勇者の花と桔梗の花   作:水甲

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第1話 桔梗

最初に聞こえたのは何人もの人達の叫び声と救急車の音。一体何があったのか分からなかった。何が起きたのか知ろうと思ったけど、何故か身体が動かなかった。

 

僕は必死に身体を動かすけど駄目だった。しょうがない、段々疲れてきたし諦めよう。どうせ後で知ろうと思えば知ることができるから……

 

僕はそのまま眠りについた。

 

 

 

 

 

 

次に目覚めた時、最初の光景は白い天井だった。

 

「ここは……」

 

そう呟くと近くにいた女性が何故か焦っていた。

 

「大丈夫ですか?ここがどこか分かりますか?」

 

確か僕は家族と一緒に出かけていたんだった。でもおかしい。普通目が覚めるなら自分の部屋だけど、こんな白い天井も話しかけてきた女性も全く見覚えがない。

 

「僕は……」

 

「貴方は大橋で起きた災害に巻き込まれたんですよ」

 

災害?そういえば何か大きな地震が起きたような……

 

「今、先生を呼んできますね」

 

女性はそのまま部屋から出て行った。出て行く際女性が着ていた服を見て気がついた

 

「あれは白衣。それじゃここは病院?何で僕は病院に……」

 

起き上がろうとした瞬間、何故か上手く起き上がることが出来なかった。おまけに身体に違和感もあった。

 

左腕は動かすことが出来るのに、右腕が動かない。いや、動かないのではない。感覚がなかった。僕は右腕を見ると……

 

「あ、あぁ」

 

右腕が無かった。どうして僕の右腕がないんだ。それに災害に巻き込まれたって言っていたけど……僕以外の家族は……一体

 

「う、うあ、うあああああああああああああ」

 

全てを理解した僕は叫んだ。絶望、それを知ったのはこの時だったのかもしれない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから数日がたった。右腕を無くしたショックや家族を無くしたショックで僕はひどく暴れていた。ようやく落ち着いたのは今日だった。

 

その日は何故か仮面を着けた大人がお見舞いに来ていた。

 

「その格好暑くないんですか?」

 

仮面の人にそう言うと、仮面の人は優しい口調で答えてきた

 

「いえ、慣れていますから」

 

「変な慣れですね。それで僕に何か……さすがに親戚にそんな格好する人はいませんよ」

 

「私は大赦のものです。貴方にお伝えしなければいけないことがあるのです」

 

「伝えなければいけないこと?」

 

「はい実は……」

 

大赦の人間は僕の両親について話した。どうやら僕の両親は大赦に所属していたらしい。両親はそこまで偉い方ではなかったらしいが、僕の祖父は結構偉い役職だったとか……今回両親は滅多に取れない休みを取れた祖父と出かけると話していたらしい。

 

「そういえばあんまり仕事の話とかしてませんでしたね。お爺ちゃんもあんまり見たことなかったし、いつもお年玉は両親が代わりに渡してきたし……それで僕にそれを話してどうするんですか?」

 

「これから先についてです。貴方はどう暮らしていくんですか?」

 

「あぁ、そういうことですか。大赦が僕の生活を支えてくれるって?それだったらそれに甘えますが」

 

「理解が早く助かります。それと右腕の方ですが義手を着けてみてはどうでしょうか?」

 

「う~ん、無いと生活に支障がありそうですし着けてみよっかな。そういえば大赦の人、聞きたいことがあるんだけど」

 

「はい?」

 

僕は事故に遭う前に見たことを思い出した。アレを見た直後災害が起きたんだっけ

 

「事故に遭う前に僕だけが変な場所にいた気がするんです」

 

「それは……どういうものですか?」

 

大赦の人の口調は焦っている感じがした。

 

「変な色をした森?というより木々の海みたいだったかな?」

 

「………少し調べてみますね」

 

大赦の人はそう言って去っていった。

 

 

 

 

 

 

それから僕は変な検査を受けたり、義手をつけたり、リハビリやったり、中学に上る前までずっと病院で生活していた。勉強の方は大赦の人が見てくれたりした。

 

 

 

そして中学校の入学式、僕は彼女たちと出会うのであった。

 

一人は車椅子に座った少女。

 

もう一人はその少女と親しげに話す少女。

 

「あ、はじめまして、私結城友奈。それでこっちは」

 

「東郷美森です。出来れば東郷って呼んで欲しいかな」

 

「結城に東郷か」

 

「私は友奈でいいよ。貴方は」

 

「俺は桔梗。神宮桔梗。よろしく」

 

この出会いから全てが始まろうとしていたのは僕たちは知らなかった。

 

 

 




初めまして水甲です。ずっと書きたかったので書いていきたいと思います。
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