また、私は瓦礫の中に立っている。
これは、誰が壊したものだろう。
空から、機械を身に纏った人間が攻撃してくる。
何故……
「何故私を攻撃する!」
何故、世界は、こうも悲しいのだろう。
また、私は闘わなければならない。
何故、何故だろう……
私は、一体誰なのだろう……
少女は、悲しみに包まれ、剣を振るうだけだった。
時間は少し遡る
12:03 来禅高校
「みなさーん!落ち着いてくださーい! こんな時はおかしですよー! おさないかけないしゃれこうべですよーっ!」
廊下に2-4の担任、岡峰珠恵教諭の気の抜けるような声が響く。
「落ち着いてないのはどっちだよ」
士道はそれを聞いてため息をついた。
空間震警報が鳴ったのは、丁度士道が学校を出ようとしたその時だった。
士道達を含む校内に残っていた生徒は、校内にある地下シェルターへ避難するために廊下に整列していた。騒がずに落ち着いて並べているのは、訓練が行き届いてるというのもあるのだろうが、1番の理由はこの天宮市で空間震が頻発しているため、特別な行動という認識がなくなってしまったからであろう。
「自分より落ち着いてない人間を見たら、なんだかほっとするよな」
「全くだよ」
士道の後ろから、髪をワックスでガチガチに整えている少年が声をかけてきた。
彼は殿町宏人。雄介と同様に1年からの親友であり、『恋人にしたい男子ランキング(自分主催)』第358位の男でもある。
ちなみに『腐女子が選ぶベストカップルランキング』では士道と仲良く第2位になっている。
「ったく、五河も大変だなぁ。これから妹とデートって時なのにさ!」
「だからデートじゃないって……」
士道は殿町に肘でつつかれながらそんな事を聞かれ、あることに気づいた。
(そういや琴里大丈夫か?)
何故か嫌な胸騒ぎがした。
『絶対約束だぞー!地震が起こっても、火事が起こっても、空間震が起こっても! ポレポレにみかくにんたいせーめーが来ても! 絶対だぞー!』
今朝の琴里の別れ際のセリフが頭の中に響いた。
「まさか、そんな馬鹿正直に待ってるわけ……」
といいつつも心配になりケータイを開き、GPSで琴里の場所を探してみた。
「……うそだろ!」
士道は身を硬直させた。
ポレポレの前から琴里のアイコンが動いていなかった。
「あの馬鹿野郎!」
考えるより先に体が勝手に動いた。
「おい五河!?」
「五河君!? どうしました!?」
士道は列を抜け、殿町と岡峰教諭の声を背中で聞き、上履きのまま学校を全速力で飛び出した。
(なんで馬鹿正直に店の前で待ってるんだよ!)
ただ力任せに走った。
足がしびれ
喉が渇く
そんなもの気にもならなかった。
士道はただただ妹の事が心配でポレポレへと急いだ。
なんだ?
人が横たわってる?
未確認生命体4号が戦ってる?
「士道!店にはおやっさんがいる! お前は逃げろ!」
4号に何か言われた……なんで俺の事を知ってるんだ?
けどそんなのは今関係ない。
士道は走る。妹を救うために。
しばらく走ると、空が歪み始めた。
「なんだあれ。」
士道は思わず足を止めた。
いままで周りのあれこれを無視して走って来たが、あれはマズイと動物の本能が士道の足を止めた。
士道はケータイを開いた。
相変わらず琴里のアイコンはポレポレの前からビクともしない。
「なっ!」
空が大地に突き刺さり、目の前の空間が爆発した。
ドカァアアアアアアアアン
「うわあああああああ!」
士道は爆風に巻き込まれ吹っ飛んでいった。
**
「けっほけっほ」
12:19 天宮市商店街
雄介は少女をかばう体勢で街路樹にぶつかっていた。
2人とも吹き飛ばされたが、なんとか無事だった。
「これが、空間震……」
いつも空間震が起こる時には地下シェルターの中だったので、空間震を目の当たりにするのはこれが初めてだった。
爆発とも振動とも形容しがたいこの衝撃。
まさに恐怖そのものだった。
「大丈夫?」
「はい……」
雄介は、茶髪の少女を立たせながら自分も立ち上がった。
少女の目は、相変わらず生きる希望を失ったかのように生気を失っていた。
「もしもし、上条さん? もしもーし! 駄目だ、完全に壊れてる」
雄介は爆風で飛ばされたトライチェイサーのそばへ行き、警察無線、その他諸々の機能が破壊されたことを確認してがっくりと肩を落とした。
「そういえば、なんで…逃げなかったの?」
そして、雄介は気になっていたことを茶髪の少女に問いかけてみた。
「………」
だが少女は黙ったままである。
(言えないようなことでもあるのかな?)
少女の様子を見て雄介は何か察したのか、笑顔を作った。
「言えないならいいよ。でも、こんな事したら親に心配かけちゃうよ。俺が小2の頃にさ……」
「そんな人いません……」
「え……?」
雄介は、小2の頃に当時住んでた山梨県から静岡県まで自転車で一人で行って、親に叱られた話でもしようとしたところで話すのを遮られた。
そして、少女が放ったその言葉を聞いて、言葉を失った。
「私には、大した特技もなくて……何をするにも、おちょこちょいで…誰の役にも、立てないくて……仕舞には……親に、恥晒ししとまで言われて……私、必要じゃないのかなって」
少女は静かに泣き出した。
「……」
雄介は理解した。
多分この子は親に見放され、これまでの心への負担に耐えられなくて絶望してしまったのだと。
そして、自分とどこか似てるということを。
「違う!」
雄介は少女の肩を掴んだ。
「必要無い人間なんていない! 絶対に!」
雄介の目は、優しく、強く、真っ直ぐだった。
「みんな必要だから……産まれてきて……生きてるんじゃないか!」
自分が何も出来ないまま、未確認生命体に命を刈られていく人間が何人もいた。
「今強い必要はないんだ。今やれることをやればいいんだよ!」
本当にみんなの笑顔を守っているのか?
「だから、大丈夫。」
自分の力は、罪無き者を刈る者へ天罰を加えるだけの力に過ぎないのではないか…?
そんな事を考えてる雄介だからこそ、少女の痛みは分かった。
「誰の役にも立てないっていうのに悔しさを感じられる君は、十分強いよ」
そして、雄介は間を置いて、笑いながら言った。
「俺なんて、小四まで夜中にトイレいけなかったし。それに比べたら十分強いよ」
「……なんですかそれ?」
少女はクスッと笑った。
「ハハハ」
雄介も笑った。
「君は?」
「岡峰 美紀恵です」
「俺は、沢村雄介」
二人は名乗り合い、握手をした。
だが、その時だった。
「危ない!!」
雄介は何かに気づき、美紀恵を突き飛ばした。
そして自分も後方へ飛び退いた。
バシュウウウウウン
美紀恵と雄介の間に地面を割るように衝撃波が走る。
雄介が衝撃波が飛んで来た方向を見ると一人の少女の姿が見えた。雄介は目を見開いた。
その少女は夜色の長く美しい髪をたなびかせ、その色に近い甲冑を着ていた。少女のスカートは布ではなく、何か光のような謎の素材で出来ている。
少女の横には大きく、大剣の鞘にもなるような玉座がそびえ立っていた。
そしてその少女の容姿は、その美貌で世界を滅ぼすことが出来るのではないかというほど、どこまでも……どこまでも……美しかった。
だが、雄介が驚いたのはそこではなかった。
「さっき、頭の中で見た?」
若干誤差はあるものの、さっき雄介が戦闘中に見たイメージの人物とうり二つなのである。
だが、それでは終わらなかった。
「士道!?」
士道がその少女と向かい合って立っていたのだ。
**
「お前も私を、殺しに来たのか?」
少女は士道に光の刃の大剣を向けて言った。
「そ…そんな訳ないだろ!」
士道はぶんぶんと首をふった。
空間震は士道の一歩手前で発生した。
士道が顔を上げたその時にはその少女がいて、士道は少女に殺されかけた。
「…殺さないのか?」
少女がいぶかしげな顔で問う。
「当たり前だろ?大体君は……」
そこまで言った時だった。
ごおおぉぉぉぉおおおおおおお
けたたましいエンジン音が空からこっちに近づいて来た。
見上げると、機械のスーツを身に纏った女性数人の姿があった。
そして彼女らは装備している各々の武器からミサイルを発射した。
「う…うわあああああああ!!」
士道はいきなりの出来事に驚き、尻もちをついてしまった。
「危ない!」
その時、士道をかばうように、未確認生命体4号が覆い被さった。
夜色の少女はただ右手を前に出しただけだった。
それだけでバリアーが張られ、ミサイル全弾を防いだ。
「こんなのが効かないと、何故奴等は学習しないのだ」
そして少女は飛び上がって、飛んで来たミサイルを打ち落としていった。
「こっちだ!」
4号は士道を引っ張り、ミサイルを避けていった。
ドカーン
ドカーン
まるで特撮映画のように、自分の横で爆発が起こっている。
「おい4号! これは? それに何で俺の名前知ってるんだ!?」
士道は走りながら4号に聞いてみた。
「俺は4号じゃなくてクウガだって!」
「答えになってねぇよ!」
ドッカーーン
「「うわあああああああ!!」」
後方で爆発が起こり、二人とも吹っ飛んでいった。
「ぐわっ!」
「うわあぁぁ」
クウガと士道は地面を転がった。
「とにかく、俺はみんなの笑顔の味方だから、安心して!」
クウガは士道にサムズアップをした。
(まさかこいつ……)
そう思ったその時
どぉぉぉぉおおおおん
空から爆発音がした。二人は夜色の少女が戦ってる方向を向いた。
空中でぶった切られたミサイルは少女の大剣の軌跡をなぞるように爆破していった。
(なんで……)
士道は思った
「あの子、あんなに強いのに。」
雄介も疑問に思った。
「「どうして、あんな顔をするんだろう」」
少女は容赦なく機械スーツの集団に攻撃を加える。
だが、少女の顔は好戦的な表情ではなかった。
まるで、この世がつまらないとでもいうような、この世界に絶望しきった、寂しそうな顔をしていた。
少女に三度目のミサイルの雨が降り注ぐ。
だがそのミサイルもはかなく爆破していく。
夜色の少女が地面に降りた。
それと同時に一人の機械スーツを着た白髪の少女が降りてきて、レーザー砲を至近距離から放とうとしていた。
だが、それも夜色の少女の掌の中で無効化される。
遠距離が駄目ならと、レーザー砲を捨て、飛行ブースターを取り外して背中からレーザーブレードを引き抜き、士道を守るように立った。
「お前……鳶一!?」
「五河、士道?」
士道は彼女と知り合いなのか、驚いた表情をしていた。それは白髪の少女も同じであった。
だが、クウガ……沢村雄介は彼女の事を知らなかった。
(でも、どっかで見たような……)
そんなことを考えてるうちに、二人は戦闘を開始した。
「はっっ」
最初に飛び出したのは折紙。
手に持ったレーザーブレードを、美しいフォームで振りかぶった。
キィィイン
だがその攻撃は光の剣によって防がれる。
今度は夜色の少女の攻撃。
「ハっ!」
光の剣を大きく振り、折紙の剣をはね飛ばす。
「タァァ!」
そして光の剣を大きく振り、夜色のソニックブームを放った。
「くっ」
折紙は前転で近づきながら避けた。
そして今度は下から切りつけた。
「はぁああっ!」
「ぐあっ!」
夜色の少女が折紙より機動力に劣っていたためか、攻撃が命中。
体が前のめりになってしまう。
「このっ!」
だが体勢を立て直し、今度は剣でアッパースイングして折紙を切りつけた。
「がはぁぁッ!」
勢いあまり、折紙は数メートルほど地面を転がっていった。
折紙がスピードと技を生かす技巧派の戦闘スタイルなら、夜色の少女は力と勢いで押すパワー型の戦闘スタイル。
二人とも一歩も引かなかった。
「はあああああああ!」
「だああああああ!」
二人が剣を構えて駆け出す。
「止めるんだ!」
お互いの距離がゼロになるまであと少し、というところでクウガが止めに入った。
だが、二人は止まらなかった。
「ぐわぁ!」
クウガは折紙の剣ではね飛ばされた。
「止めろ! 話せば分かるって!」
組み合ってる二人を何とか振り払おうと間に割り込むクウガだが、今度は夜色の少女に蹴飛ばされ場外へ。
「ぐあっ! なんで分かってくれないんだ!」
もう一度戦いを止めようと立ち上がり、駆けだしたその時、一人の女性に進行を阻まれた。
その女性も、折紙や他の空に浮かんでた機械を纏った人間と同じ格好をしていた。
少し違うのは、若干装備が多く、スーツの縁に赤いラインが入っていることだった。
「私は、陸上自衛隊【アンチ・スピリット・チーム】三尉、乾 香美。邪魔をするなら私が相手する」
そう言って右手首をスナップしてクウガに飛びかかった。
「っはあぁ!」
「うわっ!今度はなんだよぉ。」
クウガは何とかその攻撃をいなした。
「はあああああああ」
「とあぁぁぁぁあ!」
「っはああぁぁ!」
「うおりゃぁぁ!」
精霊
AST
仮面ライダー
3つの勢力が今、激突する
**
12:40 東京都 国道×号線
ウーーウーー
けたたましいサイレン音を鳴らしながら、都内の国道をパトカーが駆け抜ける。
運転手の上条刑事は焦っていた。
「沢村、聞こえるか? 沢村雄介!?」
覆面パトカーの警察無線で雄介のトライチェイサーに繋いでみるが、空間震が発生してからなかなか返事が返って来ない。
「まずいぞ……」
上条刑事は不安になった。
雄介はその冒険心から、周りをひやっとさせることが何度もあった。
今回もそうである。
もし雄介が空間震の中に居たら……
もし『ヤツら』と遭遇していたら……
「無事でいてくれ」
上条は不安を打ち破るようにアクセルを踏み、天宮市へと急いだ。
**
「っはあああ」
「うわっ!」
クウガは香美のレーザーブレードを避け、間合いを取る。
「待ってくれ! 俺は戦いに来たんじゃない!」
クウガは手を前でバタバタと動かしながら、戦意がないことをアピールしようとした。
「精霊殲滅の邪魔をする。それだけで戦う理由は十分だ!」
そういって一気に間合いを詰め、斬りかかってくる。
「はあぁっ」
クウガはなんとか避け、変身ポーズをとった。
「何で、分かってくれないんだ」
そしてクウガは青い装甲の『ドラゴンフォーム』へ変化した。
「はああぁ……」
『邪悪なる者あらば その技を無に帰し 流水の如く邪悪を薙ぎ払う戦士あり』
「っはああ!」
「とうっ」
香美の飛行ブースターを上手く使った加速による連続攻撃を、クウガはドラゴンフォーム特有の機動力とジャンプ力で華麗に避ける。
「ふんっ」
その際に、瓦礫から頭を出していたガスパイプを引き抜き、棒術武器『ドラゴンロッド』へと変化させた。
「はっ」
クウガがそれを構えると、ジャキっと両端の棒が伸びた。
「お前、なかなか面白いやつだな」
香美はそういって、空いてる方の手首をスナップさせた。
二人はそれぞれの武器を構えてにらみ合った。
「「はぁっ」」
そして二人一斉に駆けだした。
「っらあ!」
香美が横なぎにブレードを振る。
「はあぁっ!」
クウガは攻撃すると見せかけて空中前転で攻撃を避け、後ろに回り込んだ。
「しまっ…」
「おりゃあ!」
クウガは振り返りながら、ドラゴンロッドで香美のバックパックをぶっ叩いた。
ガギィイイン
乾いた金属音が鳴り火花が飛ぶ。
バックパックには『封印』の古代文字が浮かび上がる。
クウガドラゴンフォームの必殺技『スプラッシュドラゴン』
ドラゴンロッドの先端を相手に叩きつけ、封印エネルギーを流し込む技である。
ドオォォン
その攻撃のより、バックパックは爆発した。
「ぐあああ!」
その衝撃で香美は吹っ飛んだ。だが、彼女の身を包むスーツの機能でダメージは軽減されている。
「だったらこれはどうだ」
そういって今度は左手首についているブレスのボタンを押した。
≪Start Up≫
電子音と共に、香美が高速移動を開始した。
「ぐはぁ!」
クウガは不意を突かれ、攻撃を受けてしまう。
「だったら……」
だが、クウガの手には、先程折紙が捨てた銃が握られていた。
「はっ」
また変身ポーズを取り、緑の装甲の『ペガサスフォーム』へと変化した。
『邪悪なる者あらば その姿を彼方より知りて 疾風の如く邪悪を射抜く戦士あり』
手にしていた銃も、『ペガサスボウガン』へと変化した。
『狙撃手』の力を持ったペガサスフォームは、攻撃力、防御力が著しく低下する代わりに、超感覚を手に入れることが出来るのである。
キイイィィィィィィイン
その集中力で,高速移動してる香美を探す。
(はぁ…はぁ…はぁ…)
彼女のわずかな呼吸音が聞こえる
ギュウイィィィイン
彼女の武器のわずかな音まで聞こえる。
3
2
1…
「そこだ!」
素早く狙いを定め、引き金を引く。
「うわああ!」
そして、空中から攻撃を加えようとしていた香美のブレスに命中させる。
≪Time Out≫
電子音が鳴り、香美の高速移動もそこで終わった。香美は地面に墜落した。
クウガも元のマイティフォームに戻った。
「もう止めてください! 俺たちは戦う必要はない!」
クウガは香美にそう訴えかけた。自分が変身した理由は、折紙と夜色の少女の戦いを止めさせるためだけだったからだ。
「はあああああああ!」
「たあああああああ!」
折紙と夜色の少女の剣がぶつかり合って、火花が飛ぶ。
ギギギギギギギギギギギギギギイイイイン
高速で剣同士がぶつかり合う。
折紙と夜色の少女の戦いはまだ続いている。
「どうして、人間同士で、こんなことが平気でできるんだ……」
クウガは未確認生命体「グロンギ」と戦ってきた。それは彼らが「人類の敵」であり「殺戮を繰り返す者」だからである。
だが、夜色の少女は、そのようには見えなかった。
だったら、戦う理由なんて無いはず……なのに。
「精霊は、世界に災厄をもたらす! ただそれだけだ!」
香美は右腕に篭手のようなものを装着した。
そしてクウガに向かって拳をおもいっきり振りかぶった。
「はっ」
クウガは変身ポーズを取り、今度は剣士のような装甲の姿になった。『タイタンフォーム』である。
『邪悪なる者あらば 鋼の鎧を身に付け 地割れの如く邪悪を斬り裂く戦士あり』
ゴン
ただ鈍い音だけがした。
クウガは落ちてた棒きれを拾った。そしてその棒も例のごとく、武器『タイタンソード』に変化した。
「はあっ!っはあ!ったあああ!」
何度も拳を打ち付けるがビクともしない。
タイタンフォームの特徴は鉄壁の防御力にある。
どんどんと近づいてくるクウガ。
殴り続けるが後ずさりしてしまってる香美。
香美の顔に焦りが浮かんでくる
どてっ
「ヤバッ」
香美は瓦礫に躓きこけてしまった。
「おりゃあああ!」
クウガは剣を振りかぶって香美の顔スレスレのところに突き刺した。
「ハァ…ハァ…」
香美の真横に、剣によって作られた大きな亀裂が走っていた。
香美の目には、恐怖のあまり涙が浮かんでいた。
「これが最後です」
香美はその言葉を聞いて理解した。
『次は殺される』
クウガが精霊の救出にこだわる理由が分からなかった。
「なんで……精霊を助けようなんてバカなことを思いつくんだ?」
「じゃあ、なんであの女の子はあんな顔してるのに攻撃を加えることができるんですか?」
「お前本気か!? 精霊は空間震を引き起こしている張本人だぞ! 街1個破壊できる災厄なんだぞ!」
「だったらなんであんな悲しい顔してるんですか!」
クウガは夜色の少女を指差した。
「はああああああ!」
「たあああああああ!」
攻撃力は圧倒的だった。
だが、その顔は、何かに怯えているかのようだった。
「それは……」
ドオオン
「ぐはあっ!」
そこまで言った時、クウガの脇腹にミサイル弾が被弾した。
「香美さん! 逃げてください!」
空から、幼子のような声が聞こえた。
「一恵!」
仲間が援護射撃をしたのであろう。
「ウェイ!」
そしてミサイルを撃った隊員は、今度はトンファーブレードを二本取り出して、それをクロスさせて振り、衝撃波を飛ばした。
「うわあああああっ!」
タイタンフォームの防御力といえど、不意打ちとその後の連続攻撃には耐えきれず、吹き飛んでしまった。
「ぐあぁぁぁ……うぅぅ……」
クウガは連続で大ダメージを受け、白く最弱の姿、『グローイングフォーム』へと変わってしまった。
そして変身も解けてしまった。
「高校生!?」
「まだガキだと…」
香美と、彼女を援護した隊員は、変身が解けたことに驚いた。
(こんなガキ相手に……手をこまねいていたなんて……)
香美の心に、怒りが湧き起こった。
ウーーーウーー…
キキィイ
現場に到着した上条はその光景を見て驚いた。
「沢村!」
パトカーから飛び降り、雄介に駆け寄った。
上条が抱き上げるが雄介は気絶したまま動かない。
「沢村! おい沢村ぁ!」
パトカーに雄介を乗せたその時、折紙と夜色の少女の剣がぶつかり合った衝撃波が、辺りを包み込んだ。
上条は、爆風から逃げるように全速力でパトカーを発進させた。
「はああああああああ!」
「でやあああああああ!」
「う、うわああああああ!」
近くで爆風に巻き込まれた士道は、そこで意識を失ってしまった。
彼らは、世界の謎とであった。
今、彼らの運命が、大きく動きだそうとしている。
どうも、修羅場中でも何とか小説を書けている千藤です。
今回は分量が少し多くなっていますが、実は2つに分かれていたお話を1つに繋げたからなんですね。過去の自分、なんで2つに分けた。
今回は殆ど修正だけで済んだので早く終わりました。昔の自分は戦闘シーンをよく書けていた。今だと全然です。
それではお話の解説↓
前回の答え合わせは。デート・ア・ストライクの主人公「岡峰美紀恵」ちゃんでした。DAS本編での、美紀恵と精霊とのファーストコンタクトの場面がけっこうあっさり書かれていたので、雄介がいるこの世界だとこうなるかな、こうあってほしいなと思いながら書きました。美紀恵ちゃんはまだまだ絡ませたいですね。
ASTにもオリキャラを2名ほど出しました。香美の使っているメカのモデルは、ファイズから拝借しました。ファイズのメカデザインは特撮の枠を飛び出しても上位に入るくらいには素晴らしいと思うんですよ。それだけが理由ではないんですけどね。香美に関してはまた今度。
士道君途中からほったらかしにしてごめんね。このお話は基本雄介を軸として動かそうと思っているから許して……。言い訳ではあるのですが、DAL本編と並行してこのお話を読んだほうがこのお話を楽しめると思います。こうやって士道の出番を省いちゃったりするから。みんなもデート・ア・ライブを読もう!
最後にクウガの戦闘シーン。前回で全フォームの名前だけ出したので、今回は実際に闘ってもらいました(香美のメカがハイスペックなのもそのため)。このお話自体が、クウガ復活からしばらく経ってからのお話なので、クウガがどんな仮面ライダーであるか一度動かす必要があったんですよ。ほら、チュートリアルステージってやつです。モバ〇スでいうみくにゃんが出るところ。
とまあ、以前書いていた頃のストックが尽きるまではこんな感じで投稿ペースは相対的に速くなります。ストックが尽きて1から書かなきゃいけなくなったらその時言います。その時が運命の時です。ウンメイノー(うわああああああ)
というわけで、次回もお楽しみ。試験的に、非ユーザーも感想を書けるようになったのでこの際に感想をどうぞ。ではまた次回。お楽しみに。