ガーリーエアフォース PMCエースの機動   作:セルユニゾン

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思ったよりも早かったね。自分でも驚いている。

初めての巨大兵器戦だというだという事を差し引いて呼んで下さい。過度な期待は禁物です。派手な戦闘ではなくなりました。

あと、バトラの過去話でバラウールさんのヘイトが高まっている。頑張って、ヴァラヒアの皆さん。


作戦23 亡霊成仏

小松基地 明朝7時。

 

基地のど真ん中に仮説の演説台が設営されて、その上に何時もの制服では無く、モスグリーンの一般隊員が着る服に身を包んだ小松基地司令の団 修が台に立つ。

 

「作業をしながらでも聞いてくれ」

 

団司令が拡声器で作戦開始前の最後の点検が終わりかけた基地に響かせる。

 

「我々は、幾度も無く国家存亡の危機に瀕してきた。だが、その度に神が我々に加護を与えて来た。元寇の神風、太平洋戦争の天皇のお言葉。だが、今回は神の加護は無い」

 

気が付けば全員が団司令の方向を向き、耳を傾け。ある者達は近づき集まって行く。

 

「何故ならば、神は我らに奇跡を起こせと言っているからだ。巨大航空機を墜とす。これは奇跡が起きなければ成し遂げる事は出来ないだろう」

 

団司令の言葉に顔を俯かせる者も居た。

 

「だが、私の眼の前にはこれだけのエースが集まっている。今日飛び立っていく者は我が航空機自衛隊が誇るエースだと私は信じている。エースとは奇跡を起こす者だ。これだけのエースが集まれば奇跡を起こすなど容易だろう」

 

俯けていた顔を上げるパイロット達。

 

「だが、必死と決死は違う。君達には必死の覚悟で必勝精神を持って今作戦に挑んで頂きたい」

 

全員の眼の色が変わった。

日本帝国軍と日本国自衛隊は違う。

生きて帰ってこそ、自衛隊の勝利なのだという団司令の思いはしっかりと伝わった。

 

「今作戦は全員の生還を持って、完全終了とする。最後に……今迄、負け続けた我々だが今日は我々の……」

 

拡声器から口を離して間を作る。

 

「今日が、我々の……反撃の狼煙を上げる日だ!!」

 

『『『うぉおおおおおおッ』』』

 

叫び声を上げて、手を振り上げる者。

叫びながら、ガッツポーズを取る者。

必死の覚悟を決めた者が無言で最敬礼を送る者。

ヘルメットの紐を握り、頭上で回し者。

 

団司令が満足した表情で台から降りて行く。

 

「見事な演説でした。さっきまでとは士気が段違いです。そして、その恰好は……」

 

バトラが近寄り、声を掛けた。

団司令は笑いながらバトラに語り掛けた。

 

「見ての通り、飛ぶつもりだよ。ウイングマークを持っているから問題無い。それにヴァラヒア戦争で損失した戦闘機の補充はF-4で賄っていた分が終わった程度だ。つい最近まで動いていたF-4EJ改はついさっき届いた」

 

「本気なんですね」

 

「ああ、こんな年だが、現役パイロットだ。何、ベトナム戦争頃のF-4B位の事はできる」

 

そう言いながら、用意された対Gスーツを着て、ヘルメットを掴む。

 

団司令は隊員に付き添われながら人混みへと消えて行く。

 

「……行くか」

 

そう呟いたバトラのホルスターにはトカレフが、手には赤いヘルメットが握られていた。

 

「何時もの青いヘルメットと拳銃じゃないな」

 

機体の検査をしていた整備員に声を掛けらたバトラ。

 

「ああ、今日は願掛けを込めてな」

 

「そうかい。詳しくは聞かねえ。整備はバッチリだ」

 

そう言うとタラップが機体に取り付けられる。

 

「ADMMは3基を機体の腹の大型ウェポンベイにしまってある。EMLは上部ウェポンベイだ。ミサイルは主翼の反埋め込み型に1発ずつ。増設ハードポイントに4発ずつ。増槽が主翼に2個ずつだ。武装の追加と増槽で加速や上昇能力が低下、ステルス性も無くなっている」

 

「ステルス性は通常戦闘機と共同戦線だから問題無い。増設のミサイルも長距離ミサイルだろう?」

 

「ああ、そうだ。行ってこい!」

 

ハーネスの締め具合を確認されたからタラップを降りるとタラップが退かされて、車輪止めとミサイルの安全ピンが抜かれる。

 

安全ピンを抜いたことを教えるために掲げられた安全ピンが見えてから、ハンドサインでエンジンをかけると送ってからエンジンに火が灯された。

 

ゆっくりとした動作でハンガーから出ながら、主翼の端が伸ばされて行く。

 

管制官の指示の元に滑走路に進入するとその後ろからFー16に似た双発機が2機進入する。

滑走路の上でデルタ編隊を組む。

 

<<こちらは管制塔です。ANTARES02、ALTAIR03、04の離陸を許可します>>

 

その指示の後にエンジンから赤い炎、暫くして青い炎が噴き出す。

 

<<気負いすぎるな。相手がデカイだけだ>>

 

滑走を始める瞬間にそう残して、機体を滑走させるバトラ。

詩鞍と詩苑もその後ろをついて行くように滑走を始める。

 

<<アンタレス隊、アルタイル隊が離陸。バービー隊、滑走路進入を許可する。続けて離陸せよ>>

 

その通信をバトラ達は浮き始める機体の中で聞いていた。

ある程度の高さまで上昇してランディングギアを格納して、右旋回を行う。

 

<<全機、離陸後は空中管制機の指示を受けろ。日本の存亡が掛かっている。繰り返す。日本の存亡が掛かっている>>

 

その通信を聞きながらバトラ達が先に上がった自衛隊と日本海に入る寸前に合流した。

 

<<こちらは空中管制機のカノープス。亡霊成仏に参加するMS社の戦闘機部隊の個別の指示に従って貰う>>

 

<<では、ANTARES02は僚機を欠いているので、臨時編成を行います。えっと……>>

 

グレアムが通信を繋げた後にレーダーを確認する。

 

<<居ました。BARBIE05はANTARES02の2番機について下さい>>

 

<<了解しました>>

 

ベルクトがバトラより高度の低い場所から現れ、右旋回をしながらバトラの後方に近づく。

 

<<この臨時編成中はBARBIE05をANTARES03とします>>

 

<<まだ、戦闘に不慣れですからバトラさんについて行きます>>

 

その通信にバンクで答えるバトラ。

 

<<ANTARES03の臨時担当オペレーターはマイケル・アリーナ軍曹です>>

 

<<臨時でオペレートするマイケル・アリーナです。巨大航空機戦ですか。楽しみですね>>

 

アリーナが気さくに話しかける。

 

<<アリーナ軍曹。遊びに行く訳じゃ無いんだぞ?>>

 

<<それはわかっています。少し位はリラックスしてもいいじゃ無いですか>>

 

<<アリーナ軍曹の言う通りだ。張り詰め過ぎるのも良くない。適度にたわならなければ簡単に糸は切れる物だ>>

 

この通信に各機から賛同の言葉が発信される。

バトラもそれはそうかと息を吐く。

 

航空自衛隊とMS社の連合部隊が日本海上空を航行している最中に海上自衛隊のほうしょうの上を通るとほうしょうから2機の戦闘機が合流した。

 

日本国が所有するたった2機のAZJ戦闘機のF-3 震電Ⅱだ。

 

<<海上自衛隊所属の長瀬 佳よ。TACネームはEDGEよ>>

 

<<海上自衛隊所属の浅野 航だ。TACネームはASTERだ>>

 

海上自衛隊の2機は航空自衛隊の管制機の指揮下に組み込まれた。

 

新たな2機の機体を加えた一行は大和堆へと進む。

 

時刻は10時10分前だった。

 

<<レーダーに反応! これは……大型の巡行ミサイルだ!>>

 

<<なんて、サイズだ! 数は20!>>

 

<<サイズの問題で戦闘機としてロックオンできます>>

 

<<自衛隊機は長距離ミサイルでこの巡行ミサイルを撃墜しろ>>

 

周りを飛ぶ自衛隊のF-15・F-2B・F-3・F-4から長距離ミサイルが放たれ、遠方に巨大な炎の花を咲かせる。

 

だが、時間をおいて発射されたであろうミサイルが飛んでくる。

 

<<もう一度だ!>>

自衛隊の航空管制官の指示でもう一度発射される。

 

<<良し! 前進>>

 

<<何かくるぞ。バーフォード中佐>>

 

戦闘を飛ぶバトラの目には向こうから飛んでくる黒い点が見えた。

 

<<ステルスタイプか……AZJ戦闘機とANTARES03はザイを避けて上昇しろ>>

<<バービー隊も上昇して避けて下さい。ステルスタイプのザイは他の部隊で対応します>>

 

ステルスタイプのa型ザイと自衛隊機が接敵した。

ミサイルが確認されていないステルスタイプだが、索敵レーダーに加えて、ミサイル関係が使えない為に苦戦しているが、未だに撃墜された航空機はなく、逆に1機だけいるF-4がザイを1機撃墜した。

 

<<バーフォード!スピリダスザイのEPCMを喰らった。AZJシステムが作動している>>

 

<<自衛隊機に被害が出るのも問題か……ZJAEシステムを起動する>>

 

バーフォードが何かのシステムを起動するとAZJシステムが機能を停止した。

 

<<なんだこれは?>>

 

<<ザイジャミング・アサルトエリア・システムです。直接通信が可能な距離だけですが、EPCMの電子機器被害だけを抑えられます。これでレベル3Cまでなら充分な戦闘が可能です。それ以上でも、F-4Bと同じ戦い方はできます>>

 

バトラがグレアムの説明を聞いている間にも、敵機撃墜の報告が自衛隊管制機に届いていた。

 

<<AZJシステムの感覚障害対応を確認しました>>

 

一定以上の距離に接近したのかEPCMのレベルが上昇した。

 

<<敵機を発見しました>>

 

浅野がザイ・スピリダスの姿を目視で発見した。

そして、同時に小型機の反応が自衛隊の方へと大量に飛んで行く。

 

<<敵のパラサイトファイタータイプを確認。自衛隊に向かっています……ん? これは……>>

 

<<韓国空軍機と台湾空軍機だと……何故、ここに?>>

 

<<韓国空軍の者だ。電子戦機型のザイ撃墜の恩を返しに来た>>

 

<<台湾空軍の者だ。司令官をぶん殴って来た。俺たちにも手伝わせろよ>>

 

 

韓国空軍のF-5Eに加えて、台湾空軍のF-16とF-CK-1が飛んで来ていた。

そして、自衛隊機と合流するとそのままザイを相手に空戦を繰り広げていた。

 

<<思わぬ援軍が来たな。それと敵はレーザーCIWSを4基。スピリダスの誘雷兵器が有った場所に確認された。さらにパラウールと思しき物もあるそうだ>>

 

<<手段はスピリダス戦と同じ方法で行います。まずは防御火器を破壊して、内部構造に直結している武装に攻撃をしやすくします>>

 

京香からの通信に全機から了解の合図を送られる。

 

<<敵がミサイルを発射しました。回避を!>>

 

垂直に発射されたミサイルが白い煙を吐きながらバトラ達に迫る。

バトラ・佳・航・イーグル・ベルクトは上昇して、それを追いかけて来たミサイルに機体を捻る様に動かして、ミサイルの追尾機能を振り切った。

 

ベルクトだけはフレアをばら撒く事でミサイルを受け流した。

 

降下組もフレアを個別に焚いてミサイルの回避をした。

 

全員がミサイルを回避すると増槽を放棄して、加速する。

巨大兵器戦では距離を取りすぎると飛んでくる武装が多いのとミサイルなどは速度が乗るので回避が難しくなる。

 

近距離を狩りを行うサメの様に動き続けるのがセオリーだとされている。

 

だが、近づかせまいとザイ・スピリダスもレーザーCIWSと機銃・高射砲を発射する。

レーザーCIWSは威力と距離が伸びたものの連射力を落ちており、回避も発射寸前に仰角以上の場所に移動してしまえば簡単に回避できる物だった。

 

<<もらった!!>>

 

真っ先にザイ・スピリダスを攻撃したのはイーグルのF-15Jだった。

20mm機銃で対空機銃を1基破壊した。

 

<<良し! 次とっ!>>

 

隣の高射砲へと攻撃を開始する寸前に他の機銃の優先攻撃目標になった山吹色のF-15Jに機銃の弾丸が殺到する。

 

<<うわああ!?>>

 

エルロンロールで射線を振り切り、ザイ・スピリダスの腹下に潜り込もうとする。

 

<<突っ込みすぎですよ>>

 

F-15Jを追う機銃に20mm機銃を発射するファントムだが、ファントムにも他の機銃の攻撃で退避を余儀なくされるが1基破壊した。

 

<<硬いですね>>

 

ザイ・スピリダスが20mmを弾いていることを確認したファントムが離れて行く。

離れるファントムに機銃と高射砲の攻撃が迫るが高射砲の攻撃は直上攻撃した航により破壊されるが、ミサイルに追われた航は一旦、攻撃を切り上げて退避に専念する。

 

<<もう一度!>>

 

F-15Jが腹の下を通り、ループしながら尻の方に抜けて攻撃しようとするが、2枚重ねの主翼の下の主翼に搭載された機銃の攻撃を浴びて、引き剥がされるが、ザイ・スピリダスの前方から佳が背面飛行をしながら機銃を発射して武装を破壊した。

 

ザイ・スピリダスもやらているだけではいかないと下の主翼裏側に乗せたパラサイトファイターを15機発進させる。

パラサイトファイターは主翼を広げると無尾翼化したF-117の様な機体だった。

 

パラサイトファイターが動き出した瞬間。

 

<<ドライブ>>

 

lℓ-44の腹から12発ものマイクロミサイルが発射されて、12機を撃墜する。

 

<<ANTARES03、インガン・レンジ・ファイア>>

 

バトラが取り逃がしたザイをベルクトが機銃で撃墜するが2機は生き残り、ベルクトの後ろに付く。

しかし、後ろに付いた瞬間には黄色い線が2機のザイを炎の花に変えた。

 

<<ALTAIR03が撃墜>>

<<ALTAIR04も撃墜>>

 

F-2Xに搭載された20mm機銃2門による射撃だった。

2機のFー2Xは主翼と主翼の間を通り過ぎて行く。

 

すかさず機銃が2機のF-2Xを追うが、その瞬間にファントムとイーグルのミサイルが高射砲を捥ぎ、航と佳の機銃が左主翼の対空機銃を全て破壊して、左主翼から武装を奪った。

 

ベルクトが左主翼のレーザーCIWSにロックオンされるがコブラ機動で無理矢理にロックオン。ミサイルを叩き込み、発射を強制キャンセルさせた。

 

更にハッチが閉まり切る前にバトラのミサイルが左レーザーCIWSに突き刺さり、破壊した。

 

JAS39Dが遅れて戦闘空域に参加して、海面ギリギリから急上昇し、ザイ・スピリダスの上空へと踊り出る。

踊り出たグリペンに上部レーザーCIWSと高射砲に狙われるがF-2Aが対艦ミサイルをマニュアルで誘導して、レーザーCIWSを一撃で破壊して見せた。

 

高射砲は反転接近していた片宮姉妹の機銃とミサイルで破壊した。

 

<<敵の機銃、高射砲の無力化を確認した。だが、VLSとレーザーCIWS、バラウールが健在だ>>

 

<<ですが、黒煙が確認できます。ん? 高熱源反応を確認! 機体中央の後方です!>>

 

<<バラウールの位置に近い。後方に接近したのち、熱源に攻撃を加えろ>>

 

全機から了解の返事が来た瞬間にザイ・スピリダスが新たな兵装を展開する。

 

主翼後方に『バチバチ』という音を立てて、電気の球体の様な物が現れる。

 

<<あれはミサイルを無効化するデコイだ。デコイの効果範囲外かデコイよりも後ろの位置からミサイルを使用しろ>>

 

広い感覚で並べられたジャマーを右に左に、時には機体を横倒しにしてでもくぐり抜ける機体が有った。

 

<<ANTARES02がジャマーエリアを抜けて接近。ミサイル発射>>

 

Iℓ-44から吐き出されたミサイル2発が正確に発熱機構に命中にダメージを与えた。

機体中央から白煙が発生する

 

<<ANTARES02のミサイルが命中。ダメージを与えています>>

 

<<だが、熱がなくなり、ミサイルが当てられない。周りのジャマーと対空火器を破壊しろ>>

 

バーフォードの通信の直後にレーザーCIWSがバトラに狙いを定める。

 

<<バトラさん!! FOX2!>>

<<FOX2です>>

<<当たって!!>>

 

レーザーCIWSを破壊するべく、Su-47・F-2X2機からミサイルが1発ずつ、計3発が飛んでいく。

3発のミサイルはCIWSに寸分の狂いも無く命中し爆発。黒煙を吐くと機能を停止する。

 

<<レーザーCIWSは右主翼の残り1基です>>

 

<<巨大航空機がミサイルを発射!なんて、数なの……>>

 

主翼に隠されたSAMが発射され、30発のミサイルが10機の戦闘機に3発ずつに分かれて追い立てる。

 

JAS39Dは右バンク込みの右急旋回とフレアで2発を欺き、1発はスロットルを絞ったのとカナード翼直立の急制動とストールで回避して見せた。

 

F-15Jは急上昇をしてから、静止した様な錯覚が起きる程に急制動をかけて頭から落下、ミサイルをすれ違いざまに躱した。

 

RF-4EJはフレアを蛇行旋回をしながら、ベストなタイミングで散布し、3発のフレアで3発のミサイルを捌いて見せた。

 

F-2AとF-32機は持ち前の低空侵入能力を生かして、海面に触れているのでは無いかと思う程の低空飛行で上から来るミサイルをF-2Aは急な上昇で海面へと突っ込まる。

 

浅野機は命中する寸前にコブラ機動からの急上昇で水柱を作り、撃墜した。

長瀬機も主翼を海面に付けた状態で横向きのコブラ機動を行い、水に着いた主翼がブレーキの役目を担ったのか、異様な程小さな旋回半径でミサイルに回り込み、ミサイルはそのまま暫く進むと自爆した。

 

F-2Xの2機は追われた瞬間に2機が合流に動き出し、2機がクロスした瞬間にフレアを4発ずつ散布し、集まったフレアを戦闘機の排気炎だと勘違いしたミサイルが突入。近接自爆した最初のミサイルに巻き込まれたミサイルが次々に爆発する。

 

Su-47はミサイルに追われながら降下、フレアも散布するが欺かれずにSu-47を追いかける。

その前方からIℓ-44が急接近する。

 

<<ベルクト! 俺の合図で左右のどちらかに旋回しろ>>

 

<<わ、わかりました>>

 

ベルクトがデバイスを強く握る。

バトラも操縦桿を握りなおす。

 

<<今!>>

 

Su-47が右に大きく、素早く旋回した瞬間にバトラがコブラ機動と同時にスロットルを抑えてストール。

機首を上に向けたまま下に落下する。

Su-47とIℓ-44を追っていたミサイルが機首方向から追いかける。

 

<<スラッシュ>>

 

そういった瞬間に展開されていたEMLが1回だけ吠えて、ミサイルを全て撃墜した。

撃墜したのを確認してからSu-47の前方を飛ぶ。

 

<<行くぞ>>

 

たった、一言だがベルクトには何故か安心できる言葉だった。

 

<<はい>>

 

Su-47とIℓ-44がスロットルを開く。

 

(この人と一緒なら勝てる)

 

スロットルを操作しながら、ベルクトはそう確信していた。

 

(また、この感じだ……)

 

バトラは首筋を蜘蛛が歩く感覚を感じ、行動を起こした。

 

 

 

 

 

 

ベルクトとバトラが離れてしまった距離を詰める頃には、他の機体は既に距離を詰めていたが、ジャマーの所為で思うような攻撃ができていなかった。

 

ジャマーの近くを通るだけで電子機器に問題を起こす為に不用意な接近ができなかった。

 

<<前方から行くぞ>>

 

ジャマーは後ろにしか発生できないと判断したバトラが前方から接近し、ベルクトもそれに続く。

 

<<FOX2>>

<<FOX2>>

 

バトラとベルクトがミサイル発射のコールして、ミサイルが空に飛び立つ。

バトラさんミサイルは下の右主翼機銃を破壊。

ベルクトの放ったミサイルは高射砲を破壊した。

 

バトラとベルクトはそのまま2機編隊を組んだまま主翼の間を通り抜けていく。

 

<<チェック・シックス、FOX2>>

 

機体の後方ロックオン機能を使ってミサイルを後方に飛ばし、ジャマーを4個破壊した。

ザイ・スピリダスが反撃とSAMを発射するがベルクトはフレアを撒いてブレイクして躱すが、バトラは機体の下に潜り込み、それを追いかけたSAMがザイ・スピリダスに命中するが特にダメージが与えている様な印象が受けない。

 

主翼から残っていたパラサイトファイターを発進されるザイ・スピリダス。

 

<<マルチ・ロックオン……ドライブ!>>

 

24発のマイクロミサイルが腹から撃ち出され、それぞれの目標に飛んでいく。

 

だが、数の問題か10機が生き残る。

 

<<行くぞ、グリペン!>>

 

<<うん>>

 

グリペン・慧はパラサイトファイターの撃墜を選択。

F-2AとF-3もそれに加わる。

F-15Jはザイ・スピリダスへの攻撃に邪魔だと思ったら撃墜する様だが、それ以外は基本的にスルー。

RF-4EJはザイ・スピリダスへの対応に集中する。

Su-47はバトラの近くを飛んで、カバーに入るが2機のパラサイトファイターに追われて、カバーに入りきれないでいた。

 

バトラもザイに追われるながらザイ・スピリダスの腹下に逃げ込む、見上げるとザイ・スピリダスが中央のハッチを開けていた。

ザイを放出した場所だ。

 

「させるかよ!!」

 

バトラがコブラ機動を行い機体を上向きに変える。

ここで正規型が出ると不利になる。危険を承知で行動を起こした。

 

<<内部構造の剥き出しは危険だぜ? スラッシュ!>>

 

2回目のスラッシュ。

Iℓ-44に上部ウェポンベイに搭載されたEMLから1発だけ発射されるが、脆い内部構造に受け止められる筈が無く、格納庫をズタズタにされ、内部に格納されていたザイが誘爆を起こしていく。

 

誘導は止まらずに撃墜間近だった。

 

バトラはザイ・スピリダスの後ろを上昇しながら飛び去り、超えた所でハンマーヘッドを使ってパラサイトファイターと向き合う。

 

<<墜ちろ>>

 

30mm機銃をまともに受けたパラサイトファイター達が粉々になっていく。

 

バトラが首を回すと彼方此方でザイの七色に輝く破片と黒い煙に赤い炎が青い空を彩っていた。

 

<<まずい! ザイ・スピリダス健在! 高熱源反応を感知!パラウールです!>>

 

マイケルの叫びに我に帰る全員。

 

<<目標は……ANTARES03です! 発射まで、10秒!>>

全員がパラサイトファイターの撃墜を行っていた為に離れていた。

さらに相手は電磁投射砲。

 

どうしようもできない。

 

誰もがそう思った。

 

<<ぬぅおおおおおおっ!!>>

 

バトラを除いて。

 

バトラは機体を加速させる。

ザイ・スピリダスのパラウールの正面に来る様にエアブレーキ全開で減速する。

機体の腹から空気のクッションに抑えられた様に減速したバトラがザイ・スピリダスと向き合う形になる。

 

<<あと、5秒! 退避を!>>

 

<<スラッシュ!!>>

 

蜘蛛が歩く感覚に襲われた時にチャージを始めさせた右EMLから300パーセントチャージで発射された弾丸が50mの距離をあっと言う間に詰めて、バラウールの砲口へと突っ込んだ。

 

その数秒後に内側から球体の物資が突然生まれたかの様に機体中央部が盛り上がると内側から爆発を起こし、半分に折られる様な形で日本海へと主翼の65パーセントを残して墜ちていった。

 

<<ANTARES02の無事を確認しました>>

 

<<ANTARES03も無事ですよ!>>

 

<<敵巨大航空機の日本海への墜落も確認した。今回もよくやった、ANTARES02>>

 

MS社と独飛の戦闘機がE-747の周りを囲む様に編隊を組む。

 

<<今回は、撃墜に成功したが喜んではいられない。今回の事で相手には巨大な航空機を所持している事が判明した。いつか別の大型兵器に襲われるだろう。その時は今日の様にいくかどうか……いや、今の君達に言うことではないな。さぁ、小松へ帰ろう>>




さぁ、ベルクトちゃんは救いました。

あとはエピローグ的な事を書いて、第4巻は終了かな?

日常回を予定。ほのぼのして、甘い気持ちになれる作品が書けたらいいな。

あと、対大型兵器戦は設定間違えると臨場感と躍動感と派手さが出せないね……色々、考える事がわかったよ。

それとモデルをオルゴイの方にすれば良かったと後悔している。
余り動かないよね巨大兵器って、(バラウールからは目を逸らしつつ)
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