休み時間。一誠はいつも通り屋上で昼寝というなの爆睡しているゼツの元へ行く。
理由は、自分に彼女ができたのを覚えている人はいないから。
まだ聞いていないゼツなら覚えているかもしれないということで向かっていた。
屋上の扉を開けると、案の定ゼツは眠っていた。
一誠は起こそうとして、ゼツに触れようとするが、ゼツの体がピクリと動いた。
「なんだ、変態。俺の寝込みを襲いにきたのか気色悪いな。失せろ」
「着てそうそうに俺を覆い返そうとするな! あと、襲わねえよ! って、なに言わせてんだ!?」
この通りゼツは昼寝の邪魔をされて怒っているため、とっとと要件を済ませて寝させてくんねえかな。としか考えていないゼツである。
「あのさ、夕麻ちゃんのこと覚えてる? ほら、俺が紹介した」
彼女? ああ、あの腹黒女か。
日曜日。ゼツが買い物帰りに偶然遭遇したヤツである。
早く帰って皆の御飯を作らなければならないので、特に気にしてなかった。
「覚えてるぞ。確か、天野夕麻だっけか? そんなヤツいたな。で、それがどうした」
「え!? お前、覚えてんの!?」
と驚く一誠に?と頭に浮かべるゼツ。
「当たり前だろ。お前は何を言っているんだ?」
「ああ、それがな―――――」
変態説明中←「おい!?」
「なるほど、誰も彼女を覚えていない。んで、他の変態二人も学校の皆は覚えていない。だから、俺のとこにきたわけか」
コクリとゼツに首を縦に動かす。
「ああ、それに俺が死んだ夢まで見るし、日の光を浴びるとダルくなるし、日陰に入ると元気になるし、わけわかんねえ」
そりゃ、悪魔に転生したんだからそうなるわ。
ゼツは転生者。だから、物語のすべてを把握しているのだ。知らない方がおかしい。
「まぁいい。覚えているのがいたんだ、よかったじゃないか」
「ああ、お前に話してよかったよ。じゃ」
そう言って一誠は屋上を去って行った。
その時、扉が開いて裕斗が入ってきた。
「どうした、我が弟子よ。真剣な顔をして」
何が言いたいのかは、大体察しがついている。
「よかったのですか、師匠。あんなこと言って。僕、今日は彼を部室に連れていかなきゃならないし、そこで師匠のこと話されたらどうなるか」
左手を頭の辺りまで伸ばしてそれ以上は言わなくていいというそぶりを示す。
「よい。遅かれ早かれバレるのだ。それに、バレても問題ないからその場合は連絡してくれという君たちの魔王様から伝言も預かっているからね」
例えバレても彼からしてみれば正体がバレたところなんら影響はない。
「そうですか。あ、魔王ルシファー様から依頼が。SS級はぐれ悪魔”不破十蔵”の盗伐をしてほしいとか」
不破十蔵。伝説の刀鍛冶である村正が作り出した、最後の妖刀”裏正”。現在ゼツが所持している妖刀村正の四本は、裏正を作り出すために作られたとされる。「封魔」「天津」
「妖魔」「神殺」の四本を所持いている。
では、最後の一本である「裏正」とは何か。
裏正はこれら四本の能力を全て兼ね備えた最強の妖刀。魔を殺す「封魔」。聖なるモノを殺す「天津」。妖を殺す「妖魔」。修羅神仏を殺す「神殺」。
これらの要素を持ったのが裏正。
「あのがしゃどくろの転生悪魔か。あの戦闘狂め、いつかやるとは思っていたけどマジでやりやがったな」
「受けますか?」
「当たり前だ。それに、これで村正が全てそろうんだ。誰かに奪われるなんてごめんだ」
彼は昔、千子村正と出会い彼が作り出した四本の妖刀を譲り受けた。しかし、村正が作った最後の一振をある妖怪に受け渡したらしい。その妖怪こそが、がしゃどくろの『不破十蔵』である。
その最後の一振りを取り戻したら、ゼツに譲るという伝言を残してこの世を去った。
「楽しみだなぁ。村正がそろうのは」
怪しい笑みを浮かべながら、彼はサーゼクスに連絡した。むろん依頼を受けるということである。
当然報酬は、妖刀村正『裏正」である。
不破十蔵は、あのシンケンジャーにでてきた不破十蔵です。
裏正と村正の四本は完全にオリジナルです。