されずに済むな」

 

「・・・・・その杖は一体何だ?」

 

「万物を創造する力を司る杖と言っておくよ」

 

黄金の大鐘楼(グランドベル)に近づく一誠。金を鳴らす為の金色の鎖を掴んでは思いっきり引っ張った。

 

―――ゴオオオォォォォォンッ―――ゴオオオォォォォォォォンッ――――

 

美しい鐘楼の音色がオラリオに響き渡る。リド達が聞いたこともない音。耳を澄ませば、美しい音色が耳朶を刺激し、静かに耳を傾けてしまう。

 

「おーい、リド達。下に、地上に行くからついてこい」

 

と、鳴らせ終えれば地上へ案内すると一誠の声に物凄く反応したリド達は深い笑みを浮かべた。

 

 

そしてその日の夜―――。

 

「なに、この状況・・・・・」

 

壁に隔てられたホームを一誠の手で飛び越えて、案内されると。騒々しく、和気藹々と酒や料理を飲み食いするモンスター達とアイシャ達の姿が森の中で発見できた。

 

「イッセー、私がいない間に何が起きていたのよ」

 

「モンスター達と友達に成った、かな?」

 

「と、友達っ?」

 

「ああ、あいつらをこの森の中で暮らさせることにしたから」

 

「はいっ!?本当に、ダンジョンで何が起きていたと言うのっ!?」

 

仰天するアテネだったが・・・・・この後、顔を赤らめて渋々と了承したのは別の話であった。

 

 

 

「―――ウラノス、報告は以上だ」

 

「・・・・・異世界からやってきたドラゴン。私達と同じ名を持つ神々がいる別世界の住人・・・・・」

 

「実に興味深い話しだとは思わないか?ウラノスの名を持つ神も存在しているんだ。私は会ってみたいよ可能ならば」

 

「・・・・・リド達は喜んでくれただろうか」

 

「ああ、ホームの敷地内なら共有してもいいと彼が言ってくれた。今頃リド達は宴でもしていると思うよ。地上の光を浴び、夕焼けを見れたから」

 

「そうか・・・・・アテネの子供との密談は間違ってなかったか」

 

「期待、できそうかな?」

 

「・・・・・ああ」

 

 

 

暗闇に、鎖のなる音が響いている。激しく打ち鳴らされる金属の音と絡まって空間を震わせるのは怒りに燃える咆哮であり、あるいは悲愴の交ざった鳴き声だった。おどろおどろしい阿鼻叫喚の吠声が、暗闇に放たれている。

 

竜女(ヴィーヴィル)を逃がしたぁ?」

 

周囲の喧騒を意に介さず、億劫そうに口を開く人物がいた。黒髪のヒューマンで、男だ。煙水晶(スモーキークォーツ)が用いられた眼装(ゴーグル)を装着しており、黒がかかった色鏡(レンズ)の奥で赤い瞳がうっすらと透けて見える。身の丈は高く、薄汚れた戦闘衣(バトル・クロス)から覗く胸板や首はよく引き締まっていた。腰に佩いているのは短剣に相当する大型のバトルナイフ。空っぽの黒檻に腰かけ、足をだらしなく崩しており、口調や声音は粗暴という印象を聞く者に与える。

 

「19階層で見つけたんだが、先に他の冒険者に捕獲されちまって・・・・・す、すまねえ、ディックス」

 

「なんつーもったいねえことを。生け捕りにしてエルリアの貴族(へんたい)どもに売り払えばとんでもねえ大金が手に入ったろうに」

 

男女四名の冒険者達が項垂れる中、ディックスと呼ばれた眼装(ゴーグル)の男は頭上を仰いだ。石材の天井は闇で塞がれており、圧迫感があった。周囲には大量の黒檻が置かれており、紐で結わえられた僅かな魔石灯が、歩き回る何人もの亜人(ヒューマン)の顔を照らしている。そして彼等に向けて放たれる鎖の音と雄叫びは、全て檻の中から生まれていた。眼装(ゴーグル)の男は冒険者達の足元に唾を吐きかけ、立ち上がる。

 

「化け物どもの『巣』も見つからねえ・・・・・『大樹の迷宮』にあるのは間違いねえ筈なのになぁ」

 

立てかけてあった赤い槍を持ち、所狭しと並ぶ檻の一つに歩み寄った。槍の穂先は捻じれ曲がり歪な形状をしていた。効率的な刺殺を度外視し、あたかも激しい苦痛を与えることを目的としているかのように。

 

「どいつもこいつも口を割りやしねえ・・・・・ったく、よぉー」

 

赤い槍が、檻の隙間を縫って、黒檻の中で蠢く影に勢いよく突き込まれる。何かを訴えるかのごとく漏れ出していた弱々しい鳴き声が、たちまち耳をつんざくかのような甲高い絶叫へと変わった。鎖が頻りに鳴って紅血が飛び散る音が続く。檻の中の影が身を振って悶え苦しむのを前に、男は表情一つ変えず槍を引き抜いた。

 

「しかし、竜女(ヴィーヴィル)かぁ・・・・・久々の上玉だ、手に入れてえなぁ」

 

槍の柄で己の肩を叩きながら、眼装(ゴーグル)の下で目を細める

 

「19階層、っつったか?そん時の状況を詳しく教えろ」

 

「あ、ああ・・・・・俺達が竜女(ヴィーヴィル)を見つけた時は、他にも化け物がうろついていねぇか探していたんだ」

 

血塗れの槍を携える男に尋ねられ、冒険者の一人がうろたえながら話し始める。

 

「モンスターが喋ったって騒ぐエルフがいたが、でもそれだけだ。誰も信じちゃいなかった。だけど、他の冒険者がカーゴの傍にいて『先に竜女(ヴィーヴィル)を捕獲させてもらった』って言いやがったんだ」

 

「他の冒険者?」

 

眼装(ゴーグル)の男が怪訝な面持で尋ね、耳にした。

 

「赤髪に右目に眼帯を付けた冒険者だ。他にも人魚族(マーメイド)を二匹連れていたんだ」

 

どんな冒険者なのかピンと来なかった眼装(ゴーグル)の男は一人の冒険者に耳を傾ける。

 

人魚族(マーメイド)も纏めて奪おうとしたら、俺達全員の脚の骨を折って竜女(ヴィーヴィル)を横取りにしやがったんだ」

 

「あー、うん・・・・・お前ら、普通にマヌケだな」

 

だから数日も帰ってこなかったのかとも悟る。

 

「一部の連中が騒いでんのに、誰もし止めたと名乗り上げねね・・・・・お前らから奪われているんなら、案外匿っているんじゃないか?」

 

唇を吊り上げる男の発言に、冒険者達は驚き、「まさか」と声に出して笑う。

 

「その竜女(ヴィーヴィル)も、どうしようもねえほど綺麗な顔してんだろ?アホな冒険者がイカれちまってもおかしくはねえ」

 

『怪物趣味』なんて性癖(もの)もあるしな、とせせら笑う。少なくとも同業者が『喋る竜女(ヴィーヴィル)』をし止めたなら、おかしなモンスターがいたと話題にはなってもいい筈だと、男は自分の考えを述べた。

 

「その冒険者の【ファミリア】の本拠(ホーム)の場所を調べて来い。もしかしたら竜女(ヴィーヴィル)が生きている可能性もある。生きてたなら横からかっぱらればいい」

 

その指示に、冒険者達は慌てて頷き動き出した。駈け出していく彼等を尻目に、眼装(ゴーグル)の男は後方を振り返る。

 

「ってことで・・・・・イケロス様、今回もお力を貸して頂けませんかねぇ」

 

「―――ひひっ、それが主神にものを頼む態度かよ、生意気な糞ガキめ」

 

男の視線の先にいたのは、一柱の男神だった。紺色の髪に同色の瞳、褐色の肌、黒を基調とした衣装。神であることを証明する端麗な相貌には、軽薄な笑みが刻まれている。それまで何も発さず、面白そうに男達の同行を見守っていた青年の神は、座っている石台の上で胡坐を掻いた。

 

「神には子供(おれ)達の嘘がお見通しだ。怪しい奴が見つかったら、探りを入れて来てほしいんですが」

 

「面倒くせえなぁ~。俺は神だぞ、こき使う気かぁ?」

 

神―――イケロスのニヤニヤとした眼差しに、眼装(ゴーグル)の男ディックスも喉を鳴らしながら笑う。

 

「退屈せずには済むんじゃないですかねぇ」

 

「・・・・・仕方ねぇなぁ~」

 

眷族のその言葉に、イケロスは『娯楽』に飢えた神特有の笑みを浮かべた。

 

「今度も俺を笑わせろぉ、ディックス?」

 

「神の仰せのままに」

 

魔石灯の光によって、二人の黒い影が伸びる。石材の香りが漂う広大な空間に、以前として獣のごとき吠声が途切れない中、人と神は鏡合わせのように薄い笑みを交わし合った。

 

 

―――○●○―――

 

「・・・・・なに、これ」

 

「うわー、大きな壁ー」

 

「何時の間にこんなのできたっていうの?」

 

「・・・・・もう驚くのが疲れて来たぞ」

 

「あ、はははは・・・・・」

 

翌日、アイズ達が一誠に訪れようとすれば隔離、隔てするような一〇〇Mの巨大な壁が聳え立っていた。どこに移動しても隙間がなく中へ入れそうにない。

 

「急にこんなの立ててどうしたんだろう?」

 

「もしかして竜女(ヴィーヴィル)をホームの中に連れて来ているのでは・・・・・?」

 

「馬鹿な、いくらあいつでもモンスターをホームの中に招くとは・・・・・」

 

「・・・・・否定できる?」

 

ありもしない事実に否定したいが、今までの一誠の言動を思い返せば・・・・・強く否定できない自分がいる。

見上げれば上級冒険者の脚力でも飛び越えそうにない壁にどう越えようかとリヴェリアは考える。

 

「魔法で破壊すれば直ぐに行けれそうだが」

 

「そんなことしたら怒られるわよ」

 

「でも、扉なんてないしーアイズ、どうする?」

 

「・・・・・ティオナ、私を飛ばして」

 

「へ?」

 

突然、十Mぐらい壁から離れだしたアイズが物凄い勢いで駆けてきた。何をしたいのかさっぱり理解できないが、本能的に体を動かして迫ってくるアイズが軽くティオナに向かって跳んでくるタイミングと合し、両手で足場を作り、

 

「アイズ、飛ばすよー!」

 

「うん」

 

アイズの両足がティオナの両手という足場に踏み入れた瞬間、ティオナが力強くアイズを真上に放り投げ放った。Lv.5の力は伊達でなく、アイズを軽々と一〇〇Mの壁を飛び越えさせた。

 

「イッセーをよろしくねー!」

 

下から聞こえるティオナに短く首を振って壁の向こう、豊かな森の中へと侵入を果たすことに成功した。

着地成功。リヴェリア達を待たすのはよくないと湖の場所まで駆ける。以前来た時とは全く変わらない景色と風景を目にしながら前へ進むアイズの足は留まることを知らないで駆け続ける。一誠に会う理由は昨日の一件の事であるから。

 

そして―――数多の大木を抜き続けてきたアイズは目的地に辿り着いた。が、一変していた。

 

 

『グゥゥゴゴゴゴゴゴンッ』

 

『クゥークゥー』

 

『・・・・・フガッ』

 

 

湖の傍で『上層』『中層』『下層』『深層』のモンスター達が寝そべっていびきを掻いて完全に爆睡していた。宴をしていたのか、食べ物や酒が入っていただろう器、樽、木樽のジョッキが散乱していた。

 

「・・・・・なに、これ」

 

疑問と不思議が溢れている光景。アイズは金目を大きく開いて倒すべきモンスターが目の前にいるのに狩ることすら頭から抜けていた。ただ呆然と立ち尽くす。

 

「・・・・・」

 

爆睡するモンスター達の中にアイズが求めていた人物もいた。黒いローブを身に包んでいる謎の人物と【アテネ・ファミリア】に囲まれていながら静かに寝息を立てている。

 

―――――なに、この状況。

 

心の中の幼いアイズも両手を頭に置いてぐるぐると回り始めて混乱していた。

 

しかし、この奇妙な、冒険者として驚愕過ぎる光景を何時までも眺めているわけにはいかない。意を決して寝ているモンスター達を避けながら一誠に近づけば、華奢な腕を伸ばし

 

「あの・・・・・」

 

肩を揺らし起こし始めるアイズ。その微細な揺れはローブに身を包んでいるの者にまで伝わり、

 

「・・・・・?」

 

ゆっくりと上半身を起こした際、黒いフードが頭から零れ落ち、

 

「っ!?」

 

琥珀の瞳を開け、驚くアイズの金目と絡み合った。目が覚めたモンスターから、一度距離を置くアイズ。

 

「モンスター・・・・・『ヴィーヴィル』?」

 

頭からフードが外れた者の顔の全貌が明らかになった青白い肌に、少女のような整った相貌に琥珀の双眸、第三の目を彷彿させる額の紅の宝石を見て、かろうじて竜種『ヴィーヴィル』であることを察する。

 

『ヴィーヴィル』。

 

あの一角獣(ユニコーン)と並んで、ダンジョンの中でも群を抜いて絶対数が少ない最上位の稀少種(レアモンスター)だ。中層域19階層から24階層に出現し、発生する『ドロップアイテム』は鱗だろうと爪だろうと破格の額で取引されると聞く。中でも額の紅石『ヴィーヴィルの涙』は巨万の富が約束されているほどの価値があり、『幸福の石』とまで呼ばれている。しかし額から宝石を奪われると『ヴィーヴィル』は凶暴化し―――本体を倒すと紅石は必ず砕け散ってしまう―――これまで多くの冒険者が惨殺されたという記録が残っている。最強のモンスターである(ドラゴン)の種族だけあって、その戦闘力は非常に高い。

 

―――本来ならば、

 

竜女(ヴィーヴィル)半人半蛇(ラミア)のように人型の上半身と蛇に酷似した下半身を持つ、女体竜尾のモンスターの筈。アイズの金目に映る人型のモンスターは、足が竜の胴体の代わりに生えた細い二本の脚がある。人型の竜女(ヴィーヴィル)であることにアイズは理解し、察した、悟ったのだった。

 

「・・・・・、・・・・・!」

 

見知らぬ人間の雌が目の前にいた。腰にある剣を見て身体を震わし、寝ている一誠を揺さぶった。

 

「―――イッセー、起きてっ」

 

「―――っ!?」

 

モンスターが、喋った・・・・・!?一誠とは違う、正真正銘ダンジョンのモンスターが人語を口にした事実に耳を疑い、目を疑い、アイズは全てを信じられずに金目を竜女(ヴィーヴィル)へ凝視していると、眠っていたモンスター達が起き上がり、アイズを見やるや威嚇の唸り声を上げ始め、敵意や殺意を剥き出しになった。

 

ま、まずいかも・・・・・・。

 

一誠か関わりあるモンスター達であることは察しがつく。見ず知らずの冒険者は敵であることを認知されるのも仕方がない。話が通じるのか?いや、そもそも意志疎通ができるのかも怪しい。緊迫に包まれる雰囲気の中、うっすらと冷や汗を流したその時、

 

「イッセー、イッセーッ・・・・・」

 

「ん・・・・・?なんだ・・・・・?」

 

唯一、この有り得ない状況の中でまともに話が通じる者が起き上がってくれたことに安堵で息を漏らした。眠気から覚めまだおぼろげな目がアイズを捉えると、「ああ」と漏れた。

 

「アイズか、おはよう」

 

「おは、よう・・・・・」

 

「―――いや、待て。どうやってあの壁を乗り越えたっ?」

 

急に覚醒し、アイズに問いかけた一誠。一誠の知り合いなのかとモンスター達は敵意と殺意を霧散し、警戒するだけで静観の姿勢になった。

 

「ティオナに飛ばしてくれた」

 

「・・・・・そういうことか。よく飛び越えて来たな」

 

呆れを通り越して感嘆を漏らす一誠にアイズは金目を周囲のモンスター達に見渡した。

 

「このモンスター達は・・・・・?」

 

「んー、【アテネ・ファミリア】の仲間と言ってくれたら納得できる?」

 

無理があると首を横に振るアイズだった。

 

「ダンジョンからモンスターを連れてきたの?」

 

「そうなるな。それにこいつらは訳ありで俺達のホームに住ませることにしている」

 

「・・・・・大丈夫、なの?」

 

「問題ない。こいつらは心があるからな」

 

心・・・・・?モンスターに、心がある?

 

「信じられないって顔だな。まあ、俺も最初はそうだったが・・・・・話せば案外、面白いぞ?」

 

一誠は蜥蜴人(リザードマン)に顔を向け声を掛けた。

 

「リド、こいつは俺と接している人間だ。驚かられるだろうが、お前達を攻撃する奴じゃない」

 

モンスターに名前を付けているなんて本当に一誠は変わっていると、思った矢先。

 

「本当か?」

 

―――蜥蜴人(リザードマン)が喋ったっ!?金目を白黒させ、近づいてくるモンスターが握手を求めているかのように異形の手で差し伸べられてきた。

 

「・・・・・え?」

 

「してやれ、ある意味俺と同じモンスターだぞ?」

 

そう言われても目の前のモンスターはダンジョンから産まれたモンスターであることは変わりない。しかし、なぜだろうか?ドラゴンの一誠と接してきたせいなのか、驚愕の方が大きく、畏怖の念とか気味が悪いとかそんな符の感情、気持ちが湧いてこない。蜥蜴人(リザードマン)を一誠だと思っていれば・・・・・。

 

「・・・・・よ、よろしく、お願いします?」

 

恐る恐ると緊張の面持ちで、アイズは蜥蜴人(リザードマン)のリドと握手を交わした。

 

「―――ああ、よろしくな!」

 

雄黄の両眼を細め、リドは牙を剥いて、確かに破顔する。次の瞬間―――モンスター達は昨日の今日で新たな人間との接触ができたことに歓声を上げた。

 

 

 

「―――あっ、壁が開いたっ!」

 

「あの人と接触できたようですね」

 

「なら入りましょう?」

 

「そうだな」

 

両開きに、鈍い轟音とともに人一人分開いた壁を潜り、リヴェリア達はアイズがいるであろう【アテネ・ファミリア】のホームへ進入できる湖へと進む。

 

「今日はどうする?」

 

「あたしは久々に深層に行きたいなー」

 

「ま、また落ちて行くのですか・・・・・?」

 

「諦めなさい。あの方が早いって言うのも事実だし」

 

一誠と一緒に『深層』へ進出する話題は湖に辿り着き―――数多くのモンスターに囲まれている固まっているアイズを見るまでは続いた。

 

「・・・・・なに、あれ・・・・・」

 

「アイズさんが、モンスターに囲まれている・・・・・っ!?」

 

「ていうか、モンスターが人を襲わないってのが信じられないんだけど」

 

「・・・・・イッセーに驚かされてきた中で、一番と二番を争うほどの驚きの光景だ」

 

リヴェリア達は茫然、唖然とモンスター達の様子を見守っていると、アイズと目が合った。

 

 

―――助けて。―――襲われているようには見えないのだが?―――どうすればいいのか、分からない。

 

 

数瞬のアイコンタクトを交わすアイズとリヴェリア。

 

「あ、リヴェリア達」

 

モンスター達の影から一誠が現れた。手招きされ、警戒しながら近づく。

 

「イ、イッセー!このダンジョンのモンスター達は何ッ!?」

 

「理知を備えているモンスター達でございます」

 

「・・・・・理知、知性と理性を有しているモンスターだと、お前はそう言うのか?」

 

「勿論だ。砕いてみればある意味俺みたいなダンジョンのモンスターだ」

 

ある意味一誠と同じモンスター・・・・・。確かに、一誠は心ある人型のモンスターであるが、それは姿形が人間そのまんまであるからこそ警戒も緊張も抱かず、自然と同じ人間として接することができる。だが、ダンジョンのモンスターは一誠とは全く別だ。異なっている。

 

「・・・・・人語を扱えるのか?」

 

「一部のモンスターはな。リド、こいつらはアイズの仲間だ」

 

「そうなのかっ!」

 

「「「蜥蜴人(リザードマン)が喋ったぁっー!?」」」

 

弾んだ声を発する蜥蜴人(リザードマン)にティオナとティオネ、レフィーヤが悲鳴交じりに絶叫した。

 

「イッセー・・・・・お前が何かした訳ではないのだな?」

 

「今回ばかり俺は驚かされた方だよリヴェリア」

 

苦笑いを浮かべ、驚かされたと言う一誠を何とも言い難い気持ちで「そうか」と言葉を返すと、モンスター達が手を差しだしてきた。

 

「アイズの仲間だったら握手してくれってさ」

 

一誠の代弁でモンスター達はその通りだと頷いた。絶句するティオナ達。

 

「あ、握手って・・・・・」

 

「本気で、私達とですか・・・・・?」

 

「し、信じられないよ・・・・・」

 

「アイズは、したのか?」

 

「・・・・・うん」とそれから、今のリヴェリア達と同じように、と付け加えた金髪金目の少女。握手を求めてくるモンスター達。レフィーヤの足元に一角兎(アルミラージ)が小さな手を差し伸べてくる。他のモンスター達より断然可愛らしく、恐ろしくないモンスターだ。円らな赤い瞳を向けられたレフィーヤはゴクリと息を呑み、その場で跪き、恐る恐ると柔らかい白い毛に包まれた小さな手を触れた。

 

「よ、よろしくお願いします・・・・・」

 

引き攣った、ぎこちない笑顔で握手を交わしたら、長い耳を揺らしていた一角兎(アルミラージ)は『キュー!』と鳴いて飛び付いてきた。

 

「わっ、ちょ、くすぐったいですっ・・・・・」

 

レフィーヤと山吹色の髪のエルフの頬を舐める一角兎(アルミラージ)の光景を見てヒートアップする。

 

「地上のお方、挨拶させてください!」『ウゥ・・・・・』「ワタシモ!」

 

喋れる者、喋れない者、発音がたどたどしい者、多くのモンスターがリヴェリア達の前へ集まってくる。

 

「ミス。握手をお願いします」

 

「み、ミス・・・・・?」

 

「アナタと、握手できて、トテモ嬉しいです」

 

「う、うん・・・・・」

 

「ワタシ、ラウラ、ヨロシクネ」

 

「よ、よろしくお願いします・・・・・」

 

『・・・・・』

 

「・・・・・」

 

ミスと呼ぶ赤帽子(レッドキャップ)小怪物(ゴブリン)を始め、無言で巨手を差しだしてくる大型級の獣蛮族(フォモール)まで代わる代わる握手を求めてきた。歌人鳥(セイレーン)半人半鳥(ハーピィ)、一誠に促され渋々と言った表情で一角獣(ユニコーン)石竜(ガーゴイル)人蜘蛛(アラクネ)も握手を交わしていく姿を見てリドは一誠と話し合っていた。

 

「イッセーの知り合いは俺達の事を拒んでくれない人間が多いな!」

 

「逆に言えば、俺の知り合いでも俺と接していない地上の人間はお前らの事を拒むからな」

 

「ああ、分かってるって。それでも拒んでくれない地上の人間が増えて嬉しいんだよオレっち達は」

 

ニカッと牙を剥いて笑ったような表情を浮かべるリド。湖を照らす太陽光がリド達にも降り注ぐ。

 

「またダンジョンに行くんだろう?自由に行き来できるようにしておくからな」

 

「ああ、ありがとうな」

 

龍化した手でリドとハイタッチする一誠。それからほどなくして、「アイズ達は何をしに来たんだ?」と問いかけた。返ってきたのは何とかティオナ達を囮―――兼、押し付けて私が答えようとばかり近づいてきたリヴェリア。

 

「昨日の件だ。あの街の元凶と竜女(ヴィーヴィル)のことについて」

 

「・・・・・ああ」

 

急に言い辛そうに頬をポリポリと掻いた一誠から。

 

「一度戻ってみたら、檻を突き破られていて逃げられた」

 

「どんな人物なのか分からないままか」

 

「赤髪に極彩色の瞳の女だったってことぐらいは分かってる。後、あんなモンスターの数を操ったから調教師(テイマー)なんかじゃないかって思ってはいる」

 

調教師(テイマー)・・・・・納得いく情報だ」

 

突如出現した食人花のモンスター、冒険者を殺した赤髪の女が『リヴェリアの街』にいた事実は繋がった。

 

「ダンジョンに潜伏していると思うぞ?多分『深層』に」

 

「『深層』に?どうして言い切れる」

 

「潜伏先としてはかなりの好条件だと思うけど?あの階層に行くにも行けれる冒険者は一気に絞られ、限られてくる。そしてかなりの時間を費やさないといけない階層だ」

 

「・・・・・確かに」

 

頭の回る奴だと感心しつつ、短時間で『深層』に行ける一誠ならば探し出せるんじゃないかという思いも湧きあがる。

 

「んで、竜女(ヴィーヴィル)についてか?何で知りたがる?」

 

「四人の冒険者の脚を折って横取りしたと聞いたからな」

 

「そういうことか。別に横取りなんてした覚えがないし。怪我していたし、喋れるモンスターを興味と好奇心で保護しただけだ。まあ、他にも心を持つモンスター、リド達とその日出会ったがな」

 

「どこでだ?」とリヴェリアが聞けば、優越感たっぷりの笑みを浮かべる一誠は言った。

 

「『未開拓領域』」

 

「―――っ!?」

 

【ロキ・ファミリア】ですら発見していない未知の領域にいたという理知を備えるモンスター達。翡翠の瞳を見開き、「信じられない」と零す。

 

「『深層』、もしくは『下層』に存在していたと言うのか・・・・・」

 

「どこの階層にあるかは秘密だ。このことが漏れたらリド達の唯一の活動拠点が減ってしまう」

 

「なら、どうしてあのようなモンスター達を地上に連れてきた」

 

「それが、リド達の夢だったんだ。光ある場所で生きてみたいと、人と共存をも望んでいる」

 

モンスターと人類の共存。

 

「共存、だと・・・・・」

 

「そうだ。俺はあいつらの希望となり、唯一の懸け橋となって助けたいと思っている」

 

同じモンスター、そして元人間として・・・・・。胸中で漏らす一誠は困惑と緊張のティオナ達と和気藹々と嬉しそうに接するリド達を見つめた。

 

「無理難題だぞ」

 

「言われなくても分かっている。ダンジョンで共存なんて無理にもほどがあることもな。だが、それが面白いだろう?少なくとも、モンスターを怖がらずにいられる人間や亜人(デミ・ヒューマン)はいるんだからな」

 

「・・・・・周りから非難されてもか?」

 

「【ファミリア】解散、ギルドから討伐命令を下されても俺はやり遂げるつもりだ。一度決めたことを中途半端に投げ出すつもりはねぇ」

 

青銀の長髪の竜女(ヴィーヴィル)の頭を撫でる一誠。撫でられている人型モンスターは

 

「心があるなら可能性はある。人類との共存なんてできやしないと幻想は俺がぶち壊してやる」

 

一言でいえば、狂ってる。さらに言えば、そんなこと狂信だとリヴェリアは喉の奥から出そうな言葉をつっかえた。既に、自分(リヴェリア)達も一誠と言う人型モンスターと自ら足を運んで会いに来ている。一つ一つの言動は驚かし、楽しませ、笑わせてくれる一誠を今更手の平返して態度を変えることはできない。変えたところで一体何が残り、何になると言うのだろうか。

 

「(・・・・・もう末期というほどに、何時の間にか私は・・・・・影響を受けていたらしい)」

 

一誠という冒険者を、一誠というモンスターを知る前の自分だったら絶対に不可能な事だと言った筈だ。なのに可能にしてしまうんではないかという気持ちと考え、思いが浮かんでくる。

 

「この事は秘密か?」

 

「ああ、【アテネ・ファミリア】が抱える問題だ。傘下の【ファミリア】とはいえ、迷惑を掛けるつもりはない」

 

「・・・・・別に気を使わなくてもいいと思うがな」

 

「そうか?リヴェリアやアイズ達に余計な心配とに不安を抱かせたくないんだけどな」

 

朗らかに笑う一誠を見て、ふっ、と笑みを零した。

 

「歳下に心配されるほど、私はか弱くはない」

 

「たまにはその歳下に甘えてもいいんじゃないかなー?一人の女性としてさ。誰かに甘えたことがないだろう冒険者となってから」

 

一誠に対して余計な事を、と胸中で漏らす。

 

「できんさ。今の私にはな」

 

「ふーん?じゃあ、リヴェリア」

 

「む?」

 

こっちに来いと手招きする一誠に近づくといきなり手を掴まれ跪かされ、逃げられないように―――金色の十二枚の翼でリヴェリアを覆い―――。

 

ナデナデ・・・・・。

 

久しく撫でられなかった翡翠の髪と頭を撫でる一誠に抱き絞められるリヴェリア。

 

「な、お、おいっ・・・・・」

 

「この瞬間だけ、リヴェリア・リヨス・アールヴという女性としていればいい。俺もお前の事を一人の女性として接するよ」

 

 

 

 

 

「リ、リヴェリア様が・・・・・」

 

「うわー、耳が真っ赤になってるよ」

 

「あのリヴェリアがイッセーの手に掛かれば形無しってやつ?」

 

「イッセー、凄いっ」

 

一誠に半ば強引で甘えさせられなおかつ頭を撫でられるリヴェリアをアイズ達は驚嘆の思いで何時までも見ていたのであった。そして、リヴェリアの中で一誠の存在は大きくなり、撫でられても冷静にいようと固く決意をしたのだった。

 

 

 

 

「ウラノス・・・・・【剣姫】達がリドと接触したぞ」

 

「反応は?」

 

「彼を通じて・・・・・上々と言ったところか。これは流石と言うべきだろうか?」

 

「・・・・・ならば、様子見でしばらく見守ろう」

 

「ふふっ・・・・・希望の光が強くなってきた感じがしてきたよ」

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