エスコンとフライトコントローラー届きました。初日はコントローラーの設定と慣れで終わりました。
石川県小松市航空自衛隊小松基地。
ここに懐かしさすら感じられる轟音が響き渡る。が……その中に異音が混ざっている事に自衛隊の整備士達がお通夜の様な雰囲気が蔓延し始める。
そんな空気を余所に着陸した戦闘機達は早々に一本しか無い滑走路から慌てた様に退避して、此処までの作戦行動で家主が減った格納庫へと格納されて行く。だが、地上クルーの視線は久し振りに見る見慣れた機体では無く、フレンチベージュのノッペリとしたステルス機に共通する印象を放つ機体。
「T-50……いや、Su-57か」
ここ最近に配属されたMS社の整備員が声を漏らした瞬間に一気に喧騒がMS社の社員の間を駆け巡る。
「バトラは大丈夫なのか!!」「発狂したら!」「大丈夫だ! ビール瓶は用意済みだ!!」「殴って止めるしかないってどういうこと!!」
のだが、MS社側はバトラがSu-57にトラウマ持ちなのを思い出して狂気に近い別の何かが蔓延していた。空でも陸でも強い奴が発狂した時の被害は凄まじい事を彼等が否応なく本能に刻みつけられる。
MS社サイドが阿鼻叫喚になっているのを尻目に流石は国家公務を受け持つ国家公務員と言うべきか、自衛隊側はSu-57のドーターに検査用ケーブルをSu-57と共に来たロシア人整備員と共に差し込む事で外部入力を使ったキャノピー開閉を行う。
「……え」
蒸気を吐き出しながら開けられた装甲キャノピーの中を見た整備員の1人がそんな馬鹿なと思う様な声を上げる。
装甲キャノピーの中。その中に収まっていなければならない存在はそこに無く、何も無い空間を小松の冬を思わせる微風が虚しく行き過ぎて行くだけだった。
此処で突然で申し訳無いが、9月6日は何があっただろうか?
この日付を聞いて何か閃いた方はいるだろう。そうベレンコ中尉亡命事件があった日だ。別名だとMig-25事件だ。え? 他にも何かあるだろう? 知らんな。
この事件の問題性と言うか重要なのは、当時は脅威でしか無かった機体が鋼鉄のカーテンを飛び越えて来た。と言う事では無く、どうやって日本に接近したのか、そしてその時に自衛隊が何をしてどうなったかだ。
最初の方は端折るが、Mig-25は低空で日本に接近する。当然ながら自衛隊は領空侵犯でスクランブルする訳であるが、当時の技術力では航空機用レーダーも地上レーダーも高高度の敵には強いのだが、低空の敵には弱かった。
低空に対する敵に対する能力をルックダウン能力と言う。ベルクトが亡命して来た時にファントムがルックダウン能力の低さで抜かれたと言うセリフを吐いていたのを覚えているだろうか? この事件の所為でF-4のルックダウン能力の低さが露見、さらに日本の防空網がガバガバだった事、ロシアも暗号などの面で変更を余儀無くされた。
軍事的に見ればロシアはご自慢の戦闘機を丸裸同然にされ、日本もは主力戦闘機と地上レーダーのポンコツさ、防空網のガバガバ具合が露呈した。
そのポンコツの血が濃いファントム曰く、その後の後処理がまぁ酷かったと言う一言で片付けている。
逆に言えば、件の犯人とも言えるベレンコ中尉が意外にも従順で逃げなかった事で事務的な、外交的な後処理に専念出来たとも言える。
そして何故にこんな事を書いたのか? 簡単である。Su-57のアニマが姿を消して基地内をウロついている。正確にはウロついている可能性が高い。
「そっちは居たか!!」「捕まえた後に叫んでる!」「1万ルーブル!!」「目撃情報も無し!」「まずい! 信用と信頼に関わる!!」
自衛隊の整備班にロシアのアニマ・ドーターの飛行隊であるバーバチカの整備員、そして捕まえたら1万ルーブルの報酬で駆り出された、と言うよりも志願したMS社のメカニック達である。
その喧騒はもしも亡命事件当時に函館空港で勤務していた者がいればそれと同じくらいの喧騒だと。だが、此処にそんなレアな人材は居ない。
「うん?」
そしてこの捜索に参加していたバトラから懐かしい相手から電子メールが届く。
「? マスター?」
片宮姉妹の機体を買い付けたマスターからだった。
件名は何故にコイツが? である。文字らしい文字は件名だけでバトラは電子メールを開いてその内容を見た瞬間に走り出した。
メールにはフレンチベージュの髪にエプロンドレスを来た少女が写っていた。
バトラはその画像から駅前のショッピングモールだと判断すると駐車場に止めている自分のトライクに乗り込んで小松の街へと繰り出して行く。
「人を隠すには人の中……骨が折れるぞ」
ショッピングモールに到着したバトラだが、ショッピングモール内を早歩きで歩きながらSu-57のアニマの姿を探す訳だが、人が多い中で一個人だけを見つけるのは難しい。
固有名もイマイチわからない状況では迷子で呼び出せない。あっても呼び出せないが……八方塞がりのバトラの携帯にベルクトからメールと共にいくつかのネットの書き込みが送信されて来た。
「うん?」
メールの中にはショッピングモール内の帽子屋の画像にハンバーグショップ、さらにスムージーショップの中でフレンチベージュの髪にエプロンドレスの少女を見たという画像。そしてベルクトのメールには各画像の時間が書かれていたが、時刻を考えると既にショッピングモールから姿を消した後である事はバトラも予想が出来た。
「取り敢えず……ん?」
携帯の映像を切りかけた所で何かを思い出しかけた時に小松基地の技本の施設に入院中とも言うべきベルクトから電話が掛かる。
<<気付きましたか?>>
<<!!>>
ベルクトの電話にバトラが全てを思い出したと息を小さく、短く吐く。
<<<<デートルート>>>>
バトラは直ぐに電話を切ると駐車場に戻ると戦闘機のディーラーでもある喫茶店に舵を切り、可能な限り最速で到着するとマスターと同じ日本で働く同業者が何人かがそこに居た。
「……フレンチベージュの彼女なら俺たちに驚いたと思ったら消えたんだが……」
「詳しくは聞かないで下さい! ありがとうございます!!」
颯爽と去っていくバトラに客の1人が出入り口を指を指すとマスターは一言。
「気にするな!」
「え? でも……」
「気にしたら死ぬぞ」
殺されるの間違いなのではと思いながらも口を噤んだ客に対して、法定速度ギリ突破で爆走するバトラは恐らく最後に行った海にいるだろうとトライクを走らせる。
「懐かしいな……」
なんて事は無い海辺の砂場。だが、バトラとベルクトにとっては思い出の場所でもある。
バトラは駐車場にトライクを止めると早歩きで砂浜に出ると目的の人物を直ぐに見つける。
思い出の場所、しかも冬場に近い時期の場所に不釣り合いなエプロンドレスを風になびかせたフレンチベージュの少女が茫漠とした空と海を見つめている。
そこにバトラが近付くとフレンチベージュの少女、パクファが振り向くとバトラはここまで来た原因を優しく吐き出したロシア語で問いただすとパクファは記憶で見た事のない景色が何故か理解出来たので見て回り見たくなった事、その記憶障害とも言うべ物の原因と今回の脱柵騒動の原因がベルクトのスライスである事を察すると頭を抱えるバトラにパクファは更なる言葉をロシア語で吐いた。
それは『お姉様は此処で幸せに過ごしているんですね。ロシアにいたら考えられなかった』という言葉だった。
確かにベルクトは死を定められていた世界から生きる残り、生き抜くことを認められる世界に身を置く事が出来た。そしてその世界で穏やかで暖かくも騒がしく楽しい記憶を積み重ねている。何よりもただ想い焦がれるだけの物の次にそれを競い合える戦友と同じ存在を得た。
パクファはそんな世界もあるのだと少し驚いていた。そして持たない妹が持っている姉に抱く様な可愛らしい嫉妬を抱いている事をこの言葉からバトラは察すると空を見上げる。
冬空に近くなる小松の空は雲に覆われていて星を見る事が出来なかった。
それがわかったバトラはパクファの腕を引いて歩き始めると駐車場に向かい、トライクの後部座席に座る様にロシア語で語る。
それを見たパクファはベルクトの記憶で何をしたのかがわかったのか、そっと後部座席に座るとバトラの差し出したヘルメットを被るとバトラも前席に乗ってエンジンを掛けるとヘルメットを被ってアクセルを回す。
パクファはバトラの背中に抱き着くと楽しそうな笑みを浮かべた。それをバトラが知る事は無かったが……
全くの余談だが、パクファ確保の報酬はバトラが総取りした事に文句は言われなかったが、パクファが楽しそうな笑みを浮かべてバトラの背中に抱き付いて帰って来た事で整備員達から。
『また美少女を背中に抱き着かせやがって! ゆ“る”ざ“ん“!!』
と叫ばれながら叩く程度ではあるがリンチを受けた。無論ながら労災申請をしても喧嘩扱いされた事で降りなかった。
パクファとの会話ですが、流石に原作みたいには書けませんでした。
エスコン7でFー16よりもFー4の方が扱い易い……機動性ってFー16の方がいいんだよね?(数値的ステータス見てない人の台詞)