ガーリーエアフォース PMCエースの機動   作:セルユニゾン

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いよいよ、いい考えが明かされます。

それとロシア娘登場を期待していた人には申し訳ないがまだ、登場しません。

代わりのサービスをしたのでそれで何とか。


作戦32 モンゴル出兵

「しかし、まさかあんな方法を思いつくとはな」

 

モンゴル出兵を明後日に控えた日に慧の運命を決める日となった。その日のアラート待機にはラファールとバトラが担当する事となり、格納庫の一角でスクランブルが掛かるまでまったりするバトラにラファールが声をかける。

 

「まあな。彼奴にとっては一般人相手ならそうそう負けないだろうし、結果を低めにする設定なら確かめられてもある程度は怪しまれないだろう」

 

話の内容は慧の大嘘に関しての内容だった。

バトラの返答にラファールは眼鏡を指で押し上げてから口を開いた。

「ああ、そうだな。学校が怪しくなる程にやり込むし、小さい頃は機材さえあれば実際にやってたらしいからな飛行機の操縦はな(・・・・・・・・)

 

何か含みのある言い方にバトラは溜息を吐いてから答える。

 

「エスコンのアーケードのエースコントロール設定は操作に限ればシミュレーターと殆ど変わらない性能だ。モノホンのシミュレーターと実機を操ってるんだからゲーム位出来るさ」

「だとしても、エスコンアーケードの世界大会ってどうなんだ? 調べられたら、終わりだぞ?」

「安心しろよ。安心しろよ、ラファール。エスコンアーケードの世界大会は実際に行う話だ。そこに慧の名前をねじ込んだだけだ」

 

その言葉にラファールは呆れた様に肩を竦める。

 

「それはPMC主催のシミュレーションDACTだろう?」

 

バトラの言う世界大会はPMCU参加企業によるバーチャル世界での各社に所属する部隊同士でのDACTを今回は撃墜機数によってポイントを付けて、その結果を元に順位をつけようと言う物だった。

実際に慧は3日前までエスコンのアーケードをプレイさせられていた。

「結果は100人中79位。ゲームの大会とは言え学生なんだし、この順位なら現実味を多いだろ?」

「2戦級部隊の個人戦とは言えそれだけの順位を手に入れたのか。まあ、一般人相手であれば負ける事は無い……か?」

「そこは相性と機体の性能次第かな?」

 

バトラの計画はこうだ。

 

まず、普段から定期的に行われているバーチャル世界での訓練に慧を特別参加させ、それをポイントに集計して世界大会とでっち上げる。学校に世界大会出場と言う報告を主催者サイドから学校に報告。会場はフランスだからそれまでの旅費と開催期間中の2週間は主催者側が負担するとして、慧に公休を出させると言う物だった。順位は予め出しているので問題は無い。

因みにゲームの大会に公休が出るのかと思うかもしれないが、実はこのゲームで金を稼ぐプロリーグがある為にぶっちゃけ就活にもなる。入賞すれば(慧だけに限り)プロダクション(PMC)にスカウトが来ると言う風に説明されており、書類には未来ある若者に将来の成功のチャンスを掴ませて欲しいと言う言葉も添えてある。

 

「でも、ゲームの世界大会だぞ? そんなので大丈夫なのか?」

「世界リーグが全世界に生中継されるレベルだし、視聴率も地面転がるボールを1度に22人で追いかけ回すスポーツリーグや18人で拳ほどのボールを飛ばし合うスポーツリーグのシーズンから外れてるとは言え、全世界で2倍以上の視聴率やで? 選手の手取りも1.5倍だし、認めるやろ?」

「……そんな大規模なのか。だが、やっぱり私の計画の方が……」

「アホか!? あいつに『啓蒙思想より考察するフランス革命史』って、あいつが入賞する何処ろか作成すらできん物をでっち上げるじゃ無い! お前、啓蒙足りてる? 啓蒙満ち足りてる?」

「お前、啓蒙の意味知らないだろ」

 

ラファールがそう言った瞬間にドアを蹴破る勢いで慧が現れる。だが、慧の周りには黒いオーラが満ち足りていた。

 

「あれ? 殺意足りてる? 満ち足りてる?」

「ああ。殺意足りてる。満ち足りてるよ」

 

その後はバトラの首を締めながら、無事公休が手に入った事と明華(ミンホア)(慧の幼馴染)の監視無くしてゲーセンに入れなくなった事をバトラに報告する慧が居た。

 

 

 

 

 

緑の海の中にぽつんと現れる白い島。

白い染みの様に見える白い物体は徐々にその形をはっきりとさせ、縦に長い格子状の物体に変わる。周囲に人工物は無く、ただ数本の白い線が浮かぶ様に描かれている。

頭上には大粒の太陽が燦々と輝く光景は海そのものだ。しかし、ここは内陸国モンゴルだ。

目下に見える光景は全て枯葉色の大地と草原のみ、その中に佇む細やかなる文明の孤島があった。

 

場所は北緯47度44分35秒東経107度22分36秒。

モンゴルの空港、ナライフ空港だ

 

「あれで間違いなさそうだな」

 

ナライフ空港を見たバトラはMS社の航空歩兵用戦闘服の左太腿に付けられたゴムバンドに挟んだ地図を見ながら呟いた。

<<はい。そうですね>>

 

隣を飛ぶSu-47のパイロット、ベルクトが通信を繋げる。

バトラは無事着いた頃への安堵から息を吐くが横目でSuー47を見て、出発前にバーフォードが言った言葉を思い出した。

 

『PMCUからの援軍も向こうサイドでの参加も無いがアニマ・ドーターを出現させる可能性が高い。そこで今回も自衛隊との協働攻略作戦となる。自衛隊からはグリペン・慧ペアとファントムが出る。こちらはバトラとベルクトを出す。ロシア絡みと有って懸念はあると思うが質と安全性を考えるとこの采配がベストだ。誘蛾灯はまだ消えていないし、ZJAEの整備中にザイが流れ込むかもしれないからな』

 

「確かに誘蛾灯はまだ消せてないしメンテナンスも有るから俺を動かすならベルクトも動くのは判るが何も今回は連れてこなくても……」

 

MS社は自衛隊からの要望に応える形でのモンゴル出兵だが、ロシア側にPMCが参加する事は無いと判明した為にアニマ・ドーター対策に少数精鋭で挑む事にしたMS社上層部の命令に従い、Suー47とベルクト、Iℓー44とバトラの組み合わせで出兵した。

 

彼らは5時間に及ぶ飛行を八代通達を乗せた輸送機を護衛しながら日本海と中国を横断。モンゴルへと入った。

バトラが今までの事を思い出していると自分以外はもう着陸している事に気付いたバトラは機体を着陸コースへと持って行く。

その際にモンゴル軍の兵士達が初めて見る機体に驚いていた事を確認したバトラはさらに驚かしてやろうという悪戯心が芽生える。

 

<<!? バトラさん! 角度が急過ぎます!>>

 

ベルクトからバトラの着陸角度が急過ぎる事に警告を発するがバトラは勿論の如く無視する。

バトラの機体は徐々に高度を下げて行く。このままでは車輪や軸に多大なダメージを加えるであろう高度だが、気にすること無く着陸を続行する。

 

バトラはある程度の高度になると全ての武装をウェポンベイから解放し空気抵抗を増やすと同時にエアブレーキを全開にして、一気に速度を殺すと同時に高度を下げ、接地の瞬間に武装をしまい、真下に向けたエンジンノズルから推力を少し吹かす事で簡単なホバリングを一瞬だけ生み出してから、真下にソフトに接地し、何事も無かったかのように機体を動かして、駐機する場所まで機体を動かす。

 

滑走路が開くと双発の輸送機【C-1】が着陸する。

 

機体を指示された場所に止め、機体から降りるとベルクトが乾いた笑みを浮かべた状態でバトラを見つめ、ファントムが笑っているが目が笑っていない笑顔を向けながら近付く。

 

「何か言いたそうだな。話だけは聞こうか」

「そうですね。なんであんな着陸を? あんな着陸なのに機体にストレスをかけていないのは流石ですが」

「悪戯心?」

「私に聞かないで下さい」

「それもそうだな。じゃ、俺は予定があるからここで」

手を上げながら去ろうとするバトラにファントムが一息で懐に潜り込み担ごうとするが、バトラはそれを察知して即座にダッシュを行いファントムの腕の範囲から逃れる。

逃れたバトラは右足を軸に回転を行い、ファントムに向き合うと同時にレスリングのタックルでファントムを地面に押し倒すと素早く立ち上がり、怯んで動きが鈍いファントムを肩に担ぎ上げようとする。

ファントムはここからの動きを察し逃げようと身体を暴れさせるがバトラも逃すつもりは無いのか顎と腿を掴んで固定する。

ファントムはバトラに仰向けの状態になった時に固定されてしまい、バトラはエアプレーンスピンを止めて、アルゼンチン式バックブリーカーに急遽の変更をしてファントムに掛ける。

 

ファントムはアルゼンチン式バックブリーカーを掛けられ声ならぬ悲鳴を挙げるが流石はアニマという人では無いだけあり、何とか抵抗しようと拳をバトラの脇腹に入れる。

その拳は偶然にも脇腹にクリーンヒットし、バトラも短く悲鳴を挙げるが流石は民間軍事会社社員で陸上勤務に格闘戦の指南という仕事を任せられているだけあり、決して固定を緩めたりはしなかったが片膝は着いてしまう。

だが、ファントムが苦し紛れに放った抵抗とそれにギリギリで耐えてしまったバトラが合わさり、2人に不幸が訪れる。

 

アルゼンチン式バックブリーカーを掛けたまま片膝を着くという事はバトラに取っては身体が斜めになると言う事であり、ファントムに取っては背中向きに掛かっていた重力が斜めに掛かる訳でも有る。

そうなるとファントムの格好は何時もの清楚な印象を与える白いブラウスに紫に紺を混ぜた様な色合いのコルセットスカートである。

 

そうコルセットスカート(・・・・・・・・・)である。スカート(・・・・)である。

スカートを履いた少女にアルゼンチン式バックブリーカーを掛けた状態で片膝を着き、身体が斜めに向くとどうなるか?

 

答えは簡単である。重力さんがスカートを下に引っ張ると言う大仕事をしてくれるのである。

 

ファントムも重力さんのお仕事を受けて、スカートは斜め下、自身の頭の方向に垂れる訳である。となるとどうなるか?

 

 

「「「「「ッウォオオオオオオオオオオオオォ!!」」」」」

「キャァアアア!!」

 

簡単である。スカートの布1枚で作り上げられたベルリンの壁が崩壊し、男達は東ドイツ(現実)から一時的とは言え、白に薄ピンクの小さなリボンと言う西ドイツ《桃源郷》へと足を踏み入れられるのだ。

ベルリンの壁崩壊(重力スカート捲り)により日本・モンゴル両国の男達はバトラと重力さんを狂喜乱舞で讃え、ファントムは痛みを忘れて、乙女の様に悲鳴を挙げる。

 

型もヘッタクレも無いパンチがバトラの顎を適確に捉えるが無理な体勢と威力の少なさからバトラの固定を解除させる位の働きしかしなかったがファントムには充分過ぎる隙だった。

 

バトラが頭部へのダメージ回復の為に反射的に両膝を着く、その瞬間にファントムはバトラの背中を足から着地できる動きで転がる様に降り、足が地面に着くと同時に回転しながら体勢を整え、同時に遠心力による破壊力の付与を行いながら並行して、スカートを両手で押え付けつつ、バトラの右側頭部へと右足によるタイキックを放つ。

 

ファントムの遠心力付きタイキックがバトラの右側頭部に突き刺さるのとファントムのスカートが重力にやられたのと同時に行動を起こしたベルクトの完璧過ぎるローリングソバット(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)が喉仏に突き刺さるのは全くの同時であり、バトラの身体からは擬音表現を用いれば『メメタァ』の表現が合うほどだった。

 

ベルクトとファントムが離れるとバトラはモンゴルの大地に力無く倒れた。

 

「ど……どうしましょう……」

 

ベルクトが捨てられた子犬の様な目でファントムに助けを請うが、ファントムは至って冷静に対処する。

 

「脈は有りますから生きてますね。首も問題有りませんし、頭部と首への一撃によるただの気絶です。その内目を覚ましますから放っておきましょう」

「え……このままですか?」

「乙女にプロレス技を仕掛け、スカートすらも捲った今の彼に慈悲も容赦も温情も要りません」

 

言い切ったファントムは去って行き、去って行くファントムにベルクトは何とか言おうとするが、もしもファントムが自分だったらと考えるとそれは当然と考えたベルクトはSuー47のコクピットに仕舞ったまま常備してある亡命時の上着をバトラの身体に掛けてからファントムの後を追った。

 

その後はベルクトの上着をクンカクンカしようとしたモンゴル軍人が近付き、上着を奪うのとバトラが気付くのは同時で、モンゴル軍人の変態的な笑顔とベルクトの亡命時の服を見たバトラは全てを察し、バク転で距離を詰めると同時に右手を軸にブレイクダンスの要領で回転して、モンゴル軍人の顎を蹴り、気絶させて未然に防いだバトラに声を掛ける人物が居た。

 

「遅れました。私は今回の任務で貴方方のサポートをするモンゴル方面派遣陸上部隊【プレインレパード隊】隊長のカルーレ・ムーリネン大尉です」

「M43飛行中隊アンタレス隊2番機のバトラだ。宜しく頼む」

 

お互いに簡単な自己紹介を済ます。

 

「他の方はもうホテル向かって居ます。直ぐに向かいましょう」

「ああ、ぶっ飛ばしてくれ」

「豹の名に偽り無しです」

 

2人は急いで車に向かう。

カルーレの車は2連装式のM2重機関銃を搭載したト○タのハーフトラックだった。

荷台の機銃席に薄灰色の陸戦用戦闘服とヘルメットを被った1人の女性が座っていた。

 

「紹介します。彼女は私の妹でアリシア・ムーリネン伍長です」

「そうか。私はM43飛行飛行中隊アンタレス隊所属の2番機。バトラだ。階級は大尉だが、畏まらなくていいぞ」

「あ、ありがとうございます。私はアリシア・ムーリネン伍長です。精一杯援護と護衛をさせて頂きマッシュ」

「「……」」

 

盛大に噛んだアリシアに男性2人は生暖かい目を送り、送られたアリシアは顔を赤くして俯くがバトラは気にしない体を装い、出発する様に促すと車に乗り込む。

道中でこの車の理由をカルーレが語った。

道の殆どが悪路である事と燃費や乗り心地や万が一の自衛の事を考えるとこの車が1番という考えでカルーレが自分の専用車を引っ張りだしてきたのだ。

それを聞いたバトラは納得し、カルーレは可能な限り強力な武装が積まれたハーフトラックはひび割れや浮き上がりの酷いアスファルトの道を可能な限り高速で移動する。

この悪路では先に行ったメンバーもそれなりの車に乗っている事を簡単に想像したバトラは隣に座るカルーレに声を掛ける。

「で、各社と各国の動きは如何だ?」

 

短い問い掛けだが形は違えど同業者であるカルーレは全てを察して語り始める。

 

「モンゴル政府と日本政府、ロシア政府以外は今回のこれに介入する気はさらさらない様ですね。まあ、利益が危険と対等じゃないですからね。各社も乗り気では無いですし、今回はVS人と言う事もあってAJZ戦闘機を運用する部隊しか雇っていないロシア政府からの干渉があるとすればアニマとドーターですね。PMCで潰し合う事はない筈です」

「そうか。それは上々だ」

「人は殺したく無い。ですか?」

 

その言葉にバトラはカルーレに向き直る。

 

「あ、いえ……決してそんなつもりじゃ……」

「いや、怒っていない。できる限り人間を殺したく無いが、そうなれば戸惑い無く撃つさ。ただ、ここに来た味方には人を殺させたく無いんだ」

「……理想で空を飛ぶ方が?」

「1人がそれだ。同じ敵が居るんだから、人間同士でいがみ合う事は無いと思っている。1人は人間を撃つことに忌避感があるだろうな。最後は必要とあらば撃つかもしれんがな」

「……見えましたよ」

 

話終えると同時に前から目的の街が見えて来た事を報告するカルーレに一旦、思考を停止して街を遠目から眺める。

だが、最悪の敵を想像するバトラの手は膝の上に畳んで置いたベルクトの服を軽く掴んでいる事に本人さえも気付かなかった。




ガーリーエアフォースのラキスケ担当はファントムだな(確信)

この小説ではラキスケ担当をファントムとベルクトにやって頂きますのでそのつもりでいて下さい。
毒舌系お嬢様美少女と健気系アルビノ美少女がラキスケ担当とか萌えるよね。

それとぶっ飛び性能のQAAMが4発飛んできてるけど気にしたら負けかなって思ってる。

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