ガーリーエアフォース PMCエースの機動   作:セルユニゾン

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七夕になったので後編を投稿です。


特殊作戦 縁日逢瀬 後編

「お待たせしました」

「さっきまで詩苑と一緒だったんだがな。と言うか2人一緒だと思っていたぞ」

「今回は別々と言う事になりました」

 

微笑む詩鞍にそれ以上の事は聞かず、バトラは服に視線を向ける。

 

鮮やかな白を下地に薄い水色の茎に咲いた薄桃色の薔薇がペイントされた浴衣に茎よりも表が濃い水色で裏が濃い乳白色の布を使った帯を巻き、帯の上には白い網状のレースを使った白くフワフワとした花が咲き、白とピンクのグラデーションが入れられた飾り紐を結んでいる。髪型は頭を巻く様に三つ編みの髪を巻き、後頭部の左寄りの場所に大きな白い薔薇の花飾りを付けている。

 

「詩苑とはうって変わって清楚で可愛らしい格好だな」

「今日位はイメチェンをしようかと」

「アリなんじゃないか?」

「ありがとうございます。それじゃあ、行きましょう」

 

縁日の中を暫く歩くと詩鞍から口を開いた。

 

「お祭りに来たのなんて何年振りでしょうか?」

「少なくともここ数年はないだろう」

「それより以前にもこう言った所には来た覚えがないんです」

 

それを聞いてバトラがそっと詩鞍の身体を抱き寄せる。

 

「ほら、詩鞍。あまり遠くに行くと逸れるぞ」

「子供じゃ無いんですからその位は大丈夫です」

 

遠慮する詩鞍だがバトラは肩に置いた腕に力を込めて、はねれられない様にする。

 

「なら、今日は楽しもう。お前に地上で兄貴らしい事をしてられなかったしな」

「え!? あのお兄様……そうですね」

 

バトラの意図を察した詩鞍がそっと肩を寄せる。

 

「それでは、言い付け通り、お兄様と離れない様にしますね」

 

肩を寄せ合って歩くバトラと詩鞍も仲の良い兄妹のようで2人はあの出店はどうだと言いながら通りを歩いて行く。

 

「あ! あれって……」

「ラムネか。こんな中ぐらいまで来ないと見なかったのは珍しい」

「そうなんですか?」

「ラムネなんかの飲み物は食事スペースの近くや出入り口付近に多い筈なんだよ」

「成る程……あの、ラムネって美味しいんですか……?」

 

驚くバトラだが直ぐに心の内にしまい、詩鞍の手を引いてラムネの出店の前までやって来る。

「すみません。ラムネを1本下さい」

「あいよ。1本で150円だ」

 

店主が氷水を入れたクーラーボックスからラムネの瓶を1本取り出してバトラに渡すとバトラは詩鞍にラムネを渡してから会計をすませる。

「あの……奢って頂けるんですか……?」

「ああ、この位は流石にな」

「そうですか……ありがとうございます、お兄様」

 

詩鞍は貰ったラムネの瓶をまじまじと見つめる。

薄い水色のラムネ瓶は何か幻想的な美しさを感じさせ、中で見える気泡や外を垂れる氷水の水滴が涼しげな印象を持つ者に与える。

 

「……これは自分で開けるんですね。ああ、わかりました。こうすればいいんですね……あれ? 違うんでしょうか……ですが、こうだった気が……うーん……やっぱりこうでしょうか……?」

「詩鞍、お前ってラムネの開け方知らないだろ?」

「……はい……」

 

何処か申し訳無さそうに話す詩鞍にバトラは笑って語り掛ける。

 

「やっぱりな。わからないなら俺に頼めばいいものを」

「買って頂いた上に開けて頂くのも申し訳なく思って……」

「そんな遠慮するなよ。ほら、瓶を貸して。代わりにこのフランクフルト持って置いて」

 

詩鞍が瓶を観察している間にフランクフルトを買って来ていたバトラが詩鞍のラムネとフランクフルトを交換する。

 

「は、はい……」

「ラムネは最初にこの蓋を外して、分解する。すると凸型のパーツが取れる。これをビー玉の上に乗せてから体重を掛けると、落ちる!」

 

バトラがビー玉を落とした瞬間に手と瓶の間からラムネが噴き出す。

 

「うおおっ!」

「うわあっ!」

「ななな、なんで噴き出すんだよ!」

「ど、どうすれば良いですか!?」

「まずは落ち着け、放って置けば……ほら、収まった」

 

噴き出すのが終わるとバトラはゆっくりと瓶から押さえていた手を離す。

 

「ラムネってこう言う飲み物なんですか?」

「いや、振ったり、強い衝撃を与えなければこうはならない」

「……あ」

「あの、もしかして……振った?」

「すすすすみません! 開けるのに試行錯誤していた時に逆さにしたり、少し振ったりしました……」

「成る程な。まあ、初めてラムネを飲む奴の通過儀礼の様な物だ。詩苑にでも食らわせてやれ」

「はぁ……お兄様! 手が凄い濡れてますよ。何か拭くものを……」

「気もするな。ほら、コレ。少し減ったけどな」

 

そう言ってラムネとフランクフルトを交換するバトラに詩鞍は何も言わずにラムネ瓶をまじまじと見つめた後に口をつける。

 

「お、美味しいです……」

「それは上々。因みに個人的にはラムネと塩気のある物の組み合わせが最高だ」

 

そう言ってバトラが粗挽き胡椒と塩で味を付けたフランクフルトの2本の内1本を詩鞍に渡すと詩鞍がフランクフルトを何か珍しい物を見るかの様にまじまじと見つめた後に女性らしくおちょぼ口でフランクフルトを口に入れる。

 

それを見つめてしまった男達が行ってはいけない方向のイメージを脳裏に構築した瞬間にフランクフルトが噛みちぎられ、男達はそそくさと現場から撤退する。

 

「確かに合いますね。ラムネの甘さと爽やかさが合います」

「だろ?」

 

そう言ってバトラは詩鞍の物にマスタードを足したフランクフルトをかぶりつく様に食べ始めると詩鞍がラムネ瓶を差し出す。

 

「飲みますか? あ、いえ、開けて貰ったお礼にと」

「ちょうど良かった。何か飲もうか迷っていたんだ」

バトラがラムネ瓶に口をつけると詩鞍が大きく息を吐いた事に気付く。

「あ、間接キス……」

「意識しました?」

「意識しました……と言うか嫌か?」

詩鞍はバトラの意識したと言う所と自分が意識した所の意味が全く違う事に気付くと顔を真っ赤にしてラムネ瓶をひったくると一気飲みで飲み干して、近くのゴミ箱に入れてしまう。

 

「(嫌だったか? 今度から気をつけるか)」

「(まさか、こんな形でキスをするなんて思ってませんでした……)」

2人のすれ違いは終わりの時間が近ずいても変わらず、詩鞍はタイムアップを迎えて、2人は少し気恥ずかしそうに分かれるがバトラは直ぐに首を振って意識を変える。

 

「ベルじゃなかった。カーシャ。何処だ?」

 

ベルクトと言う名前だと怪しまれると言う事でカーシャと言うそれっぽい名前を偽名として設定している。

 

「ああ! バトラさん!」

 

そう言って人混みを突っ切って現れたのは白い髪を後頭部と頭頂部の間でフンワリと纏めて頸を完全に露出させたベルクトだった。

 

「お、来たな。それじゃあ、行くか」

 

バトラが歩き出すとベルクトが拗ねた様な雰囲気を出しながら先に進む。

バトラはなんとも言えない表情を浮かべながらベルクトに話し掛ける。

 

「何に怒ってんだ? 気に障る事したか?」

「ヒント」

 

ベルクトが何かを期待する子供の様な笑みを浮かべてバトラに振り返る。

 

「女性とのお出掛けで気にすべき事はありませんか?」

 

普段のベルクトからは想像がつかない程の怒気を放ちながらベルクトが笑みを浮かべながら口を動かす。

 

「ああ、お前もか」

「……他の人もそうだったんですね」

「感想を言う身にもなってくれ。センスが無い男には苦行なんだぞ?」

「……それはわかりますが、それでも似合ってるって一言が欲しくて、女の子は恥を飲んででもお洒落をするんです!」

 

ベルクトの熱弁にバトラは1歩下がるがベルクトがその1歩を詰める事はせずにその場で膨れっ面をしていると帽子を被った中年の男性が話し掛ける。

 

「服を褒めろ。それも似合っているだけですませるなよ」

 

そう言って、背中を強く叩くとバトラが何かを言う前に人混みに消えてしまった。

バトラは仕方ないと溜息を吐くと疲れてきていたセンスに起床ラッパを吹かしてからベルクトの浴衣に目を向ける。

 

「!? ちょっと待て! その服はお前のセンスか!」

「あの……似合ってませんか?」

 

ベルクトの格好なのだが、髪型は普段の髪型で下に流している髪を後頭部にふんわりと纏めて首下は大きく露出する髪型にマリンブルーの布に白いハイビスカスがペイントされた浴衣に濃い白のフリルをあしらった光沢のある水色の帯だけで留めている。

 

これだけならまあ、普通の浴衣だ。ただし上の一文にこの文章を足すとただの浴衣では無くなる。

 

下前と上前のつま先が四分丈で終わっているデザインで簡単に言うとミニスカ浴衣や花魁スタイルと言われる色気の高い浴衣だ。

着方も普通の着方では無く、首元と胸元が露出する様に少し開けた着方をしており、ベルクトの双丘の一部が見えてしまっている。

 

「えっと……服も着方もサラ軍曹から教わったんですが……

「サァ〜ラァ〜ア〜〜デェ〜ショォーーンッ!!」

 

まさかのサラ軍曹の入れ知恵と言う事にバトラが叫ぶ。こう言ったある意味では間違った知識を与えるのはマイケル軍曹が殆どなのだが今回は常識人であるサラ軍曹だった為にベルクトも深くは考えずに鵜呑みにしてしまっていた。

 

「似合ってませんか?」

「大丈夫だ。ただ今まではマリンブルーのワンピースとかだったから少し意外性が大き過ぎた。というよりも色気のある服も似合うんだな」

 

今までは露出少なめのワンピースなどを私服にしていたベルクトは清楚で可憐な印象が強かったがこうもどストレートに色気の漂う服は初めてでバトラのセンスのキャパを軽く超えていた。

バトラが脳内ブリーフィングでこれ以上はヤバイと判断すると早々な話題転換に走る事を決定する。

 

「大丈夫だったか? 変な奴が関わって来たとか」

「はい。流石にバーフォード中佐が心配して下さってマイケルさんをさっきまで同行させてくれました」

「あいつは爽やか笑顔の面白白人だが、軍服の下は細マッチョだからな」

「それもあると思いますが、マイケルさんは軍服でしたよ?」

「誰も近寄ら……ああ、ミリオタが近付くか」

「ええ。色々と話をされてましたよ」

 

軽い与太話をしている間にベルクトの調子も戻ったのか軽い足取りで数歩だけ進むとバトラに振り返って縁日を回ろうと言い出し、バトラもその横に付いて縁日を回り始める。

 

バトラもベルクトも何も食べていない事が判るとお互いに気になった物をシェアしながら食べ歩く。

 

たこ焼きを2人ともハフハフしながら3つずつシェアしたり、ブルーハワイ味のかき氷を2人で分けたり、牛串や焼き鳥と言った串物は1本をシェアするのはベルクトが恥ずかしがった事で1人で1本食べたりしながら縁日の雰囲気を味わう様に2人は横に並んで歩く。

「……ぅ……ぅぅ」

 

次は何をしようかと話している間、ベルクトの右手は何かを掴む様な素振りを見せては引っ込めるがバトラの手が不意に近付いた瞬間に手が触れると不自然な速さで袖の中に隠れる。

 

「……ん」

 

バトラも左手を可能な限り自然を装い動かして、ベルクトの意思を感じている事をアピールするものの平常では無いベルクトが察するには難しいアピール方法だった。

ベルクトの手が袖に入った事を確認するとバトラは本音を隠す様に背中に右手を回して、目線を出店に走らせる。

 

そんなバトラにベルクトは目だけでバトラを見つめながらバトラの浴衣の袖口を掴み、袖口を弱々しく引くが、袖口が大きく作られた浴衣に対して細腕とも言えるバトラの腕は引っ張られた感触に気付く事は無かった。

 

そんな悶々とした雰囲気の2人が居ようとも時間はお構い無く進み、全員とも待ち合わせ場所である花火鑑賞の待ち合わせ場所まで付いてしまう。

 

此処まで来るとベルクトの腕は既にバトラの袖口から手を離した状態でファントム・詩鞍・詩苑との合流を果たすとバトラを囲む様に座り、空を見上げた瞬間に花火が打ち上がるり、夜空に火の花を咲かせる。

 

「綺麗ですね〜」

「本当に」

 

片宮姉妹が感慨深そうに話すと 何処かで買い足したのかメロンシロップの掛かったかき氷を飲み込んでからファントムが漏らす。

 

「今日が1番印象深そうなのはカーシャっぽいですね」

「綺麗ですね……花火なんて始めてみました。本当に綺麗」

「最近は汚い花火しか見てないからな〜。余計だろ」

 

バトラが離した瞬間に鳩尾と脇腹に女子4人の肩肘が入る。

確かに対ザイ戦の最前線を飛ぶ5人にはザイが爆発する汚い花火ばかり見ているだろうが、こんな時に話すのは雰囲気をぶち壊すだけである。

 

そんな事をしている間でも花火の打ち上げは続き、10分ほどするとバトラがベルクトの耳元の近付く、ベルクトだけが聞き取れるだろう音量で話し掛ける。

 

「綺麗だろ」

「綺麗です」

 

空に割物の芯入り銀冠菊を見た瞬間にベルクトの姿がサーシャに見えたバトラは内心でサーシャとベルクトに謝りながら、ベルクトの耳元に口を寄せる。

 

「お前に日本の花火を見せたかった……」

 

それは腐りきった消して叶う筈の無いサーシャとバトラとの約束。

それを似ているとは言えでも、ベルクトにサーシャの影を重ねて行った。

叶っている筈も無いし、叶ったなど思いたくも無いが、バトラは腐りきったこの約束を叶いたくて仕方なくなり、サーシャの影をベルクトに重ねながら口を開いていた。

 

ベルクトもバトラの行動の真意がわかっているのと何かが伝わって来る感覚を感じて、ベルクトもバトラにだけ聞こえる様に静かに口を開く。

 

「……好きでした」

ベルクトの右手がバトラの左手にほんの少し触れると何も言わずに指を絡ませる。

 

「……ありがとう」

 

バトラもそれだけ言うと空を見上げて直ぐに黙ってベルクトの右手をぎゅっと握り返す。

 

花火の打ち上げが終わると片宮姉妹がお互いに笑顔で感想を言い合い、ファントムとベルクト、バトラもそれを微笑みながら見守る。

 

バトラとベルクトの手は花火が終わると自然に離れていたが、ベルクトは手が離れた瞬間に何かが抜ける様な感覚を感じ、ベルクトは夜空を見上げる。

バトラも吊られて上を見上げると息を飲んだ。

 

「約束……叶いましたね」

「……ああ、ああ」

 

バトラが嬉し涙を流しながら、笑顔で頷く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人が見上げた夜空には満天の星と共に花火の後に漂う煙の中に入って、小松空港の方向に飛んで行く、アンタレス隊のエンブレムが描かれた通常塗装のSuー25の機影が見えた。




マイケル「いやー5人とも楽しそうで良かった! 良かったー!良かったよー!!」
ウィリアム「そうですね」
サラ「ええ、ホント」
京香「良かったですー」
バーフォード「ああ、子供は笑っているのは1番だ」
マイケル「ニッポンの夏祭りと言えば、浴衣着た、2人が、リンゴ飴とかwチョコバナナとかw舐めあっちゃたりしてぇ!?wえ? 花火とか? 眺めちゃったりしてぇ!?w」
サラ「帰って現像しなきゃね」
マイケル「しかも!? プールとかある訳ですよ? おいwwwwwwwプールってwwwwww水着とぉ…女の子のぉ…やわwやわww柔肌さがぁ…wwwある訳じゃないですか? で、カップルで、プール、ヒャ! って行って」
京香「その写真の焼き増しお願いします」
マイケル「『ダーリン、あたし今日ちょっとオシャレして来ちゃった(猫撫で声)』」
バーフォード「確かバトラの浴衣姿も撮っていたな。後でくれないか? 娘に送りたい」
マイケル「つってwwwダーリンがwww『見せてみろよ……マイハニー……(イケボ)』脱いだら貝殻がちくbry
ウィリアム「五月蝿いですよ(怒りの腹パン)」
マイケル「『ドォゴォ」ボホォ……ゴホォ……マジすみませんでした(´ ; ω; `)」
ウィリアム「分かればいいんです」
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