ガーリーエアフォース PMCエースの機動   作:セルユニゾン

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実は書き溜めしてたんですよ。(これだけ)
次回はもっと遅くなるかな?

まあ、そんなことは置いておきまして、作戦空域【転生から…】に各機突入せよ!


作戦1 転生から…

『デ〜ンデ〜ン デン デデデン デデデデデン…』

 

「ケータイ鳴ってるよ〜」

 

(誰だ? 俺の至福の時を邪魔する奴は……)

 

微睡みの中で僅かに目を開けると南海の様な青の瞳にウェービーなロングヘアに所々跳ねている髪が活発な印象を与え、やや舌足らずで幼い感じの声とデニムに袖無しジャケット、黒いタンクトップという服装がやんちゃで活発な印象を強くする。しかし、視界の下の方に映る二つの丘が大人な印象を加えている。

 

「……イーグルか……眠いんだ……後にしてくれ……」

 

上から覗き込む様にして起こそうとしていたのはここの基地に配属されている仲間の【イーグル】だ。

イーグルは数少ない対ザイ用にチューニングされた戦闘機【ドーター】のパイロットである【アニマ】だ。ドーターは操縦系統が既存の戦闘機ものとはかけ離れた操縦系統でそれに合わせた訓練を受けているらしい。

 

【ザイ】は2年前にタクラマカン砂漠に出現した飛翔物体だ。災厄を意味する名を付けられた飛翔物体は瞬く間に中国大陸に進出し、制圧した。ザイと対等に戦えるのは【アニマ】と【ドーター】の組み合わせと15Gに耐えられる特典で人間やめた俺だけだ。

因みにアニマとドーターの組み合わせで一機、二機と数えるらしいが俺はそう考えらないタイプだ。ていうか、パイロットと機体込みで一機とはどう言う事なのか?

 

「じゃあ、このケータイどうするの?」

 

そう言われイーグルに差し出された携帯端末を目をこすりながら受け取る。未だに携帯端末は【戦場の中】を流している。

「ファッ!?」

 

映し出せれていた連絡先の名前を見て、俺は速攻で眠気が吹き飛んだ。

 

「はい! こちらアルタイル1です! お電話遅れました!」

 

相手には見えはし無いが敬礼をしてしまう。

 

《まあ、寝ていたのだろう?そんなことよりも、お前に仕事が入った》

 

こんなんでも怒られないのは3年前の出来事を共に乗り越えたからだ。今では上司というより戦友と言える関係だ。

 

「ちょっと待って下さい。移動するんで」

 

<<聞かれても大丈夫だ。ランク2の仕事だからな>>

 

俺の会社では仕事の機密性の高さにランクを付けている。ランク2は関係者には普通に開示される情報レベルだ。

 

「ランク2ね。差し詰め拠点の変更か?」

 

<<ああ、上層部から那覇での仕事はもういいとのことだ>>

 

「じゃあ、次の仕事の話を頼む」

 

<<そうだな。今日の昼には那覇を出て、小松に行ってくれ無いか?>>

 

今、俺がいるのは航空自衛隊那覇基地だ。仕事という理由からここにいるが、本当はもっと高い金額で契約してもいいという国もあったのだが友からの頼みでは断りずらい。

そう言った理由から自衛隊の基地にいる。

 

「小松? なんで? あそこにはここと同じアニマとドーターが配属・配備されていた筈だろう?」

 

ここ那覇基地には、アニマとドーターの組み合わせが二組いる。確か小松にもこことは別のアニマとドーターが配属されていた筈だ。小松は過去に一度もザイからの襲撃を受けていない都市だったからわざわざ防空能力強化の為に俺を転属させる必要は無い筈だ。それを考えると俺の嫌いな政治的判断というのら政治家共の保身の道具にされていそうだ。

 

『我々は、手綱を喰いちぎる狼だよ!』

 

そう考えた俺の頭に3年前の出来事の指導者の言葉を思い出した。

 

が、電話の主からの言葉を聞き杞憂に終わった。

 

<<それを戦力と見れないから、君のご指名だ>>

 

ただ、単純に戦力にならないから、らしい。防空能力の強化というよりは繋ぎ的な事なのだろうか?

そういえば、あいつがそんなこと言ってたけど、解決してないのね。

まあ、政治家が関わっていないならば答えはひとつ。

 

「了解いたしました。アルタイル1 謹んでその命令をお受けします」

 

仕事を受ける一択だ。

 

<<じゃあ、頼むぞ。正式な書類のデータを君のPCに送っておくから確認してくれ。ではな>>

 

「ええ、ではまた」

 

そう言って切ろうとした時に声が遅れて聞こえた。

 

<<ああ、娘が君からのプレゼントを喜んでいたよ。ありがとう>>

 

送ったのは星の砂だ。一人でコツコツとためて送ってやった。まだ、二桁にもいかない年齢だ。丁度いいだろうと送ったがお気に召した様でよかった。

 

「……仕事の電話で話すことか?」

 

仕事の電話で言うことでもない様な気がする。

そう言って切ってやった。

 

(しかし、仕事は兎も角として懐かしい夢を見たな)

 

俺がこの世界に神様のお詫びで転生した18年前の出来事が夢でてきた。

俺の親は父親だけ、しかも莫大な借金を抱えていたからか夜逃げして俺は航空機にクソ親の借金返済の為に15歳から乗っている。無論、無免である。が、15か16歳の時にとある民間軍事企業が自分の借金を肩代わりしたくれてのだ。それを理由に航空傭兵団を抜けて肩代わりしてくれた民間軍事企業に就職した。そして就職1年目に長期の大仕事が入ったお陰で肩代わりしてくれた金を返しきり、最近になってようやくちゃんとした給料が入る様になった。因みに給料は出来高制。

 

「小松に行くの? なら、私も「無理だからな」え〜〜」

 

小松にはイーグルがお父様と呼ぶ人物がいる。こいつの性格上、間違いなくついていきそうだから先に釘を刺しておかないと絶対についてくる。

イーグルはなんと言うか父親大好きっ子な子供だ。その父親は嫌そうな顔をするが。

 

(さてと、愛機のチェックをするかなと)

 

『なんで、なんで』と言いよる。大きな子供を放置してハンガーに向かう。

 

外に出ると潮風が吹く。

 

サンサンと照りつける太陽の光の中を歩く。一年前の出来事の最初の方や傭兵団にいた頃は砂漠で砂が体に付くので不快に思うがここはそうじゃ無いので過ごしやすい。

 

「やあ、整備はどうだい? 今日の昼に小松まで行きたいのだが、行けるかい?」

 

その言葉にサムズアップで答える整備員達に感謝の言葉を送りつつ機体に近づく。

 

俺の愛機は3年近く前に一番機から二番機の番号・位置と一緒に贈られた機体を大切に使っている。それまでは傭兵時代に使っていた軽戦闘機で仕事していた。それも貰い物(鹵獲品)だった。

 

今の俺の愛機は退役したF-4B型の魔改造機だ。3年前の出来事の間に何回も傷つきその度に修理・改修・強化された機体だ。(3年以上前から手を付けられていたらしいが)最早、シルエットが原型を留めているのが不思議な位の魔改造だ。中身なんかはB型の面影すら無い。

 

RF-4TB-AZJ ファントムⅡ

 

ミサイルの搭載数・運用能力の強化に加え対地攻撃能力と対艦能力を付加された上にある任務を遂行する為に偵察能力も加えられて、ザイの出現から1年後にザイのジャミングのみだが、ジャミングを無力化する電波を機体周辺に発生させる装置を装着しるという魔改造が施された、F-4B ファントムが素体になっている。Ⅱは二回の大規模改修を施された事を指す。

《Rは偵察機 TBはTorpedoBomber(トーピード・ボマー)(雷撃爆撃機)を指す。AZJは対ザイジャミングの略》

 

「じゃあ、昼は頼むな」

 

ノーズに額を付けながら呟いて離れる。

 

「彼にも朝飯(オイルと燃料)食わせて(入れて)置いてくれるか?」

 

「わかった。しかし……しくなるな」

 

天井を見上げながら呟く整備員。

 

「俺もだ。沖縄は好きなんだが、仕事だからな。仕方ないのさ」

 

そう締め括り、朝飯を取りに食堂に入ると中々の多さに食堂をやめて、売店に移る。

牛乳にシリアルとフルーツを購入して食べる事にした。昼にフライトがあるので腹にガスが溜まりそうなのは控える様にする。俺の隊の3番機が一回ガスの膨張で胃に大損害を負わせているので気を付ける。

 

(これ食ったら、部屋片付けよう)

 

と言っても、PC位だが。

 

部屋の鍵を返して、間借りしているハンガーに赴くと地上にいるパイロットの殆どがキャノピーを開き、タラップが取り付けられた愛機と出入り口までの間に立ち敬礼で見送りに来ていた。

 

「バッチリ、整備しとる。安心していけ!」

 

笑顔で伝えるのはこのハンガーの整備主任だ。浅黒の肌に気前の良さそうな笑顔が好印象を与えるおじさんだ。

 

「うううう。自分はまだ……貴方に教えて欲しい……事がまだ………」

 

「(歩く拡声器(イーグル)め〜。面倒な奴に)あ〜、うん。仕方ない事だから」

 

着任時は生意気な新人パイロットだったが今でも俺を信頼して訓練してくれとも言ってくる三尉だ。こいつは、こうなる気がしたから面倒なので、黙って行こうと思ったらちゃっかり来てやがった。何時か殴ろう歩く拡声器を。

 

「小松でも頑張れよ」

 

「はい(おいおい、基地司令まで来たよ!)」

 

なんと基地司令まで来ていた。この人は現場からの叩き上げの司令で現場の事をよく知っているからこその行動を起こしてくれるので結構、頼りになる人だ。

 

「……じゃあ、行ってきます」

 

梯子の前で振り返り、敬礼しながら挨拶すると口々に『行ってらしゃい』と言われ恥ずかしくなってタラップを駆け足気味に登る。

 

「バッテリーオン。キャノピー閉めるぞ。離れろ」

 

最後の方は要らないがつい癖で行ってしまう。これも3年位前の出来事での癖だ。

 

上から一枚の湾曲した液晶パネルが降りてくる。完全に閉まると外の光が完全に遮断されて、計器とスイッチ類以外の光がわからないがあるスイッチを押すと外からの光が入ってきたように明るくなる。正しくは外の光が入ったのではなく、全天周モニターが写している物である。

 

<<滑走路への侵入を許可する>>

 

<<roger(了解)>>

 

スロットルを開き加速する。翼が空気の層を切って、揚力を作る。一定の速さに来ると陸からタイヤが離れて空に上がって行く。

 

<<貴機の高度制限を解除します。無事の旅を祈っております>>

 

<<ありがとう>>

 

高度を上げて大型機と小型機の高度の間の高度を巡航速度で小松へと飛び、海の上を飛んでいる時に通信が入った。

 

<<スクランブル要請! ポイント……>>

 

那覇基地からのスクランブルだった。このスクランブル要請に俺が答える義務は無い。

 

(義務は無いが……義理と借りがある!)

 

何も言わず俺の愛機のハンガーを貸してくれた基地司令に俺の我儘な整備・改造を笑顔で引き受けてくれたおじさんに俺を慕ってくれるパイロットと隊員達にせめてもの恩返しがしたい。

 

俺は機首をスクランブル要請のあったポイント方向に向けて、高出力で索敵レーダーを飛ばし索敵する。

 

俺の愛機のファントムには高出力にすると超長距離まで索敵範囲を広げられるレーダーが搭載されている。しかし、弱点もある。一つ目は逆探知されやすい事。高出力でレーダーを使うから当たり前だ。二つ目に作動から情報を手に入れるまでに時間差がある事とECM(電子妨害)を受けた途端に性能が悪くなる。具体的に言うと二次大戦の日本製電探の方が性能が良い。しかし、これは高出力での索敵であり、通常出力なら普通よりもロックオン速度が高く、その他各種性能が少し良いくらいのレーダーだ。

 

そんな注意事項を思い出していると情報が届いた。

 

(距離は3500。中国大陸方面からの侵入。数は5機。増槽を付けたまま戦闘域まで行って、アウトレンジで長距離ミサイルを発射してから照準を合わせる。接敵したら即座に増槽を破棄して5分で戦闘を終えれば、補給無しで小松まで行けるか?)

 

撃滅はしなくてもいいのだ。那覇からはバイパーとイーグルが飛んでくる筈なのだ。

 

<<俺も迎撃に出る! 間違いなくザイだ!>>

 

中国大陸が制圧されてから東シナ海は最前線だ。そして、東シナ海に一番近い航空自衛隊基地は那覇基地。つまり、中国大陸の方向からならザイじゃない可能性の方が低い。

 

<<ありがとう。だが、報酬は出さんんぞ>>

 

<<サービスだ!>>

 

スロットルを開いて、急ぎ足で指定されたポイントまで行く。

 

その頃の那覇基地では軍用機ではあり得ない山吹色に塗られた【F-15J イーグル】と同じく軍用機ではあり得ない色の【F-2 バイパーゼロ】が滑走路に佇んでいた。

 

「アルタイル1が居なくても、問題ないんだから!」

 

山吹色のF-15Jが飛び立って行く。

 

「………」

 

少し遅れて、ラベンダーパープルのF-2も飛び立つ。

 

<<BARBIE02とBARBIE04はすぐに向かってくれ。今、ALTAIR1が向かってくれている>>

 

「え!? わかった! 落とされる前に行かなきゃ!」

 

速度を上げるイーグルにバイパーゼロも速度を上げる。

 

 

 

 

イーグルとバイパーゼロが速度を上げている頃にはALTAIR01はザイをレーザー誘導型遠距離ミサイルの射程距離に捉えていた。

 

「FOX2!」

 

操縦桿についたスイッチを一回押す。

 

主翼から一本の白い煙が凄まじい速度で発射された。

発射されたミサイルはレーザー誘導の為にレーザー照射による誘導しなくてはならないが誘導性能が既存のものより良い上に飛距離が長く、使いやすいので遠距離攻撃に重宝する。

 

3年前の作戦で砂漠のど真ん中に短距離空対空ミサイルと燃料を積んだ輸送車を待機させて、その付近からこのミサイルを発射、着弾後に短距離空対空ミサイルを積んで、短距離離陸能力にものを言わせて制空任務に就くという無茶苦茶をやった思い出がある。

 

誘導を受けるミサイルは目標に寸分違わず向かうがザイ特有の90度に近い10G超えのマニューバ、HiMATの所為で振り切られてしまう。

 

(まあ、そうなるな)

 

元から、レーザー誘導のミサイルが当たるなんて思っちゃい無い。これが当たるのは機動性が鈍い重・中爆撃機型だけだ。戦闘機型のこいつらに当てられないのはわかっていた事。だから、撃墜するのが目的ではない。攻撃し易い位置に付くための囮として飛ばした。

 

ポイントに着いた俺は機動が遅れたザイに上斜め45度から急降下する。

 

「In gunrange fire!」

 

機首の下に取り付けられた改造30mm連装銃から30mmの弾丸を発射するが90度に近い機動で回避され後ろに付かれる。

 

[missile alert]

 

正面モニターに赤字で小さく点滅する。

 

(ッチ。ロックオンされたか!)

 

回避機動に入ろうとした時にはモニターに表示された高度計などが赤くなる。ミサイルが発射された合図だ。

 

(回避は無理くせーな……ならば!)

 

腹と同じくらいの高さにある小型ディスプレイの横にあるスイッチをOFFからONに切り替えると小型ディスプレイに白字で

 

[Active defense system standby]

 

と表示された。

 

ザイのミサイルが近接自爆寸前の距離でザイのミサイルが爆発した。

 

後部に搭載された12.5mm弾による迎撃システムにより迎撃したお陰で機体に損傷はない。

 

[Target lock-on]

 

「 (しめた!)FOX2!」

 

別の機体をレーダーがロックオンしたのを確認してサイドワインダーを発射する。近距離から発射されたミサイルにザイも回避機動をとるが近すぎたせいで振り切れずミサイルがザイを貫き、爆発した。

 

「One kill!!」

 

[missile alert]

 

「しまった!」

 

ミサイルアラートの表示を見た瞬間に加速するが、ザイからミサイルが発射される。

こっちはコブラ機動で熱源を隠す事で回避するが、ミサイルを発射したザイが加速して襲い掛かかって来るのを確認する。俺はそのまま推力に物を言わせて加速して、距離をとる事にする。

ザイも下から90度に機首を起こして追いかけてくるが、ザイが機首を起こしをした時に角度を変えて上昇。機首を垂直に起こした事で機体の背をザイに向ける形になるがそのまま減速を続けると一回転。下を通ろうとしたザイの背に機首を向ける結果になり、素早く30mm弾を発射するが撃墜には至らなかった。

 

「クッソ!」

 

悔しがる俺にレーダーがさっき撃ったザイの反応が無くなった事を報告してきた。その方向に目を向けると破片が舞っていた。

どうも後で誘爆して撃墜したようだった。

 

[back alert]

 

後方警戒レーダーが後ろに付かれた事を報告する。

 

「返り討ちにしてやるよ」

 

俺は慌てずに機体をロールさせがらエアブレーキを全開にしる。ザイの弾丸が手を伸ばせば触れてしまいそうな距離で飛んでくるが気にせずマニューバ続けるとガラス細工の様なザイが至近距離でモニターに映り出される。迷う事なく機銃を発射する。

 

ザイも必死の回避機動で逃げようとするが、5メートルを切った距離からの容赦ないフルオート射撃には逃げられ無かったようだ。

 

ザイはそのM字のような主翼の左端に弾丸が当たってバランスを崩され背中を此方に向けて、コブラ機動のような格好になる。

 

被弾面積が増えたザイに容赦無く30mmの弾丸が殺到する。その殺到した30mmの弾はザイの特徴である、ガラス細工の様な機体に穴を開けていき、物言わぬスクラップを超えて目の前でバラバラに砕いた。しかし、気づくと一機が後ろに食いついていた。

 

「しまった………とでも言うと思ったか?」

 

バレルロールしながら、エアブレーキを展開して減速。ザイをオーバーヘッドさせてやる。

前にザイが来た瞬間、ロックオンする前にAAMを発射して (発射後ロックオン)を使い、発射したミサイルに追尾機能を付加させる。

 

しかし、ザイの直角に近い角度でのマニューバにミサイルの追尾機能が追いつかなかった。

 

ザイは直角に近い角度でのマニューバを繰り返し後ろに付く。

 

「ッチ!」

 

増槽を破棄しながら加速して一旦距離を取ろうとするが、向こうも加速して追ってくるが後ろに花火が上がるとガラス細工の破片の様なものが下に落ちていく。

 

<<二ヒヒ。危なかったでしょ?>>

 

舌足らずな声が通信機から聞こえた。視線を後ろに向けると後ろに山吹色のF-15Jが飛んでいた。

 

<<イーグル、ナイスキル!>>

 

俺なら後ろに付かれてもなんとかなったと思うが助けられた身だ。ありがたくお礼は言っておく。

 

<<ムッフー>>

 

通信機から大きな鼻息が聞こえたと同時にディスプレイにメッセージが表示された。

 

enemy kill(敵機を撃墜)

(いつの間に!?)

 

バイパーから敵機撃墜の報告を貰うが、イーグルと短いやり取りの間に何時、バイパーがザイを墜としたのかわからなかった。

 

<<バイパー、良くやった>>

 

thank you(ありがとう)

 

人見知りで話してこないので、メッセージしか飛んでこない。

結局、俺は最後まで、バイパーの声を聞けなかった。

 

(そろそろ、慣れてくれても良いと思うんだが……)

 

極度の人見知りに恥ずかしがりやには酷な話しだろうと考えを改める。

 

念のために全てザイを落としたのか確認する為に索敵レーダーを高出力モードで飛ばすがザイの反応は一機も無かった。

 

<<じゃあな。最後に君達と戦えてよかった。東シナ海は君達二人に任せて良さそうだ>>

 

<<当たり前でしょ!バイパーと私が入れば十分なんだから! もう戻ってくるな!>>

 

イーグルの自信に満ちた声が通信機から聞こえる。

 

<<そうだな。まあ、上層部が俺に仕事を回さなきゃなら無くなる様な仕事はするなよ。ま、無理か>>

 

<<むっきー!どう言う事よ!>>

 

<<撃墜数レースで一回でも、俺に勝ったか?>>

 

<<……一回だけ……>>

 

<<あれは一般的にドローって言うんだぞ?>>

 

どっちの機銃で落としたのかわからない重爆撃型が有ったのだが、それをイーグルが墜としたならイーグルの勝ちだが、俺なら俺の勝ちだ。

 

判定が面倒なのでドローにしてバイパーにその戦果を譲ってお終いだったのだが、こいつ、今になって掘り起こしやがった。

 

<<まあ、お前ら二人と二機が入れば問題ないだろう。頑張れよ。君達の武運を祈る>>

 

バンク(機体の主翼をその場で上下させる行動)をイーグルとバイパーゼロに送った後に小松へと機首を向けた。

遅れてバイパーからメッセージが届く。

 

[good lack]

 

(『幸運を祈る』…か。さていつも通りの仕事をいつも通りするだけだ)

 

バンクして見送ってくれるイーグルとバイパーゼロを見ながらそう考えていた俺は、新たな出会いと未知の試練が小松で待ち受けているなんて、この時の俺は考えもしていなかった。




ここまで読んで頂きありがとうございます。
空戦の描写がイマイチわからず暗中模索の状態でしたがお楽しみ頂けたら幸いです。

次回予告
小松に着いたアルタイル1にある仕事を言いつけられる。その仕事とは……
各機別命が有るまで待機せよ。
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