ガーリーエアフォース PMCエースの機動   作:セルユニゾン

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嵐の前の静けさは書くのが難しいな。

かなりな駄文ですので注意して下さい。




作戦25 小松基地は平常稼働です

下は海の青、上は空の青に挟まれた幻想的な場所を思い思いに飛ぶ人間がいた。

だが、本人はそんな幻想的な場所を飛ぶ事を楽しめる状況ではない。

 

すぐ横を虹色の光を孕んだ小さな物体がすぐ横を通り過ぎて、バトラの背中に嫌な汗がほんの少し浮き出る。

 

戦争を生き抜いたベテランでもすぐ横を弾丸が通り過ぎれば気が気でないし、後ろをビッタリと張り付かれれば精神的に追い詰められる。

 

バトラがスロットルを少し開けて加速と同時に上昇する。

後ろを飛ぶザイと呼ばれる戦闘機も上昇する。

 

だが、上昇能力の差か、徐々に距離が詰められる。

 

(………今!)

 

バトラが推力を一瞬だけ止めて、その間に推力偏向ノズルを上90度に向ける。

向いた瞬間にアフターバーナーをほんの少し少し使用した事で人間が壁を使ったバク転をした様な動きをする。

 

ザイは後ろに疲れると判断した瞬間にアフターバーナーを吹かして逃げ様とする。

 

「遅い」

 

一歩遅かったようでバトラの指は操縦桿の兵装ボタンを押していた。

 

コクピットの斜め後ろに搭載されたキャノン砲から青白い光が一条発せられるとザイは機体胴体は中央からポッカリと穴を開けて、他の部分は圧力に耐えられなかった場所からもげていく。

 

最後にはザイは虹色の破片になって海に落下していった。

 

<<空自管制機、聞こえるか? ザイの撃墜を確認した。RTB>>

 

<<了解です。ザイ5機の撃墜お疲れ様でした>>

 

「ふぅ〜。疲れるな……」

 

通信機が作動していない事を確認して独り言を漏らす。

いくらベテランでも1対5は疲れるものだ。

 

そんな愚痴をこぼすがパッと見では疲れているようには見えない。

敵のトップエース部隊4機を相手に大立ち回りをするよりかは楽だ。

 

因みにどうでも良い事だが、元々、バトラの出撃は今日も無かった。

なら、何故か? 【誘蛾灯】が何かしらの理由で発生したのか? それはない。

小松基地にもZJAEシステムが装備されているのでその心配はないならどんな理由なのか?

 

なんて事はない。タダの休暇交換だ。

慧とグリペンの休暇をバトラの休暇と交換して、ベルクトと一緒に本社に帰っていたのだ。

 

「あ」

 

バトラが間抜けな声を漏らした。

旅客機の離陸と被った為だ。

 

チラリと燃料計を見る。

 

「問題ないな」

 

小松基地を1周してからアプローチする間に小松基地にへばりつく様に待機していた写真家や戦闘機オタク・マニアに何枚も写真を撮られていたのをバトラは知らない。

 

 

 

 

 

 

「どうしたよ。これ」

 

基地に戻り、遅めの昼食をと思ったバトラの目の前に顔を青くして、背もたれに首を乗せて天井を見るベルクトと偏頭痛を我慢する様なファントムがいた。

 

「……いえ……頭痛と飛行機酔いが……」

 

「……ウッ……気持ち悪いです……」

 

か弱い声を発するファントムとベルクト。

 

(揺れの余韻か視界がシェイクされた。もしくはその両方か……)

 

バトラが食券の自販機を通り過ぎ、売店で紙パックのジュースを購入して、ストローをさして机の前に置く。

 

「一応、これを飲め。気分が楽になる」

 

そう言って、渡したのは100パーセントのオレンジジュースだった。

柑橘系果物の汁は乗り物酔いを和らげる類の効果がある。

酔い止めの予防が効かなかった時の対処で使える。

 

ベルクトとファントムは同時にオレンジジュースを飲み、暫くしてから口を開いた。

 

「ありがとうございます。気分が楽になりました……」

 

「少し、気分が良くなりました……感謝します」

 

顔はまだ、青いが声に生気が戻った。

バトラはそれを近くの席でうどんをすすりながら聞く。

気分が悪い奴の近くで匂いがきついだろう物を食べないというバトラの気遣いが感じられる。

 

「それは良かったが何があった? お前らが酔うなんて何があったんだよ」

 

アニマは人間では不可能な機動を行える。つまり、そう言った事で酔うような事はない筈なのだ。

 

「なんでもありません……他のドーターとダイレクトリンクしただけです……」

 

ベルクトがそう答えると納得したのか頷くバトラ。

 

Su-47のパーツを気にしていた船戸に理由を聞いていたバトラはドーターが他のアニマとの接続は難しい事を知っている。

 

AZJ戦闘機もAZJシステムの感覚障害防止機能は他のパイロットだと機能せず、下手をすると酔った様な感覚を与える事があるが、それと同じかとバトラは想像する。

「なんでまた不可能に近い事を? 八代通が?」

 

少なくとも意味無くそんな事をする人間ではない事を知るバトラは疑問に思った事を漏らすが、ファントムもわからないと言う。

 

(情報通のファントムが知らないとなると痕跡を電子的に残していないかそもそも残してないか、紙媒体の可能性もあるな)

 

証拠もきっかけも無い疑問や憶測を言う程に口が軽い訳では無いので別の疑問を聞く。

 

「別ドーターにリンクしたしたからなったのはわかるが、何でなったんだよ」

 

どのドーターでそこまでのダメージを負ったのかという好奇心に近いものだった。

 

「JAS39Dです……というか、それに乗って繋げた瞬間に先程の様な感じに……」

 

思い出したのか血色が薄くなり、綺麗な白い肌が青白くなる。肌が白い分だけ青さが酷い。

 

「前進翼とクロースカップルドデルタだからな……というか、カナード機と三翼機だから、思いっきり違う機体だな」

 

それならそうなると納得するバトラがファントムに視線を移す。

 

「Su-47です……」

 

こっちもこっちで表情が青い。

 

「前翼機……それは無茶があるわ……」

 

バトラもS-32になんの因果か乗った事があったが、機体に振り回された覚えがある。

「というか、なんでそんな事をしたよ?」

 

「八代通さんに言われて……」

「お父様に繋げてみろと言われて」

 

「理由の説明無しかよ」

 

相変わらずの説明責任を果たしていない八代通に頭を抱えるバトラ。

 

「でも、何か有ったのは間違い無いよな……ドーター関係……」

 

「何処かのドーターを回収するのでしょうか?」

 

「それなら輸送機で運べば良いでしょう?」

 

3人が頭を捻るが答えは出ない。

「そういえば、グリペンと慧って何処に行ったんだ?」

 

この話題はやめようと口外に言うバトラにファントムが乗っかる。

 

「さぁ? ただ、グリペンが相手ですからね。一般的なデートでは無いでしょう」

 

「そうですね。食べ歩きの様な気がします」

 

ベルクトも乗っかり話題が完全に切り替わる。

 

「そもそも、一般的なデートって何よ? 俺はデートというものとは無縁な生活送ってるからわからんのだけど?」

 

その言葉を聞いたファントムが獰猛ではあるが蠱惑的な笑みを浮かべた。

それを見たバトラは微妙に離れるが、ファントムはそれ以上の接近をして密着とも言える距離まで詰める。

 

「それはいけません。今の環境は周りに女性の割合も多いですし女性の取り扱いを理解していないのは致命的です」

 

「……それもそうかな?」

 

ファントムの言葉に納得するバトラにファントムがさらなる追い打ちをかける。

 

「それで、宜しかったらですが……私とデートしませんか? 女性の取り扱い方を実戦形式で手取り足取り教えて差し上げますよ?」

 

同時に身体を摺り寄せるファントムにバトラが顔を赤くして離れようとファントムがさらに身体を摺り寄せて来る。

 

「はは、離れて下さい!」

 

突如としてファントムとバトラの間に空間が生まれ、その空間にベルクトが素早く滑り込む。

 

「その……女性との付き合い方でしたら、私が実戦形式で細かく教えますから私と外出しませんか? 前のお礼もしたいですし」

 

『前の』と言われて思い出したのは記憶を失った時に外出した事だろうとあたりをつける。

 

「いや、お礼をして欲しくてした訳じゃ……」

 

なんと言えば良いか言葉を探すバトラにベルクトが先に話す。

 

「やっぱりそうですよね。ファントムの方が可愛らしいですし、胸を大きいですからね……貧相で可愛くもない私と外出したくないですよね……」

 

何故か自虐に走り出したベルクトに慌て始めるバトラ。

これを聞いたファントムがベルクトに喧嘩腰で告げる。

 

「あら、ベルクトさんは男性を1人墜とすのに身体を使わないとダメなんですか? 女性なら内面で戦うものですよ?」

 

(内面ならベルクトの圧勝だよ腹黒ファントム!)

 

「な!? それを言ったらファントムさんこそさっき、ひっついてたじゃないですか。人の事を言えませんよね?」

 

(ファントムも棚に上げてるじゃねーか!!)

 

ベルクトとファントムが口喧嘩を始めてどうして良いかわからなくなったバトラは開け放たれていた窓から飛び出していった。

 

「あれ? バトラさんは何処でしょう?」

 

「そういえば、いませんね?」

 

2人が気付いたのは数分後のことだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「逃げたけど問題はないよな?」

 

「「何がですか? 兄様?」」

 

「うおい! いつの間に!」

 

ハンガー近くでこぼした独り言を偶然拾った片宮姉妹に追求されて驚きバトラ。

 

「いや、なんでもない。帰ってきたんだな」

 

「はい。専用コクピット改修が終わったのでつい先ほど」

 

本社工場でコクピットの改造を行ってきた片宮姉妹の2人。

 

彼女達の専用機は通常のコクピットとはかなり違う作りになっている。

 

まず、目に付くのが2本のサイドスティックタイプの操縦桿だ。

これは機体を縦に半分を別々に操縦が行える様になる。

 

こうする事で機体制御の精密さを引き上げている。

A-10の方もこれと同じ改造を施したことで大口径の火砲を存分に使うことができる。

 

もう1つはべダルの様なものだ。

これはエンジンのスロットル操作に使われる。

 

左右別々でスロットル調整する事で機動性を引き上げられる。

A-10にも同様の改造が施されている。この機能のおかげで攻撃機であるA-10が重装備の戦闘機としての使用できる所以だ。

 

ただし、操作方法が2倍の数に増える事とタイミングがシビアなので現在は片宮姉妹以外は採用していない。

 

ただし、何かしらの理由で誰かが操縦しないといけない時は通常のサイドスティックタイプとしては操縦できるようになっている。

 

「それじゃあ、模擬戦でもするか?」

 

バトラがそういった瞬間にスクランブル警報がなった。

 

放送を聞くと中国からの接近という事でザイであると考えられるのと数が多い事でAZJ戦闘機での対応を求めるということだった。

 

「丁度良いので行きます。操作自体は問題ないので」

 

「わかった。でも、気をつけろよ」

 

「はい。行ってきます」

 

燃料給油と武装取り付けが済んだ機体に乗り込む片宮姉妹を敬礼で見送るバトラ。

 

その数時間後には無事の姿で2機が帰ってくる。

 

今日も小松基地は平常に機能していた。




まあ、うん。言いたいことはわかるよ。

でも、いきなりフランスが関わるのもと思ってね。

日常的なものを書かせてもらいました。

それでは次回。感想待ってます。
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