死戦女神は退屈しない   作:勇忌煉

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 やっと書けた……。今日は訳あってオールナイトしなきゃならんから大変だな全く。

 あ、過去編に関するアンケートは継続中です。詳しくは活動報告にて。


第48話「どうしてこうなった」

「プライムマッチ、明日だっけか?」

『おう。暇なら観にこいよ。つってもお前は暇でしかねーだろ?』

「なんて失敬な。アタシにだって忙しいときぐらいあるわ」

『例えば?』

「ケン――練習とか」

『待て。今わりと物騒なこと言おうとしたよな?』

「気のせいだ」

『いや、絶対にケンカって言おうとしただろ?』

「お前の耳がおかしいんだろ」

『どういう意味だ!?』

「まんまの意味だバカヤロー」

『お、お前なぁ……!』

「ぶっちゃけお前らの試合とか興味ねえけど……一応見ておくわ。録画で」

『はっきり言うなぁ、相変わらず』

「じゃあな。明日は泣いてこいよ!」

『うるせー!』

 

 

 

 

 

 

 

「どうしてこうなった……」

「えへへ~……」

 

 祝日。目を開けると体が縛られたような状態になっていた。

 ま、簡単に言えばジークがアタシに寝技を掛けたまま寝ているため動けないのだ。

 幸いにも服は着てるが……コイツは一体何をしようとしたんだ?

 

「よっ――お、普通に抜けたわ」

 

 とりあえず起きるために寝技から力ずくで脱出する。うん、楽勝だったよ。

 今回は珍しく掛け布団なしで寝たからちょっと冷えてるな。えーっとパーカーどこだっけ……。

 

「んー……………………あれ? サッちゃん?」

「よう、起きたか」

 

 アタシがパーカーを着ると同時にジークも起きたみたいだ。

 わお、髪ボサボサじゃねえか。さすがにそれは女としてどうかと思うぞ。

 ボサボサという点ではアタシも一緒だけどな。ケンカで引っ張られたりするし。

 

「お前その髪なんとかしろよ」

「ん、ほな一緒にお風呂入ろ!」

「いや、アタシは朝飯作るから――」

「お風呂入ろ!」

「だからアタシは朝飯――」

「お風呂入ろ!」

「……朝飯――」

「お風呂入ろ!」

「一人で入ってこいバカヤロー!!」

「サッちゃんあかん! それ以上は(ウチ)の足が現代アートみたいになって――」

 

 なんなら近代アートにしてやってもいいぞ。

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ、サッちゃんのアホ~……」

「テメエがアタシの寝込みを襲ったのが悪いんだよ」

 

 数十分後。朝飯のハンバーグを食べながら涙目で訴えてきたジークを黙らせている。

 実を言うとコイツ、服は着ていたがその服がちょっとだけはだけてたんだよ。

 おそらくルパンダイブでもやろうとして失敗したんだろうな。

 

「寝込み? なんの話や?」

「いや襲っただろ?」

(ウチ)はただサッちゃんの隣で寝ようと――」

「襲ってんじゃねえか! しかも暴力的な意味で!」

「襲ってへんよっ! 一緒に寝るだけやのに襲う必要がどこにあるんや!?」

「じゃあなんでアタシに寝技掛けてたんだよ!?」

「寝惚けてたから仕方ないんよっ! よくあることやろ!?」

 

 よくあってたまるか。

 

「寝惚けてたとしてもせめて抱きつくとかキスするとかの方がまだわかりやすいぞ」

「……………………くっ」

「なんでそんなに悔しそうなのお前」

 

 まるで今言ったことをできなかった自分が憎いって感じになってるぞ。

 俯いていたジークは顔を上げたかと思えば、今にも泣きそうな表情で口を開いた。

 

「サッちゃん!! もう一回やろ!!」

「待て! お前はアタシに何をする気だ!?」

 

 なんだ!? アタシは何をされちまうんだ!?

 

「もちろんちゅーするに決まっ――」

「ふんぬっ!」

「ごっ!?」

 

 とんでもないことをほざいたジークに頭突きをかます。

 全く、痛そうにしてるとこ悪いが一発だけにしてやっただけありがたく思えよ。

 

「…………あ」

「さ、サッちゃん?」

「よかったなジーク。ちゃんとキスしてたぞ」

「な、なんやて!? それほんまっ!?」

「もちろんだ」

 

 ああ、しっかりしていたぞ――

 

「――額同士で」

「サッちゃんのアホ! アンポンタン! おっぱい星人! 理不尽娘!」

「死ねぇぇぇぇ!! 今すぐ死ねぇぇぇぇ!!」

「あ――!! そ、それ以上は(ウチ)の髪と右腕が芸術品のごとく壮絶なことになって――」

 

 

 ~~しばらくお待ちください~~

 

 

「また死ぬかと思った……」

「死んどけばよかったのに」

 

 あれから数分後。アタシとジークは適当にテレビでも見ながらゴロゴロしている。

 とはいってもこれといった番組はないんだけどね。そんでもって眠い。

 ジークも寝惚けたっていうから眠いんだろうな、ウトウトしちゃってるよ。

 

「お前、練習は?」

「ん~…………そういうサッちゃんは?」

「出掛ける」

「……………………どこに?」

「近寄んな気持ち悪い」

 

 アタシが出掛けると言った瞬間、妙に真剣な表情になったジークが顔を近づけてきた。

 寄るなクソッタレ。それ以上近寄るとオブジェにすっぞコラ。

 

「どこってそりゃお前――禁則事項に決まってんだろ」

「な、なんでや!? そこはさらっと教えてくれるとこやろ!?」

「個人情報さらっと教えろみたいに言うな」

「……もしかして、番長といいんちょの試合を観に行くんか?」

「おうよ」

 

 嘘だけど。

 

(ウチ)も行く!」

「そっか。そんじゃアタシの席も取っといてくれ」

「あれ? 今から行く――」

「ちょっと寄り道するから」

「…………わかった」

 

 すげえ怪しまれてるけどこれでいいかな。アタシは行かねえし。

 今回行くのはシェベルの道場だからな。確かなんとか天瞳流だっけか。

 あれ? 抜刀術なんとか居合だっけ? いや抜刀なんとか流だっけか?

 すげえ曖昧で覚えてないけど……まあいいや。どうでもいいし。

 

 

 

 

 

 

 

「2年ぶりにやってきたぜ!」

 

 というわけでミッドチルダ南部――つまりアタシが通ってる学校と同じところにあるなんとか天瞳流の道場にやってきた。

 今言った通り、ここに来るのは2年ぶりだったりする。懐かしいな。

 扉の前で突っ立っているアタシは好奇心と懐かしさを胸に一歩踏み出し――

 

 

 ガラッ(アタシが扉を開ける音)

 

 チンッ(目の前でシェベルが刀を鞘に納める音)

 

 スパーンッ(アタシの着ていた服が破れる音)

 

 

 ――服を切り裂かれた。

 

「だあぁあああああああああっ!! お気に入りのパーカーがあああああああああぁっ!!」

「なんだ、サツキか。だがこれはこれで眼福だね」

 

 このパーカー(だったもの)限定ものでもうどこにも売ってないのに!!

 しかもこないだ破損したから縫って修復したばっかなのに!!

 許さん。だから服を着る前にテメエをスクラップにしてやる。完全にブチギレたアタシは――

 

 

 

 

 

「――ぅアチョー!!」

「待てサツキ! まずは服をぐふぉっ!?」

 

 

 

 

 

 全力で飛び蹴りを繰り出した。

 

 

 

 




《今回のNG》TAKE 3

(ウチ)も行く!」
「そっか。そんじゃお留守番よろしく」
「あれ? 今から行く――なんでや!?」
「その微乳な胸に手を当ててごらんなさい」
「シバいたろか!?」
「上等だゴラァ!!」


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