??SIDE
「ここは、どこにゃ?」
気がつくと私は、広い屋敷の中にある畳にしかれた布団の上で寝ていた。
身体を布団から起きようと動かそうとすると、
「痛っ!」
身体を少し動かしてみると全身に痛みが走る。覚醒した意識とともに、何があったかを思い出す。
私は猫又・・・・・猫魈という珍しい種族。
妹と一緒にある悪魔の眷属・・・いや、元眷属をしていたにゃん。
その主とは妹に手を出さないという約束で眷属になったにゃん。
でも、そんなある日。私の主が妹を眷属に差し出せと要求してきたにゃん。
そうなる前に、私は妹と一緒にやつの隙を突いてそこから逃げ出したにゃん。
でも、やつの追手が私達をしつこく追撃してきたにゃん。
必死で逃げ続けた結果、ある屋敷の前にたどり着いた。
その表札には『神嵐』と書かれていたにゃん。その屋敷までくると、追手はこなくなっていたにゃん。
意識が途切れる瞬間、誰かに抱きかかえられた感じがしたにゃん。
「そうだ、白音は!?」
私の隣で寝ている真っ白い髪に、猫耳と尻尾をはやした少女・・・白音は寝息を立ててぐっすり寝ている。
「目が覚めたようだな」
声のする方に振り向くと、白音と同じかそれ以上に白い髪に垂直上に伸びたスリット状の赤い目をした黒い着物を羽織った青年が立っている。
まるで、生きた動く一個の芸術作品であるかのような存在。
??SIDE OUT
「目が覚めたようだな」
やはりあの姉妹で正解だったか。しかし、可愛いな黒歌は。
白音ちゃんはまだ寝ているのか。
「あなたは?」
む、名乗らなければ。
「俺は神嵐ゼツ。君達の言葉で言い表すなら、かの有名な《ムカデ》だ」
それ聞いた瞬間黒歌は警戒する。
「私たちを、殺すきかにゃん? それなら、白音だけでも助けて!」
それを聞いたゼツは、溜息をついた。
「別に、君達を殺す気なんてない。君達の代わりに、そのクズ主を殺しといた。俺に助けられた時点で、三大勢力はおろかどの勢力も手だし不可能なんだ。10年前に起きた冥界のとある貴族が分家もろとも一族を皆殺しにされた事件があっただろ?」
それを聞いた黒歌はふと、10年前に起きた冥界の事件を思い出した。
それは、冥界のとある貴族がある悪魔の女の子を捕まえて、眷属にしようとした一族がいた。しかし、それは失敗に終わった。一族分家郎党女子供問わずに皆殺しにされた事件。その女の子は、あろうことか《ムカデ》の元で生活していた悪魔だから。
その瞬間から、あまりにも残虐性と冷酷性により三大勢力は彼をこう呼んだ。
”この世全ての逆鱗の化身”。ムカデの第3の名前となった。彼の家族に手を出そうもんなら、死を覚悟しなければならない。
それを思い出した黒歌は、安堵した。それと同時に涙を流した。
「ありがとにゃ。白音と私を助けてくれて、ありがとにゃ」
彼は、腰からムカデの尾ではなく鱗赫を出して黒歌を優しく抱きしめた。
「大丈夫。もう君は、俺の家族だ。何も心配しなくていい」
ゼツの言葉は、黒歌が嘗ての主であるアルファスから感じたウソや虚構といった建前など感じなかった。彼女は、彼の純粋な気持ちに助けられたと感じた。
「あらあら、入りずらいわねぇ~」
天音は、襖の前に立っていたがクールに去った。